ささやかな日々

DiaryINDEXpastwill HOME


2020年04月26日(日) 
Kさんが山ウドを宅急便で山盛り送ってくださった。早速下処理を施す。せっせと薄皮を剥き薄切りにして酢水に晒す。本当は天ぷらにしたいけれど、うまくできるという自信がまったくもってないので、すべて炒め煮にしようと思っている。今夜はまず厚揚げの炒め煮。明日はきんぴら。
下処理を終えた頃には指先が灰汁で茶色に色づいていた。何をしても容易に落ちない。諦めて料理にかかる。そうしているうちにオットと息子が短い外出から戻ってくる。

父の誕生日。家電に電話しても父の携帯に電話しても出ない。もしやと思い母の携帯に電話すると「今食事してるところなの、お父さん?いるわよ」と電話を代わってくれた。
お誕生日おめでとう
コロナ大丈夫か?
大丈夫、大丈夫、そっちは?
何とか大丈夫だよ。
もともと多くを語る人じゃないので、父との電話はすぐ沈黙になってしまう。こちらは大丈夫だから心配しないでともう一度念を押し、電話を切る。
疎遠になっていた数年間を除いて、私は毎年この日、父にメールか電話をする。昔は作務衣や印鑑ケースなどプレゼントも贈ったりしていた。でもいつしか電話かメールだけになった。
父と私は仲がいいわけじゃない。むしろ仲が悪かった。だからこそまったく連絡を取らない数年間があった。それを経ての、今、だ。
父が大好きか?と訊かれたら、私は首を傾げてしまう。正直好きとか嫌いとか分からない。ただ、父が私の父であるということは今はもう受け容れている、ということ。

連休明け仕事が始まる前にと娘にマスクを縫う。ちくちく、ちくちく、針を進めてゆくうちに、そういえば昔々、娘がまだ保育園だった頃はよく縫物をしたものだったと思い出しくすり笑う。私はパッチワークはする癖に、縫物が正直好きではない。縫物より編み物の方が断然好きだ。編み物は何故か、ぽっと灯が燈るような気がして編んでいるとほくほくしてくる。その温い感じが好きなのだ。でも縫物は、私を拒絶していた昔の母を思い出して胸がちくっと痛む。今でもまだ。

山ウドと厚揚げの炒め煮は家人も息子もぱくぱく食べてくれた。ほっと胸を撫で下ろす。初めて料理したから大丈夫だろうかと心配していた。よかった。食後、今朝作った苺のレアチーズケーキをみんなでつつく。ちょっとレモンの味が強かったかなと私は思ったのだが、みんなが大丈夫!と言うのでこれでいいのかもしれない。まぁ良しとしよう。

薔薇の蕾が、あと少しで開きそう。あと少し。


浅岡忍 HOMEMAIL

My追加