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フリフリおれ的わたし的ベスト2007はこちらより


2005年11月29日(火) 火曜日 / 俺をすてたところ(メモ)

このあいだつくったCDR7枚分の曲目リストをupしました。htmlファイルもupできるというのでやってみました。こちらよりどうぞ。久しぶりにソース書いたなあ…こういう形でページを増やすことも考えています。いちばん簡単な形式で味のないページですが、これはこれでいいような…全て終わってからiTunesの画面をキャプチャーで画像化できることを思い出したのですが…これはこれでいいとします。もしCDR聴いてみたいという方がいたら送りますので連絡下さい。お返しに編集CDRを送って頂くというのが条件ですが…

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息をつめて音を聴く。本を読むように思いをたどろうとする。文章を書いて捧げ合った(お互いに、ではなく共有した志に)友人の作品を読む時の気持ち。そこには自分のいま最も求めている答えがあり、しかし自分とは違う人間としての差異に思いをはせながら、そのつながりをたぐり寄せた。その時の気持ちを思い出す。私たちは映画や音楽を愛しているけどあくまで言葉で、そういうモチーフに反映/反響した真実の残像/つぶやきをとらえようとしていた。

蜜月を過ぎて、離れて暮らしながらお互いにこれまでとは想像のつかない現実に遭い続けて、いくらかの変貌をとげながらも、ときおりラブコールを交わす。あんなに自分を追い込んで言葉をつづることも、お互いの助けで居場所を探り当てることも、もう無いのかもしれない(でも無いとは思わない)。でも満足したわけじゃない。まだまだ描き足りないことはわかっている。そして私たちは別種の言語を獲得しつつある。私は音楽、友人は映像と、言葉の枠を広げ、壊す/壊れる楽しみを知ってしまっている。そして言葉に還る楽しみを。言葉ではないものに自分の意志が溶け込む。

ゆっくり回復する。まだいろんな断片を集めているだけ。それを結びつけ、並べて作品にする力がほしい。もっと音を聴いて、言葉を覚える必要がある。でも確かに今までつくってきた、言葉を読む回路を音楽を聴く時にも使えるようになってきた。息をこらして、意味を読み取りたい。意味が無いという意味でさえも。置いて行かれたとは思わない。涙は流れない。音の奔流の中に居て手を伸ばして、あなたが歌った「さわって」「渡って」「つかんで」向こう側も見えない深紅、もういちど歌って、手を伸ばして問うから、この指で聴くから。


2005年11月27日(日) 日曜日 / Le Quan NinhとPaul Lovensのドラム

風邪をひいているような、でも咳が出るわけでもないし、不愉快な体調ではあるけど、家事をやったり用事をこなす。あんまりこれをやろう、あのことを書こうとかいう気分じゃないのでいろいろ滞っております。その気が無いとスピードがぜんぜん違って、誤字とか勘違いとか多過ぎて更新するのに時間がかかって疲れる…さぼった方がマシかもしれない。と思いつつ、初心を振り返りながら今日の日記。

昨夜久しぶりにもらいもののSidsel Endresen-Christian Wallmrod-Helge StenのMerriwinkle(JAZZLAND)を聴いたらめちゃくちゃよかった。Wallmrodのチープなエレピの教会音楽とかStenのaudiovirusとクレジットされた虫の鳴き声のようなノイズに聴き入る。エフェクターなのかなあこれ。Endresenさん(grinningtroll.com内のページ)はぐぐったらとても有名な方でECMでアルバムも出ているようでした。知らなかった。

ヴォイスインプロなんだけど、そんなに重苦しく無く、グロテスクでもなく、女くさくないけど無邪気にインプロを楽しんでいる感じが伝わってきて好感を持ちました。女っぽすぎるのって苦手なので、でも適度にかわいいのが好きだし、ってわがままな好みね…先日立ち読みしたトキオンという雑誌のビョークのインタビューを思い出した。アイスランド語で歌うことについて書いてあって、アイスランド語とか訛りの入った英語の音が好きなんだということ。それにしてもWallmrodさんの鍵盤は変だ(笑)電気バンドも探して買ってみようかなあ。

また一緒にもらったMichel Doneda-Paul Rodgers-Le Quan NinhのOpen TreeとIvar Grydland-Tonny Kluften-Paul LovensのThese Six。これだけiTunesのデータベースに入ってなくて曲名を取得することができなかった。なぜなんだ。やっぱり自分はレカンニンの太鼓(特に大太鼓使い)が大好きで、何回聴いてもうっとりしちゃって他に何もする気もなくなってしまう。最近はDonedaさんのサックスとかベースも聴こえるようになりましたが、やっぱり打楽器の音が気になってしょうがないです。

かなりおこがましい言い方になってしまいますが、こういう演奏がしたいんだなあ…なんで知ってるんだろう?と教えてもらってる感じ。そういうんじゃだめなのかもしれないけど、なんか普通のフリージャズのドラムよりも素直にわかる。ドラムセットではなくて手だけで演奏してるから音数がそんなに多くないというのがあるかな?音がノイジーというか、普通の太鼓とはかなり離れたサウンドなんだけど、柔らかくてきれいなんですよね。全ての音色にいちいち引き込まれてしまう。動きもオーガニックで無理が無く、耳障りな所が無いのが不思議です。どうやってるんだろうなあ。

These SixはSofaのレーベル主のIvar Grydlandとベースとドラムのトリオの即興。曲名は無かった(笑)。RovenさんのSelected and Unselected Drums and Symbalsというクレジットが超かっこよくてまねしたくなる。このギターの方とレーベルを一緒にやっているIngar Zach(ds,sampler)のデュオを持っていて、遠くに見える工事現場のようにまったり続くノイズインプロを愛聴していたのですが、この These Sixもなんかこのギター聴いたことがある…と思って改めて名前を確認しました。かなり抽象的なプレイだと思ったんだけど、やっぱりその人の音ってあるんだな。

Paul Lovensの演奏は先輩だけあって?リードしていったりアグレッシブにつっこんでいく所が多いと思った。(レカンニンはもっと後ろの方に居てゆっくり合わせている感じがした)シンバルの弓奏がすばらしい…あんなに長く音が伸びているのも驚異的だし、サウンドが微妙に変わっていくのは何なんだろうなあ。片手でエフェクト的なことをしているのだろうか。ベースのアルコと混じっておもしろい音になってる所に聴き入った。シンバルなどをドラムの上に乗せてドラムの響きも利用するような演奏をするんだけど、その辺がダイナミックであり繊細であり、余韻の長さや物が震えるスピードも細かく調整しながら演奏している。何度聴いても飽きないなあ。聴き入っていたらすべてのものの動きが止まってしまった。今日が何曜日かも忘れそうだった。ていうか思い出さなかった。


でも轟音のBorisが聴けたのでそんなに調子が悪いだけでも無いな。気持ちを決めかねていてぐずぐずしていたのもある。冒頭の浮遊するようなセンチメンタルなポストロックから、ちゃぶ台蹴り上げてだいなしにするような2曲目のバリバリハードロックのリフが飛び込んでくる瞬間、そのたびに爆笑してしまう。これを生で見たいのにな〜。Pinkはドラムがいいですね。あんまりドラムは聴いてなかったんだけど、このアルバムはかっこいい所がいっぱいあってぐっと聴き入りました。変なシンバルの音が気になったり、後はタンバリンというかジングルが鳴ってるのがハードロックらしくて(笑)、気分がもりあがって嬉しい。

こういう日記とか、CDの感想を書きはじめたのは、自分が興味がある音楽で、誰かの感想を読みたいんだけど検索してもヒットしない…ならば自分の感想だけでも書いておこうかと思ったのがきっかけです。他の人の感想とかあんまり参考にしないものなのかな?ブログがひっかかるのがうざいとか、検索よけて書く方とかいたりするけど、自分はひっかかるために書いている所がある。間違ったこと書いたり、書いたのに捨てちゃったりしたり、いろいろあるんだけど、また書いていかないとなあと思いました。


2005年11月26日(土) 届きもの / 人と神と音

更新中に23632get。ご愛顧ありがとうございます。こういう変な並びの数字を見ると気になってつい書いてしまう。さて先日注文した楽器が届きました。中国の小銅鑼ですが、やはり期待していたものとは違いますね。よく考えてみれば、出てほしい音と楽器の大きさとか形状が違うかも。もっと勉強しよう…とすればほしいやつって何なんだろう。あの京劇でクヮンクヮン!!て鳴ってる変な楽器なのですが。もっと小さくて薄いものだと思うけど、ジャガンシンバルってやつなの?それとも合わせシンバルの方かな?バチで叩いてる感じだけど。さすがに検索しても出ないからつらいなあ…

*Le Quan Ninhのサイトより、このページの写真でいちばん近くにある小さいケーキ型みたいな形の鉦があるのですが、ひょっとしてこれなんじゃないかと思います。でもこれは通販サイトでは見たことないなあ…ちなみにひとつおいて消えかかっている上の方に並べて置いてある小銅鑼はこのたび買ったものとそっくりですね。もっと大きいかな?

買ったものは大きさは同じなのですが、カップというかふくらんでいる所、お椀でいえば底の部分の面積で音の高低が変わっているみたいで、ちょうど5度違う感じで使えそう。余韻が上がるという解説には??でしたが、ぶったたくと違うのかもしれないな。けっこう肉厚なので太鼓に置いて使うのは難しいかもしれない。普通に手に持って鳴らすだけでいいと思った。振ったりとかできるし。高い音の方が変わった倍音?がまざっておもしろい音になっている。この高い倍音が後まで伸びて残るというのが回音なのかしら?明るい音なのがよかったな。銅鑼というよりスティールパンみたいな感じで軽くたたいた時の音が好きだなあ。

本は西岡信雄さんの人と神と音というもの。前に図書館でこの先生の本を見つけて大ファンになってしまいました。もともとオーケストラでフルート吹いていたのがフィールドワーカーになったという経歴を持つ方で、ものすごくとっつきやすい文章を書かれる方です。大阪音大の学長でいらっしゃるということで、その紹介ページを見てみると、書いてある研究テーマという所の「音楽・舞踊にみる人類の衝動」(!!!)というのに釘付け。おぉ、なんかわかる。

この本はもともと出版元ミュージックトレードの機関誌に寄稿されたものをまとめたものということですが、前に読んだ楽器からのメッセージ 音と楽器の人類学とだぶっている所があるような気がしました。とすればこちらの方が大判でカラーのページが多いのでおすすめでしょうか。広告もいろいろのっていて、東京古典楽器センターという所の誰だってチェンバロなら弾きたい!のコピーにはぐっときました。確かに弾いてみたい。ピアノと鍵盤の色が逆なんだよね。実際見に行ってお値段にびっくりですが…太鼓もあって、コパー胴の小型ティンパニに萌えまくり。しかも自作キットまで。つくれるんだなあ…料理用のボウルでできるんじゃないか。売ってそうだし。

脱線しました。してないか。本文でも楽器をテーマにして、アフリカ、ヨーロッパ、アジアと世界中の音楽が紹介されていて、巻末には和楽器についてけっこうページを割いての特集があります。もともと管楽器の演奏家だったということで、管楽器と打楽器が多く扱われています。日本で初めて銅鐸を楽器として演奏した、という経歴もあるとのこと。

ひとつひとつの文章は短いのですが、けっこう突っ込んだ解説もあり、写真も豊富でものすごい情報量になっています。これで2千円というのは安い。しかも読んでて楽しい(笑)ということでおすすめしています。辺境の民族音楽から比較的最近のスティールパンとかレゲエの大衆化についてのエッセイとか、イギリスのパブの話などもあり。日本の芸能の話も出てきます。富山のおわら盆の話がおもしろかったです。静かな祭りとうるさい祭り。通りとか駅で演奏するストリートミュージシャンの写真を集めたものとか、アフリカの楽器の絵の切手を並べたものとか、眺めるだけでも楽しい。

また楽器そのものについての論考がすごいおもしろいです。楽器の大きさについてとか、管をぐるぐる巻いてしまう話とか、ヴァイオリンとかギターの響孔ついての結論の出ないエッセイとか(笑)、なんでこんなものをつくったのかなあという素朴な問いかけに共感してしまう。ぐぐるとインタビューが出てきたの読んでみたのですが、幼少の頃から鳥を飼っていたというのが興味深い。本にも自分の飼っている鳥に音楽を教える話(昔ヨーロッパでそういう習慣があったそうです)が載っていたけど、そういう背景があったのですね。

打楽器もいろんな話が出てくるのですが、やっぱりいちばんおもしろいのが地球を鳴らす(!!)というもので、地中に空洞をつくったり弦を張ったりして音を鳴らすということもするのですね。すげえ。どんな音がするんだろう。インドネシアのクルンクルン(地面に埋めた丸太を真上から太い棒でたたく)とか、アフリカのトーテムポール状に地面から立ってるスリットドラムというのは楽しそうだなあ。あと振ったり揺らしたりという行為についてのエッセイには、振りフェチの自分には腑に落ちるものであった。楽器は叩くものより振るものの方が古い(根源的)と思うのですがいかがでしょうか。お酒のグラスに氷を入れたがるのは、あのカラカラ鳴るのがいいんだろう、というオチがよかった。


2005年11月23日(水) クレールの刺繍 (映画)

寒いですね。みなさんいかがお過ごしですか。この前の勢理客オーケストラのライブの録音を確認中。きれいに録れていてよかった。使えるマイクが見つかってよかったな。曲分けして、曲名などの修正をしながら後日感想を書きます。全部は入ってないけど…それにしても録音して聞き直さないと書けないというのも何だなあ。見ながら頭の中にメモをとっていたりはするんだけど、最近パワー不足で時間をつかまえられない。どうにかしたいなあ。


先日クレールの刺繍を見る。親切なクムジャさんを見る予定だったけど疲れそうだったのでこれに。結局見そびれそうですが、実は3部作のどれも見ていないのでいいかなと思ったり。それにしてもこの役名、やっぱり主演イ・ソンエの当たり役チャングム(母親がはまってたなあ)から来ているのだろうか。琴子さんとか今子さんとか金子さんかな、漢字にすると。

この映画は予告編を見て公開初日に行きました。題名通り刺繍がテーマで、職人の作品が見れるというので楽しみでした。純粋に映像(というか刺繍の作品)が見たくて、話自体はどうでもよかったのですが、実際にそんなに複雑な内容でもなく、のんびり見れたのがよかったです。

公式サイトを見て初めて、監督が女性だということを知ったのですが、確かに非常に女性的な感性が生きた作品だと思います。ナイーブだけど生命感というか、生きているものの一種ふてぶてしいというか強さみたいなものも描かれている。フランスの現実にある匿名出産の制度を使って、恋する妊婦(笑)っていう都合のいい設定になっているのがポイントなのかなあ。ふつう妊娠している時って配偶者がいる(既婚/未婚とわず)ことになっているじゃないですか。でも最初の時点でひとりだし、妊娠しているけど産んだ後は養子に出して育てる責任は負わないと割と葛藤無く決めている(ように見える)ので、すごい自由に見えるんですよね。

そういう母性の問題とか、母娘の関係性とかいろいろありつつもそんなに深刻になることもなくまったりと時間が過ぎていく感じがよかった。出てくる人がみんな無口でうるさくないし。主人公は実家から離れて狭いアパートメントに一人暮らしして、部屋の真ん中に刺繍の布を貼ったテーブルを置いて、毎日作品をつくっている。家のキャベツを勝手に持って行って作品の材料であるうさぎの毛皮に換える所がおもしろかったなあ。それもていねいにカットして刺繍に使うんだけど。手芸というより絵とかそういうコンセプトのうかがえる作品なんですよね。針も持手のついたもので、布の下で糸をつまみながら縫っているという感じ。初めて見たんだけどかなり細かい作業。舞台は田舎町なんだけど、どこでそういう作り方を覚えるんだろう。

そして近所に住んでいる職人の女性の所に作品を持ち込んで売り込む。見た感じ内向的で不器用な女の子なんだけど、しっかり自分の作品をつくれてこうしたいっていう意志が強くあるというのがおもしろかったです。その職人さんのアトリエは地下にあってそれがとても居心地がよさそうだった。そこに毎日通って2人で作品を仕上げてゆく。2人ともいかにも職人っぽくて気難しい感じなんだけど、小さな衝突はありながら、それでも少しずつ気持ちが通ってしだいに絆ができていく過程を見る所ができた。お互いに敬意を払っているのがいいなと思った。うーん職人って憧れる。かばんとか靴とかつくるの。あとバレエ団おかかえのお針子さんとか。大変そうだけどね…

そういう場所ができるのはいいな。実家とは違う家というかよりどころというか。それで主人公も匿名出産ではなく、親にも打ち明けて自分で育てようと決めるんだけど、やっぱりそういう所から母性というか愛情は生まれてくるんだろうなと思う。あと、工芸とか芸術の持つ意味みたいなものについて考えさせられた。主人公が職人の方が倒れたので手伝おうとして勝手に作品をつくる所で布を裂いてしまうんだけど、それを見せた時に先輩は大笑いして、大変な事をしたわね!でもやり直すこともできるのよと言ってくれる。そういうやり方を分け合って、うけついでいくんだなあと思った。

作品はクリスチャン・ラクロワのオーダーというのでかなり豪華な刺繍。チュールみたいな薄い薄い布にいろんな模様を刺してゆく。予告編で見れるのですが、スパンコールの並べ方もきっちりしてるのがすごかった。もっと見たかったなあ。刺繍以外にもきれいなものがいっぱい出てきて楽しめるのでおすすめです。ストッキングのシームの場面とかフランスだなあと思った。主人公とか弟の普通に着ている服もかわいかった。毎日着てる青緑のセーターがよかったなあ。


2005年11月15日(火) hifana / tabra!!(CDR)

Borisの新譜は来週リリース。ぼちぼちインタビューも読めますね。rooftopのページより。いつも思うけど、本当に言葉遣いの達者な人たちだなあと思う。ギターのWATAさんは全くしゃべらないけどね…でも語りの巧みさも売るというより伝えたいという気持ちからのものだとわかるので信じられる感じ。信じると言うより、心酔していると言っても過言では無い私ですが。12/17のライブ、お金無いけど行くしかないよねー。ああもうどうしよういや行くけど。いやお金無いんだって。その前にもいくつか行きたい予定あるし、なんとかしないとな。いやこの11月、12月はすごい予定なんです。がんばる。


hifanaのChannel H買ってます。bounceのインタビューがおもしろかったのでどうぞ。思ったより聴きやすかったです。HIPHOPっていうともうギャング、金のチェーンがじゃらじゃらみたいな(笑)偏見があったので、なんかいろいろあるんだなあと思いました。インタビュー読むともっとアウトドアというか、レイヴとかそういう感じなのだな。って…私はもうぜんぜんそういうものに関して語彙が無いですね。

前にDVDいらないからもっと安くとか書いたんだけど、DVDがあってよかったです(笑)すみません。ライブ映像がよかったですね。実際に生楽器は何を組んでるのかとか、サンプラーとかそうやって演奏してるんだっていうのがわかってよかったです。見てるとドラムのみならずパーカッションもしっかり演奏できる方みたいです。サンプラーの他にハンドソニック、あとダラブカとサルサで使うティンバレスがカウベル類と一緒にきちんとセットされてましたね。でターンテーブルを擦りながらカオスパッドをきゅっきゅっとやりながら、とシームレスに演奏しているという感じ。頭の中はどうなっているんだろう…

でも何と言ってもアサラト!!ドラムマガジンではパチカという名前で紹介された楽器ですが、ピンポン球状のシェイカーを2個ひもでつなげたもので、それを指で操ってリズムを出すもの。とても難しいけど見かけがかっこよくてジャグリングみたいに披露されたりします。これのソロ演奏がCD/DVD両方に収録されているのですが、時間もけっこう長くて(10分以上あると思う)見せ場のひとつになってます。なかなか無いと思うので興味のある方はどうぞ。しかも2人でやっててけっこう緻密なポリリズムのアンサンブルになってます。あとサンプラー名機と言われるMPC2000のパッドを使うというのも売りみたいなんだけど、その演奏場面もふんだんに盛り込まれてます。DVDにはアサラト&パッドの曲もあり、ほとんどデモ状態になってますね。パッドに音のマークのシールが貼ってあるのが親切…パーカッションとかリズムが好きなんだなあと思いました。

曲はなんでもありな感じ。ちょっと自分には解説はできないけど、そんなにトライバルな感じではなかったような気がする。テレビとかラジオをずっと流してる感じで合間のジングルがいいです。巡礼の方のシタールがちらっと聴こえたりする。バンド名にもなった沖縄の音楽も効果的に絡んでいると思う。うーんでもなんでもありすぎだなあと思う所もあり。DVDはPV集だけどアニメもドラマっぽいのもよくできてます。香港映画ぽいBANGZAI COOKINGがくだらなくてよかったな〜。音がいちいち映像に合ってて関心しました。アニメはWAMONO(和モノ)というのが海の男たちがあんこうのような魚の中でDJプレイみたいなオチでおかしかった。

自分がいちばん好きなのは割と普通のファンクのビール讃歌Mr.Beer。英語でミスタービアとか歌ってるんだけど、思いっきり塩辛い声のボーカルが気さくな感じで、吉祥寺拠点だけにいせやとかエビスとかああいう大衆酒場的な雰囲気をほうふつとさせる。公園で車座ワンカップ大関、ってビールじゃないか。このボーカルがほとんどSFUの中川敬ばりでびびったのですが、犬式というバンドの三宅洋平という方でした。なんかすごい興味あるわ…ちなみにDVDではボーカル無し。残念。


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打楽器というかパーカッシブな曲を集めたCDRです。ちょっと北アフリカ〜アラブな感じ?


2005年tabra!!

1. 練習その1 / タブラクワイエサ (アラビックパーカッションのアンサンブル:乱れ打ちその1)
2. Battlefront / The Mardi Gra Indians (ニューオリンズのアフリカ+インディアン的なドラム音楽)
3. Amber Bazaar / boris (架空のサウンドトラック、架空の民族音楽)
4. Revenge / Super Junky Monkey (10秒できめろ!)
5. A Completely Identical Dream / Buffalo Daughter
6. Gamerange / Mats Eilertsen (チェロとベースによるガムラン的?音楽)
7. マルフーフ / タブラクワイエサ (基本パターン)
8. Turkish Manbo / Lennie Tristano (ポリリズムのピアノ)
9. Ambergris March / Bjork (鈴とベルと氷琴)
10. I Know
11. Earth Punk Rockers / Buffalo Daughter
12. 練習その2 / タブラクワイエサ (乱れ打ちその2)
13. Koulandian / Keletigui Diabate (マリのバラフォン)
14. アラベスク / 羅針盤 feat. China (スネアのミュートを聴け!!)
15. Naiagara Hospital / Aoki Takamasa + Tujiko Noriko (タップダンス?)
16. サイーディ / タブラクワイエサ (カウントは巻舌で)
17. Garab / Rachid Taha (モロッコトランス:Gは喉を鳴らすこと)
18. MTV Top of the Hour Music (Bonus Track) / Super Junky Monkey (2分でやり尽くす!)



2005年11月14日(月) 十 / バンバンバザール

バンバンバザールの10枚目のアルバムという十。先日TSUTAYAで借りたのですが最高です。車で流してて、このオケの豪華さは尋常じゃない…!と思い調べてみたらカンサスシティバンドという方々が一緒にやっていて、ライブでもときどきやっているみたいですね。管がゴージャスだし、ドラムなんかプロみたい…(はあと)と思ったら本当にプロのビッグバンドでやっている方でした。失礼しました。いやー新譜で買わないと。金箔使いでおめでたい感じ。あやかりたいのでお買い上げー、なんて私までジャンプブルースモードに…(馬鹿)

と言いつつ、中身はいつものちょっと毒の効いたバンバンバザールの音楽なのですが。妙に懐かしい、80年代のニューミュージック(佐野元春っぽい)的なアレンジのバックオーライ、ぶらさがって来いよ!と言わんばかりにでっかいフックがきまっているニューオリンズジャズ風のお金は淋しがり屋、金子マリさんとのデュエットレ・ザデューのただれた大人の恋の歌…忘れないわあなたのこと/いや忘れてくれ俺のこと。また浮かれたオートモービルでは作曲/ギターの方のボーカルを初めて聴いたのですが、なかなかよかったです。この方のギターもすばらしいです。

あとは軽妙ないかにもジャンプブルースって感じのちょっとだけブルースに、ほとんどお仕着せのゴージャスなビッグバンドジャズ恋はねずみ色(…)(やべ今聴いたら切なくてよかった…)など、ふざけてて笑える曲満載なのですが、まじめに聴いてもすばらしいアルバムです。オールドジャズファンにおすすめ。私は明るい表通りで(Sunnyside of the Street)が好きなので再演が入ってて嬉しかったです。歌詞とか、最後の展開部とかオリジナルの所が好きですね。輝くこの道って、sunnyっていうんだけど、それはネオンがきらきらした夜の繁華街の道だったりとか、夜更かし明けに朝日に照らされた道のことなんだなあ。

あとやっぱり恋の歌だねー。ジャズは恋の始まりと終わりを歌う音楽なんだなあと思う。バブリーな恋のフィーリングもいいし、本格的なアレンジのウェディングソングマリアッチがすばらしい。歌詞がむりやり博多弁(笑)っていうのも泣けるし、なんか本当に楽隊を連れて好きな人の窓辺で歌っている絵が浮かんでくる。あざといわーと思いつつ泣かされます。必聴。


ああ…ジャズっていろんなのあるけど、やっぱり自分はこういうのが好きだわー。ジャズを聴いてみたいという方がいたら、迷い無くこれを差し出すことでしょう!次は阿部薫かもしれないけどね…ふふふ。これじゃなかったらモンクトリオとか、ディジー・ガレスピーのチャンプ(ソルトンピーナッツが入ってるやつ!)かな。スタイルは古いしコンサバに聴こえるけど、メンバーの方が同世代で、たまたま結成直後にお見かけしたということもあって、自分にとってはすごいリアルな、今の音楽に思える。私も古いジャズばっかり聴いて演奏していましたし。菊池成孔もいいけどー、あんなスノッブな、ブランド並べて悦に入ってるって、ぜんぜんかっこよくない。まあ人それぞれだけど、こういう今もあるんだよ、と言いたい。

画像は先日逝去されたクラレンス・ゲイトマウス・ブラウンのGate Swing。ニューオリンズのハリケーンの被災直後、避難先でおなくなりになったとのこと。合掌。こっちはビッグバンドを従えてのテキサススタイル・ジャンプ・ブルース。無骨。ブルースをけとばせ。いつ見てもループタイに帽子からブーツまでカウボーイスタイル。インタビューでもあの吾妻光良さんが怒られてたりして、頑固親父なのがかっこよかったです。


2005年11月12日(土) sun green,earth brown,and bleeding red (jacket the devil put on)

桜坂劇場にてニール・ヤングのGreendaleを見る。ボブ・ディランの頭の中を見るつもりだったのに終わってました…この日ニール・ヤングさんの誕生日だそうで、ついでにここに書いておきます。

この方についてはハーヴェストしか聴いたこと無くてよく知らないのですが、見てみるとアルバム一枚分の凝ったPVという感じでした。全10曲フルでかかっていた。リンクした所には曲名が書いてないのでアルバムのページもどうぞ。CDについているDVDはライブ映像のようです。解説を読むと、ファンの方には賛否両論、というかあんまり人気のあるアルバムではないようですね。確かに音だけ聴くと飾り気が無さ過ぎて退屈な所もあった。わざわざそうして物語の普遍的な側面を強調したいのかな、なんて思いました。

話はグリーンデイルという町に住むグリーン家のあれこれを描いた?もの。社会的なメッセージもたくさん込められていてああそうなのかと思いながら見てたら最後の曲でセイヴアラスカ!みたいなシンプルなエコロジー讃歌になってしまい、自分にはほとんどギャクに見えてしまったので、ちょっとそのオチはどうなのかと思ってしまいました。でもニール・ヤングの中では別に揶揄の部分はみじんも無く、きれいに完結しているのだろうな。後で読んだ雑誌のインタビューではクリーンエネルギーについて熱く語っていたし。この曲の所だけホールでライブ映像を撮っていて、登場人物が総出演、舞台上に独房(家族に逮捕者がいる)とグランパが揺り椅子に座っているダイニングのセットもつくられておもしろかった。03年の武道館コンサートでもこのセットでやったみたいです。

登場人物は、絵が趣味で街のギャラリーに何度も持ち込んで断られてるお父さんとか、いろいろ個性的な方々だったようなのですが、孫娘のサンがかわいくて印象的でしたね、牧場で干し草でNO WARサイン描いたり電気会社のロビーでアジったりして。そういう所はおもしろかったな。ドラッグに寛容(語り手が)なのはカリフォルニアだから?こういうメッセージ性の強い作品というのはNYテロ後に何か提示しようということなのかと思ったけどそれにしては素直すぎるような気もするのでそうでもないのかな。見てると自分もごく単純に、アメリカって広いんだな。そんなに広いんだったら演習場とか軍施設を引き取ってもらえないものかなあとか思ったり、うーんやっぱりファンじゃないんで素直に楽しめるものではなかったな。


表紙がかわいいのでつい買ってしまった西島大介ディエンビエンフー。かわいらしいけど別に切なくはないのでご注意。読む人を選ぶなあ。ご本人のサイトにもあるけど、これで話が完結しているどころかか導入部にすぎないのでなにがなんだかわからない所もあります。何これ?っていうのもあるな。話がすすむといろいろわかってくるんだろうけど、まだつかみの部分なのでまだ何もないって感じだった。20代だったらもっと感じる所あったかも。でも20代の人にぜひ読んでみてとすすめる気持ちはおこらないけどな…誰かにすすめるようなものではないのだろう。

作中にわざわざ岡本太郎の「殺すな」ロゴが貼り付けられたり、時代考証をした上での演出が今の世界とリンクしているようなのがおもしろいのかな。でも今の所、ああ、みんなこういうキャラクターが好きなんだなあ。としか思わない。大友克洋とか松本大洋とか(そんなに漫画を読まないのでそれくらいしか思い浮かばないのですが)好んで描くような、ほとんど愛情と見間違うほどの無垢な暴力、無敵な存在、その世界を支配する圧倒的な力というようなもの(そしてそれはだいたいかわいらしい子どもの形をしている)。都会の人はそういう存在を求めてるのかなあ。営々とつくりあげたものを全てなぎ倒してぶっ壊してしまうもの。そういえば古いけど、橋本治の暗野という小説を思い出しました。まさにそういうSF小説でしたね。



ドミノも見てます。キーラ・ナイトレイを見に行ったので他の所はどうでもよかったのですが、登場人物が多すぎてあんまりキーラちゃんの見どころが無かったのが残念。バウンティ・キラーという職業になじみがないので端折られるとぜんぜんわからない。保釈金の兼ね合いで犯人を捕まえる仕事、て感じでしょうか。もっとニキータみたいな感じで始めから仕事人になっていく過程をじっくり見せてくれるとよかったのに、雇い人の家族の話の割合が大きすぎて何が焦点なのかよくわからない。

というか、監督のトニー・スコットはドミノ・ハーヴェイと仲が良かったそうなんだけど、実際の伝記の要素は一割くらいで、あとはそれをダシにしてやりたい放題やっただけではないか、という印象だったよ。実在のワイドショーを使って人種的な差別問題を茶化してみせたり、アフガン系のキャラクターがいきなり登場してきたりとか、最後の場面(盗んだ金がアフガンのキャンプに送られる)とかしゃれにならないのでは、と思ったけどなー。

なのであんまりまじめに考えてもしょうがないかなという感じ。映像の凝った所は悪く無かったです。トリック的な所とか、軽く人物紹介をするように、作品中のセリフをサンプリングしてBGMのHIPHOPと絡めたオープニングとか、かっこよかった。最後もエンドロールに入る前にファーストネームだけ出して人物紹介していくのがよかったな。最後にドミノってご本人が出てくるの。実際はヒラリー・スワンクのアクを抜いたような感じなんだね。スレンダーでマニッシュな印象。あのワンショットは最高によかったな。

キーラ・ナイトレイはぜんぜん似てないのでは、と思ったけど好きだからいいや…見ているとやっぱり最初の欲求不満でひねてる所がいちばんかわいいんだよねー。ベッカムに恋してで主人公のライバルになる友人の役がはまってて、やっぱりそういう怒ってる所が魅力的な人なんだなと思った。親との関係とか精神的な問題があったんだろうけど、あんまり前面に出てこない。キーラ・ナイトレイがとても健康的なので見ていても気にならないんだよね…たまたま血の気の多い子だったのね、くらいで。(私がそういう話であってほしいと思ってるからなんだろうけど)

顔のそっくりなナタリー・ポートマンと違って泣き顔がそんなに印象に残らないのが意外だった。ナタリーがすごすぎるのもあるけど…やっぱり時代劇とかアクションものに向いている人なのだろうか。ミシェル・ロドリゲスとか栗山千明とかと共演してほしいなー。SWATの相棒ものとかやってほしい。てっきりルーシー・リューと斬り合い(笑)とか撃ち合いとかあるんだろうと期待してたのに、ねちねちした尋問の場面であそこは冗長だった。ああいう心理戦的な演技あんまりうまくないんじゃないかなと思った。必要な場面ではあったけど。

あとミッキー・ロークが普通にいい感じだった。もっと変なしゃべり方じゃなかったけな…昔のエンジェル・ハートのなんか食えない、どこか信頼できないあやうい感じがあまり無くて残念…キーラに恋する青年チョコちゃん(かわいい)を諭す場面とかいい人だったし。あそこはちょっと泣ける感じ。気のある子に通じないスペイン語でしゃべってしまうのは、かっこつけてるんじゃなくて気持ちを正直に伝えたいだけなんだね…後半いきなり出てくるアフガン系の運転手もおもしろかったな。

またインチキ牧師風にBGMとともに車で登場するトム・ウェイツ(本当にあやしかったこの人…)とか、雇い人のデルロイ・リンドーが好きなので見れてよかった。60セカンズで車泥棒のニコラス・ケイジを追いかける刑事の役がかっこよかったです。それにしてもバウンティ・キラー界隈と対照的に、唾棄すべきものとして主人公の中流家庭のスノッブぶりとか大学の女子寮の風景が対置されていたのですが(ここでもテレビ局のクリストファー・ウォーケンとミーナ・スヴァーリがナイスキャスティング)、そういう嘘くさいぬるい人間関係から逃れるためにはアウトローになるしかないんでしょうか。そんなことないよね。


2005年11月11日(金) おはよう / 会えない人(CDR)

おはようございます。今日は晴れました。昨日は冷たい雨が降っていた。CDRは届いておりまして、私の方の発送が遅れております。すみません。特に編集CDRの方は車でかけてて飽きてしまったのでつくり直してしまった…もうこれで決めます。

しかしこの前のしばさんの演奏おもしろいな。トランペット3人がバラバラのサウンドで(笑)、合ったり合わせなかったり合ってなかったり合わせてたり。私も合わせたり合わせなかったり合ってなかったりしてたな。カウベルとか高音の楽器があるのでカラフルな感じになっているね。太鼓はことごとくベースをじゃましているようなのが申し訳ないのですがこちらもボーダーレスな演奏で、演奏してる所を見ないとどれが誰の音かわからない所があったり。

打楽器とか適当にみんなで叩き合ったりしてもいいけどな。セットばらして分散して置こうかな。録音状態が非常に悪いのは改善するべき所だ。せっかく高いマイク買ったのに壊れてるみたいで変なノイズが入ってる。MDレコーダーに付いてたマイクの方がまだましでがっくりです。いっそ変換アダプタ付けてSHURE57とかにした方がいいのだろうか。とメモでした。


7月に撮った写真を見てた。これはupしてないなあ。Charlie Haden - Chet Bakerのアルバムを買えて嬉しくて封を開ける前に撮ったんだ(馬鹿)。他のCDは上の左からTuranga、borisのマブタノウラ、Susanna and the Magical Orchestraです。何枚も買った中でこれがいま好きだなと並べて撮ったのかな?これは今年のベスト10に入るね。まあまだまだわからないけど…(それにしても今年新譜いっぱい買ったなあ)もう11月なのにこれからBoris、WEG(+MONO)が出るし、知り合いのつくってるCDとか、航さんの山吹もまだ聴いていません。どうなるかな?まだまだ楽しみです。


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CDR送りました。何枚かためてあってBOX状態になってしまいました(笑)。重かった。ずっと車でかけてて飽きてしまったのと、どうせなら日記で紹介した音源も入れようとよくばってしまったな。今日はその中の一枚のリストを。会えない人への思いを込めて。出会えなかった思い出のために。


2005年秋Requiem

1. 同志はたおれぬ / 篠田昌巳(as) as Compostela
2. Mary / Yann Tiersen feat. Elizabeth Fraser(vo)
3. 小さなもの / 羅針盤
4. Fly Variation / Aoki Takamasa + Tujiko Noriko
5. ばらの花 / くるり
6. All is Quiet / 板谷博(tb) as Guilty Physic
7. Requiem / Lennie Tristano (solo)
8. 道標 / 航
9. La Pasionaria / Charlie Haden as Liberation Music Orchestra
10. アザナエル / 特撮 feat. 三芝理 (p) and Narasaki (vo,g)
11. もくまおう / Cocco
12. 会えない人(月) / 羅針盤 feat.China (ds)
13. Over the Rainbow / Guilty Physic


篠田昌巳さんの思い出のために。毎日のようにMandala-2を通り過ぎるだけで(他の店に勤めてたんだけどここは大人の行く所なんだと思っていて、なかなか足を運ぶことがなかった)いつかコンポステラを見に行こうーと思ってた頃、92年のサーブリーンというアラビックロックのバンドの来日公演の会場である渋谷教会にて、初めて見ようと思っていた篠田さんは現れず、コンポステラによる追悼ライブが急きょ行われた所に出くわしたのです。

ファンというわけでもなく、これから見るんだと意気込んで来た者には所在も無くつらい時間だった…音楽は見たい時に見ないといけないんだと思わされた最初の体験。そこでこの同志はたおれぬをやったかどうかは覚えていません。これは去年、学生会館取り壊し記念オールナイトイベントでシカラムータで大熊ワタルさんが吹いていた思い出も込めて。

板谷博さんの思い出のために。96年、中野ZEROホールにてヨーロッパと日本のフリージャズの演奏家が集って、そのオーケストラのライブがあるんだということで、先輩のすすめがあって見に行ったもの。まだジャズを聴き慣れていなくて、知っているのはtpの五十嵐一生さんだけで、高瀬アキ - シュリッペンバッハ夫妻を始めとするそうそうたるメンバーがステージを埋めていたというのはいま考えてもすごいです(ドラムはPaul Lovensだったとのこと。既に見てたんだなあ…)。

そこで急きょ出演できなくなった板谷博さんのことはまだ何も知りませんでした。まだドラムを習いに行く前のことで、その後にGuilty PhysicのアルバムVALとか、オリエンタル・エキスプレスを聴いた時に、うわなんでもっと早く聴いて、見てなかったんだろうと悔やまれてならなかったです。スクールで習うことも可能だったのですし…VALのヴァージョンのNaimaがとても好きで、なんでこんなアレンジになるんだろう?ってずっと考えてて、エリック・ドルフィの欧州ツアーのライブ音源を聴いて、その謎がとけた時のことを思い出す。スクールに通う時に乗り換えで行き来するお茶の水のプラットホームで。やっぱりどうせならご本人におききしてみたかったけど。どういうふうに答えてもらえたんだろうって思う。謎は仮定のまま。

偶然と言えばそれまでで、音楽に限らずこういうことはよくあるのだろうと思うのですが、改めて音源とか、ライブの記憶が残るというのはすごいなと思います。逆に言えばいなくなってしまうことになってさえも出会わせてくれる、というか、こんな鈍くてどんくさい自分にも音楽は追い付いてくれるんだ、と思う。その人に私は出会ってしまっているのだということ。それにしても見たいものは見ておかないとだめなんだなあ…

くるりとか特撮はただ好きなのでちりばめてみました。切ねえけどねー。適当に選んだら優しいラブソングっていう感じで集まったね。けっこうこのリストは気に入っています。Cヘイデンのラ・パッショナリアもここで聴きたかったので。あのテーマに入る前の数小節が無頼に好きで、自分はそこに住んでいるのではないかと思えるほどだ。このヴァージョンではベースソロの前の所に来るたび涙が出る。周りのジャズ人に人気があるので、よく演奏されるのも聴くけど、そこばっかりどうなっているか気になってしまう。もし自分が演する機会があったらやっぱりそこにいちばん力が入るのだろうなと思う。

ヤン・ティルセンの、リズ・フレイザーの入ったMaryは何度も繰り返されるメロディが明らかにPPM(Peter Paul and Mary)の曲のフレーズだと思うのですがどうなんでしょう…曲名まではわからないけど、母親が好きで小さい時によくカセットをかけててその記憶がある。違うかなあ。ティルセンも自分と同い年で、もしかしてそういうノスタルジーがあるのかな、などと思ったりした。歌詞も母親と子供のことを歌っているし。


2005年11月06日(日) 日曜日 / 小さなもの

羅針盤の福音の最後の曲、小さなもの。小さなうた。歌詞を全部書いてもこれだけ。つながれてた糸が切れて ひとりだけになると 支えていたものがとれて 誰の顔も覚えられず それは小さな小さな小さなこと 何も変わる所が無い あきらめてしまえることは 深い所へうめて 誰かのために生きるなら うまくやれるかもしれない それは小さな小さな小さなこと うまくいかなくなればいい 胸に浮かべた黒い船が 波打ち際に乗り上げる 気が付いたら眠っていた そのままどこまでも 目が覚めたら 生きていると言えるしるしも無くて 過不足の無いいのちよりも えらくなれる予感も無い とても小さな小さな小さな 花  ひとつかみにひろがるつよさ それは小さな小さな小さな 花 終わりを飾る道の花 先送りにされたものが しだいに意志を持って 切りはなされた糸を結び またつながれてゆく

ドラマーを失うのはつらいことだ。誰を失ってもつらいことだけど、そのバンドの音を決定づける大事な部分がなくなってしまうということを考えてほしい。歌に寄り添う鼓動を失ってしまうことだ。何も考えずに2枚のアルバムをiTunesに読み込ませて、今日はだらだら聴く予定だった。小さいもののグロッケンが泣けるの〜とか、いるみの轟音ギターが大好きなBorisみたいで笑った、とか他愛無いことばっかり書こうと思っていた。こんな形で山本精一さんの歌に耳をかたむけるのは不本意で、よけいに素直に聴けない。

チャイナさんのチューニングとミュートで響く音、詰まらせた音、穏やかな演奏なんだけど、鼓動のうちつけるような力強さ(小さい音だからリアルなのかもしれないな)を感じるおもしろい音だ。ドラムの音と、ドラムじゃない音がある。何なんだろう、そんな感じでもっと聴き続けて、ここにいろいろ書き留めようと思っていた。遅すぎる、また遅すぎてしまった。


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