雲間の朝日に想うこと


< 月明かりの魔法は効きましたか >


まだ始まったばかりで、
砂山のように脆くて頼りない、
そんな二人を見守るかのように・・・

明るく光っていた月明かりが、
そっと静かに姿を消した。


 「離れているけれど、同じ月を見ているんだね。」


あの時お前を想って、
あの空を見ながら言ったたわいも無い言葉。

それが今、
大きな力を持っている。




なんとなくお前を遠くに感じる日々。
俺の問いかけにも返事が返ってこない・・・

そんな中、
俺はあの時を想い出していた。



 今ちょうど月を見ているよ。
 今晩は月食だったんだね、
 さっきTVを見ていて気がついた。

 去年の夏だっけ?
 一緒に月食見たの。
 きれいだったよね!

 今日は・・・隠れちゃったよ・・・



あんなに問いかけても返らなかった返事が、
すぐに届いた。

お前も同じ時を想い出している。



二人の歩みが、
ちゃんとお互いの胸にある。


揺らいだ自信を取り戻す事が出来た・・・
揺らいだ絆を結び直す事が出来た・・・


今夜の魔法使いは、
月のかくれんぼ。


2001年07月05日(木)


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