雲間の朝日に想うこと


< 二人きりは寂しくないですか >


お互いの過去。
お互いの現在。

自分の知らない相手の時間を、
その場にいない自分も共有できる物。

 「写真」

よほど言えない秘密の時間でない限り、
自然に見せ合う物。

二人を繋ぐ貴重な物。



こんな簡単な事なのに。

いや。
簡単な事だからこそか。

お互いが特殊な関係にある事を痛感する。






写真の交換なんて、
俺と貴女の間では自然な行為。

けれど貴女の大切な友人にとっては、
決して許せない背信行為。

貴女の友人の怒りは当然だ。

自分の知らない男が自分の写真を持っていれば、
不安感・不信感で堪らないはずだ。





秘密の尻尾の先を漏らしてしまった後、
浮かんでくる感情に押し潰されそうになる。

貴女へのお詫び・・・

自分の軽率さ・・・

そして俺と貴女の関係は、
他人には秘密の時間でしか存在し得ない事に。





貴女の友人でも、
俺の友人でも、
見せてあげる事ができない。

お互いの友人と一緒に過ごす時間は、
永遠に許されない。



二人が恋人として過ごす時、
世界には二人だけしか居ないんだ。


2002年05月16日(木)


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