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フリフリおれ的わたし的ベスト2007はこちらより


2005年08月30日(火)  叩 

先日好きなバンドが自分と同じ誕生日という話を書いたのですが、こちらも私と同じ誕生日のマックス・ローチ(ds)。アンソニー・ブラクストン(sax,cl,fl)とのデュオ・ライブアルバムOne In Two-Two In One。79年のジャズフェス。Hathutにもマックス・ローチのアルバムがあるんだと思って買ったのですが、思いのほか音響的な演奏が多くておもしろかったです。

特に冒頭のシンバル(チューンド・シンバルというクレジットがあり)&ゴングプレイがすばらしい。セットの仕方も入念に準備されているのが感じられる。でもどうやってるのかが見えないので私にはわからないのですが(涙)。後半にはグロッケンの演奏も聴けます。ひとつひとつ鍵盤をミュートした音がおもしろかった。指で押さえてるのかな?ドラムソロになるとあのばたばた・どこどこの硬いノリのいつもの感じになるのでああやっぱりマックス・ローチなんだなーと思う。ブラクストンさんのサックスも柔らかい感じで聴きやすいように思いました。フリージャズのアルバムにしてはとっつきやすくていいと思いました。

飴屋法水さんのインスタレーションの終わった後の話を読んでいます。箱の外の話細馬宏通さんのブログより)と中の話大友良英さんのブログより)。あーやっぱりこういうことがあったんだなあと思いながら読んだ。画鋲の音ってどんな音なのかな?mixiだともっと詳しい話が読めるようで、退会した自分はちょっと悔しいのですが…まあ実際に行かなかったし、足りないくらいでいいかなと思う。箱の他にも君が代をモチーフにしたインスタレーションとかおもしろそうでした。言葉で説明するのはちょっと難しい感じですが…

松本健一さんのサイトがあったので見てみました。あーWEGで吹いてる人、と思っていたのですがいろいろ即興のワークショップをやっている方だった。私が数年前ネットを始めてフリージャスについて調べてる時によく名前をお見かけしたのだった。昔通ってたHot Music Schoolでも教えてらっしゃったのだなあ。あっ今見たらいつの間に板橋文夫さんとか井野信義さんとか室館彩さんとか講師が増えている!いいなあ…沖縄じゃなかったら通えるのに(馬鹿)。ここは発表会がおもしろいんですよね。この顔ぶれによるどスタンダードの演奏が文字通りのスーパーセッションになってて見応えがあります。外部の方も入れる(有料)と思うのでお好きな方はぜひ。

話がずれてしまいましたが、秋につの犬(ds)さんが沖縄にいらっしゃるらしいです。つの犬さんといえば自分の中で激しく気になっているパワートリオしか思い浮かばず、今から胸がときめいてしょうがないです。載ってる写真もすてきだ。スケジュール見ると違うっぽいけどね…

国立No Tronksのブログ
にも載っていましたが、これがSJMのかわいしのぶ(b)さんが入ってるんですよ!!彼女が年下とわかって驚愕しているのですが…ファンクがとてもうまいベーシストの方です。SJMはハードコアのバンドなんだけど、ドラムのまつだっっさんとともに日本最強のファンキーなリズム隊をつくっていました。解散後にナインインチネイルズからオファーが来たという話もきいております…このバンドは即興的でゲストも毎回交えて演奏しているようですが、つの犬さんと一緒だとどうなんだろう。気になって気になってしょうがない。と思ったらおーらいレコードからアルバム出るみたいです。やった!待ってる!

ってまだ話ははずれてて、このサイトのツノ犬速報!の所ですごくちっちゃい字で書いてある「命に叩が含まれて居る事」に私もびっくり、感動した次第です。今日いちばん書きたかったのはこれでした。つの犬さん教えてくれてありがとう。ああ、知らなかったよ。たたくって漢字で書くのあんまり好きじゃないので。命って両手を広げて片足で立つことじゃないんだね!調べたら命の部首は「ひと」。ひとやねとかひとがしらとも呼ばれていてにんべんと同類で人を表しているみたい。起原は何なんだろう?

叩くことに関する一説。僕は音楽を(つくらない)という曲 from左岸・右岸(Bishop Records) / 河崎純(b)+国広和毅(vo,reading): 僕が聴くのは 僕が壁をとんとんとん! と叩いて 君がとんとんとん! と返す その音! でもそれは音と呼ぶにはあまりに単純な波形のため あえて振動と呼ぶことにしよう その振動はときをこえることがある 初期振動が大きければ 遠く 行く というものでもないし 小さければむろん 行かない 振動がときをこえるのは 最初の試みの一回と あとは経験と勇気に裏付けられてからの無限回 でも音楽は鳴らない たとえ鳴ったとして! 鳴ってはいけない


2005年08月25日(木) 横川理彦ライブ at 1mile

初めてiTunesのパーティーシャッフルを聴いてます。変…でもない。自分でつくるセットリストもバラバラに好きなものを入れてるのでSJM-The Who-Frank Zappa-Merzbowときても特に驚くことはない。たまにキースジャレットが入るのがびびるけど。金大煥(ds)久しぶりに聴いた。この原田依幸(p)さんとのデュオがすばらしい…わざわざこれを選んでくるとは、iTunesわかってるな。アトランダムじゃないの?シェシズの曲も篠田正巳(sax)さん入ってるしマッシブアタックもリズ・フレイザーが入ってるやつだ。どういう法則があるのだろう…

今日は久しぶりに那覇市安里の1 mileまでライブを見に行ってきました。横川理彦(ただひこ・vln,laptop,vo,g)さん(Manual of Errorsのページよりプロフィールはここ)のライブがあると情報誌で見かけて気になっていて、仕事あって半分しか見れない感じだったのですが、ヴァイオリンのインプロなんかめったに見れない、見れるだけ見とこう!と、山原より車を走らせました。店についてチラシを確認したら、昨日今日と思ってたら明日があるじゃん…しかもヴァイオリンの方が入る…ショック。電話でもして確認すればよかったかも。

書いておくと翌日の予定はなかじままほ(vln)さんとがちゃぴん(b)さんとのこと。なかじまさんはアイリッシュバンドやロックバンドのアコースティックセットなどで活動している方で、入るとどんな感じになるのか非常に楽しみでした。がちゃぴんさんも何をするかわからない所(笑)が期待をそそるというもの。なかじまさんはこの日も来てたけど演奏が見たかったなあ…まあでも今日の共演者はホール(g)さんと波平雄太(g)君で、それもよかったです。

遅れて着いたので残念ながら最初のホールさんと波平君デュオの演奏は見れなかったのですが、横川さんのセットが始まる所でした。お客さんの入りもなかなかで若い方も年配の方もいておもしろかったです。

1mileはステージは無くて、奥のレコード棚やPAブースの隣りのスペースで演奏をするという感じになっています。小さなコーヒーテーブルにラップトップと周りに楽器が置かれていて、思ったよりすっきりした感じでした。私は10年くらい前に渋谷on airのイベントで見た記憶があったのですが、確か福岡ユタカさんとデュオ?(あるいは並び)だったかなー。

あの時はラップトップは無し、MCも無くずっと楽器弾きまくりでディレイでどんどん重ねていくという感じだったのでそういうスタイルの方だと思っていたのですが、今回はかなりラフな感じでおもしろかったです。歌ものが入るとは思わなかった!しかも客席から手拍子、コーラスが入る!楽しい…ファンの方なのかな?メトロファルスの曲なんでしょうか。丸太橋に火をつけて〜とか外で泣く(おしおきされた子どもがモチーフ)とか歌詞がけっこう変なのですが、スカスカなサウンドとのんびり・ポップな感じがとても懐かしい気分でした。ぽかんと晴れた雲間を見る感じ。

横川さんの話だと、家でやってるレコーディングの雰囲気をそのままライブでもやりたいということだったのですが、画面を指差確認しながらの演奏がおかしかった。楽しい〜こんなの見たかった。店主のホールさんとお友だちということもあってかMCもざっくばらんな感じなのがよかった。曲は最初にギターやヴァイオリンでループをつくってそれを使って歌を乗せていくという感じです。見てるとギターでもギターらしくない?フレーズが出てきたり、ヴァイオリンをわざとかすれさせてつたない弾き方をしたり、ウクレレみたいに抱えてつま弾いたりといろんな使い方をされていて飽きなかった。

ラップっぽいリズミックなのとか、詞のフレーズを使って言葉のループをどんどん重ねていくWalk Songというのが非常におもしろかったです。あんまり音をいじらないで言葉がききとれるくらいの声がとびかっていて気持ち悪い(笑)のがよかったです。リアルタイムでエフェクトをかけたりとったりというのも生演奏で聴くとおもしろいですね。また最後のヴァイオリンを使ったDiveがメロディがきれいでいちばんよかった。

休憩をはさんでホールさんと波平君を入れてのセッションもありました。嬉しい〜。来てよかったー。にこにこと集まって特に打ち合わせするでもなく無造作に始まる演奏。前も思ったけどホールさんと波平君のデュオがおもしろくて、わざわざ合わせてるっていう感じすら起こさせない合いっぷりなんですよね。初めてやった時からそうだったというお話ですが…赤い糸?(笑)スタイルが似ているというよりむしろ適度な距離感を感じる。それがあってうまく音楽をつくってるというか。というかお2人ともギターを弾くばっかりではなく音楽の全体像を見ながらつくっていく目があるのだろうなと思う。おもしろいのでいちど見て頂きたいです。

ホールさんの民謡風ギターに乗せてのDive沖縄ヴァージョンから始まり、グルーヴィで楽しい演奏でした。私も手拍子や近くにあった灰皿をたたいて参加。ヴァイオリンが入ってぐっと濃くアングラな雰囲気になったり、アンコールの手拍子の感じがいいね、とそのテンポで始まったりとか即興ならではの楽しみがあった。小難しく考える所も無く素直に聴けて楽しめたのがよかったです。ワンマンの演奏っておもしろいなあと思った。自分もいちどやってみたい。


2005年08月22日(月) susanna and the magical orchestra / エレニの旅(映画)

ライブが終わり平日のお休み。映画を見ようと思っていて、テオ・アンゲロプロスのギリシャ映画エレニの旅に決めたら、車の中で聴くCDもなんとなくSusannna and the Magical OrchestraList of Lights and Buoysになった。ジャケで選んだとも言えるし内容で選んだとも言える。外には出たけどひたすらゆっくりした動きで、買い物とかぜんぜん用事がはかどらない。夕方は渋滞して車もすすまないのがむしろ楽しかった。

Real & Trueのページより。試聴もできるようです。脳とか体の動きが落ちている時なのでむしろじっくり聴けたような気がしました。スサンナさんのボーカルもよく聴こえるし、バックトラックもいいですね。ものすごくうすいのですが、それが気持ちよかったです。カバーのJoleneがずっと知らない曲だと思っていたのだけど、あっ昔はやったジョリ〜ンって曲だね!と思い出した。切ない曲だったんだな。賛美歌のようなメロディで悪魔とギターのことを歌ったSweet Devilっていうのがよかった。ギターの音がひとつも入ってなくて。お兄さんのクリスチャン・ヴァルムルーのピアノを思い出しました。やっぱり似てるかも?

日が暮れてどしゃぶりにおそわれながらも映画館へ。桜坂劇場の売店で気付いたんだけど、こないだ踊りのしば先生が使ってたぐにゃぐにゃしたメタルカラーのパイプのオブジェってここに売ってたよ!なんだこれって思ったんだそういえば。で本棚に大野一雄の本があったので買う。しば先生はちょっと前に出た舞踊全集を買ったって言ってたけど、あれも新都心の本屋で見た気が…お金なくて買いそびれてたらなくなってたんだ。その本も先生が買われてたりして…とほほ。これ自分が買っちゃうけどいいよね?

こないだダンスの雑誌を差し上げた時に土方巽の話になって、舞踏というのは土方巽の踊りだけなんだと力説されていたんだけど、ずっと先生は暗黒舞踏、舞踏という言葉がお好きでないときいていたんだけど、それは好き嫌いではなくて、土方巽に敬意を払ってのことだったのだなと思った。大野一雄についてはどう思われているのだろうか。私もNHKあたりの映像をちょっとだけしか見たことがなく、知らないに等しいのですが…わたしのお母さん、ラ・アルヘンチーナ。私の中を鰈(かれい)が泳ぐの。

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エレニの旅は音楽映画だった。(サウンドトラックのページ。ギリシャ文字のエンドロールで全く読めない中でECMRecordsのクレジットを見てなぜかほっとした笑)あの驚異的な映像美を堪能するべくいどんだのですが、登場人物が音楽家ということで話の中で音楽がキーになっていた。もちろん演奏風景というのはとても絵になるし、劇場が難民宿になってるとか、政治的な状況で音楽活動が弾圧の憂き目に遭うとか、いちいちドラマチックだったな。

ギリシャについての基礎知識がほとんど無く、暑いか寒いかもわからないし、音楽もどんなのかよくわからなかったのですが、アコーディオンにヴァイオリンにサックスにダラブカが入ってるのが驚き。ギリシャでの呼び名は違うんだろうけど…自分が持ってるのとそっくりなアルミ製のダラブカがあったな。布のカバーをつけてるんだなあとチェックしまくり。登場人物のエレニの夫がアコーディオン弾きで、そのテーマの複雑な変拍子の曲がいろんな場面に現れる。

最も美しい場面はエレニとその夫が故郷の村を逃げた先で楽団員たちに受け入れられる、練習場の自己紹介の演奏の場面でしょうか。また海辺?のシーツを干した所で、音を追ってシーツのかきわけていくとひとりずつ演奏家が現れる所だった。またギリシャの民謡とか歌謡曲ばかりの所にいきなりアマポーラが流れてダンスパーティをするところがあってどきっとした。イタリアと共同製作だったからかな?私はついワンスアポンナタイムインアメリカを思い出してしまいましたよ。サックスさんが自分のフレーズにしてるのがどこかで聴いたことあるなーと思ったらそれだったんですよね。やっぱりジャズなんだなあ。

話はギリシャの現代史をエレニというひとりの女性の人生と重ねあわせるという、叙事詩的な作品。ギリシャの寒村(水没する!)の風景とあいまって自分にとっては異次元の世界の映像で、へーっと眺めるだけだった。あれは隠喩的な表現もいっぱい入ってるとは思うんだけど、どこからどこが現実でどれが誇張で、というのも定かでは無かった。スタイルは全く違うけど、高嶺剛とかホドロフスキー並みのシュールさを感じましたよ…高嶺さんのは沖縄なのでなんとなく意味分かるけど。どこまでが現実の習慣とか史実なのだろう。あの黒旗のいかだの群れ、たき火を囲んで回る喪の踊り、大木の枝に吊られた無数のいけにえの羊、白布の丘…

ロシアの街で拾われた孤児のエレニが弟分の男の子と結ばれるんだけど、妻を失った養父が結婚を迫る。二人は仕事に来ていた楽団に拾われて逃げ延びる。なんとか難民の集落(ヨーロッパのバラックって初めて見たかも)で暮らしはじめるも戦争が始まり、先に渡米していた夫も兵士に志願し、仲間をかくまった罪でエレニが投獄されている間に双子の息子も戦にとられ、敵と味方に別れて戦って、死んでしまう。

この辺の戦争の話になる所からやっと自分にとってリアルになってきてまたたまらなかった。夫が米国で兵隊になって沖縄の慶良間島に送られてそこから手紙を出して、今オキナワのケラマにいるここは地獄だ、なんていう語りで現実に引き戻される感じがしてつらかったな。これも戦争映画だったのか…ロング・エンゲージメントも最近見直したんだけど、これはさすがにジュネみたいにユーモラスな所がなくてひたすら悲しかったです。

ギリシャの内戦で息子たちが亡くなるんだけど、遺族の女性たちが列車で集められて来て、さあここがみなさんのご家族が名誉の戦死をされた現場です、ご対面をって言われる場面があるんですよ。たぶん昔実際にそうしてたんだと思うのですが、遺体がそのままになっている所で、お母さんとかおばあさんとかが一斉にかけよって自分の夫とか息子とか孫を探しあてる所で、自分も客席で呆然と眺めてるとエレニも自分の息子をみつけ、それを包むようにたくさんの泣き声が低い音で響きわたっているのがつらかった。

失神して悪夢に悩まされるエレにを介抱するおばあさんの手。とても存在感のある方だったのですが、これが最初の作品に同じエレニという役名で出た女優さんとのことでした。家帰って英語題がWeeping Meadow(すすり泣く未亡人)ということを知るのですが、こんなに重い作品とは思ってませんでした。今見るのはつらかったなあ…ああでもいつ見てもつらいかも。戦争は嫌だね。



2005年08月21日(日) しば正龍トランス舞踊 at GROOVE(メモ)

涼しい日もあったのですが暑さが戻ってきた…つらい。気が休まらない。蝉の声を久しぶりに聴いた。こいつも「あっ暑い、鳴かないと」とか思ったのだろうか。Pan Americanのシズルーな暗ーいギターアンビエントQuiet Cityを聴きながら涼んでいます。これ買ったときはそんなに印象に残らなくて放ってたんだけどけっこういいな…

今月もしば先生の踊りのGROOVEでのライブです。今回の楽隊はがちゃぴん(double-bass,nanoloop,p)さんに亀田真司(as)君、私(perc)のレギュラーのメンバーに加えて前一緒にやっていた若北八十(tp)さんにがちゃぴんさんのお知り合いのケン(tp)さん、前回見に来て下さった大工裕裡(voice,triangle,p)さんを迎えての演奏になりました。リユニオン&大所帯。今回は亀田君が大阪に引き上げてしまうので最後の演奏になりました。客席に県内随一のジャズドラマー島袋優さんが来てたのでびびりまくりましたが、結局始まってしまえばいつもの即興。

1st setは天と地との交信で、レギュラーの4人で演奏。しば先生がメタルカラーのの巨大なぐにゃぐにゃしたパイプ?のオブジェを帽子にして登場した時はびっくりしました。ペア?のもっと小さいブレスレットもあり。音楽はがちゃぴんさんのnanoloopのシンセ音よりスタート、久しぶりに私が入ったばかりの頃のような我慢大会(笑)みたいな、音はうすいんだけどさまざまな思惑がうごめくあやしいサウンドになっていた。(終演後若北さんの解説付き)途中でウッベの駒がとぶ!というアクシデントもありましたがそれでも即興は続いてゆくのだ…

今回は人が多いのでライブなのにほっとしてしまった。小さい音きれいだなあ…と聴いてたら入りをつかめなかったりしてたよ。えぇーそういう展開なのか。楽器も使うの初めてでセットするのに時間がかかり、あーセットできたと思ってほっとしたのもある。おいおい。今回は5連のアゴゴとかカウベルとかバスドラとか方向を変えてセットしてみた。バスドラは手でたたくために横向きで。おもしろかったけど演奏するのは大変だった。やっぱり。

というか楽器たちに様子見をさせてた感じ。まだ勝手がわかってなかったね。ずっと前に買ったおもちゃのスプリングドラム(枠のみ)が俺!俺!(男?)と呼んでくれたので2nd Setの最初に使ってみた。お題は忘れました…曇天にかみなりが鳴ってるような音がする。しば先生は福井のおわら盆の踊りのような平たくたてにたたんだ笠をかぶってきた。すてき。実はかごなんだけど…使い方がうまい。

あとは自転車ベルで、フックではなくダイアルみたいに回して音が鳴るものを買ってたんだけど、意外に使えた。音がきれいだったからかな?またウッドブロックをぽくぽくやったり。シンバルの弓奏もちょっとやりました。やっぱり音はものすごく小さいので場が限られることを体得。シンバルもたてにしたりとかさかさまにつけたりすると若干音が変わってたような気がする。低音がもっと聴こえる感じ?

大工さんは声とトライアングルがうまかった。こういう演奏をやり慣れている方と思われた。ヴォイスというよりもパーカッション的なアプローチ。ケンさんもうすく渋いサウンド。人は多いんだけど、音が小さくてテンション低いような高いような不思議な音になってました。2nd終盤のがちゃぴんさんの弓弾きの微弱なサウンドもすばらしかった。カヒミカリィ?録音できないくらい小さい音だったな。自分が今まさに聴きたい感じで、おおーうすいーいいわあと思い、出番を求める気もそんなに起こらなかった…だめじゃん。しかもたたいててあーやりすぎとすら思った。

たとえば木の実のジュジュのしゃらしゃら鳴る音が好きで長くやりすぎたしハットも必要なかったなあ、と録音したMDを聴きながら思う。まだ、かーじゅーさんの境地には到らずだなあ。それにしてもそんなに周りの音を意識して聴いているつもりはなく、てきとうにやってる感じなんだけど、改めて聴いてみるとやっぱり間にうまくすべり込んでいる、とか寄り添っている、とか呼応している、という感じが伝わってきた。偶然ではなく、みなさんあっての音楽なのだなあと思いました。おもしろいなあ…

自分は準備してたことがほとんどできずにその場ではがっくりだったんだけど客観的に音を聴いたらこれはこれで成立してるからいいか。その場で明確に、やろうと思ってる音は合わないと思ってやらないことを選択したのだし。合わないことを恐れない勇気が足りなかったとも言えるけど…MDのマイクの加減か知らないけど、音もそんなに汚くないのが意外だった。ていうかあんまりがつがつやる必要がない日であったのだな。前回がテンパりすぎたとも言えるけど…

まあいろいろな時があるのですね。そんなことを考えた回でした。明日が決して来ないのは今日という日がなくならないから、とどこかで読んだ。永遠の今を生きていること。そこにはその一瞬しか存在しない、ということをまざまざと知らされるのがこういう場だと思う。そしてそれを自由に楽しめるというのもその場であって、そういうやり方を模索したいと思う。


2005年08月18日(木) 神よ*ここまで*来い

久しぶりに携帯で更新したらとっととアウト。帰宅して書き直してます。ドコモって長いメールが書けないんだよね〜と友人に言ったら、それ機種が古いんじゃないの?と一刀両断。うっ、確かに。携帯にお金かけるつもりがないのでだいぶ古いやつかもしれないなーううーキャリア変えてやるー。

でゴスなタイトルと裏腹にだらだらといつものように。今日は涼しく、なんとなくかけていたラテン音楽も飽きた感じ、というか夏に飽きた、と思いつつ改めてWorld's End GirlfriendDream's End Come Trueを聴いた。今日ははまる感じ。このくどすぎる展開が苦痛な時もあるんだけど、今回はそうでもなく、七尾君すてきーと思いながら聴く。その中の一節。でもなんかこの子なまってるよな。ずっと何て言ってるのかわからなかったよ。

シンバルの弓奏の練習はちょっとずつしているのですが、全くの初心者なのでかなり適当な感じ。いいのかなー。やっぱり直角に当てないとだめなのか、ということくらいしかわからない。同じ音を持続して出したいんだけど、弓の往復がスムーズにできないわ…弓の位置によっても音変わるし。これは力のかけ方が均一でないってこと?思ったより大きい音が出ると思ったけど、他の楽器に混ざるとどうかなあ。CDだと静かな所で録音してるからなあ。

音はマイクのハウリングとかアンプのフィードバックみたいなノイズで、CDで聴いてて、エフェクターをつないだり加工しているのかと思っていた音が生で普通に出てるというのがおもしろかった。シンバルという楽器の奥深さに感動。あなたこういう音も持っていたのね?と話しかけながら弓をひく。自分はかなり楽しいんだけど聴いている方にとってはどうだろう〜。騒音に過ぎないのかもしれないなあ…せめて何か触発させる騒音を出したいものです。

ちなみに先日のぞいたレ・カン・ニン(percussion)にしびれまくりで、まねしてやるわ〜と思ったのですが(馬鹿)、音を聴いてみるとものすごい繊細な音づくりで素人の自分には無理無理って感じ。うう…こういう音出してえ…やっぱソロ買わないと。なんというか音のアクションペインティングというか、気持ちとしては楽器固有にできあがった文脈で語ってゆく演奏と言うよりも、もっと衝動的な、感情以前の原初的な力を召還してものに触っている、踊りに近いものがあるかもしれない。これに比べたら、出ている音はあまりにも下手でなってないけれども、スタイルというか立ち方としては自分もこういう感じなので、非常に共感しています。見たいなあ…


2005年08月16日(火) An Hour With…(Clusone 3) / お買い物メモ

Sigur Rosのニューシングルが専用サイトにてWeb販売とのこと。アルバムTAKKは来月7日-13日くらいかな?紙ジャケCCCD(ブックレット付き)から国内盤CDまであり、どれにしようかちょっと悩む。輸入盤が好きなんだけどいちばん早いのが国内盤なんだよね…あとはヤン・ティルセンの新譜Les Retrouvaillesが明日発売のようです。ジェーン・バーキンとかコクトー・ツインズのエリザベスさんを始めとする女性ボーカル集というので、ぜひ聴いてその曲とボーカル、かわいらしい女の子ワールドに閉じ込められて窒息したい。これは沖縄でも買えそうだけどどうかなあ。見てみよう。


今日は割とおしゃれな音楽を聴いていた。Clusone Trioは買った覚えがあると思ったらやっぱりありました。An Hour WithHatLOGYのページ。今月のSTUDIO VOICEはCDジャケ特集だったんですが、ノルウェージャズのcrimetime orchestraとか載ってましたね。自分は前々から何度か書いていますがレーベルのデザインで最も好きなのがこのHatHutRecordsです。もちろんこれは載ってなかったけど。デザイナーのエゴはあんまり感じられない、どっちかというとプロダクトデザイン的な感じ。ペーパーバックみたいにすっきりしてて古びても構わない感じがいいと思う。白とオレンジなのであんまり汚したくはないけど…100%紙っていうのが好きなのかな。めーめー。

このアルバムはMichael Moore(as,cl,melodica)、Ernst Reijseger(cello)、Han Bennenk(ds)のトリオの98年のライブです。どこかで聴いたことあるメロディがいっぱい入ったメドレーが中心。ハードな即興とかは無いです。クラシックや民謡(オクラホマミキサーが入ってるよ?)リーコニッツやアーヴィングバーリンとかメンバーのオリジナルからジョビンやパウロ・モウラといったボサノバまで、と幅広い。ハンベニンクさんのざくざくとハイハットで刻む海賊サンバが聴けますよ…

それにしてもこのErnst Reijseger(読めない)という方はチェロで他の楽器の音を出すというのが得意な方みたいですね。物真似鳥のようだ。ここでも普通にジャズのベースだったり、サックスっぽい音とかビル・フリゼールが出すようなギターみたいな音なんかも聴こえる。そういえばせっかくサン・サーンスのチェロの名曲白鳥が入ってるのにテーマをとってるのはサックスだった。ボサノバのギターのように弾いていてそこにスタンゲッツかポールデズモンドを思わせるクールなサックスが入り、ボサノバなんだけどやっぱりついついどかどか行ってしまうドラム、という楽しいアンサンブルになっています。終始こんな感じ。

ネットショップではアマゾンにはあんまり無くてHMVがこのページ。弦のトリオが興味あるなあ。アマゾンにてWINTER & WINTERのI Love You So Much It Hurtsのレビューがあり、やはりそんなにハードな音楽ではなく、フリーのスタイルになってもエレガントな美しさを保って演奏される方なのかな?と思った。

レギュラーのGerry Hemingway(ds) Trioのページもあった。真ん中なのでよく見えないけど、たぶん普通に弾いてらっしゃるのだろう。それにしてもこのClusone Trioも、他の2人もすごいうまくてキャラが立っているのに関わらず、ついチェロが何をやっているか聴いてしまう…そんなに壊れたりアヴァンギャルドなことをしてるわけではないんだけど、その曲のムードを決める役割だからかな、と思った。

あとは巡回しているみその日記にて強くおすすめされているLe Quan Ninhを検索してみた。ああ、これがまた不思議なセットですね。美しい…太鼓はこのバスドラだけなのですか?いろんなドラがあるなあ…ベトナム系ということで東洋的なサウンドを意識しているのだろうか。つい各コンテンツの上部の写真をチェックしてしまいました。

フィリピン系米国人のSusie Ibarraがアフリカ系のMilford Gravesに師事したりしてヘヴィでリズミックな表現をしているのに対して、この方はもっとポエティックで音響的な表現をしてくれるような感じがしますね。映画の世界ではトラン・アン・ユンとかトリン・T・ミンハとかベトナム系仏人が活躍していて私も大好きなので、かなり興味を感じました。アルバムもけっこうあるようなのですが(HMVのページバーバー富士のページBishop Records内の解説ページ)何がいいんだろう…自分の好みとしては人が少ないのがいいんで、それこそソロとかデュオがいいんですけどね。あーソロ2枚ともほしいかも。でもお金無い…へへ。

やはり国内盤で解説もついてるポトラッチのデュオなのだろうか。あっ、Improvised Music from Japan 2004の付録CDに入ってるんだ。買って読んだのに聴いてなかったよ。聴かないと。出版元メインサイトはこちら、いつ見てもすごい品揃え…ドラびでおのCDも手に入るのですか!映像見れるのかな。音だけ?(これがオチかよ)


2005年08月14日(日) Vanishing Point / Beating Signal

昨日のThe Mars Voltaの話はほぼ前に書いたのと一緒だったので消しました…今iTunesに入ってるDe-Loused the Comatoriumも買いたいなあ。お金無いけど。いかにも女の子ちっくなヴォイスが入ってる最後の曲Ambulets(ボーナストラック)のために国内盤じゃないといけないけど。このバンドはよく来日してるのでいっかいライブ見れないかなあと思う。フジロックフェスの時には確か30分の持ち時間で2曲!インプロ祭りだったらしいです。そういうのは見たいな〜。CDでもかなりの熱さだけどドラムはまだ抑えてる。ライブだと暴れまくりなんだろうなあ。見たい。

消失点。かっこいい題名なのにだらだらと普通の日記で失礼。飴屋法水さんのインスタレーションがそんなにネガティブな感じがしないのは、私がひきこもり志向なのでということと(笑)、箱の中に居る人を無意識のうちに、そういう空間で棲息する動物である、と認定しているからなのかもしれない。始めから言葉を知らないから壁を叩いてるのだ、とか。

箱の周りの風景の写真を見ると、なんか大きな妊婦のお腹にみんなで耳を押しあてて、赤ちゃんがそこに居るのを見守り、やがて出て来るのを待っているというような感じがした。むしろ和むような…中の方は大変だと思いますが。赤ちゃんという存在が胎内で10ヶ月成長して産まれるまでの間に人類の発生から今までの歴史を反芻するのだという話を思い出しました。正木先生というか夢野先生か、懐かしい。私はもちろんお腹の中にいたことは覚えてなくて、外界の様子や母体の様子をどうやってうかがっているのか興味があります。壁の材質とかはわからないけど、けっこう気配とかわかるんじゃないかなあ、とか考えるのは野暮かしら?

壁を叩く、というのはどうやって叩いてるんだろう?って思う。外からの音に合わせてしまうのかな?いっぱい人が叩いたらうるさいんじゃないかなあ。壁に耳を当てている人は他の人が叩く音も聴こえるかもね。手とかを当てて振動を感じれるかもしれないな。なんか別のパフォーマンスになってしまいそうだけど、それだけ考えてもおもしろそうだ。でもただ叩くのと中にいる人との交信として、伝えるために叩くって違うんだろうな。でも何が違うんだろう。偶然だけど、次の踊りのお題が天と地との交信というので(笑)、ちょっと時間をかけて考えてみたいと思う。


2005年08月10日(水) 暑気払い2 / Dhafer Youssef、Rachid Tahaなど

先日ダファー・ヨーゼフでの検索でhitしておりました。私が持っているのはElectric Sufiです。99年くらいに買ったのかなあ。前から中近東の音楽に興味があって、何から聴いていいかわからなかったんだけど、ジャズのレーベルからこういうアルバムが出ているということで購入しました。

編成が中近東系・欧州系半々で、特にドラムがウィル・カルホーン、パーカッションがミノ・シネルでニュートラルな音づくりになってるので聴きやすいと思います。電気マイルスをアンビエントにした感じかな?カルホーンのドラムはロッズ(竹ひごを束ねたようなもの。スティックとブラシの間みたいな効果を出す)を中心に使ってるみたいで、たたきすぎずクールなサウンドが印象的。ギターとトランペットも入っています。

このtpのマルクス・シュトックハウゼン(あのシュトックハウゼンさんの息子さんみたいですね)のアルバムをユニオンで買ったことがあるのですが、超癒し系でチベタンベルとか何だっけチベタンボウル?ヒーリングボウルだっけ?ああいう音がうすーくえんえんと入っていて往生したことがあります…西蔵放浪。早々に手放してしまったよ。今ならちゃんと聴けるかもしれないけどね。ちょっと思い出しました。HMVで検索したら今年アルバム出たみたいなので聴いてみたいなあ。あとオマール・ソーサ(p)のアルバムにも入ってるのね。

ラテンパーカッションのコンピ、Legens of Ritmoを久しぶりに聴く。ドラムマガジンでも連載してたウィリー長崎さんの選曲。特にサルサファンではないんだけど、ジャズをやってるとラテンのフィールを求められたりするので参考にしてました。ティンバレスもやったことあるんですよ…3枚のうち2枚持ってる。廃盤になってるみたいなのでもう1枚買っておけばよかったと悔やまれる。

私でも名前を知っているティト・プエンテ、レイ・バレット、ウィリー・ボボ、モンゴ・サンタマリアなどの名手の演奏がおさめられています。エディ・パルミエリかっこいいなあ…ピアノのモントゥーノ(ラテンのリフ?)とか管がびしぃぃぃっときまっててうっとり。マーズヴォルタのインタビューに出てたラリー・ハーロウのグループもあったね。サルサなんだけどみょーんとサイケな感じのギターが入ってるの…これもミクスチャーなのかな。ちょっと変。あれを聴いて育ったらああなるのかと感心しました。ある意味正統派なのかしら?ぐぐったらジャケもおもしろかった(笑)。聴いてみたくなる。


で、どうせだったらもっと暑苦しい音楽はないかなーと思い、これも久しぶりにラシッド・タハの最新作Tekitoiを聴いた。テキトゥワと読むのね。大きめの画像でお送りします。ライスレーベルのページはこちら。思うにMetalchicksのハウスつながり(ずいぶん微妙なリンク)かもしれないなー。すごいノリノリ。ライに分類されたりするけど、北アフリカのアルジェリア系フランス人の方で伝統音楽をミックスしたハードなロック、と言えばいいだろうか。

タハさんのボーカルがフランス語ではなく何だろう?アルジェリア語?喉の奥で爆ぜるような発音とか音的に非常に暑苦しくていいです(笑)。民族音楽の割合はけっこう多いです。マンドルートという大きなマンドリンのような楽器とかダラブカなどの民族楽器が常に鳴っています。今気付いたのですが、ダラブカはこの人を聴け!と言われている名手ホッサム・ラムジさんがいっぱい入ってます。おお、知らんかった。確かにダラブカ鳴りまくってます。すばらしい…ちゃんと聴かないといけないね。

ニューオリンズのファンクバンドGalacticの入った前作に比べてちょっとだけテクノっぽいです。これも今気付いたけどブライアン・イーノも入ってるのですか。たぶんずっと音づくりをしているスティーヴ・ヒレッジつながりではないかとおもわれるのですが、クラッシュのRock in Casbarのコーラスに入ったりとか、その入ってる曲Dima!(Always!)はカオスドラム担当とクレジットされてます。これがおもしろいです。テクノなドラムにうっすらアンビエントな弦っぽいシンセ音が入ってる。伝統音楽の要素をうまくテクノ化しているのがかっこいいですね。

このアルバムがDVDの2枚組でメキシコツアーでインタビューや楽屋や街でお買い物してる所とかが見れる。字幕が日本語じゃないのでインタビューの内容がわかりづらいのが困った。移民系の立場からけっこう政治的なアピールもする方なのでわからないのが残念だな。そういえばしゃべってる言葉はフランス語だったような気がします。そこでやったVoila Voilaのスペイン語ヴァージョン(Ahola Ahola)もCDの方にボーナストラックで収録されてます。これも移民排斥に抗議するかなりハードな内容の曲のようですが。

それにしてもラシッド・タハinメキシコ。エキゾチックの2乗?濃ゆい。バンドメンバーもアルジェリア系とかアフリカ系っぽいな。ダラブカが1人でずっとたたきっぱなしっていうのがかっこいい。ドラムがYAMAHAなんだけど、緑がかったターコイズブルーでリムがシルバー、他の金具がゴールドっていう不思議な色合いで、なんか民族楽器のように見えた(笑)。

ちなみにやっぱりライブ盤CDも持っていて愛聴しています。こっちはスティーヴ・ヒレッジさんが演奏で参加しています。あーやっぱりVoila VoilaとかGarabとかトランスするのがかっこいいですね。客席のそこかしこからモロッコとかそういう北アフリカの音楽で聴かれる、甲高く喉を鳴らすような声が聞こえてきてびっくりします。絵的にはどういう感じなのだろうか。日本や米国とはぜんぜん違うんだろうなあ。


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ところで中近東の音楽が暑苦しい、というのは愛読しているサラーム海上さんの本で、中近東のクラブ(というかディスコ)が世界一濃いのではないかというのを読んで印象に残っていたのでしょう。やっぱり酒飲むなとか肉食うなとか宗教的な拘束があると、他のもの、特に音楽や踊りで発散させる傾向が大きくなるのではないかと思われます。超下戸の私も日々実感している所ですが…

この本はたしか週刊誌TVBrosで連載してたコラムで、これを読むために買っていたこともあったな…海上さんはずっと音楽記事を書いているので、今でも気が向いたら立ち読みしたりしてます。テクノとミニシアター系の映画に強い不思議な雑誌だったなあ。私は海上さんのコラムに挿絵を描いてる若山ゆり子さんが大好きで(単行本にも入っている)、最近ブログインドより愛をこめてを見つけて大喜び。しかも踊り(ベリーダンス)をされてらっしゃるようで、その記事が読めてとても嬉しいです。インドもいいけどベリーダンス興味あるなー。沖縄にも最近踊り手の方がいらっしゃるようなんだけどまた見たことがない。とても見たいです。



2005年08月06日(土) 歌姫の音像 / Tell mama,Tell ME mama

ちなみに先日TSUTAYAにてマーズヴォルタと一緒に借りたのは今さらながらモグワイ…Happy Songs For Happy People。暗い。美しい。うーん確かにいろんな所で使われてる感じだなあ。borisのマブタノウラか!と思ったのはショックだったけど、思えばborisはそのアイデアを借りつつもborisらしい汚い音でつきつめられた表現であったと思う。おもしろいな。レディオヘッドを聴いた時もそう思ったけど、オリジネイターの迫力を感じつつ、自分のツボのど真ん中には来ない。

うーん別にborisとかWEGとかorcaの方がぜんぜんいいよな。なんでだろう。素直にすごいーと思うのでひねくれているわけではないのですが、後に残らない。単純にツボの位置がずれてついているのだなと思う。でも1stは聴いてみたいかも。フェチだから(笑)。あとで借りる。マーズヴォルタは10回くらい聴いていると思うのですが、毎回違う音が聴こえる。情報量多すぎ…好きなもの集めまくってるんだな。うらやましい。

前にロックフェスの映画Festival Expressを紹介したのですが、映画完成とともにそこからの音源も出るようです。映画見ててうわージャニスもっと見せてーーと思ったので、Pearlレガシー盤が出てるというのを知って嬉しかった。この夏の思い出として買いますよ。Tryも入ってるー嬉しい。この曲がいちばん好き。

ジャニスってそんなに母性的な、癒される声ではないんだよね。だからむしろ好き。逆にその癒される声というのがちょっと苦手です。特に母性的な、と言われるいい人の声。なんか嘘くさい気がして、案の定この前とても人気のある某弾き語りの方のライブアルバムを借りたんだけど、ほとんど聴くこともなく返してしまった。なんであれが人気あるのかもわからなかった…残念。ボーカルは本当に好みとしか言いようが無いから難しい。批評とかできないです。キャロル・キングとかローラ・ニーロとかカーペンターズとか有名だけどぜんぜん聴かないのでよく知らない…中島みゆきとかパティ・スミスなんかも堅苦しい感じがして好んで聴くことはない。

自分が女なので男性ボーカルの方が好きだというのはありますが、もっと奔放でアクがきいてる感じなのがいいな。子どもっぽい自由な感じがするといいな。ビョークとかね。谷山浩子は聴くよ(笑)。ジャニスはなんか「あんたも私みたいに言いたいこと大声で言ってみれば!」と勇気づけてくれる感じがする。それに楽しそうなんだもん(笑)。Tryって、試しに私とつきあってみようよ楽しいよ!っていう、単に恋に浮かれてるだけ(笑)の歌なんだけど、楽しいじゃないですか。無責任で、人生でいちばんいい時間でしょう。すぐ終わるけど、はかないからこそ大事で。そういうことを伝える曲。ものすごいヴォルテージで(笑)。


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なんか最近インプットが過ぎてアウトがぐだぐだ。文章も自分で読んでてつらいものがあるなあ。てきとうすぎ。見たもの聴いたもの全部書き留める必要は無いんだけどなあ。強迫症状のようになってきてるのがわかる。埋めるように入れてるだけ。健康にはよくない。気をつけなければ…


とはいえ良い作品ばかりに触れて、楽しいのは確かなんですよ。最近ヘヴィな内容の映画も見れるようになって嬉しい。前つくってた雑誌には映画評を書いていたので、その時の感覚を思い出しました。特に女性が主人公の暗い内容のとか、ずっと避けてたので見れるようになってよかった。まあ別に好きずきなので見たくなければ見なくていいんだけど。

これはまんがなんだけど、話題になってずっと後で購入しました。夕凪の街桜の国は広島の被爆の問題がテーマなのですが、そういう問題がありつつも日々は生きていると楽しいこともたくさんあって流れてゆくんだ、ということを伝える作品。原爆投下数年後の広島と、その続編として孫の世代の話の2作品のカップリングになっています。

体験とそれを伝えること、記憶とそれを扱うこと、戦争という個人と国家の関わりの究極の場、というのは幼い頃からごく自然に考えるテーマでした。考えさせられる環境に産まれたということだったのかもしれません。時代的にもちょうどそういうタイミングであるなと思います。沖縄の主要な歴史的事件からちょっと遅れて産まれて、体験はしていないけれどもリアルな残響に耳を傾ける世代、なのかもしれない。

驚異的な体験の記憶にどう関わるのか。そのことを知っている人には黙る意義というのもあるかもしれない。このまんがを読む頃にも、ずっと地元のローカル紙には戦争体験を語る連載記事であるとか、歴史体験の共有に関するシンポジウムなんかが開かれて、その記事が載ったりしてた。私が子どもの頃は、大人がかたりたいことは嘘でも歪んだものでも何でも聞き取りたいと思っていた。でも大人になって、黙っている、言えないことの意味に意識がいくようになった。聞き出すというのはどんな行為なんだろう。語らせるというのは?すべて記録する、それにはどんな意味があるだろうか。

そしてそれを公開するというのはどんなしくみで力関係があって、その人自身を、また周りを傷つけるということについては?それよりもまず、語られない層の厚さについて気づき始めたことだ。つらい話ばかりだけど、語れることが語られただけであるんじゃないか、それ以上に語ることができないことがたくさんここでは起こり過ぎたのではないのか、そういうことを自分たちは受け止めることができるのか、と思うようになった。

夕凪の街で、薔薇の左腕を持つ主人公は、生き残ってしまったという罪悪感とともに原爆という驚異的な存在に向かって語りかける。自分たちはそういう巨大な殺意が向けられる存在らしい。しかけた者は満足だろうか?私は死ぬ。それを願っているあなたは満足ですか?原子爆弾の破壊力、放射能の後遺症によって失われたものは大きい。それを埋めて傷付いた所を治すこと。その後の桜の国では、孫の世代になっても後遺症の問題がついてまわることと、子どもの世代(登場人物の親だけど)の体験の受け止め方とそれとのつき合い方というのが描かれている。そのお父さんが会って話をしていたおじいさんは夕凪の街のお姉さんにプロポーズしてたお兄さんだといいのにと思った。死に別れた後でもたぶん幸せに暮らしていて、きれいな思い出をそれだけをお父さんに伝えてくれるのだろうと思うから。

原爆は人間の顔をしていなかったのがただひとつの救いかもしれない。人間の顔を持つ殺意、血を分けた加害者が生まれる歴史もある。新聞で読んで忘れられない話があったけどやっぱりここにはどうしても書くことができない。傷が癒えることでさらに追いつめられ続けることがあって、生き残ることで問われ続けることがあって。だからあえて忘れることの方が多いのかもしれない。自分はそれについて知れば知るほど、考えるだけで明快な態度をとることができない。…


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それに関連するようでしないようで、女性作家の映画を2本見た。シルヴィア・プラスのは前に紹介しましたが、ついでに見そびれていたヴァージニア・ウルフのめぐり合う時間たちも見れた。ずっとこんな辛気くさいの見たくない(失礼)と思ってスルーしてたんだけど、見るとおもしろかったですね。別に共感するとかは無いんだけど、ニコール・キッドマンはやっぱりうまい。書くことが好きな女の人を自然にやっていた。小花模様のワンピースなのにバンドマンみたいに無造作にポケットに手をつっこんでるのがよかった(笑)。パティ・スミスってあんな雰囲気かも?と思ったり。病気持ちでとっつきにくいんだけど妙にかわいいんですよね。

監督・脚本ともに男性なんだけど、解説の語りからしてゲイかもしれないな…というのもあって、フェミニズム的に気配りのある所があっておもしろかったです。安易に仲良しシスターフッドという展開を避けたり、食事の場面が寒々としてるのもわざとみたいだし。アメリカン・ビューティのオマージュという食卓の場面もよかったですね。誕生日のケーキのクリームが真っ青なんだよ…3つの時代が多層的に描かれる作品で、現代の話ではメリル・ストリープが女性パートナーと一緒に住んでるという設定なのですが、やはりここはクレイマークレイマーにひっかけてのキャスティングなのでしょうか?その辺にもほとんど悪意に思えるほどのクールネスを感じました。

3つの物語は以下のような感じ→ダロウェイ夫人の作者であるヴァージニア・ウルフ(ニコール・キッドマン)がそれを執筆する-50年代のLAでダロウェイ夫人が特に好きな主婦(ジュリアン・ムーア)が本を読むために(!!)家族を捨てる-90年代NYでその息子である詩人と昔恋人で、今はエイズで闘病中の彼のサポートをしている編集者(メリル・ストリープ)が詩人が賞を取ったのでお祝いのパーティを準備してるんだけど、当の詩人は妙にテンパっている-という層を行き来してフィードバックが起こっているかのように絡み合って行く。

最近本を読むこともあまり無かったので、読書することとか、物語を組み立てて記していくことについて久しぶりに考えさせられました。もともと小説が苦手でああいうふうに体をはって読み込んで/書き込んでいくこともないのでただすごいな〜と感心するばかりなのですが、ジュリアン・ムーアが怪物と呼ばれていたのがおもしろかった。確かに最も衝撃的な存在だと思う。ひとりで本を読むために家出するんだよ!で図書館に職を見つけて、後悔はしてない、って言ってたもんね。そういうフェミニズム的な、教義的なものを突き抜けた意志というか欲望にひかれるものがあった。これについてもちょっと考えて書けるかも。あ、メモになってしまったすみません。


2005年08月03日(水) Festival Express / Soul of Man(映画)

もう毎日毎日いろんな人のライブ盤ばっかり聴いてます。昔からコンサートというか生演奏が好きだったのでライブ盤はいっぱい持ってるな。せっかくなのでいつかリストアップしてみたいと思っています。現在のヘビロテはECDさんなのですが…ポッケにロック、ロック石ころ。遅いぞ追いついてない!

リニューアルした桜坂劇場Festival Expressを見てきました。70年代ロックの、しかもフェスものを見るの久しぶり。なんかフジロックでも上映会が計画されていたようでタイムリーでよかった。DVD発売があったからかな?(花房浩一さんのページを貼っておきます)

レイトで21時開演だったのですがけっこう入ってた。夏休みだから中学生みたいな子どもたちもいたな。いいなあ見て見てって感じ。私は20歳すぎて見れたけど、衝撃的だったなあ。ただ前振りが無くて、フェスや列車の中の映像がぶつぎりなのとずっとスタッフやバンドの人のインタビューがはさまって見づらかった。ウッドストックとか知らない方にはわかりづらいのではないかな?またライブそのものの映像が短くてちょっと欲求不満になりました。2枚組のDVDを買って見てねってことかしら?

とはいえ、欲求不満になるくらい音がよかったのです。公式サイトで有名なイベントだったのに記録映画がつくられなくて、撮ったフィルムがとても良い状態で保存されていたとのことで、映像もきれいだったけど、音もよかったんですよ。音というか演奏というか。特に列車でみんな酔ってラリってセッション三昧なんだけどその時の音がいい。私はむしろそっちの方を見たい!と思いました。

ホーンの入ったSunshine of Your Loveがよかったし、ジミヘンの曲とかもやってたね。もう誰と誰が入ってっていうのもわけわからんカオスな感じだったのですが…主催者によると食堂車も借り切って酒ときちんとした料理を保証していた(酒が切れて緊急停車・酒屋に直行っていうのが笑った)ということで、夜も音出しOKとなるとミュージシャンにとっては天国だろうなあ。バディ・ガイも他のことはできたけど眠ることだけはできなかったって言ってたし。いやー音楽が好きというだけでなくすばらしいミュージシャンばかりが集まっている空間…いったいどんな空気だったのだろう。いろんな気持ちや言葉が目に見えない音楽として飛び交っていたのだろうなあ。すばらしい。

この映画の主役はやっぱりグレイトフル・デッドのジェリー・ガルシアとジャニス・ジョプリンでしょう。あとザ・バンドのリック・ダンコが入ったショットが表紙になってるんだけど、この場面は楽しそうだった。ジェリー・ガルシアがジャニスに「初めて見た時から愛してるよ」と言ってるのがすてきだった。彼は警備を破ってタダ見しようとする奴らとか入場料高すぎと抗議行動が起こって混乱状態になった時も、みんな落ち着いてほしいとメッセージを出して、どっちの肩を持つわけでもなく、とにかく音楽を楽しむためにフェスの会場外でフリーコンサートをやろうと提案したり、すばらしい仕切りでしたね。カリスマになるのはわかるなーと思った。

グレイトフル・デッドの演奏も若い時にはそのよさがわからなかったんだけど、聴いてて気分が落ち着いて、前向きになれる感じがした。あんまり酒とかはっぱで高揚して、っていう感じはなかったなあ、自分にとっては。お手軽にハッピーになれるっていうのでもないし、いろいろあるけど、前向いて歩いて行こう。僕と一緒に歩こうよっていうメッセージを受け取りました。それにザ・バンドだもんな。I Shall Be releasedThe Weightっていい曲だなあとしみじみ感じた。

それでもジャニスの最初のシャウトで全部持っていかれる。Cry BabyTell Mamaって詞を訳すると同じ意味なんだなあ。中盤の客席に語りかける所なんかもだれることなくびしっときまってた。うわーこれだよーって思った。再会した。10年以上前にあなたのライブを見ましたよ。元気だった?元気だったんだ!って話しかけたくなる気分。あとで思うに死んじゃう年、ほんの3ヶ月ほど前だったんだ。晩年と呼ぼうにも若々しくパワフルすぎる演奏。まあ声はおばちゃんみたいなんだけど…それじゃああの時27歳なんだ彼女は。感慨無量。

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日は改まって桜坂劇場にてブルース生誕102年記念(笑)上映が始まりました。全部やるかなあ。やってほしいな。ファン必見。Blues Movie Projectということで、沖縄に来ないのが悲しかったのですが、待ってたら見れるんだなあ。嬉しい。先日そのオープニングのSoul Of Manを見てきました。監督はヴィム・ヴェンダース。特にファンではなく、名作パリ・テキサスを劇場で見たこともあるのですが(ひょっとして桜坂の映画館だったかも)、なんかよくわからない…と思ってました。まだ高校生だったし、大人の話がわからなかったんでしょう。ジム・ジャームッシュは最初からはまったんですけどね。

この作品はドキュメンタリーではあるんだけど、再現映像やニュース映像、また他の監督が撮ったフィルムといろんなアーティストのトリビュートライブ映像が混ざり合っています。最初が宇宙空間でびっくりしましたよ(笑)。宇宙人が地球の音を知るためのレコードに戦前ブルースのレア音源が入っているのだと言われ、なんなんだそりゃ、と思う間もなく戦前アメリカのモノクロの映像へ。ブラインド・ウィリー・ジョンソンという実在のブルースマンをナビゲーター(ちなみに声はローレンス・フィッシュバーンとのこと)にしたブルースの歴史を行くロードムービーという趣きでした。

主要な登場人物はブラインド・ウィリー・ジョンソンにスキップ・ジェイムス、J.B.ルノアの3人。監督ヴィム・ヴェンダースのインタビューによると自分が好きという以外に共通項の無い3人ということなのですが、監督の思い入れが伝わってきておもしろかった。

前半はスキップ・ジェイムスの再現ドラマ。若い時に録音したのにそのレコードを売る間もなく大恐慌が訪れ、そのレコード会社パラマウントも倒産し、音楽活動をやめて30年以上たってから病院で発見されフェスに駆り出されるという波瀾万丈な人生なのだ。その昔の録音風景がよかったなあ。すごい凝っててたぶん指使いなんかも完璧に合わせてると思います。わざわざマイクに頭をぶつける所もあったなあ(笑)。で晩年改めて録音もできたし、クリームが彼の曲をカバーしたのが売れて、そこから治療費にあてて3年寿命が延びた、とか見ててひょえーという感じだったのですが、うーんやっぱり才能のある方は生きていれば神の手がさしのべられるものかと思いましたよ。生きていてほしいよね。

後半はフェスでステージの上でジョン・メイオールが「J.B.ルノアが死んじまった!」と叫んでる所から始まる。若き日のヴィム・ヴェンダースもそれを聴いていて、彼はどんな人なのだろうと思いをめぐらす。ただ1本だけ彼を撮ったフィルムが残っていて、その映画学生だった夫婦のインタビューとそのフィルムによってJ.B.ルノアの姿がよみがえってくる。これがもうすてきでした。ゼブラ柄にひよこ色の燕尾服をあつらえて持って来てカメラの前に立って歌うルノアが最高!ウィリー・ディクソン(b)やフレッド・ビロウ?(ds)と2人でやってるTV映像も出て来るのですが、暗い歌でもなんか暖かい声で楽しませて、演奏もグルーヴィなのが特徴でしょうか。

またカウチでインタビューする場面が楽しい雰囲気がよかった。ギターもって一緒に弾いてる旦那さんの方にインタビュー返ししたり、娘のためにつくった曲だよと弾き語る所とか和んだなー。いらないショットだろうけど(カメラテスト?)夫婦で抱き合ってキスしてる所を入れているのがよかった。監督の連帯感が伝わる場面。記録するって大事なんだなと思った。これを撮りたい(録りたい)っていう気持ち。晩年のスキップ・ジェイムスのマネージャーだった方の「彼の(ステージでの)最初の言葉、最初の声を聴きたかったんだ」っていうコメントにも胸が震える思いでした。スキップ・ジェイムスはあまりにも長いブランクがあったけど、すぐにギターの腕を取り戻した、とのこと。お金ではなく、音楽が彼の命を長らえさせたのではないのかな。

さまざまなニュース映像もさしこまれ、スキップ・ジェイムスの人生を戦前の黒人史とシンクロさせ、J.B.ルノアは戦後のそれと同期させる、という感じになっていました。J.B.ルノアはキング牧師と重ね合わせるような感じになっていて歌の社会的な側面に光を当てていた。そこをかなりクローズアップしているのだろうけど、意外。くじらの歌もあるけどそれもかな?(笑)ブルースだけど自分の内面に閉じこもることなく、周りの人に対する優しさ、外側へ意識を向ける力というものにひかれたのだろうなと思った。

そしていろんなアーティストによるトリビュートがよかったですね。ちょっとしか映らずにすぐフェイドアウトしてしまうのが悲しかったのですが、戦前ブルースでいろんな解釈が可能ということもあって、いろんな編成、いろんな人が出ててとても楽しかった。サントラもいいけど映像出して!(涙)DVDの特典映像は短すぎるのでたぶんそれじゃない…最初がマーク・リボー(g)のソロなんだよーん、でルー・リードがフィーチャーされてる感じなんだけど、戦前ブルースは十八番であろうカサンドラ・ウィルソンやボニー・レイットからベックやジョンスペ、ヴァーノン・リードとブラッド・ウルマーと一緒のイーグル・アイ・チェリー(ドン・チェリーの息子さん)といった若い方、ロス・ロボスやニック・ケイブといった意外な方と幅広かった。

音源中心の感想がこちらにあって、へーと思いながら読んだのですが、私は特に批評する所もなくてとにかく楽しむだけでした。いやーもう映像出してほしい(しつこい)。ロス・ロボスのドラムの方が素手でセットをたたいていた(はあと)のを始めとしてジョンスペのテルミンを初めて見れて嬉しかったです(笑)とか、ニック・ケイブがぜんぜん知らないけどオルガンがすてき、ドラムがブラシなのにヘヴィなグルーヴが出ててよかった、とかいろいろでした。ベックも変なギター使ってたなあ。調弦のペグが全部片側についてるの。

いちばんおもしろかったのがTボーン・バーネット。全く名前を知らなくて、チューバやホルン、バスドラスネア別のドラム、マレットでティンパニのようにジェンベを扱ってるという変てこりんなバンドに魅了されまくり。1分もやってなかったと思うけど…あとで調べたら、映画などの音楽監修をよくやっている方。オー・ブラザー!もやってるのか!あれはいいです。どっちかというとブルーグラスが多いけどブルース(ロバートジョンソンみたいな人も出て来る)も入る。あの映画でブルーグラスのリバイバルブームがおこったらしい、というのがうなづける。今の感覚で見ると変で笑ってしまうんだけど、古い音楽のコアがそこにあったりするんだよね。

なんか今の自分の気持ちにぴったり合った映画でした(笑)。見れてよかった。まだいくつかやってるんだけど、マディとかストーンズとかいまいち見る気しないなー見れたら見る。本当はヒップホップの入ったゴッド・ファーザーズ&サンとか未公開のピアノ・ブルース見たいんだけどなあ。やるといいな。あ、自分のためにタワレコのページを貼っとく。スキップ・ジェイムスはギターもピアノも弾けて(とてもうまい)、ピアノの曲がとてもよかったです。J.B.ルノアは映画に出て来たアルバムの方がほしいけどタイトルを忘れた。残念。


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映画見た帰り、雑誌EYESCREAMを立ち読み。野田努のコラムでこだま和文さんのライブについて書いてあった。最初にこだまさんのMC、メールに元気?って書く時は元気じゃない時なんだよな、って言うのを見て、あっ(汗)と思う。はは、もちろん全部がそうではないけど、あてはまる所はある。嘘かもしれない。でもメールほしいよな?メールくれよ。そんなことを言っていたと思う。どんな言い方で言ってたんだろう。

そのライブはヴィデオジャーナリストがイラクで撮ってきた映像作品の上映会でのことだった。さっき見てきた映画とシンクロする。J.B.ルノアとカサンドラ・ウィルソンの歌声。ヴェトナム、ヴェトナム、みんなそのことについて悲しんでる。俺はミシシッピーでで寂しい思いをしているよ。兄弟だと知らないで殺し合ってる奴らはかわいそうだな。みんなヴェトナムのことを悲しんでるけど、俺のことも思い出して。考えてよ。こだまさんもそういうことを言いたかったのかな?どんな言い方だったのか聞きたいと思った。


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