雲間の朝日に想うこと


< 独りだけ遅れているのですか >


経験値の高い筈である人間程、
逆に雁字搦めに陥って、
そこには辿り着けないのだろうか。



自身に経験の無い事柄を、
技術と伝聞とで必死に埋めて。
知識と想像とで、
経験を乗り越えようとして。

何度も何度も、
辿り着こうと努力した場所。

あっさりとその場に辿り着いた小さな彼に、
途方も無い力を感じてしまう。





もしかしたら人とは、
生きれば生きる程可塑性を失い続けて、
成長では無く退化を続ける、
そんな生物かも知れない。



垣根の無い柔らかい物が、
隣の異物を飲み込んで溶かし込んで、
また新たな形に変わったかの様に。

小さな彼はもう、
別の姿を獲得出来ているんだ。















貴女が少しだけ我慢をした、
嬉しい報告が、
俺の耳元に届いた。



 「今度来るんだよ。」
 「本当に?!」

 「泊まっても良い?」
 「良いよ良いよっ!」



小さな彼と貴女とで交わされた、
口調は軽いけれど、
中味は重い意味を持つ会話。



俺の存在が初めて、
小さな彼に伝えられた瞬間。

俺の存在を初めて、
小さな彼が容認した瞬間。
















貴女は子供の様な人だから。
小さな彼と同じ目線に、
ふわりと降りて行ける人だから。

きっと貴女は、
俺の事を包み隠さず残らず全て、
話しているに違いない。



貴女にとっても、
俺にとっても、
嬉しい事には違いないけれど。

何となく、
取り残された様な想いが、
胸に燻る。


2003年05月14日(水)


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2002年05月14日(火) イイ女になってくれますか





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