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フリフリおれ的わたし的ベスト2007はこちらより


2006年06月30日(金) 復讐の音色 / ブロークン・フラワーズ / 親切なクムジャさん

映画の感想を。劇場でブロークン・フラワーズを見ました。ジム・ジャームッシュの新作というのと女優陣が非常に豪華というのがありましたが、特に筋とか主人公(ビル・マーレイ)に期待する所はなかった。自分の目的といえば、ジャームッシュの映画はサントラが重要なんですが、中でドゥームメタル(激重)のSLEEPというバンドの曲が流れるらしいがどんな場面なのか、というのと、よく文学系のアヴァンギャルドな作品に出ているティルダ・スウィントン(ナルニア国物語で魔女をやってた方です)がどんな役で出るのか、というのが知りたかったです。実際は同じ場面でしたが。田舎の小屋みたいなのに住んでて、つなぎを着て小汚い(失礼)のが新鮮だった。でもちょっとしか出なくていきなり泣き出して終わりかよ!!同じ敷地内に住む兄貴どもと一緒に主人公に蹴りを入れたい気分でした。

サントラはとてもよかったです。主人公が隣人に背中を押されて昔の恋人たちを訪ねるという物語なのですが、その近所に住む友達が地図とか切符と一緒にCDRを焼いてあげてるんですね。見てると何枚もあげてるみたいなのですが、これがエチオピアのジャズということで、劇中でかかってるのがとてもよかったです。なんというか、フレーズを取り出してみるとコルトレーンっぽい感じ(逆か、コルトレーンがアフリカ音楽を取り入れてるんですよね)なんだけど、このサックスの音があきれるほどく人なつこくてかわいらしい。同じフレーズをしつこくループのように繰り返して、解決することなくひたすら続いて行くのがまたどうしようもなくて憎めない。なんか日本の演歌っぽい親しみやすい歌い口だなと思いました。

とても昔、これも劇場でストレンジャー・ザン・パラダイスでフリーキーなブルースの流れる中で無表情のジョン・ルーリーのたたずまいがたまらなくおかしくて、どうしよう、ここで笑っていいものかとプルプルしながら見ていたのを思い出しました。懐かしい。そのスクリーミン・ジェイ・ホーキンスのI put a spell on youが人生で初めて聴いたブルースであることを告白しておきます。やばいね…そこと対比するのであれば、やはり旅立ち前夜にダイニングでひとりシャンパンを開けて(ジャージで)マーヴィン・ゲイの曲をかけている場面でしょうか。リンクした公式サイトで2番目に出てくる画面の所です。けっこうまんざらでもない表情で聴いてるのがおかしくて最高。私もちょっと聞き惚れてしまいました。マーヴィン・ゲイいいですね。

今日の題名はそれにかけているのではなく、親切なクムジャさんでした。音楽がすばらしくてエンドロールをチェックしていたらヴィヴァルディの曲が多かった。それでTSUTAYAで探して聴いてました。うーん、ロックくさい(これも逆ですが)、展開がねちっこくて感情的であの映画によく合っていたんだな。子供の頃にピアノでヴィヴァルディの曲を弾いたりしたことを思い出しました。なかなかトニックに落ちないんですよね。短くても長くてもしつこく続くフレーズの応酬、憂いのある通奏低音が続いて、違うキーのマイナーコードで幾重にもたたみかけるような所があって、とか。あの映画のキッチュな映像にもバロック音楽はとても合っていると思いました。オリジナルのテーマ曲もよかった。音楽担当のチョ・ヨンウクカルというホラー映画でもうまくクラシック音楽を使ってました。あれもとてもよかったです。

映画の中身に関してはまだちゃんとは書けないのですが、というかこの監督の映画はいろんな要素を詰め込み過ぎて(2、3本分の情報が入ってるのではないかと思う)なんかよくわからないというのが正直な所です。この作品も、終盤の遺族の復讐の話だけで一本つくれそうですよね。加害者を拉致してきて被害者を集め、法に任せるか自らの手による復讐かを選ばせて対面させるという所が非常におもしろかったです。コメディとして処理されているのが韓国的なのだろうか。遺族に殺されるチェ・ミンシクがすごい楽しそうに見えたな。この方はすごい。殺すのも殺されるのも楽しそうってどんな人なんだ。

たまたまECDIARYを読んでリンクした所があって、引用できるまとまったフレーズは探せなかったんだけど、確か自分の憎しみを他人や社会に委ねてはならない。ひとりひとりが無力だからこそ、そこにとじこめておかなければならないものがある。殺す権利を個人に認め、各々が悪しき感情に向き合い、堪能し、自らの責任においてその権利を行使しなければいい、といった文章があって、それを思い出しました。映画の遺族も結託して加害者を殺してしまったと言えるけど、自ら手を下すということでそれぞれが自分を逃れられない場所に釘付けてしまったのだなと思う。空中に居る自分にとってはなかなかリアルに感じられるものではないのですが、なんかいろいろ考えてしまう。


2006年06月28日(水) 水曜日 / 初恋

暑いですね。まだ6月なのか…この所主食がうどんです。この前外で食べたらおいしかったので家でも食べているのですが。オクラとか納豆とか入れてみたりしています。卵を半熟(温泉卵?)にするのが難しいですね。あとみぞれとかあずきバーとかガリガリ君とか食べて生きてます。小学生か。胃腸が弱いので冷えにも気をつけなければならない。とりあえず潜伏というか、なんとかこの暑さをしのぎたいです。あー氷ぜんざいはまだ食べてませんでした。今度食べよう。


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あまりの暑さに仕事が休みになったので(嘘)映画を見に行きました。初恋という映画。三億円強奪事件の実行犯が女子高生だった、という話でした。主演の宮崎あおいが好きなので内容は何でもよかったのですが、そんなに傑作!というのでもなかったな。この事件にそんなに思い入れがないとか、自分が産まれる前のことなのでリアルに感じられないとか理由はあるけど、これを見てこの事件について改めて考えたくなるということもなかった。淡々と話が流れ過ぎなのかな。あと汗臭さが足りない(笑)というのはあるかもしれない。時代考証はきちんとされているけどやっぱりリアルじゃなくて。これはしょうがないか。

主人公のみすずが事件に関わるきっかけになる兄の役を実兄(宮崎将)が演じているのはよかったですね。最初登場人物の見分けがつかなかったので目印になってくれてよかった。デビュー作のユリイカでも一緒に出てるらしいので見てみたいと思います。あとは単車に乗ってる所がとてもよかった。ジャズ喫茶Bの場面がたるいので(ただ座ってるだけだし)そこを削ってバイクの場面をもっと入れてくれるとよかったと思う。顔はかわいらしいんだけどスレンダーでかっこいいんだよね…オートバイというマンディアルグの小説を連想してしまいました。素肌に革のスーツを着た女の子が出てくるのですが。う、エロおやじくさい。でももっと見たかったわ。

クールに流れ過ぎるというのは音楽のせいもあるかもしれない。COILというバンドが担当しているということで、クールでミニマルっぽいようなのがとてもかっこよかった。岸がみすずと一緒に車に乗って犯行計画を説明する所の、時計の秒針の音が狂って重なり合うような曲とか、みすずがバイクで転んでしまう所のギターソロの曲とかよかったです。ジャズ喫茶の場面で知ってる曲が流れることはなかったのですが、あれはコルトレーンなのかな?違うよなー。ピアノはマッコイ・タイナーなんだろうなと思ったけど、キース・ジャレット(というかECM)でもはまる感じも受けた。チャールズ・ロイドとか。時代考証的にはどうなんでしょう。

事件を起こしてしまったことで、二人は結局離ればなれになってしまうのですが、大学に進学したみすずが岸の借りていた部屋に住むっていうのがよかった。まあみすずちゃんはさびしくてかわいそうなんだけど、あれは本当にうらやましい所だ。初恋という感覚を懐かしく思い起こした。別に部屋に残された本に愛の告白が書き込まれてなくてもいいんですよ。あの人が触って読んでいた本というだけでかけがえのないものなのだから。でも好きな人の書いた文字っていうのもそれだけでとてつもない宝物だよね…そういう感じ。本棚にけっこういっぱい入ってたなあ…非常にうらやましいと思いました。私もそこに行きたい。ランボーの詩集以外はどんなのがあったんだろう。それを読む場面ももうちょっとあるとよかったなあ。


2006年06月21日(水) 水曜日

水曜日でした。梅雨明け?夏至?そんなに暑くなくて楽でした。ぼーっとしていただけなのかもしれませんが。たぶん湿度の問題。ここは蝉の声が聞こえないなあ。

先日届いたCDを聴いています。やっぱりいちばんよかったのはthe starsでした。white heaven買うか…それか石原洋さんのソロ。栗原ミチオさんのソロは好みではないけどおもしろかったです。the starsは6曲入りで前半のアップテンポの曲がよかったです。特に3曲目。これに2000円くらい払ってるんじゃないか。しかも一発もの。このリフに2000円…なのかも。それくらいいいです。詳細は後日。神様は走り続けるためのリフを与えて下さるようだ。

それとゆらゆら帝国のシングルをとっかえひっかえかけてた。これがぜんぶベースが亀川千代さんなんですよね。千代祭か…その次の夜へというのが久しぶりに歌謡曲っぽい感じで一緒に歌いたくなる。こういう優しい歌がときどき出てくるね。昔の待ち人っていう曲を思い出した。これは普通にお子さんが生まれてくることを歌ったものなのかなあとずっと思ってたんだけど、なんか違うかも。赤ちゃんはモチーフ(もののたとえ)で、もっといろんな意味を込めてるというか、いろんな未来に向けて歌ってるんだなあと最近気付きました。後ろの席で出番を待ってるギター/音符の中で朝が来るのをじっと待ってる/まだかな 咲くかな

あとはboris with merzbowは、まあ中身がどうであれ(何であっても構わないのです)ファンとして持っていなくてはいけないものなので買っています。60分1トラック。確かにfloodの静かな所だけ集めたような感じですね。そしてメルツバウの静かなノイズというかシズル音という感じのSEがずっと流れてる。の、納涼?エレクトロニカの名盤endless summerと一緒にかけてもいけるような気がします。まだちゃんと聴いてないので夜ドライブでもしながら聴いてみようかな。車がいちばん涼しいので…


2006年06月19日(月) 緑の靴

月曜日ですね。ちょっと前に買ったルコックの緑の鶏のマークの入ったスニーカーが好きでそればっかり履いている。好きだけど結局完膚無きまでに履きつぶしてしまうことでしょう…歩くのが好きなので。次は何を買おうかなあ。

昨夜のライブはいろいろ考えさせられるものだった。一緒にやったお弟子さんがかわいらしかったなあ、ということ以外に書けることがない。これまでの自分と切り離されていて焦った。周りにいる人たちはいつも一緒にやっているのに、どうしようもなく合わなかった。音というより(みんな音は合わせないので)、気持ちがそこに居なかったような気がする。原因を挙げるときっといろいろあるんだろうけど、とりあえず今どうすればいいのかというのがどうしてもつかめなくて、どうしようかと思った。絶望。でも音楽ってそういうものだった。なんで今まで楽しかったんだろう。そういうことすら思い出せない。その気持ちさえも演奏されるんだけど。居ても意味無え…と手を離しそうになって一瞬、緑の靴を見て思いとどまった。とても大事なものを失ったのかもしれない。でもまだやめなくてもいいか。どうだろう。迷う。

ソングライン。ひとりのくに という曲 あいつは歌う闇へ向け/耐えきれず眠るまで/歌うことが無くなっても/何かにおびえていたくて/何かとはなしていたくて/何かをつなぎとめたくて/何かが消えてゆく前に その前の 誰かに見つめられたくて/誰かを見つけられなくて というフレーズが韻を踏んでいるというか、音が合ってるのがおもしろくてちょっと笑った。人恋しさに苦しんだり、得体の知れない何かに不安をおぼえるのも、ひとりで居るための糧だったとすれば。さみしさってお菓子みたいなものなのか。私はどうしたいんだろう。

クロネコヤマトの営業所にCDが届いたので明日取りに行く。今回のリストもすごいです。これから夏なのに何してるんだろうって感じの(笑)真っ黒な選盤。後日感想を書きたいと思います。ああ、早く聴きたい…(うっとり)。あとゆらゆら帝国の新譜は買います。


2006年06月18日(日) 日曜日

日曜日ですね。休みの方が動き回ってよけい疲れているような気がします。貧乏性というか何も考えてないんですね。先日雨をテーマにしたCDRというかプレイリストを上げたら雨が降らなくなった(笑)。梅雨明け近いですね。もう泳げる感じ。暑くて既に溶けかかっています。でも洗濯物干しまくりでとても楽しい。

今日はしば先生の踊りのライブで演奏する予定なのですが、時間変更の指令がありました。24時開始、サッカーがあるから?え?サッカー?しば先生も見るんだ…。私は見ませんが。外国人だとベッカムとロナウドとドイツのキーパーの恐い顔の人しか知らない。野球よりは好きですけどね…時間が遅くなったので今日はラクですね。明日のことは…考えないことにします。

ひとまず即興演奏の場に気持ちを戻そうと思ってジョセフ・ホルブルックトリオを聴いた。デレク・ベイリーの音がきれい。なんかあんまりテンション高くなくて、3人それぞれのペースで弾いている。会話っぽい所もあるけど、大げさに盛り上がったり戦ったりする所は無いです。仕切る人もいないし。興味が無い人が聴くと全部一緒かもね…まあでも自分は即興演奏に新しいものとか勝ち負けを求めているわけではないので、ぼーっと座って聴いているだけでとても楽しいです。いいなあ。こんなふうにできたらいいでしょうね。

ドラムのトニー・オクスレーがけっこうチャカチャカと手数が多いです。うるさくはないけど静かにもならない(笑)。あの巨大なカウベル(もはや牛の首には下げられない大きな口の開いた鉄の箱…)はすごい音がするなあ。たたいたりこすったりという音がたくさん聴こえる。デレク・ベイリーは本当に好きなように弾いてるだけ。ギターのサウンド自体は澄んでいてきれいなんだな。ベースのギャビン・ブライヤーズはかなり抑えめで全くでしゃばらない。後ろの所でむあーんと暖かい音がいつも鳴っている感じ。居酒屋で、隣りのひとのおしゃべりにあいづちをうちながらビールついでたり、おしぼりでそっと濡れた所を拭いていたりするような、そういう何気なさで(笑)アバンギャルドに、目立とうとする所が無い。まあ、好きなように演奏しているんだけど、我の強さが全く無い。そういうスタイルの主張なのだろうな。いいですね…

夜は仕事終わって夜遅くから映画へ。来週からしばらく休みが無いので、桜坂劇場トム・ダウド(愛しのレイラをミックスした男)の初日に行ってきました。詳しい感想は後日。いやー権利関係も楽々クリアというか使い放題でいろんなバンドの昔のライブ映像、しかも曲のいちばんいい所がちょこちょこ出てて嬉しかった。客席は数人程度でしたが、すごい気分が盛り上がったよ!(笑)。デレク&ドミノズを始めとしてオールマン・ブラザーズとか、ブッカー&the MGズとかアレサ・フランクリンとかコルトレーンとか、サビや終わりのいちばん盛り上がってる所ばっかりさらっと流してくれてぜいたくこの上ない。まじでよだれたれそうでした。この音楽を全部録音した人なんだ…全部聴いてるんだよね。すごい。すごいよ。今日はジャームッシュのブロークン・フラワーズが沖縄でもやってることにやっと気付いたので逃さず見に行く予定です。これがいちばん見たかったんだ。


2006年06月14日(水) 世界の音を訪ねる-音の錬金術師の旅日記 / 久保田麻琴

あと一日で休みだ…生き延びるぞ。先週末に既に通販サイトでポチってるので、特にCDを買うのは無いかなと思ってたけど、湯川潮音の新譜が今日出るので買いたいと思っています。後は前に壊してどうしようと思っていた腕時計が実家の近所の雑貨屋にまだあることを発見。なんということもない時計なのですが、とても気に入ってたので嬉しいです。2代目か。

あんまり話題になってないのが残念ですが、岩波新書で久保田麻琴さんの本が出ていました。世界の音を訪ねる-音の錬金術師の旅日記です。読んだことあるなあと思いながら、おまけでミニCDがついているので買ってしまいました。中身はエスノポップの専門誌ラティーナの記事を大幅に加筆したものとのこと。確かにこれは読んでました。前半が久保田さんの今気になっているブラジル北東部とモロッコの音楽旅行の記録で、後半が久保田さんへのインタビュー。かなりマニアックですが、短いし、音楽の好きな方にはとてもおもしろい本だと思います。おまけCDは久保田さんとモロッコやインドネシアなどの演奏家とのセッションが入ってます。

ブラジル北東部とモロッコの音楽、どれもひと昔のブームでもう落ち着いてしまったかと思われたので、なんで今久保田さんがはまってらっしゃるのだろう、と不思議に思いつつ、も大好きなジャンルの音楽なので買わないわけにはいきません。どちらも時代の経過がうかがわれるのが興味深い。プロトゥールスって偉大なんだな…またシンガポールとスリランカで行われたWOMADの話もおもしろかったです。去年のスリランカはドラム特集だったのか。

後半のインタビューはあまり久保田麻琴さんについて知らなかったので、私にはこっちの方がおもしろかったです。裸のラリーズで活動していたことがある(!)というのは初めて知りました。古いジャズからロックのルーツへ遡って大衆音楽・民俗(?)音楽にはまるという流れがおもしろいと思った。それもルーツを単純に過去へ掘り下げてゆくというのではなく、あくまでもいまここで新しいものと古いものが混ざり合ってケミストリーを起こしている所を楽しんでいる方なのだなと思った。時代や地理的距離があっても音の中につながりがあることがわかるんですね。また歴史に沿って変化した音楽が、また今の状況に合った状態で在るということをきちんと認識している方で、そのバランス感覚が、学者や自分の音楽にだけこだわった普通のミュージシャンとも違う所だなあと思った。とてもおもしろいです。

あとはコラムでイントネーションの話が出て来たりとか、ブラジルとモロッコの音楽のコアであるリズムについて書いてあるのがミュージシャンっぽいなとおもった。あのリズムはとてもわかりやすいけど不思議(笑)タタタとタタッタの間というか、要するに3連と16分の間のグラデーション、混ざり方なんですが、ブラジル音楽については、実際にパンデイロ(タンバリン)を持って振った時に、均等に16分で刻めないというのがあった。微妙になまっていて、そのパンデイロの形とか持つ人の手首の関節の具合とか重力とか、そういう物理的な都合があってああいうリズムになるんじゃないかなあと思ったことがある。まあ後は音を出して一緒に体を動かしていて淘汰なり洗練なりされていったものなのかなあと思っています。やっぱり謎としかいいようがないのですが…


2006年06月11日(日) ラウンド・ミッドナイト

ラウンド・ミッドナイトはこの映画でも流れています。ジェット・リーが重傷で倒れてモーガン・フリーマンの家に運び込まれて、目を覚ました時に聞こえてくる。音にひかれてピアノを探す。もろモンクのタッチで、ちょっとコミカルな感じが暖かい雰囲気を出していてよかった。この映画ではクラシックピアノがテーマのひとつになっているんだけど、その場面だけはやっぱりこの音楽じゃないとだめなのかなと思った。

この曲はとても有名で、いろんなアレンジをされているけど、やっぱりオリジナル(というかモンクのソロピアノヴァージョン)の、千鳥足で楽しそうな人が、酒場帰りでいろんな所にぶつかったり転んだりして痛いし薄汚れてるし、遠目で見てて笑えるような泣けるような感じというのがいちばん好きだな。何やってるのって声かけたくなるかわいらしさがある。なので、これもとても有名なたぶんオリジナルよりよく知られているマイルス・デイビス(というかギル・エヴァンスなのだろうか)のアレンジを初めて聴いた時は苦笑してしまった。何気取ってるんだろう、馬鹿じゃねえの、とか思った。まあ、下戸だけど、当時二十歳にもなってなかったけど、(だからこそ?)大げさで嘘っぽく感じられた。未だにマイルス・デイビスには共感できない。とても残念だけど、何がかっこいいのかわからない。

ダニー・ザ・ドッグは話はまんがっぽくてバタバタしてたけど、ジェット・リーが魅力的だった。その後に見たキス・オブ・ドラゴンよりもアクションシーンがきれいだったような気がする。前半と後半の意識の違いがあらわれているのがすごいと思った。雨ざらしの子犬プレイ(笑)も秀逸でした。モーガン・フリーマンと初めて会う所ですでに半泣き。

首輪をつけられて洗脳されてて、その暗示が簡単に解けてしまうのがつまらない、とか、モーガン・フリーマンのピアノの調律はなんか雑じゃないか、もっと見せろ(笑)とか、そもそも娘を音楽留学させられるほど調律の仕事は稼げるのか、とかいろいろ思う所はあったけど、とりあえずアクションはよかったです。これでもファンは歳食ったな〜鈍ってるなとか思ったりするんでしょうか。HEROがめちゃくちゃかっこよかったので(ドニー・イェンの出てる所がいちばん好きなんだけど)中国時代の作品も見てみようかなー。時代劇とか見たいですね。

ちなみにダニーというとイギリス民謡のダニー・ボーイを連想するんだけど、舞台がイギリスだし、やっぱりこれとかけてるのかな?と思いました。なんか忠誠を示すようなイメージがあって、よく合ってるなと思った。


2006年06月10日(土) 星のようなもの

不調。雨続きで薄暗い。誰にも会いたくない。久しぶり(と言っても2回目)にチャイハナでお茶を飲んできた。国際通りから2本中に入った所。パレット久茂地から歩いて5分くらいかな。やっぱりちょっと迷ってたどりついた。すいてたけど、ずっとしゃべってる人が居て残念だった。もっと早い時間に行けばよかった。あと失敗だったのは紅茶を頼んでしまったことだ。やっぱりコーヒーじゃないとだめなんだ。

ずっとピアノが流れていて、最初のモンクのソロのラウンド・ミッドナイトだけ聞き覚えがあった。ヒムセルフを流していたのだろうか。次の2管のチュニジアの夜は誰なのかなあ。ジャッキー・マクリーン?と、演奏家の名前も思い出せなくなっていた。ドラムだけはアート・ブレイキーじゃなくてフィリー・ジョー・ジョーンズだな!とわかったけどどうだろうか。心が騒いで、やっぱりジャズが好きなんだなと思った。いいな。美しい音楽だけを聴かせてくれる場所があったらいいのに。何か語りたいわけでもない。ただ聴かせてほしい。

私を知ってほしいわけじゃない。ただそこに美しい線で縫い取ってほしい。歌よりも速く細い線で軽く速く行って。一瞬その形を確かめられたらすぐに糸は留められもせずに流れ、刺し跡は痛みさえ残さなかった。傷というよりも、何をかたどっているのか考えながら指し示される、星のようなものがきらきらと散らばっているだけだった。



2006年06月07日(水) コンポジションA

雨ですね。近所のCD屋に中島美嘉のシングルが入ってたので試聴しました。アラン・トゥーサンのピアノは大フィーチャーされてましたが、シリル・ネヴィルのパーカッションは聴こえなかったなあ…コーラスに入ってるかも!と期待してたけど、声も聴こえなかったわ…ドラムは沼澤尚さんでした。

ついでにCoccoのシングルも聴きましたが…3曲目コンポジション Aがどう考えてもカツアゲの歌で爆笑。ハードロックでとてもかっこいいんだけど、こんなのコンサートでやられても困る(笑)。Cocccoちゃんの歌は必ず英訳されてるんだけど、これも英語になってるんでしょうか。笑う。でもねぇねぇじんぐゎーむっちょうみー?(姉ちゃん金もってない?)って、今の子も言ってるんでしょうか。非常にノスタルジックで和んでしまいました。そういうフレーズで、おそらくCoccoちゃんは那覇人なので知らないと思うんだけど、(Do) You fight me?てのがありましたね。外人(ママ)に喧嘩売ってるのかな?初めて覚えた英語です。This is a penよりもI love youよりも先に覚えるんだよね…今の子もそうなのかなあ。さすがにな。

実家へ弟のPCをひきとって帰宅。使えたらいいですが…中身はMEらしい。どうだろうなあ。車中ではラジオがつまんなかったのでCDのCreamのBBCセッションをかけて聴いた。うわ〜。やっぱりエリック・クラプトンってかっこいいんだなあ。ジンジャー・ベイカーしか見てないんだけどね(笑)。Strange Blueとかいいわぁ。来週末に桜坂でトム・ダウドやるので見なくては。アトランティックレーベル好きなんだよなあ。ジャズのアルバムも買ってましたよ。


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