*妄想*短文劇場-ダニーくんとマーティンくん-
きくちやひろ



 第8話「炎の友情」 TRIP BOX

この日、ダニーは朝から機嫌が悪かった。
正確に言うと、昨日の深夜からだった。
帰宅したマーティンは何も言わずに、部屋にこもり
ダニーの問いかけに『放っておいて!!』と怒鳴り返してきた。
思案にくれていると、サムから携帯に着信があり、
『そっとしといてあげて』と言われたのだった。
事情を知っていそうなサムも、多くを語らず電話を切った。



「あー、そいで?職場放棄したんとちゃうの?えーと、なんでしたっけ?
そいつ」
「ダニー、ちょっと待て」
「嫌気がさしたんとちゃいまっか?」
「ダニー!いい加減にしろ!署長、ちょっとすみません」
ブルックリンの消防所で事情を聞いていたが、あまりにも
相手に失礼だったので、ジャックは、とうとうダニーを隅に連れていった。



「いい加減にしろ!何だって言うんだ!捜査を妨害する気か?」
「マーティンが何も言ってくれないいです」
「なに?」
「何かあったらしいんですが、何も言ってくれないんスよね」
「…で?」
「やっぱ気になるじゃないっすか!愛されて無いのか、とか」
捜査とは関係ない方へ、会話は進む。
「愛されて無いんじゃないのか?」
「マジでェ?!」
「だいたい、隠し事のひとつやふたつで何だ」
「じゃぁ、ボスはサムに隠し事された事ないんスか?」
「ない」
「えー、ホンマですかぁ?」
「無い。サムが私に隠し事などしない」
「奥さんには、隠されても?あー、ボスも隠してますもんねぇ」
「あぁ、そうだ!私など、妻にも娘達にも隠し事だらけだ!悪いか!」
「いえ、悪くはないっす」
逆切れしたおっさんは手に負えない、っとばかりに
ダニーはジャックに背を向け、消防署署長の元に戻り
事情徴収の続きに専念するのだった。


2007年05月29日(火)



 第7話「夢の国アメリカ」A Tree Falls




ヒスパニック系の少年が行方不明になったせいで
不機嫌になるジャックにさらに追い討ちをかけるような
ダニーからの相談事はマーティンとの恋の相談だった。
「マーティンと仲直りする方法?知るか、そんな事」
「そう言わずに、教えてくださいよ〜、ボスゥ〜」
「だいたい仕事中だろ」
「そうですけど、気になって集中できないんですよ」
「それはお前が未熟者だからだろ」
「はぁ〜、そうですねぇ、俺、まだ若いっスから」
ダニーの一言でカチーンっと来たのか、ジャックは
「いいか?男は黙して語らずって言うのが格好いいんだ」
「語らないから奥さんとスレ違うんじゃないですか?」
「…う」
「ボスは暗いんですよ」
「そこが影が合っていいってサムは言ってたぞ?」
「あー、そーですねぇ、でも、その彼女に『何考えてるか
わからない』って捨てられたんじゃないですか」
「捨てられて無い!!もういい!仕事だ!」
ダニーは次ぎに相談する相手を誰にしようか、思案しながら
現場に向うのだった。




こんな捜査官で無事に見つかるのか、心配です(笑)
シーズン3始まってますが、お休み中に消えてしまった
「ダニーくんとマーティンくん」をやり直してますので
旧「ダニーくんとマーティンくん」と若干(いや、かなり)
話が違ってます、ご了承くださいm(__)m
いきあたりばったりで作ってるので(汗)


2007年05月24日(木)



 第6話「迷える子どもたち」Our Sons and Daughters



ブリーフィング終了後にヴィヴィアンに呼び止められた
ダニーは、最初、何を言っているのかわからなかった。
「だから、最近太ったんじゃないの?って」
「幸せだからって言ってるでしょ」
「あのね、ダニー。経験から言うけど幸せ太りってないのよ?
太るのはストレスがあるからなの」
「へぇ?でも幸せ太りって言うやないの」
「でもね、無いの。有り得ないのよ、医学的に。
その証拠にボスを見て見なさいよ、家庭が上手くいかなくなってから
あんなに太ったのよ?」
「確かに…」
オフィスの中をタポタポお腹を揺らしながら歩く上司の事を思い出した。
「でも、俺は上手くいってるもん」
「そうなの?マーティンに気を使ってるんじゃない?」
「無い、無いよ、何にもないですよ?何言っちゃってるのヴィヴィアンは。
はははは、おかしな事言う人ですよね」
「あからさまに動揺してるじゃないのよ」
嘘がつけないダニーの素直さにヴィヴの悪戯心が
「ホントの事言うと、上手くいってないんじゃないの?」
「そ、そ、そんな事ないですよ?」
「あら、マーティンは、こぼしてたわよ?」
「な、なんて言ってた?!前戯が長いとか?!しつこいとか?!
まさか早いとか?!男は俺が初めてじゃないとか?!」
「…そうなの?」
朝からオフィスで何を叫んでいるのか、と
皆が動きを止めてダニーを見入る。
「ダーニー−−−!!」
「あ。」
怒りを含んだ声に振り向くと、その声の主が
真っ赤な顔でヅカヅカと近付いて来る。
「ごめ、だって、ヴィヴィアンが」
持っていたファイルで思いっきり殴りつけると、マーティンは
「ヴィヴ、ダニーをからかっていいのは僕だけなんだからね!」
「はいはい」
首をすくめるとヴィヴィアンはダニーの肩を叩いて仕事に戻って行った。


2007年05月23日(水)
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