雲間の朝日に想うこと


< 感謝をしても良いですか >


貴女に毒の矢を突き刺したのは、
他でも無く俺だ。

貴女に刃を向け抉ったのは、
他の誰でも無く、
俺自身なのだから。


僅かな空き時間を利用して、
貴女の声を聞いて、
疲労回復を図ろうなどと言う行為は、
虫が良過ぎたに違いない。




 「何であの人の名前を・・・」



貴女の問い掛けは、
極当たり前の行為なのだ。


例え話し合ったとは言え、
一度切りの会話で、
事の収拾を図ろうなどと言う行為は、
虫が良過ぎたに違いない。















言葉に詰まった俺に対して、
無口になった俺に対して、
貴女は同じ言葉を言い続ける。



 「何で黙るの?」
 「何で黙るの?」
 「何で黙るの?」



貴女の問いは正解。
俺の行為が不正解。

貴女の問いは当然。
俺の行為は不自然。



それをどんなに理解していようとも。

事実と想いと行為が噛み合わないのは、
紛れも無く貴女への甘えなのか。










もう話し合ったじゃない。
もう解決したじゃない。


何故疲れ切った今、
その話で俺を追い落とすの?

貴女は俺を支えてくれないの?
貴女は俺の状況を察してくれないの?


交錯する想いが、
開かぬ口をますます閉じる。





もう切らなければ。
もう行かなければ。


こうやって電話を切れなくなるんだったら、
五分だけ声を聞かせようなんて、
そんな想いはやっぱり捨てるべきだよな。

自分で考え、
自分で結論付けて。


自己中心的な想いが、
開かぬ口をますます閉じる。























 「考える余裕もない時に言うことじゃない。」
 「責めるような事言ってごめんなさい。」




貴女から届いた深夜の手紙。



何も言わなかったのに。
何も言えなかったのに。

貴女はちゃんと、
俺の想いを把握して理解していた。









感謝。


貴女はちゃんと成長しているのに、
俺はちっとも成長していないな。


2003年03月06日(木)


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History
2002年03月06日(水) 冷静に俺を見ていますか
2001年03月06日(火) 話せない事があるのですか





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