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2006年02月25日(土) 音楽が好き / 愛が死より冷たいならば死体は命より暖かい

先日紹介した、コインランドリーで見かけたチラシの銭湯ライブイベント風呂ロックの記事を見つけました。楽しそう…やっぱりレゲエなのか。DJとかでもいいんだけど生演奏であってほしいな。バックに絵があるのがすてき(笑)。次回はたまの方が出るとのこと。

雨が降ってちょっとだけ冷えている。また風邪っぽい…と思いながら体育座りでモグワイ鑑賞。始めの方のボーカルがボコボコ言ってて聞こえづらいのがこわいな。入水して体はうちあげられても言いたいことだけが残っている、その言葉って感じ。あるいは水槽からのメッセージ。部屋であなたを飼っているの。そういうホラー映画なかったっけ…Happy Songs for Happy Peopleっていうタイトルもホラーっぽい。まんなかのBoring Machines Disturbs Sleep、Ratts of the Capital、I Know You Are But What Am I?が好きだ。

その後くらいからやっとふつうにボーカルが入っている曲が出てくると思ったんだけど、見つけきれない。それくらいボーッとしている。特に思い入れがあるわけではなく、TSUTAYAで手当りしだいに借りて入れてる音源のひとつで、なんだっけこれ?と聴き直しただけ。たぶん明日にはまた忘れてる。すごい繊細につくりこまれたノイズがすばらしいと思うしメロディもいいんだけど(supersilenceを聴いた後で、やっぱこういう音楽を通ったものなんだなと気付いたり)、その感触の心地よさが軽く刻印されただけで、内容が具体的に記憶に含み込まれることはたぶん無い。


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内橋和久さんつながりで、Good Girl Bluesの大谷能生のイベントレビューにリンク。宇波拓さんのヒバリ日誌を愛読していたのですが(ライブは未見)、そこにはあんまり音楽、ご自身の考え方などは書いていなかったので、現在の演奏方法に到る経緯がわかってよかったです。あとでまた死霊のコンピュータ(宇波・マッティンのデュオアルバム。全曲6分66秒!のインプロ)を聴いてみるか…今日の題名の愛は〜はこのジャケ内側に書かれた英文のフレーズで、ファスビンダーが言ったように愛が死よりも冷たいならばゾンビは命(あるいは人生、生きていた時)よりも暖かいという言葉とともに泉さんのコワかわいらしいイラストが…

そこで言及されている内橋さんのワークショップというのは神戸ビッグアップルというライブハウスで行われたセッションのことだと思われます。詳しくは大阪ウェブマガジンのインタビューをごらん下さい。また古いですがImprovised Music from Japan のインタビューもリンク)「個々が完成されたミュージシャンとして遇され」というのは、これは最初に自己紹介というか必ず参加者の前でソロ演奏を披露しなければならないというのを指しているのだろうか。

もちろん、演奏スタイルやキャリア、技術の度合いに関わらず平等に、ひとりの演奏者として敬意を払って扱われるということはあるんだろうけど、演奏者にとっては必ずソロ演奏をしなければならない、というのは大きいんじゃないかと思います。私だけかもしれませんが…恐怖に等しいプレッシャーがありました。実際に先月26日に内橋さんを始めとしてセッション参加者の前でやった時は十分にやりたいことができたとは言えなかった。日頃ふつうのセッションでもソロ演奏は苦手なので、何か音が出せただけでもよかったんだけど。

ソロ演奏が苦手、できるならやりたくないというのは非常に重要な問題で、ほとんど基本とか原理にかかわることでしょう。単純に、お前は誰かに自分の演奏を見て/聴いてほしいと思わないのか?じゃあやるなよということで、また内橋さんが必ず口にされる「ソロができなければ意味が無い」というのもよくわかる。ひいては音楽に限らず自己表現ということにも関わってくることで、面倒くさいのでここで書こうとは思わないし、自分の中で結論が出ているわけではない。でもこれは結論とかいうことでもないのかなあと思ったりもします。って何が言いたいのか。

音楽が好きとひとことで言うことにも、音楽の何が好き、どういうふうに好き、というあり方が人によってそれぞれ違っているなと思う。聴くだけにしても、ジャンルというか、いくつかのバンドが共通して表現するスタイルとかポリシーに興味がある人もいれば、アーティストを人間として好きな人もいるし、私のように、その時そこに集まったバンド、そこでその時演奏された曲、その時のひとつの音が出た瞬間そのものに魅了されてやまない超具体的な感性の人間もいたりする。

先にあげた宇波拓さんの話でも具体音表現ということは詰めて考えたことはないのですが、感覚的に共感する所があった。あのスピーカーの上でクリップや米を置いて鳴らすっていうのはパーカッション演奏の発展形というふうに思える。そういう紙とか軽いものをきれいに鳴らすというのは手では難しい。太鼓をプリペアドするのではなく、そこに乗せているものそのものの音を聴かせたいと思うこともある。あるいは楽器の本音をうならせるオブジェクトそのものの音を取り出してみたいとか。

しばらくずっとそんな感じで、音楽を文脈で考えて、抽象的にこういうことを言いたいとか、ハーモニーとかリズムをどう組み合わせて綴って行くかということにはあまり興味が無くなってきた。そういう具体的な音に淫するというのは子供がえり的というが退行→待避→回避になるのかなあ。それもその人しだいだよね。どうすればおもしろいか、どうするのが好きなのか、というのが問題だから。しかし何か決定的に飽きたという所はある。ある程度長く生きて、いろんなことに飽きたというのと同じ当たり前のことなんだけど。まだそれに慣れてないだけで、困惑してどうにかしたいと思っているだけなのかもしれないな。


2006年02月23日(木) 大城真(TV-music) at 乱波洞 / 予定は外堀から

さきほど拾ったニュース。ガチャピン&ムックのipod(nano)。画像はケースで単体でも買えるとのこと。もう売り切れているかも…やはりフィーチャーされているのはガチャピンか。どこから見ても愛くるしい風体に嫉妬。ムックもかわいいのに。ムックは売れないのかなあ。

美少女ちゃんうらやましい私もレコードプレイヤーを持っていないのでお部屋で聴かせてほしいかもお話ききたいかもでも夕飯は、どうだろう(笑)>

無職中。ヒマだけどお金がない〜と毎日財布をのぞいて指折りしながら予定を立ててるんだけど、やはりこの頃はたくさんライブを見たり演奏したりしてます。幸せなんですが感想を書いて載せるのが滞っている状態です。あれ?ヒマなのでは?脳のメモリとかバッファも増やせればいいのに。書きやすいものから上げていくという感じになっているのでご了承下さい…たまに昔のが増えているかもしれない。

今日は久しぶりに那覇の乱波洞へ行ってきました。先月25日GROOVEで行われた内橋和久さんのライブに出ていた大城真さんが今回ソロでやるというので見てきました。

TV-musicとありますが、これは映像の信号を音声に変えて演奏するというものです。これ以上詳しいことはわからないのですが…蛍光灯の点滅パルスを使って演奏するオプトラムが直接電球の信号を変換しているのに比べて、こちらはビデオカメラを使っているというのが違いでしょうか。電球など光っているものを映すのですが、その被写体の色と明るさによって微妙に音の違いが出てくるのがおもしろかったです。

演奏方法としては、手持ちのカメラとどういうしかけかわからないのですがブラウン管の横に並べたディスプレイ(どちらも演奏者の方に向けている)に手首に巻いたライト(3色極小豆電球を使ったもので点滅したりする)などをかざして映したりしていました。こうして撮られた映像は後ろに設置したスクリーンで見ることができ、同時にスピーカーから音として聴こえるという状態。またおもしろかったのは何種類かの横縞を並べたディスプレイ。これを映すと変わった音がでる。カメラの特徴を利用したものだと思うんですが、最初見た時は楽譜かな?と思ってた。音符はひとつも無いのに。

大城さんもライブを始めたばかりというので手探りしている感じが伝わった。それがむしろよくて、それはそういう音で見えるのか/そういう色で聴こえるのかという錯綜した感覚をはらはらしながら(笑)一緒に楽しむことができたという感じ。カメラ的にも音楽的にも手慣れてちゃっちゃっと処理されてしまうとむしろおもしろくないのかもしれないな。どうだろう。

また操作は足下でライトの切り替えとかしていて、音はヴォリュームペダルだけのようでした。エフェクターをつけるのもありかもしれないんだけど、そういうのはつけないで(ディレイはありかな…)カメラを通して音を探る方針で行ってほしいな〜と思いました。その方がわくわくするでしょう?

最初に見たGROOVEでの演奏では、あんまりノイズのバリエーション(変な言い方ですが)が無くて、大城さんかっこいいし、見かけはおもしろいけど音としてはこんなものかな?って感じだったのですが、今回は1セット目、2セット目と段違いに演奏として良くなってて驚きました。映像的にも音的にももっとニュアンスの深さが出ていて、美しいものになっていたのが驚き。

特に最後にトーンを落とすと小さくパルスがリズムを奏でていて、それをしばらく聴きながらスイッチオフという流れがドラマチックで鳥肌立った。ずっとドローン的な持続的ノイズばかりだったんだけど、しだいにその音色の幅が広くなり、2セット目ではパルスからビートを取り出したりする所があってスリリング。大城さん自身がおおこれはいいなとある音(被写体)にフォーカスを当てる場面などがあって、この方法はものすごい大きな可能性があるのではないか?と思わせるものでした。これからどうなっていくのか期待されます。


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実は今回はライブはついでで(失礼)、オーナーの石原さんと話すために行ったのですが。久しぶりに奥間さんとも会って、音楽聴いてないねーでかい音つらいわーと年寄りのぼやきのようなおしゃべりをしたり。やっぱりマイミシンほしいな…洋裁したいわー。先月26日に内橋和久さんにみてもらったセッション(ワークショップ)があって、それについてのメールを石原さんより頂いていました。読んでちょっとひっかかる内容だったんだけど、それはトラップだったことが判明…大人ってずるい…まあでも石原さんの考えがわかったからいいかな。ちょうどそのセッションでご一緒したベースの久保田さんもいらして話せてよかったです。

久保田さんはばりばりプロのミュージシャンでD51とかでテレビに出たりされる方なのですが、あのセッションで大事なことがわかった、自分の意識も演奏も変わったし、とてもよかったと語っていて驚いた。うーん上手い方というか音楽の好きな方は違うなあ…自分はけっこう苦しんで演奏してたしなあ。睡眠不足&上京前でヨレヨレで。うっごめんなさいと反省。まあでも自分にとっても、とても有意義ではありました。ああ…こんな嫌な含みのある言い方。なんで素直になれないんだろう。

それで主題は!これからそういうスタイルフリーなセッションのできる場(沖縄ではほとんど見当たらない)を定期的に設けようではないかというもので、やりたいことはやっとこうということで一致を見た次第です。基本は先日一緒にやったメンバーで、オープンにするかクローズドなのかもわからないんだけど、実際にやってみて決まってくるのかな?もう来月からやるのだろうか。やるんだろうな。なんか仕事も決まって無いのに…外堀から埋まって攻められながら立ち位置が決まってくる感じになってきた。そういうものなのかな人生は。でもなんか夢がひろがっていく予感もあり…


2006年02月19日(日) しば正龍トランス舞踊 at GROOVE(メモ)

今年初めてのGROOVEでの踊りのライブシリーズです。だからなのか知らないけど、今回は参加者が多かった。レギュラーのがちゃぴん(double-bass)さん、若北八十(tp)さん、亀田真司(as,recorder,perc)君、私(perc)にケイ(tp)さん、大工裕裡(voice)さんも去年後半からずっといらしてるのでレギュラーになりそうですね。多いなー。いつもメンバー分けてやろうか?という話になるんだけど、やっぱりみんな演奏したいので(笑)全員でやってしまう。ちょっと考えた方がいいかもしれないですね。

今回のお題は「恋ゆえに」「白の幻想」。恋ゆえには前半20分民謡の音源を流して踊り、後半にインプロと決まっていました。琉球舞踊の古典に伊野波(ぬふぁ)節恩納(うんな)節というレパートリーがあり、それを踊るとのこと。後で調べたら本当に基本的な曲で、女踊りはまずこれという原点的なナンバーなのだな。(解説サイトのページその1ポイントその23←発表会の模様(コンクールの課題曲に使われる例)

この曲では、数日前に客席で演奏しようかなあと思いついて、あんまり深く考えずにやってしまいました。楽器を隠してお客さんにまぎれるようにしてみたけどそんなに変わらなくてがっかり…広い場所じゃないと意味ないのかも。民謡が流れている時も何か音を入れようかと思ったけど、やはり曲がわからないと入れようがなかった。聴きながら切れ目とか探してみたけど、歌ものだから適切に入れないとという思いもあって殆ど入れなかった。やっぱり民謡もスタンダードとして知っていなくてはいけないなあと思いました。

あとは殆ど先生の踊りに見とれていたというのが正直な所。解説ページにもありますが、抑えた情念というか、この視線の角度とか動き、笠を持つ手つきが洗練されてとても美しかった。ここではしかけがあって、前半は笠と頭に飾りひもを巻いた以外、衣装は写真のような着物ではなく練習着のようなシンプルで体の線が出るものだったんだけど、それでもきれいでしたね。

曲の終わりでがちゃぴんさんのベースが入って転換の間がつながるという感じでインプロへ。場所がいつもと違うので音の聞こえ方も変わるかな?と思ってたけどそんなに変わらないものですね…ていうか結局私は他の人の音を聴いてないのかな〜と反省。隣りの亀田君はサックスよりリコーダーを使うことが多かったかな?私はダラブカと、かごに小物を入れて置いていたのですがそれはあまり使わず。あとは小銅鑼と鈴(スレイベル)かな。腕を伸ばして上の方で振ったりした。立ち上がってみればよかったかなあ。

2セット目はいつもの場所で、と言ってもすぐ後ろにベースと、大工さんがギターアンプに座っているという狭さ(笑)。立奏するためにフロアタムとシンバルをセットしてたんだけど、座ってやってました。(というか膝立てた状態だけど…座った方が狭かったかも???)座ってやるの好きだなあ。前回は正座してたし。両手レギュラーグリップになったり素手でたたいたりしました。

白って何だろう、と思ってたら先生はウェディングドレスの下部分(というかドレスの下につけるパニエなのかな?)を装着して登場。おおー姫登場ーとばかりにいつものマイ民族音楽でどんどこやってしまいました。そうくるか。この前買ったジングルリングがいい感じ。でもやはりミュートされて、ジングルも音小さいし、どんな時に使うのか微妙なサウンドだったな…ドラムのチューニングによるのかもしれない。気をつけよう。というかマイフロアほしいなあ。カノウプスとかすっごいいいやつ買ってみようかな。フロアだけ(笑)。

今回は、先月末の東京でのセッション&ライブを経て新しい自分を見せる!機会だったのですが、結局いつもの感じ…(リズミックな所がちょっと増えていたかもしれない)放っておくとこうなるという展開。細かく意識して考えているわけではないのですが、やはり同じメンバーで同じ場所で続けていると、展開とか心地よい空間の感じというのが決まってしまう。逆に踊りと一緒だと自由にやってもよくない所もあるのですが。やっぱりこういう所での打楽器の役割は大きいので、自分の状態に左右されやすいかなあ。考え過ぎだろうか。自分はビート感(というか心地いいテンポ)がとても遅く、間も長くとるタイプなので、ついそういう演奏になってしまう。うーんこの問題も変わらないねー。まあいいか。今年もそれについて考えよう。

あと、今日もお菓子(つまみ?)を出したいなーと思っていて、ライブ前にスーパーに寄ったことが大きいかな…ひな祭り売り場でついひなあられとかわたあめとか買ってきてしまった。あれかわいいんだよね〜バレンタインでチョコ(白)とかも買って、おー今日はこれだ、これで仕事終わり!的な感じだったのかもしれない(笑)。そういう日もあります。しば先生はみーくわっちー(食べ物を見て楽しむ)がお好きなので気に入ってもらえたらよかったけど。白の生チョコはややうけたのでよかった。白はあんまり食べないのかな?

終演後はいつもジャズセッションに来る宮里さんとおしゃべりして地元のバイト事情について情報収集したり。しげるさんにほめられたのは嬉しかった。またがちゃぴんさんはドラムもたたくので、セッティングの話をきいてもらえてよかった。がちゃぴんさんはドラムに関しても考え方が自由で、変則セッティングもいろいろやっている方でした。この所、どういう楽器選び・セッティングがいいかなと思っていろいろやっているのですが、そもそもそれは普通のドラムセットの形態に違和感を感じている(というか適応できていない…)ということで。未だに自分はあのフルセットの状態にはなじめないなあ。単体では扱えるけど、シンバルとドラムが一緒というのがどうしてもわからない。音楽として。そういうことを話したりしました。

そもそも何がわからないのかっていうも説明しづらいんだけど。一生懸命何かの真似をして、何からしくたたけるようになりたいと思っているだけのような気がする。そういう意識を切るためにセッティングを変えてみたりするんだけど。バスドラを横にして右手に置き、フロアを中心にするセットはよさげ。というか偶然同じようなセッティングで去年一回やったけどおもしろかったな。立奏だったけどタムの位置がたたきやすかった記憶がある。あと正座して地べたに直接タムだけ置いてとか、たたきたいものを選ぶようにして。やっぱり自分はドラマーじゃないよなーと思う。何百回と思うことだけど。…

まあいいや自分が何者かなどは。ドラマーじゃないから悲しいとも思わないし、何とでも名付けられるものなんだ。それにしても、こういうぐだぐだしょうもないことを考えながら逃げながら続けて来て、一緒にやってくれる方が居てくれて本当にありがたいと思う。きれいな音ばかりじゃない、失敗もいっぱいしたし、感情をぶつけてばっかりでもあるし、毎回これはどうなんだろうと思うばかりなんだけど、それでも続けると何か出てくるものがある。そういう場を共有してくれて、記録してくれる方が居るというのは、とても恵まれたことだと思う。そういうことにどうやって応えていけばいいのか。今年もいろいろやっていきたいと思います。


2006年02月14日(火) BBG〜Bennik-Borstlap-Glerum / On the Road with Eskelin,Andrea and Black (DVD)

暖かいです。ちょっとだれてます…さっきメルツバウの秋田昌美が菜食についての本を出していることを知って驚いた。(公式サイト参照)秋田さんといえば、メルツバウを聴く前は(ごく最近ですが)マニアックなエロ本を書いてる人と言う印象しかなかったことを思い出しました…音楽は凶悪なノイズという表現がされつつも、露悪趣味とも違って本当にギリギリの極限状態の生き物の叫び声のように真摯なものがあって、正直聴いてて泣きそうになることもあるくらいぐっときたりするのですが。改めて眺めてみるとすごいですね。菜食の本も目次を見ると普通の自然派/ベジタリアンの著作とはかなり違った内容のようで興味をそそられる所です。図書館に入らないかなあ。

   

CDをダビングしながらDVD鑑賞。プレイヤーを購入したのでブラウン管で見ることができて嬉しいです。

左のはEllery Eskelin(ts)、Andrea Parkins(key,accordion)、Jim Black(ds)グループのツアーのドキュメンタリー。ヨーロッパのツアーでのライブの様子を収めたものですが、一曲まるまる撮っている所は無く、楽屋をうつしたり、車や電車の中でときどきメンバーがカメラを持って撮ってたりして、一緒に旅をしているような感覚を味わえる。字幕が無くて英語だけどほとんどわからないのは残念…しかし曲をやってる所が少ないのは、実際のライブは来て見てちょうだいってことなのかな?3人のソロ演奏が入っているのがありがたかったけど、もうちょっと演奏が見たいという気もした。ひとつのフレーズをいくつもライブショットから編集してつないでるのはかっこよかったです。

このバンドはアンドレア・パーキンスが好きで聴いているのですが、ラメラメのアコーディオンとか電子音インプロとか見れて嬉しかったです。あのアコーディオンの音はいいな。あとやっぱりジム・ブラックすごい〜。普通にたたいてる所もすばらしいんだけど、自在にエフェクティブな奏法を繰り出してきて飽きることがない。右手でスティック、左手でミュートでどかどかたたいてる所がすごかった。間のコントロールと味のある音色で極端にダイナミクスをつけた展開、真似できるものならやってみたい…

その他には金属のボウルをフロアタムに乗せていじったり、オルゴール(箱から取り出したねじまき状の部分)をたくさんもっていて、指で鳴らしたりしているのがおもしろかったです。シンバルはKジルのライドと薄くてふちが割れて曲がりまくりのクラッシュ、おもちゃみたいな小さいハイハットの3つ。足はハットはほとんど踏まず、ごーんと深く鳴る独特のサウンドのバスドラが印象的です。たぶんドラムセットは借りてると思うんだけど、あの音はどうやって出しているんだろう。あと、動くジム・ブラック(特にオフショット)って初めて見るのですが、本当にかわいらしい感じ。奈良美智の絵をジャケに使うってよくわかる。あの子どもみたいな顔してるよなー。渋いお姐さんという感じのパーキンス、いつも帽子かぶっててラテン系みたいなエスケリンとの組合わせがおもしろい。

BBGはオランダのHan Bennink(ds)、Michiel Borstlap(p)、Ernst Glerum(bass,cello)のトリオのコンサートのライブのCDとその映像とリハーサル風景、メイキングっぽい短いドキュメンタリーの入ったDVDの2枚組です。ベニンクさん以外は知らないのですが、動く御大が見れるだけでいいさ!と思い、購入。

ピアノのミケル・ボルストラップさんはけっこう有名な若手ピアニスト。モンク・コンペティションで優勝し、ハンコック-ショーターのアルバムで曲が使われるなど、作曲がいいみたいです。ぐぐったらあのビル・ブラッフォード(ds)とのデュオとかやってるんですね。(てか来日コンサートもしていた)これもDVDで出ているそうです。両方でラウンドミッドナイトとかやってるので聴き比べるとおもしろいと思います(笑)。最初チェロと思ったエルンスト・グレルム(と読むのかな?)さんはベース。チェロも弾いてるんだけど、普通にベースのパートでやっているので、たぶんチューニングが一緒で兼用的に使っているのではないかと思われました。

見てみると、ピアノもベースもけっこう普通の(スタンダード主体)コンテンポラリーという感じでした。ドキュメンタリーを見ると若いボルストラップさんが大先輩の「リズム・タンデム」ベニンク-グレルムのリズム隊とぜひやりたくて誘ったみたいな感じだったんだけど、英語の字幕で正確に読めてないかも…演奏の様子を見ると、フリーっぽい所はあったりするけどスタイルはふつう、でも反応がとても鋭く、ベニンクさんが暴れてもひるむことなく自分流に対応してるっていうのがおもしろかったです。

ふつうのフリーのスタイルではちゃめちゃになることはないので、それがとてもおもしろい(笑)。ハン・ベニンクさんの合わせ方とかとても参考になります。ていうか、ステージにドラムセット用意してあるんだけどベニンク御大はスネアのみ使用!!ハイハット、ライドすら無し。ジャガンシンバル(中国の小さい合わせシンバル:これがいい音なんですよ…アルバムで聴こえる音なのでよく使われているものだと思います)をひっかけてスティックで鳴らすとか、あとはカウベルとか笛とかラチェットとかそれくらいで、それもあんまり出番は無く、ほぼスネアのみ使用!すげえ。最近そうなんでしょうか。そんなこと言ってたみたいだそういえば。(単にスネアのみの所だけ収録しただけかもしれないけど)

ブラシとかタオル敷いてスティックでぽすぽすたたいたりとか、楽器の演奏もおもしろいのですが、音が出ない絵ワザみたいな?(長い脚でスネアをまたいでみたりとか、タオルを上に投げてつかんでみせたりとか)演出もときどきあって、本当にお茶目というか遊び心あふれた演奏ですね。スティック投げてみてつかめなかったのでしばらく片手だけでたたいてたりするのがおかしかった。落ちた時用のスティック無いのかよ。もうそういうのはどうでもいいんだろうなあ。ものが落ちたり、蹴飛ばしてしまったり、そういうアクシデントの瞬間をがっちりつかんで曲に引き入れる力を感じました。即興の原点というか…そういうの大好きなんですよね。

中身はCDのコンサート映像に加えてもうひとつのコンサートの映像が数曲分、ドキュメンタリーにも入っているリハーサルのみの映像が別に収録されてます。ベースの方の自宅の台所でやってるんだけど、このリハーサルがいい…(はあと)まあ雑といえば雑なんだけど、気楽にやってる感じがいいな。ふたを外したアップライトのピアノとチェロとスネアとライドという軽い編成で、テーブルにはグラスとワイン、灰皿も見える。You don't know what love isの展開がおもしろかったなあ。こうするの?って感じ。変なリフが出たりして。おまけとしては非常にすばらしいものです。台所が好きっていうのもあるけど、あんな一階の通りに面してる部屋で真っ昼間から演奏してるっていいなあ。通りが石畳で車が通ったりして、なんか絵になってるのがいい感じでした。あとこのジャケとかデザインがかわいい。輪郭がはっきりして色もビビッドで味のある赤とか青とか深緑とか、なんかミッフィーを思い出しました。オランダっぽい感じなのだろうか。


どちらかのエンドロール後に、ベニンクさんの深銅のスネア(プレミアのスチール胴のもの?画像はe-bayの出品写真。マーチング用のスネア。これよりは浅いです)を鳴らす場面があって、あそこは本当に印象的だった。スナッピーを下にして、揺れてかちかち鳴ってるんですよ、それがだんだん小さくなって速くなって、音が消えてなくなるまで3人がじっと見つめている所が最後までおさめられている。汽車の音に似ていて、小さくなっていく音に向かってバイバイと手を振ったりして。


できれいに速くなりフェイドアウトしたその楽器の演奏(笑)が終わった後、3人は顔を見合わせて信じられない!と言い合う。ベニンクさんがなんで楽器の演奏を<勉強>するんだろう!ってぼやくのがおかしかった(笑)。重力とか自然のしわざって本当に美しい。特に打楽器をやっているとそういうことを痛感します。でもあのスネアの音は本当に演奏としてよかったのが驚異的。ぜひ見て頂きたい。プレミアのスネアってすごい!いいかも!とか思ってしまった(笑)。馬鹿。


2006年02月04日(土) 土曜日 / The Stars

こんにちは。沖縄に帰ってきましたがやっぱり寒いです(笑)。14℃とかなんだけど、風邪ひきそう。ぼーっとしていたら数日経ってしまいました。先週いっぱいの濃い日程を思い出しつつ、ちびちびと過去日記を更新していく予定です。


今回も10枚あまりCDやDVDを買って帰ったのですが、今回もジャズ率低!あと日本人のものが多かったかな?今日はその中でもベストの一枚をひとまずご紹介。The StarsPerfect Place to Hideawayです。bounceの記事をリンクしときます。サイケだけどアダルトですごいかっこいい。最初の一音で悩殺。ホワイトヘヴンって興味あったけど聴きそびれてましたが、こんななんだろうか。ギターは2人の割には音が薄い感じなんだけど、それがまたきれいで、後ろでじわーっと鳴り続けるドローンが効いている。間奏なんかで暴れる音が変な言い方だけど繊細な心配りが感じられるノイズ。すばらしい…生で聴くといいだろうなあ。ボーカルは高からず低からず細からず太からずほどよくエロい感じでいいです。歌詞は全部英語。

でもやっぱり亀川千代のベース!!!ゆらゆら帝国での永遠に続くサイケセッションナンバーのミーのカーとか、Evel Carとかみたいなゆったりうねるラインが絶品なんだけど、それがめいっぱい堪能できる一枚。大人っぽく感じるのはみんなテンポがゆったりめだからかな?気持ちよく踊れます。ドラムが違う人だとこうなるんだなと思った。ドラムはそんなに暴れるわけでもなくまとめるキャラなのがいいのかなあ。

エンジニアがゆらゆら帝国、Borisと同じ中村宗一郎。ライブも一緒にやっていたりするんじゃないだろうか。挙げた2つのバンドと比べるとテクニカル(笑)でアートワークも凝り過ぎず、音だけで楽しめるという感じがしました。好き嫌いでいうとやっぱり笑えるツボ満載のゆら帝、アートワークと言葉のBorisとなるんだけど、やっぱりこのバンドも聴いておかなくてはいけなかったな!!と思った。去年このアルバムが出た時点で気になっていて、手に入れたかったんだけど沖縄では見つけられず。通販でも入手していたらベスト10に入っていたなあ。吉祥寺タワレコで購入。1stも買っとけばよかった。同じ所から出てる朝生愛もシングルみたいなのを一枚持ってるんですが、儚げなウィスパーヴォイスのサイケなフォークで(はあと)よかった。


2006年02月01日(水) オラファー・エリアソン 影の光展 at 原美術館

東京最終日は雨になりました。寒い。チェックアウトして、出発は夜になるのでどうしようかと思う。映画か、じゃやっぱり青山真治エリ・エリ・レマ・サバクタニか!と思い、場所と時間まで調べたのですが、結局行きませんでした…残念。これ沖縄来るかなあ。来年以降になりそうよね。これは音による癒し(悪魔払い?)の物語で、ギターの爆音が重要な役割を果たしている映画。上映される映画館でもスピーカーを積むなどそれなりに音響を工夫していたようです。まあそれよりも自分にとっては宮崎あおいちゃん!!なんだけど。でも見れなかった。新宿にも行かなかったなあ、今回は。

でこれは行こうと思っていたオラファー・エリアソンの美術展を見るために品川の原美術館へ向かいました。とにかく荷物が重く感じられてつらかったので、ここでもコインロッカーを使ったのですが、時間が遅かったために大きめのロッカーが空いてなかった。厳しい…で入らないシンバルを下げて歩いてた。変なかっこう…今回初めて品川で京急線を使って空港に行ったのですが、同じ混んでるのでも浜松町でモノレールに乗るよりはよかったな。感覚的に。

原美術館は古い洋館という感じで、ちまっとしててかわいい建物だったな。中庭にも展示物があったけど誰も歩いてなかった。晴れた時に行けばよかった。それを囲むようにカフェがあって、外側に展示室がある感じ。お昼前に入って、気が付くと入った時には無かった(と思う)故ナム・ジュン・パイクのTVオブジェが設置されててびっくりしました。1階・2階があって、常設展もある。

私は美術館に行き慣れてないので、前日にレビューを軽く見ておいてよかった。ちょっと外れた所に扉があって、中にインスタレーションがあったりするんだけど、知らなかったら見落としていたと思う。名前は忘れたけど、びっしりといろんな周期で変わる数字(電光掲示板?)が貼られた細長い暗室があって、あれはよかったなあ。動くものがあると数えてしまうので(笑)一日中でも居れるかも、あそこには。あと奈良美智の子供部屋はかわいくて、身を乗り出して眺めていたら入っちゃだめですのアナウンスが流れて恥ずかしかった。

オラファー・エリアソンの展示は最初に関連書籍のコーナーがあったのですが、その横に特設空間みたいな所があって、まずあのチラシにもなった人工オーロラの作品が展示?されてました。自分はうまく見れなかったなあ…雨で湿気の関係もあったと思うけど、薄く虹みたいなのが見えるなあっていうくらいだった。霧水に触ってみてもよかったかも。思ったより混んでいて気分が落ち着かないっていうのもあったけど…

あと空間が狭かった。作品も小さいものばかりでしたね。特に期待していなかったけどよかったです。天井からガラスや金属板を吊るして照明を当てるというもので、円の虹が映るものとか、真ん中にライトがあって、4枚のガラス板を通して部屋の四隅にビシッと光の線が当たっているものとか。私は部屋の奥に単周波ライトとスクリーンが仕込んであって、暖かい黄色に光っている壁を見ながら入って、ふと振り返ってみると全てのものが死のモノトーンになっている!という視覚効果の作品が印象的でした。白黒というか微妙に灰緑がかってて気持ち悪い色なんだよね。これは事前に知ってたけど実際に見るとこわかったなあ…

見物はいちばん新しいもので、3つの口径の違う短い筒状のガラスを入れ子状に重ねて縦に吊るし、それぞれを違うスピード/角度で回して映像作品にしたものというのがあって、ガラス自体は無色透明なんだけどフィルターが付けられているからなのか、光を通すとカラフルな影が現れる。しかも動きによって色が変わり、重なる像の形も変わる。その変わり続ける映像が何か物語を感じさせる作品になっていて圧倒されました。これも一日中見てて飽きないかも。吊るされたガラスも美しいモビールで、筒フェチ(笑)の自分にはたまらない作品でした。

今回の個展についてのレビューはJDNのページがとてもよかったです。行く前の日に携帯で読んでしまったのですが、表現がロマンチックでいいなあ。私はそこまで読み取れなかったなと思う。最後にとばしていた最初の部屋で関連書籍を立ち読んでみたのですが、スケールの大きい作品も多く、改めてこの方はおもしろい!と思いました。パンフ出てなかったのが驚き。買う気満々だったのに…こういう洋書を買うしかないのだろうか。

ぐぐったら03年英テートモダンでのインスタレーションの写真が出てきました。fogless exhibitionsの中のページ。太陽に見えるものは半円の照明で、鏡張りになっているとのこと。こういうの好きなんだ…これに関してはパンフがあったんだけど、天気についてのアンケートをとったりしてておもしろかったです。また横浜トリエンナーレ2001の写真金沢21世紀美術館の写真も。この鏡の洞窟はすごいね…

公式サイトのImagesで数点の作品の小さい写真が見れるのでこれもどうぞ。作品の名前にYourっていう言葉が入ってるのがおもしろいと思う。私はアイス・パビリオンっていう氷を使った野外作品が好きだなあ…なんか着想は素朴で単純なんだけど、綿密に設計してモノとして作り上げてしまうのがすごいと思う。仕掛け自体も見かけはとてもシンプルなのに、光や水を通すと思いも寄らない形になるとか、自然に対する飽くなき好奇心みたいなのが感じられて、そこに共感します。

またここ数日ずっと演奏していて、楽器というか物体の振動とか重さなどの自然的な特性に意識がいっていたので、こういう物の動きや特性をそのまま使ったものというのがおもしろかった。単周波ライトの作品は音にすると爆音で空間を塗りつぶすようなもの?いや、音にも単周波があったよね…とか考えさせられるものがあった。余韻の広がる様と光の動きがシンクロする…円の鉄板の内側にでこぼこがついた、まさに銅鑼状(萌)のものを吊るして光を当てる作品も写真で見たけど、あれに光を当てるとどうなるんだろう。反射を利用しているのかな?見てみたいなあ。

10点の作品をとっかえひっかえ見ながらうろうろ歩いて2時間くらい居たかもしれない…帰りは歩いて品川駅へ。この時点で疲れきっていたのですが、ひとまずお茶の水に行って遅い昼食をとる。ここのユニオンジャズフロアへ行かないと終わらないんだ(笑)。いっそシンバル売ったろかと思ったけどそういう気力もありませんでした。今思えばチャイナを売って、いくらか足して新しいのを買ってもよかったな〜と思いました。よけい重くなったりして。はは。それにしてもユニオンはやっぱりフリー系はお茶の水だなあ。今のうちにデレク・ベイリーのCDを買おうかと思ったけど、ハン・ベニンクトリオのDVDと合わせてエスケリン-パーキンス-ブラックトリオのDVDも見つけてしまったので買いました。ありがとうユニオン。見てみたかったんだこれ…



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