雲間の朝日に想うこと


< 何の為の嘘だったのですか >


嘘が表に出れば皆が傷付く事など、
わかり切っている。
だからこそ吐かなくて良い嘘なら必要ない。
嘘は最小限で良い。

そして。
後で事実を話さなければならない嘘なら、
覚悟を決めて嘘を吐くんだ。









貴女が俺の存在を隠した理由は、
貴女の隣に居た男の為だと思っていた。
俺と貴女が少しでも長く続く様に、
事を表沙汰にしない為だと思っていた。

今なら嘘を吐く必要もない。
今なら俺の存在を隠す必要はない。






親友に対して嘘を突き通して来た事は、
親友に対する大きな裏切りだ。

嘘で固められた貴女を必死で支え続けてくれた親友に、
全ての事実を話して、
処刑台の上で審判を待てば良い。
嘘の代償として受ける罪は、
俺も一緒に被ってやる。


そう思っていた。






違っていた。









 「貴男と親友が話し辛くなるから・・・」
 「貴男の為に嘘を吐いた・・・」









人のせいにして、
人のせいにして、
人のせいにして。

そんなふざけた嘘に傷付けられた貴女の親友達に、
俺はもう顔向け出来ない。


2002年09月16日(月)


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