なべて世はこともなし
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2007年07月25日(水) 毒日記:教育の必要性について偉そうにタレる





アイルランド人の悪口は書きたくないのですが…(という口上で始まるということは、今日の日記はアイルランド人の悪口)。はっきり言って毒日記です。アイルランド人の悪口を聞きたくない人は読まないほうが正解です。


あまり行きたくはないのですが、Northside Shopping Centreに行ってきました。ここ、基本的にガラのよくないエリアにあり、ショッピングセンターの中も垢抜けないといえばていねいな表現で、殺伐としてるというかなんというか。早い話が近隣住人のガラがよくないから、客層が悪いわけ。


私の大好きなSuperquinnもあるのですが、他と比べると、こちらもなんだかダメダメ感が漂っています。店に元気がないというか、なんというか。じゃあなんでお前はそんなとこに行くんだよ…ということになるのですが、実は、会社からもらったン万円分の商品券(ま、ボーナスみたいなもの)が、「Liffey ValleyとNorthside Shopping Centre(と他数箇所)共通商品券」という、わけのわからん代物。


ほとんどLiffey Valley Shopping Centreに行く機会のない私、2年前にLiffey Valleyでこの会社からもらった商品券でソニーのHi-Fi(ステレオ)を買うという大物買いで大失敗をしたので今年は地道にNorthside Shopping Centre の中にあるSuperquinnで食品の買い物に使っているわけ。


そんなわけで、場末のSuperquinnで食品の買い物をして、隣接の酒屋へ。この酒屋、安い。ビールが安い。(北アイルランドほどではないにせよ)ものすごく安い。というのも、消費期限が切れかかっているビールをどっかから安く買い叩いてきて、売っているわけ。今日目についたのは、チェコのバドワイザー10本10ユーロ。確かに消費期限は迫っているが、安い。これは買いだ。


というわけで、山積みされているビールをふたケース、つまり48本をレジに持っていく。レジには申し訳ない言い方だがいかにも頭の悪そうなお姉さんが立っている。


レジのバーコードの機械で、ケースについているバーコードを通そうとするが通らない。親切な私は(←自分で言うか)レジにケースに入っていない別の1本を持っていってあげました。そう、10本10ユーロということは、1本1ユーロでバーコードを読ませて1かける48で48ユーロ…ですよね。ところが、そんな当たり前の論理がアイルランドでは通用しないのです。


お姉さん:「53.52ユーロです」


はい?クレジットカードを出そうとしていた手が止まってしまった。誰がどう考えてもおかしい。


私:「48ユーロじゃないの?」
お姉さん:「レジにそう出ています
私:「だって10本で10ユーロ…ってことは48本で48ユーロじゃないの?」
お姉さん:「(しばしの沈黙)私、ここに立っているだけですから(“I'm just standing here”)」



唖然。


以前にもこの「私、立ってるだけですから」ってのを数度、聞いたことがある。これ、意訳すると、「私は何も知りません」店員としての責務だとかそういうものを一切放棄してしまっているわけ。そして、計算することや、考えることも一切放棄してしまっている。私が店長なら、こんなアホタレは即刻クビです。


で、このお姉さん、そのまま何もしようとしない。こっちもわざと何もしようとせずに相手を待つ。そう、二人で十数秒にわたり、ガンを飛ばしていたというお笑いな状況。


すると、ようやくお姉さんは折れて、上司を呼びに行く。上司いわく、


上司:「これは10本で10ユーロだから、あと2本足して50本にすると50ユーロになるよ」


とのこと。


であと二本買い足してみると、果たして50ユーロになった。


この店員の考えることを放棄したアホさ加減も特筆ものだが、この10本10ユーロというやり方にも十分問題があると思う。むろん、10本10ユーロなんだから買う数は10の倍数じゃないといけないと気がつかなかった点は私も悪い。


しかしながらこのビール、4本でひとつのバンドル(くくり)になっているのでこのビールを売るときは4の倍数じゃないとおかしくなるわけ。8本8ユーロとか12本12ユーロとかならわかるのに、4の倍数でない10本10ユーロとか設定するもんだから、4本が6つのバンドルになっているケースで買うときに端数が出てくる。そんなことはコドモでもわかりそうなものだが(そういえば、このくだりで「アルツハイマーの人でもわかる」といって顰蹙を買った政治家がいるようで。私も「全日本コドモ協会」あたりから怒られるのかな)


おとなりのイギリスではスーパーでビールを買うときなどはこの4本が基本単位になっていることが多いのに、なぜかアイルランドではこういう不思議な端数の出る商法が当たり前に行われている。


ここからは完全に蛇足(=毒分豊富)なのですが、こういうアホタレに会うたびに教育の必要性ってのを実感するのです。こういう比較が正しいのかどうかは知らんけど、日本にもアホタレはいる(私もアホタレだけど、質の違うアホタレ…と自分では思っている)。だけど、その一番底の部分がアイルランドのほうが底なしに悪い気がするのだ。日本の義務教育では、少なくとも四則演算が出来て漢字もある程度書けるような教育水準まで持っていっていると思う。


が、その点このテのアイルランド人に会うたびにアイルランドでは一体どーなっているんだと疑問に思ってしまう。なんで1かける48は48ユーロという論理が通用しないのか、私にはさっぱりわからない。そりゃ頭のいいアイルランド人もたくさんいるし、頭が悪いから人間としてもダメだとかは言えないのはわかる(実際この店員のおねえさんも、決して悪い人じゃなかったとは思う。店員としては使えないけど)。だけど、上の層と下の層の差が、あまりに違いすぎると思うということは言えると思う。


で、日本でも格差社会が話題(あるいは選挙のネタ)になってるけど、がんばった人がお金持ちになることはやぶさかじゃあない。でも、すべてのコドモにちゃんとした教育を受けさせて、高い教育水準を維持した上の格差でないといけないのではないかと、1万キロ離れたアイルランドの地で愚考したわけであります。


以上、Snigelの駄事騒音でした。まあ、こんな偉そうなことを言うのも、たいがいにしときますわ。




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