ささやかな日々 / 浅岡忍

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2020年05月16日(土) 
雨。一日雨。しとしと降っている。このまま梅雨に入ってしまうのかしらんとちょっとげんなりする。

息子と二人でこの家に閉じ込められる一日を何とかやり過ごさねば、と、考えて、お菓子作りをひたすら為すことにする。まず寒天。ノーマルな寒天と、抹茶寒天とあずきの寒天と。火にかけた鍋の中身をかしゃかしゃ泡だて器でかきまぜるのが彼のツボに入ったらしく、「僕がやる!」と言ってきかない。しかし熱いからすぐ「交代して!氷で冷やすから!」と。その繰り返しで三種類作る。
それからシナモン好きな息子に何がいいかと考え、スパイスシフォンケーキを作ることにする。シナモンとナツメグとクローブ。本当はクルミもいれたいのだけれど息子が嫌いだからそれは省いて。せっせとバターに砂糖を混ぜ込みふわっとするまでひたすらシャカシャカ。息子が「もう手痛いよ!」と呻く。まだだよーんと返事をする私。そのかいあって、何とか形になる。
最後はシナモンクッキー作り。シナモンとジンジャーを混ぜ込んで作る。「これ大好きな匂い!いい匂い!絶対おいしいのできるよ」と息子が鼻をひくひくさせる。

家人がオンライン講習を受けている間をとにかく何とか過ごさねばならぬ、ということでこんなにもお菓子を作ってしまったが。一体誰が消費するんだろう? 作り終えた品々を眺めつつ思う。これだけ食べちゃったら絶対豚さん化するよなぁ…なんて。

オクラも向日葵もネモフィラも。みんな元気に雨を飲んでいる。薔薇は強風が続いたせいでまた新葉がぼろぼろになってしまった。この場所に住む者の運命なんだよごめんね、なんて私は彼らに声をかける。いや、住んだのは私で、君たちはここに連れて来られちゃっただけなんだけども。申し訳ない。

夜、「絶対音感」の続きを読む。まだ全然進まない。読むほどに面白くて何度も同じところを繰り返しよんでしまう。今、戦争にどのように絶対音感が使われてしまったのかが描かれている箇所。私がこの時代に生きていたらこんなふうになっていたのかもしれないと思ったらぞっとした。しかも、戦争に利用されたという意識をもてないまま利用される怖さ。言葉では言い表しようのない恐怖。嫌悪感。
祖父母から昔、戦争の話を数えるほどだけれど聞いた。その時の怖さがありありと蘇る。
過ちは、繰り返してはならない。


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