| 2022年05月27日(金) |
外出の予定がふたつもあったのに、それらをすっ飛ばして、家から出たくない病にどっぷりはまってしまった。もう何もしたくない、何もやりたくない、何も見たくないし聞きたくない、もうすべて知らない。 閉じ篭って引きこもって、丸くなって、眠りを貪った。いや、眠りたかったわけではない。起き上がりたくなかったんだ。身体を一ミリも動かしたくなかった。 意識が戻ると、あああれしなくちゃ、これしなくちゃ、と一瞬思うのだが、もう知らない私は知らないどうでもいい!と気持ちが折れるばかりだった。あれは一体何だったんだろう。もののみごとに折れていった。 もう何も見たくない聞きたくない知らないもう知らない!どうでもいいすべてどうでもいい。どうにでもなれ。 ―――いや、それさえも、どうでもよかった。何がどうなろうと知ったこっちゃなかった。何も考えたくない。そういう沼に堕ちていた。沈んでいった。 でも、沈むだけ沈んで、今、けろっとしている。いつもどおりのところにまで浮上してきてしまった気がする。これは一体何なんだろう。 昨日と今日とにあまりに差があって、何がなんだかわからない。私の中で何が起きたんだろう。身体も痛みも半減した気がする。 そういえば、先週、別れ際主治医が、本当に二週間後でいい?と私に訊いた。私は訊かれている意味がすぐに分からず、一瞬戸惑って、でも、そんな先生が心配するようなことはないはず、と勝手に思って、はい、と応えたんだった。 あれは。先生は、見抜いていたんだろうか。不思議。
今椅子にも座れるし、台所に立つこともできるし、珈琲も淹れることができた。大丈夫、普段通りだ。 でも昨日はそれができなかった。全く何もできなかった。全く何もできない、という、本当に見事にその状態だった。 椅子に座る気力もない、身体を起こしている気力もない、出されたものは食べるけれど、すぐへなっと身体を横たえたくなる。実際横たえてしまい、意識を失う。その繰り返しで。窓の外風がびゅんびゅん吹いていて、薔薇が横殴りになっていて、ああ折れそうだ大丈夫だろうかと一瞬思ったことを覚えている。でもそれも一瞬で、意識が遠のいた。 こんなことって、あるんだな。
もうじき夜明けだ。新しい今日が始まる。大丈夫、もう大丈夫。昨日はもう過ぎた。越えた。ここからまたいけばいい。それだけだ。 |
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