過去日記倉庫(仮名)
もくじもどるすすむ
フリフリおれ的わたし的ベスト2007はこちらより


2007年01月31日(水) フラッシュバック

  
月末ですね。生きてんじゃん。隣りの席のkyn君は虫も殺さぬ美男子なのですが、何食わぬ顔でクレームをやっつけて偉いことです。こっちまで受話器から漏れて聞こえるほどうるさいお客様をいなして、わがままボーイだねなんて鼻で笑った所でシビレてしまいましたよ。かっこいぃぃぃ。うーん、私もいじけて酢だこになってる場合じゃないですよね。

安謝交差点を過ぎてちょっと曲がった所に、懐かしい風景が広がっている場所がある。高架が大きくカーブして夜景が美しく広がる所。あの晩職場の立川の工場から逃げ帰った時の風景によく似てる。初めてそこを通った時吐き気を覚えたほどだ。捕らえられる感覚。落とし穴に落ちる、罠にかかるあの感じ。あのしくみはどうなっているのだろう。

行き倒れて、飢え死にしても構わないからそういった所には立ち寄らず、用意されてもどこまでも逃げることにして、今まで来たつもりだった。朝の始業を待って高ぶった群集、座れない電車やバス、決められた言葉しか交わせない食卓、閉ざされて出て行けない地下室、薄明るい蛍光灯の点った逃げ場のない会議室などなど。意外にもそういう場所は至る所にあるので、私はそのまま世界の表面をすべって過ごすだけで何も手にすることなく(むしろ手放し続けながら)、いなくなってもいい時間を見計らって退場するだけなのだなと思っている。愛があるとかないとか関係ない、自分の原則みたいなもの。

うまくいってると思ったら、無防備なことも忘れて再び捕らえられていて、久しぶりに倒れ込んだ。油断していた。冷たい路面に転がって、また起き上がるしかない。あの立川通りで公衆電話の受話器を置いた時の感じ。認知が狂っていて、どうしてもその仕事をしなきゃいけないと思い込んで電話をかけたのだった。予想通りろくでもない仕事で(今思えば好奇心もあったし、やってみればよかったなと思う)、すぐに来てという相手に言葉を濁して会話を断った。ついさっきのことみたいに懐かしい。早く忘れなければ。


--------

先日タワレコでおお、ECDの新譜!と思ったら去年の夏に出ていたCrystal Voyageチャットモンチーのシャングリラとともに購入。シャングリラは流行ってる時から気になっていて、カラオケで歌えるようになりたいな〜(馬鹿)と思って買いました。変拍子だよねー。このリズムでないといけなかったのかなあ。切ない。アルバムはTSUTAYAで借りたけどよかった。コピバン組みてえ。

ECDさんのは相変わらずディープというかドープというか、ちゃんと聴けてないけどはまりっぱなし。ぜんぜん接点無いはずなんだけど、好きなのかなあやっぱり。エレカシの昔の曲を聴きたくなりました。自家中毒になりそうだけど…


2007年01月29日(月) マーダーボール、RIZEなど

今月はドキュメンタリー月間でした。久しぶりだこんなに見たの。特に送還日記みたいな政治的な作品は数年避けていたので本当に久しぶりだった。渋谷シネ・アミューズのトークイベントいいなあ…こんなことやってたんですね。まあでも作品だけでも見れてよかったです。

これとディア・ピョンヤンを合わせて見て、気軽に感想を書けるものではないんだけど、単純に人間が生きてるってすげえなあというのを思えてよかった。特にディア・ピョンヤンはホームビデオでもあって、若い頃からがんがん社会運動や団体づくりに奔走していた父親が老いてプライベートな顔を見せるようになっていく、その経過がおもしろかった。監督は10年カメラを回して最初の2年は撮らせてもらえなかったそうですが。ドキュメンタリーって本当に一人称の表現で、撮る人の視点に入り込んで見せてもらうというのが心地よかった。

洋物はマーダーボールとRIZEとブロックパーティ。気軽に見れる作品でよかったです。米国ではケーブルテレビにドキュメンタリーのチャンネルがあるらしいですが、一日中いろんなのが見れるんでしょうね。政治的な作品じゃなくてもいろいろ見てみたい。

マーダーボールは予告編を見てよさそうだったので、そんなに期待してなかったけど招待券を使って見ました。MTVが協力してるだけあって音楽がめちゃくちゃよかったです。8割方それを見に(聴きに)って感じ。試合や練習中の場面のメタルやハードコアのサウンドとか、感傷的な所の音楽もよかったなー。使い放題なのだろうか。scoreのクレジットにJamie Saftの名前があったんだけど、テーマ曲作曲ってことかな?確かに彼らしいえぐい曲ではあったけど。

競技用のごつい車椅子に面構えのいい男どもがそろって、ドキュメンタリーなんだけどすごいドラマチックで漫画読んでるみたいでした。なんかもうPV状態。トップに載ってるズパンさん(かっこいー)の他にもいろんな方がそろってます。私はアンディさんが好みー(馬鹿)その中でUSAチームで年齢的にも戦力外になったため、カナダに移ってチームの監督に寝返ったジョー・ソアーズがすごかったですね。

今までチームメイトだったので手の内全部わかってるわけですよ。裏切りだとさんざん叩かれて、でも戦いたいんだよね。むしろ燃える(笑)っていうか。業だなあ…まあ見てる側からするとすっごいおもしろいんだけど。結局アテネのパラリンピックで負けて解雇されるんだけど懲りてねえしなあ。前行くしかないんだよね。何なんだろう、この強さ。上で紹介した送還日記で政治囚としてギネスに載るほど長期収監されていた方とか出ていて、長年閉じ込められるだけではなくひどい拷問も受けていて、どうしてそれに耐えることができたのか、という問いに対する答えが本当に単純で、「そこに暴力があるから」というしかないということだった。そこに困難、厄災があるから強くなれるの?まあもちろん単純じゃない、今の私にはうまく説明できないことなんだけど。勝てなかった人の方が大多数だし。

作中で事故にあって病院から退院したばかりの若い人が車椅子ラグビーを始める所があって、本人は子どもの頃からバイク乗ってて、事故にあってもそのうち治ってまたバイクに乗れるようになると思ってる。車椅子ラグビーのメンバーに会っても僕はそのうち治って歩けるようになるけど、その時はやめないといけないですよね?とか言って。それでも競技用の車椅子に激しく興味をひかれて乗せてもらって、いいねこれ、ぶつけていい?とか言いながら、周りの人に病院の中だからと止められながらズパンの車椅子にコツコツぶつけてみる場面ですごい嬉しそうなのが印象に残った。そうやって始めるんだな。

RIZEはDVDで。ダンス好きとは言えどもHIPHOP好きじゃないし、こんなジャケ手に取ることもなかったのですが見てみました。ダンスというよりも、中でクラウン(ピエロ)として活動する青年が出てくるという話をどこかで読んで、それを見てみたかったんですよね。

そのトミーという青年は92年のLAサウスセントラルの暴動をきっかけにしてイベント出張の仕事を始めた。ピエロとダンスって???って感じなんだけど、彼はアフリカ系なのでダンスやHIPHOP音楽と不可分っていうことなのかな。車でPAシステムを持ち出して、通りに居る人たちを躍らせてゆく。子供を抱き上げて、風船をあげて。すぐに顔が知れてダンスチームがどんどん増えて、ギャングかダンスというか殆どDance or Dieみたいな状況になっていて考えさせられた。みんな踊れるわけじゃないしな〜なんて、そういうのがむしろ気になったりした。

でも映像が驚異的で目が離せない。監督のデヴィッド・ラシャペルは写真家で作品を見るとすごいデコラティブで(ジャケがそんな感じだな)作り込む感じなんだけど、このドキュメンタリーは解説で言っている通り、なるべく作為の無い自然な感じを大事にしている。例えばナレーションを入れずに全部被写体に語らせるとか、編集もそんなにあざとくないと思いました。手ブレで酔ったりということもないし(笑)。

トミーが中心になってできたクラウンダンスからパーティ用のストリップ、もっと戦闘的でダイナミックなクランプ、バレエの要素が入った教会でのダンス、といろんなスタイル(派閥)が紹介される中で、ひときわ目をひいたのがクランプ。既に日本でも定着しているスタイルのようですが、やはり地元でのセッションがはまる。強盗とか喧嘩とか警察とのやりとりといった路上の現実のイベントをモチーフにしてるんだけど、数人のアンサンブルで振りがちゃんと構築されて作品になっているのがすごいと思った。映像にもそれが現れていて、撮ってる人と一緒に、なんだこりゃ!すげえな!!と言いながら見る気分だったね。

セッションていうのは倉庫とかスタジオで、みんな集まって踊ってるんですよ。自然に競争・淘汰状態になっていて、この人たちって、どこでも何でもセッションにしてしまうのかと思いました。かのビバップが盛り上がった頃ってこんなだったのかな〜なんて。見てると音楽流してないっぽいんだけど、どうなんだろう。音楽がずっと頭の中で流れてて、嫌なことがあるとそれに救われると言う子もいて、もうテンポとかリズムっていうのは体の中にあるってことなのかなあ。にしてもあの動きは何なんだろう!

いちばんの見所はやっぱり終盤のクラウンvsクランプのダンスバトルコンペでしょうか。音楽もすごいし、編集がいいし、このチャプターだけ10回くらい見てますね。最初のラニーニャvsプリッシーのキャットファイトから終わりのがきんちょ対決(でもめちゃくちゃうまいんだこれが)まで、もうみんな本気です。外野もギャーギャーうるさくて楽しそう。その中でタイトアイズという青年のパフォーマンスがすばらしかった。この作品にはすばらしい踊り手が何人も出てくるんだけど、この人のスタイルは本当に好きだ。

専門的なことはよくわからないけど、クラウンの振りを引用して批評しつつ揶揄りつつ敬意や愛情も同時に込めるダンスを審査員のトミーに見せつける。彼もそれに撃ち抜かれて(!!)文字通りふっとんでるのね。何分もしない短い時間のやりとりなんだけど、これには目が点になりました。全く言葉を使わないで直裁にメッセージを伝えて受け取ることができるんだなと改めて思った。

昔ジャズを聴き始めた時に、レコード聴いたりいろいろ本を読んでジャズって言葉じゃない方法で政治的メッセージを伝えることができるんだ、こんなことが可能なんだっていうのがわかって目が点になったんだけど(笑)、その時のことを思い出しました。特にこのクランプダンスなんか、地元の文化的・教育的に劣悪な環境にあって、音楽学校もないしアフリカ文化についても知識がないし、殆ど全てを今の自分の中から湧くものを使って創り出してるっていうのがおもしろいなと思いました。名手あってのシーンなんだけど。よくそれを取り上げて、撮ってもらったなと思う。それこそダンスなんて、明日同じものを踊れるかわからないし。

ちなみにRIZEのタイトルはキング牧師の言葉からとられています。成り上がりっていうよりも昇華っていうニュアンスを読み取りたい所だけどどうだろう。これ見た後に桜坂劇場にブロックパーティ見に行ったんだけど、残念ながら自分は楽しめなかった。HIPHOPってだるくてつまんねえ…有名な人ばっかり出てたんだけどなあ。ローリン・ヒルの優しく歌っての所くらいかなあ。あとエリカ・バドゥが巨大なアフロのウィッグで、風が強いのでだんだんずれてきてええい!という感じで取っちゃったのがよかった(笑)。

あとエンドクレジットで流れた主催のコメディアンのデイブ・シャペル(上の監督と名前がだぶるなー)のブルースとか。マディ・ウォーターズ風に、今朝4時に起きたよ(ブルー)、で2度寝して昼に起きたぜ(ブルー)、でまた寝て夕方4時に起きてさ(ブルー)、芸人だから仕事が無えんだよ!、みたいな12小節仕立てのコント(笑)。まあそれがブルースなんだけど…この方の芸風がひねりが無くてやや下品で飽きるのが残念。でも作中リサイクルショップのピアノでいきなりモンクのラウンドミッドナイト弾き出したのにはびっくりした。下手だけど味があってすてきでしたね。


2007年01月17日(水) 水曜日

雑誌T.V.EYEがアマゾンから届きました。届いてから気づいたのですが、全部英語じゃん(笑)。そうか、字幕とか無いのか!というわけで、DVD付きなんだけどインタビューの内容とかぜんぜんわからない。でもいいわ…最後のSunn O)))+Atsuo(from Boris)のライブ映像が見れただけでも感激。

時間は短かったけどすげえなあ。本当に黒装束なんだ。(下のリンクの画像参照)Atsuoさんがぜんぜん違和感なく溶け込んでるよ。スクリーミングの音響とか、終盤でドラに行く所とかどきどきしてしまった。いいなああ。自分のしょぼいiBookでも音のでかさはうかがいしれましたがこれは生じゃないとね。Borisのライブっていつも煙もくもくだからAtsuoさんのドラム見れないんだよねー。5月のライブはどんなかなあ。

というわけで、5月のSunn O)))+Borisライブの先行予約もすませ、いそいそと振込みに出かけました。まあ、たぶん当日券で余裕で入れると思うんだけど、気分なんですよ!その後やはりタワレコへ。improvised from japan2006と舘野泉さんの左手に捧げられた作品集のアルバムその左手のために、原点に戻って(笑)グラント・グリーンのライブ盤Live at Club Mozanbiqueの3点を購入。まだ聴いてないので感想は後日。

で映画を見に行くために国際通りを歩いていたら絵を売る青年ゆうじ君を発見。おお、明るいうちに外出するとこういうこともあるのね。よくしば先生のライブに来てくれる方で、話には聞いていましたが本当に道で売ってるんだな!遠いところから自転車で通っているとか…ご苦労様です。ポストカード1枚150円なので買って下さい。よろしくお願いします。

せっかくなのでしばし立ち止まり、音楽の話とかしば先生に連れてってもらったといういいお店の話を聞いたりしてました。小禄のロックがかかるそばやさん(!!)って気になるわー。これか。名前まんまですね。しば先生っていろんなお店知ってるよな。楽しそうだね。

私はあんまり新しい所を開拓することがなくて(外食って本当ぜいたくなんで)同じ所ばっかり行ってます。今日も桜坂劇場向かいのcafe cosi cosiでごはん食べたな。しかもまた竜田揚げ丼。高菜漬け?がかかってるのがおいしいのね。本当こればっかりでいかん!次は別の食べよう。映画は桜坂劇場では見てなくて、エコールがすごい見たかったけどあきらめました。ブロックパーティーみるからね。さらに昨日たくさんDVD借りてきたのに今日外で映画見てくるって馬鹿なんだけど。まあ今週日替わりで楽しめるということで…


----------


映画は桜坂劇場のドキュメンタリー特集を追いかけており、送還日記まで見れました。すごいヘヴィなテーマではあるんだけど、過去に勉強していたことだったので、またちょっとずつ追いかけていこうかなと思っています。感想は後日。ああ、シュリとかJSAも見てないんだよね。見ないとな。

テレビをつけながら、ネットのニュースをのぞきながら日記を書いてるんだけど、なんか嫌なニュースばっかりだ。寒いからだろうか。そういう時間の流れに巻き込まれているのかと勘違いしそうだ。私も調子が良くないのであんまりまっすぐ見ないようにしてる。こういう時にネットのお気に入りの世界に逃げ込んでしまうんだなあ。

いろいろおすすめはあるのですが、映画の話で有名な空中キャンプがとても好きです。最近初めて見てしょっちゅう通っています。飾り気の無い真っ白のページ、ゆったり読めてほっとする文体。言葉を使うってそんなに悪いことじゃないかもしれない、って思わせてくれるのがとても嬉しい。こういうふうに書けたらいいのにな。こんな人になれたらいいのに。あんまりそういうふうに思うのってよくないんだけどね。


2007年01月14日(日) 灯台 / カメラ

仕事自体は忙しくなかったのにLANの不具合で長い残業。会社のPCでソリティアをやったのは初めてだ(笑)。さくさく解決していく上司かっこいい〜。何がどうなっているのかわからないけど。

帰り道、大通りからカトリック教会の駐車場を通り抜けて安里の裏道に入る時に、道を歩きながら灯台を見つめる。もちろん本物の灯台ではなくて、知らない人の家の屋上のアンテナにくっついているオレンジの小さな蛍光灯。何のためについているのかわからない、暗い光なんだけど、その色がとても暖かくて見るとほっとする。その時何を考えていても受け入れてくれるような気がする、って変かな。つい話しかけてしまう。神様、もうここからいなくなってしまいたい。

この前見たディアピョンヤンはよかった。初日に行ってよかった。詳しい感想は後日。単純にホームビデオとしてよくて、記録って大事だなと痛感。帰宅してビデオカメラを物色してました(笑)。どれがいいのか全くわからんけど。周りに写真やってる人とかドキュメンタリーを撮ったりしてる人はけっこういるのですが、私自身は全く映像を撮ることはない。見るのは好きなんだけどね。

監督のトークで、ドキュメンタリーを撮ることは相手に問いかける便利な方法なんだ、っていうのを聞いてそうかもな〜と思った。文字も音も大事だけど、映像って大きいよなあ。親とか今の実家を建て替える前に撮っとく必要あるよな〜とか思った。(10日の写真が夏の日の実家の玄関前です。)カメラ買う余裕なんてぜんぜん無いのだけど。


2007年01月10日(水) 水曜日 / リトル・ミス・サンシャイン

今日は誕生日だったわけなんですが、110番の日とか、立川モノレール開通日とかでもある。うっ、地味。appleのニュースもすごいことになってますね。appleTVにiphoneですか。あとさっきポストペットの誕生日でもあるというのを知ってびっくりでした。ポストペット使ってましたね。10年になるのか…ハムスターにしてましたよ。最近ソニーエリクソンの携帯にしたらポストペットがついているのが嬉しかった。使い方がわからないので使ってないけど、ときどきペットからメールが来るんだよ(はあと)。

昼頃起きたら家に母親来てて叔母がそろってて、久しぶりにハワイのおばさんに会ったりした。この家、犬猫含めて女しかいないんですが(男は仏壇のおじいだけ)、今日はひときわ女度高かったなあ。女というかおばさんというか、自分も中に居てほっとしたっていうのはやっぱり歳ですかね…

今日は国際通りを散策して映画を見た。初めて浮島通りを歩いたな。確かに服屋が多いですね。ポール・スミスとかおしゃれな店に混ざって古着屋もけっこうあったので、給料が出たら行ってみようと思う。最近着れる服がないからな〜普通のネルシャツが、流行ってるのにないんだよね。何だろう、普通のでいいんだけど。

後は桜坂劇場のワークショップの受講受付をしました。音楽のCDプロデュースや興行についての話が聞けるらしい。私は単純にミーハーなので、ブラジル関係のプロデュースで有名な中原仁さんとかmf247の丸山茂雄さんがどんな方なのか見てみたいってだけなんだけど。受付の名簿みたいなのがちらっと見えたんだけど、人数がぜんぜん集まってなくて不安を感じました。実際はどうなんだろう。人数そろわなかったら開けないらしいのでたくさん集まってほしい。

映画はリトル・ミス・サンシャインを見ました。去年の年頭に見たマカロニウェスタンとグエムル(韓国の怪獣もの)に続き家族物。これもよかったなあ。この所レンタルで見てるDVDがおもしろくないのばっかりだったので救われました。ちょっと嬉し泣き入ってた(笑)。

思ったよりベタに泣かせる感じで、わかりやすくてよかったです。口コミで公開劇場が増えたっていうのがわかるな。登場人物もそれぞれキャラが立っていておもしろかった。ミスコンが出てきたりとか勝ち組負け組という生臭いテーマがあったりするんだけど、きちんと人間愛に支えられている所があって、男性/女性、年齢層によって違うポイントで共感が得られるようにつくってあるのがうまいと思った。役者も本当にうまい。監督が夫婦二人でっていうのが肝なのかなあ。監督のインタビューを読むと人間好きな方なのだなあというのが伝わってくる。

私はもう主人公のオリーヴちゃんしか見ていなかったのですが(笑)。お兄ちゃんもゲイのおじさんもよかったのですが、この女の子がもうかわいらしくてしょうがなかったです。素直で自殺未遂したおじさんと話す所もぜんぜん嫌味じゃなかったのがすごい。アイスクリームの場面とか本当にかわいい。お腹がちょっと出てる所がいい(笑)。インタビューによるとつくりものだったそうですが。まじですか。しかし写真見ると普通に美少女ですよねー。

終盤のミスコンの場面では実際にコンテストに参加している親子が出演してるんだけど、すごいですよ。作りこみ過ぎててちょっと気持ち悪いかなあと思ってる所にナチュラルなオリーヴちゃんが並んでて、実際一番美人なんだよね。あとコンテストの楽屋風景を見ていて男どもが気分悪くなって、お兄ちゃんがこんなのナンセンス、妹を採点されるなんて許せない!と本気で怒ってる所とかすごいかわいかったです。こっちまで親バカ、兄バカが感染ってしまいました。

最後のオチも期待通りだし、特にマジックが起こることもなく終わるのもよかった。しかしあの黄色い古いワーゲンのバスを家族がかりで押しながら走らせるっていうのが絵からして美しいですよね。これが見たくて行ったようなもんでした。何度見てもぐっと来る所で。後は音楽が最初からとてもよかったですね。フォークというか民俗音楽というか、土臭い暖かい感じで和みました。


2007年01月04日(木) 笑う沖縄 / 曽我部司(メモ)

お正月は珍しく本を読んでました。笑う沖縄ユリイカ

ユリイカは去年映画を初めて見てノベライズされてるというので文庫を買いました。読んでみて映画でカットされた部分がわかったりとかはあったんだけど、まあ映画だけでいいかなあという感じです。あれは完璧な作品だった。役所広司や宮崎将・あおい兄妹等(あと国生さゆりがよかった)の存在感につきると思うんだけど。

それとは別に、青山真治の作品に連続して出てくる秋彦君というキャラクターがとても気になっていたんだけど、やっぱ文字だけだと印象が弱い。やっぱり自分としてはそれを演じた斉藤陽一郎の存在感が気になるんだなーと思いました。あのずけずけしゃべる声が好きだ。その前のHelplessも浅野忠信よか一生懸命見てたし(笑)。実は一番普通の価値観を持ってる人物なんだけど映画の中では鮮烈なノイズ効果をもたらす装置になっていて、そのあり方がおもしろいんですよね。青山真治の小説にはもっと出てくるらしくて読んでみたいんだけど、ちょっと面倒。なんか自分には小説を楽しむ感性に欠けてるんですよねー。青山真治の文体が好きじゃないのかなあ。

笑う沖縄はクリスマス頃に仕事帰りにTSUTAYAで見かけて買ったものです。沖縄の芸能においてとても重要な人物である与那覇舞天(よなは・ぶーてん)の評伝というかルポルタージュ。まとまった形で紹介されるのはこの本が初めてなんじゃないかと思います。地元の出版社からも出ていないはず。私も照屋林助さんの思い出話とか断片的かつ伝説化されたイメージしかなくて、興味はあるんだけどなかなか知ることができない話でした。21世紀を過ぎて、しかも沖縄の方ではない著者によって、しかも沖縄フリークではない方(だからこそ、という気もする。芸能関係はいろいろしがらみがあると思うし)によって書かれたというのがとてもおもしろいと思いました。

今日は簡単なメモで。だいたい沖縄の本というと書いてる方がだいたい決まってて、特に芸能関係だとやっぱり先ずファンというか、沖縄が好きという大前提がありますよね。でもこの曽我部さんはそういう方じゃない。略歴(Wikipedia)を見るとユーゴの民族紛争とか警察の汚職とかすごい硬派なテーマで本を出されていて、それがなんで今、与那覇舞天なんだろう?というのにひかれて手に取ったんだと思います。

著者がこのテーマについて書くようになったきっかけというのがまたおもしろくて、あるタクシーの運転手に出会って(実名で載ってるんですが)話をしているうちに見つけて書きたいと思ったというのが導入部で、与那覇舞天のことを語る人たちの笑顔にひかれて、ということでした。チャップリンやエノケンを語る時にも人はこんな笑い方をしない、そういう笑いを誘う人物とはどういう人なのか、というのが今回のテーマであったわけです。

布石のような形で岡本太郎の著作沖縄文化論〜忘れられた日本が何度か出てきて、その中のモチーフでもある、死や絶望と隣り合わせの美や、生命力の発露としての笑いという構図が前提されているようでした。そのコアの部分までには迫ることができていないように思ったのですが(やはりルポという形では難しいのかな。もっと強引な方法・力が必要なのかも)、著者は与那覇舞天という人物にとてもひかれていて寄り添おうとしているのが伝わりました。

それは著者が自ら書いているように、ずっと実際に戦場で生活していたり、戦うように取材をして書き続けてきて、ふと与那覇舞天の笑いの世界に出会い引き込まれていく経緯が、与那覇舞天やそれを見ていた沖縄の人たちの人生とシンクロする部分があったのかもしれません。(あなたの歳では戦争のことはわからないねと言うお年寄りに自分は戦争体験があるんだと伝える場面があったな)与那覇舞天のことを笑いを必要としている人に与える人、というふうに表現しているんだけど、裏返せば著者自身が笑いを求めていて、ルポという方法で与那覇舞天のもとに赴いたんだなと思った。

与那覇舞天については、若い頃、もともと医者になるために東京に渡り、学びながら浅草の漫談などの芸能に触れて刺激されたこととか(私としてはこの辺に一番共感して興味がある所なんだけど)、敗戦後米軍の協力を得て沖縄の芸能を残そうと尽力する所とか、プロデュース業の先駆になったこととか、捉え所は多い。ただ原点としてどうして周りの人を笑わせる人になったのかということで、これについても与那覇自身の人生の中で災難や絶望に抗する方法として笑いが見出されたということが一番言いたいのかなあと思った。

特に戦争が終わって疲れきって悲しみに暮れる人々に向かって、生き残ったお祝いをしましょうと歌って回ったという伝説的なエピソードを資料を巡って修正する所が印象的でした。実際は先ず自分のために歌っているだけで、そこに人が集まってきたんだという話で、本当はどうなのかというのはわからないけど、そういう造形の仕方、捉え方がおもしろいと思いました。実は与那覇舞天はもっと大らかな人で悩まず好きなことをやり続けただけなのかもしれないし。本当のことというのはずっとずっと後でわかることなのかもしれない。


2007年01月01日(月) 元旦

お正月でした。更新早っ。男祭りを斜め見して実家へ年越しそばを食べに行ってきた。桜庭和志さんってかわいいよなあ。負けて残念。年越しそばはねぎが無くオオタニワタリの新芽(山菜風)を乗せました…相変わらずわけのわからないものが出てくる実家だな。私の部屋はとうに物置になっており、床が抜けそうになっているので張り替えようとか言ってた。その前に建て替えた方がいいと思うんだよねー。

一人でドライブしてさびしいかな?と思いきや、高速の料金所のおじさんにあいさつしたり、今月号の沖縄JOHOに出てるあいさつおじさんを58号線で追い越したり(宜野座で見たこともあるぜ!どこに行くのかなあ…)して和んで、そんなでもなかった。一人で居るのが好きなんだった。はは。車の中でかかってたのは全く季節感の無いCoccoちゃんマイベスト(笑)とECD/イリシットツボイ/久下恵生ライブ。いやーポッケにロックロック石ころ、いいねえ。今年も頑張る。

クストリッツァという名の黒ビール。疲れたので寄り道せず家に戻った。この前嫌なことがあって眠るためにお酒を飲んだのですが、眠るどころか酔いもせず、強くなったのか?!と愕然としてしまった。今も小瓶を空けたのですが、確かに酔わないぜ…多少ドキドキする所はあるけど。肝臓が強くなったんですかね?なんかぜんぜんときめかないお正月なんだけど、実家からしいたけをもらったのでお雑煮をつくってみることにした。当然餅が余るのでおしるこにも挑戦するぜ。ふふ…


aya_nkym |diaryJazz Boxantenna

即興アートWebRing
即興アートWebRing | 参加サイト一覧