おうち鑑賞

2010年06月30日(水) 『ゴーストバスターズ』 『プリシラ』


『ゴーストバスターズ』Ghostbusters 1984年 アイバン・ライトマン監督


確か大ヒットした映画だったと思う。

宣伝映像で見たのだろう、映画音楽やキャラクターは頭の片隅に印象として残っていた。

だから最初は期待感を持っていたのだ。

だけど、何度見ても冒頭から睡魔に襲われて

3回目くらいでやっとちゃんと見ることが出来た。

全般的に乗り切れなかった。

物語の登場人物にも設定にも興味が持てなかったし、感情移入もできなかった。

せめて演じる俳優に対して、きゃっ〜カッコいい〜と黄色く思えたら

その興味で多少は引っ張っていけたかもしれないが、そいうふうにも思えなかった。

何だか見ることが苦痛ですらあった。

作品的に佳作かどうかは微妙な気はするけど、個性的な作品だと思う。

この作品あたりから、色々な技術を駆使した作品が派生していった

SFXとか特撮の元祖のような存在なのかもしれない。

イッツオール。














『プリシラ』

気持ちを切り替えたくて見る。

琴線にふれる。心が潤っていく。

恋人に会いに来た。そんな感じ。

『プリシラ』を初めて見た時から1ヶ月以上になる。

最初の頃より、落ち着いた気持ちで見ている。

だけど、今も涙がこぼれる。

本当に大好きな映画だなあと思って、また涙がこぼれる。









2010年06月29日(火) 『トッツィー』 『バック・トゥー・ザ・フューチャー』 『許されざる者』


『トッツィー』Tootsie 1982年 シドニー・ポラック監督


かなり久しぶりに見る。

エンターテイメントとして普通に面白い作品だと思う。

ラストシーンでマイケルの行為に怒っていたジュリーの心を

いかに溶かしていくか、ダスティン・ホフマンの演技に注視する。

なるほど説得力があるなあと思う。

ドロシー姿のマイケルがロン(だっけ?)に襲われそうになった、まさにその時

帰宅した同居人のジェフの応対ぶりが印象に残る。

なんとも可笑しみがあって味がある。

ビル・マーレイだそうだ。名前は知っていた。この人がそうだったんだ。

『ロスト・イン・トランスレーション』見たい。







『バック・トゥ・ザ・フューチャー』Back to the Future 1985年 ロバート・ゼメキス監督


ここまでエンターテイメントに特化されると納得させられてしまう。

インディ・ジョーンズシリーズなんかもそうだけど

スティーヴン・スピルバーグの関わった作品を見ると感じる。

方向性が突き抜けてるもんね。

高校生のママとパパと同じ俳優さんが、現代のパパとママも

特殊メイクによって演じていたのだ。違和感がない。すごい。

ドクのラストシーン、サゲが憎いね。









『許されざる者』Unforgiven 1992年 クリント・イーストウッド監督


何だかね、物語上クリント・イーストウッド演じる人物だけが

キレイなところをさらっていってしまってる印象。

脚本の問題なのか、演出の問題なのか、両方の問題なのか

ちょっとハッキリわからないけど、物語の設定の説得力が弱い。

結果ありきで何とかそっちの方向に、無理無理説得力を持たそうとしているように見える。

ラストの着地点も全然釈然としない。 

登場人物たちの行動が曖昧にしか見えないということは

キャラクターも深く掘り下げて描かれていないということだもんね。

クリント・イーストウッド監督の発展途上の作品なのかも。        









2010年06月28日(月) 『テルマ&ルイーズ』 『コールド マウンテン』


『テルマ&ルイーズ』Thelma & Louise 1991年 リドリー・スコット監督


ラストどうなるか知ってしまっていたのだけれど、それでも

衝撃と痛快と悲愴と絶望と希望が胸に押し寄せてきて涙があふれた。

痛快と絶望と希望のロードムービーだ。

ルイーズのがらっぱちとテルマの変貌ぶりが魅力的。

女子の愛すべきマヌケっぷりやら、社会に押し込められた潜在能力が

あらぬ方向に発露されてしまった背景が

エンターテイメントに包まれて描かれている。

大好きな映画だ。

18作品レンタルの中の1作品で気ぜわしく見たから再見する。

たぶんDVD購入する。







『コールド マウンテン』Cold Mountain 2003年 アンソニー・ミンゲラ監督


なんだか全然乗り切れなかった。

とにかく登場人物たちに感情移入が出来なかった。

『めぐりあう時間たち』のニコール・キッドマンは魅力的だと思ったけど

この作品のニコール・キッドマン、そしてジュード・ロウを見ても

物語のコールドマウンテンに存在している人に見えないんだもん。

豪華キャンピングカーで待機しているハリウッド俳優という匂い。

好みの問題、ソリが合う合わないの問題も絡んでいるのかもしれない。

それにしても、あっちゃこっちゃのケリのつけ方の詰めの甘い印象。

確認する意味で再見してもいいかなと思う。

今検索してわかったけど、ジュード・ロウって

『マイ・ブルーベリー・ナイツ』に出演していた人なんだ。

この作品もイマイチと感じたはずだが、こちらも時間を置いて再見する。









2010年06月27日(日) 『チャイナタウン』


『チャイナタウン』Chinatown 1974年 ロマン・ポランスキー監督



ロマン・ポランスキー監督の作品をそんなに見てるわけじゃないのに

こういうことを言うのは口幅ったいんだけど、映像とか感覚が好きな監督だ。

良い映画だということはわかる。

おとながわかる映画という感じがする。

ジャズとかクサヤが好きと思える感覚を持ってしてわかる世界というか。

自分の中の分類だと(良い意味での)男性目線で描かれた世界なのだ。

だから、共感や感情移入に距離を感じるのかもしれない。

自分の中の引き出しが増えるとともに、見方や感じ方が違ってくるような気もする。

それと1週間18作品(19作品?)レンタルの中の1作品ということで

見ることに気がせいていた部分もあるかも。

作品を味わい直したいのと、分析したいのとで再見する。









2010年06月26日(土) 『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』 『逃亡者』


『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』The Lord of the Rings: The Return of the King

2003年米=ニュージーランド ピーター・ジャクソン監督


前二作は一日のうちに続けざまに見たせいで

どこか気が急いていたとこもあったのだろうか?

面白いと思ったものの、引っかかる感じはしなかったのだが

シリーズ最後のこの作品は、すごく面白いと思ったなあ。

これでもか、これでもかとばかりに

設定された主人公たちを襲う試練のバリエーション、

そしてそれらを不自然さを感じさせずに乗り越えていくバリエーションの面白さ。

溶岩流?の中の島でフロドとサムが故郷を語り合うシーンに

風景が想像できて、胸がジーンと熱くなる。

サムにサポートしてもらうにしても

もうちょっとフロドの強さがにじみ出てもいいんじゃないの。

走れメロスだな。

黒澤明監督のニュアンスもオーバーラップした。

そう思えることも好感要因のひとつ。






『逃亡者』The Fugitive 1993年 アンドリュー・デイヴィス監督


『メメント』に刑事役で出演してた人が出てる。

ジョー・パントリアーのという俳優さんらしい。

『妹の恋人』『めぐりあう時間たち』のジュリアン・ムーアも出てる。

結構、そっちを意識して見たかもしれない。

定番のハリソン・フォード節を堪能した。

ハリソン・フォードはハリソン・フォードでしかない。

そこが魅力でもあるんだろうけど。

リチャード・キンブルって医師なのにヒゲだの何だのがてんこ盛りの容貌。

いかにも逃亡する過程で変装するための設定って感じがほほえましいわ。









2010年06月25日(金) 『プリシラ』


『プリシラ』再見する。



2010年06月24日(木) 『ショーシャンクの空に』 『めぐりあう時間たち』 『コンドル』


『ショーシャンクの空に』
The Shawshank Redemption1994年 フランク・ダラボン監督

『めぐりあう時間たち』
The Hours 2002年 スティーブン・ダルドリー監督

『コンドル』
Three Days of the Condor 1975年 シドニー・ポラック監督






感覚的に100%フィットするかどうかは置いといて

佳作ばかりを見た満足感と充足感に体中が包まれる。

ホントは『ショーシャンクの空に』の監督コメンタリーバージョンも

見たかったのだが、いかんせん一週間で18枚(19枚だけっけ?)も

レンタルしてしまったので、プロットポイントだけ注視する。

しかし確証が持てないのと、もっと作品を味わいたいのとで

再見するつもり。


『ショーシャンクの空に』

ハリウッド製作のセオリーが頭をよぎると、良くも悪くも安心感がある。展開に。



『めぐりあう時間たち』

『妹の恋人』に出演していた人だ。ジュリアン・ムーアという女優さんらしい。

この作品でも難しそうな役どころを演じていた。

微妙な味わいのある女優さんだ。



『コンドル』

ロバート・レッドフォードの色男っぷりありきの物語。









2010年06月23日(水) 『ロード・オブ・ザ・リング』 『ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔』


『ロード・オブ・ザ・リング』 2001年 ピーター・ジャクソン監督

『ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔』 2002年 ピーター・ジャクソン監督


この作品を見ようと思ったのは、ヒューゴ・ウィービングが

出演していることを知った後押しが大きい。

『ハリー・ポッター』にハマった(わりと)直後だからだろうか。

『ハリー・ポッター』の大人版のように思った。

約3時間×2、集中してみることができたのは

一定レベル以上の面白ろさがあった証だと思うが

琴線にふれる、何かぐっとくるものがあったかというと首が傾く。




それよりこの作品には原作があったのだな。

ジョン・ロナルド・ロウエル・トールキンという作家の

『指輪物語』が原作とのこと。50年以上前に書かれた作品だそうだ。

こちらの原作の方に興味が引かれる。

読んでみたいと思う。





ヒューゴ・ビーウィングの温かみのある存在感は好きだ。

エージェント・スミス役ですらそう感じてしまう。

最初に見たのがティック役だったことが影響しているのかなあ。









2010年06月22日(火) 『プリシラ』 『クレイマー、クレイマー』


『プリシラ』 再見する。


『クレイマー、クレイマー』Kramer vs. Kramer 1979年 ロバート・ベントン監督

見るの一体何年ぶり!!

あーいい映画だなあってしみじみ思う。

ロバート・ベントン監督って『俺たちに明日はない』の脚本、

『プレイス・イン・ザ・ハート』の監督をした人なんだ。

わかる。この情感の詰まった感じ。共通している。

若女子の時に見たより深く感じたように思う。

特にメリル・ストリープはホントに上手い女優さんだなあと思う。

妻として母としての微妙な立場や情感がすごく伝わってくる。

愛する子供を置いて家を出るという、一見矛盾している行動も、

ジョアンナというキャラクターに納得、説得させられる。

オープニングでベンジーを寝かしつける時のその表情だけで

ジョアンナという女性の微妙な心情、キャラクターを感じた。

人間が掘り下げて描かれつつ、エンターテイメントであるという。

再見する。









2010年06月21日(月) 『プリシラ』


『プリシラ』 再見する。



2010年06月20日(日) 『プリシラ』 『普通の人々』


『プリシラ』


『普通の人々』Ordinary People 1980年 ロバート・レッドフォード監督

途中で睡魔に襲われる。再見する。



2010年06月19日(土) 『プリシラ』


『プリシラ』 再見する。



2010年06月18日(金) 『プリシラ』 『私家版』 『まぼろしの市街戦』


『プリシラ』


まだ見る度に「あ、そういうことか」って気づかされるところがある。

気づいてしまえば「なんでもっと早くわからなかったんだろう」と思える。

すごく複雑だったり意識していなかったものが

突如シンプルな形となって目の前に現れるのだ。

恋してるなあ。




『私家版』Tiré à part 1996年 仏

テレンス・スタンプが出演しているのがわかって

ずいぶん前にNHK-BSで録画したビデオを引っ張り出してきて見た。

ずっと頭の隅で気になっていたタイトルだ。

げげげ、推定10年以上前に録画したものだった。



『プリシラ』でテレンス・スタンプが

いかにベルナデットという女性を魅力的に演じていたか、

演技の上手い役者さんであるのかを認識した。

初めて『私家版』で見る男性姿(?)のテレンス・スタンプは

ダンディな渋いオジサマだった。

しばらくの間、ベルナデットと『私家版』のテレンス・スタンプが

イコールでつながらなかった。

最初は『プリシラ』がらみで見てたけど

次第に物語りに引き込まれていく。

ひねたような、大向こうを狙っていないトーンは好きだ。

一見淡々としたテレンス・スタンプの演技から

バックボーンや感情が伝わってくる。

物語の広がりも想像させてくれる。

ミステリー?サスペンス?に分類されるのかもしれないけど

ミステリー?サスペンス?の形を借りた人間のドラマだと思わされる。

良い映画だと思う。







『まぼろしの市街戦』Le Roi de coeur King of Hearts 1967年 仏=伊

NHK-BSで録画したのを見る。昨年録画したもの。

DVDを購入するか検討中。この前amazon見たら再販かかってたし。

ちょっとイライラした気持ちで見たせいか

イマイチ入り込めずに見た感じだ。

細かな状況が頭に入ってこなかったり、

受け流して見てしまった感があるものの

なぜか構成はわかった。

それと佳作な作品であることも。

再見する。









2010年06月17日(木) 『プリシラ』 『メメント』 『ミス・ポター』


『プリシラ』

見るたびにもっと好きになっていく。

なんていい映画なんだと思う。

なんて上手い役者さんたちなんだと思う。

台詞の多い少ないに関係なく、登場人物にぴったりな配役の

コーディネイトに、製作した人の思いが伝わってくる。

衣装デザインがアカデミー賞受賞したのはわかるけど

他部門も受賞に値する作品だと思う。

あーちくしょう! こんなに惚れさせやがって! シット!





『メメント』 再見する。

NHK-BSで録画した方を見る。

予想した通り(どちらの翻訳が原語に近いかは別にして)

DVDの翻訳よりNHK-BSの翻訳の方がわかりやすかった。

DVDで見て不自然に感じた点をNHK-BSの翻訳で解消した感じ。



最初見た時は時間の逆回転の構成にとまどっているうちに

エンドロールになってしまった感じだったけど

再見して物語の芯は理解できた。

まだ理解、解釈、味わいつくしていないので

これから先ひも解いていくわくわくした気持ちやら何やら。

再見する。






『ミス・ポター』Miss Potter


NHK-BSで録画したのを見る。

何が芯の物語なのかよくわからなかった。
 
ピーターラビットに思い入れがある人が見たら

また別の感慨も沸くかもしれないが

作品的にはピリッとしない、

いくつかの出来事がただ茫洋と目の前を流れていきました、

という印象だった。

こういうタイプの作品を見てしまうとイライラしてしまう自分に気がつく。

ユアン・マクレガーって初めて見たかも。

面白い味わいの俳優さんだなあ。

他の作品を検索してみる。









2010年06月16日(水) 『プリシラ』 『マトリックス』


『プリシラ』

おもちゃ箱の中できらきら光ってる。

大好きで大切なもの。

見る度に恋してしまう。

涙がこぼれる。

胸に沁みるなあ。




『マトリックス』The Matrix 1999年

『プリシラ』のヒューゴ・ウィービングが

エージェント・スミス役で出演していたことがわかって

ビデオを段ボール箱から引っ張り出してきて再見する。

初見の時、イマイチと思った記憶があるのだが

お、お、おもしろいではないか。

その時の気分や体調が左右したのかもしれない。

『プリシラ』でお姉さんを演じていた時との役柄の落差にぐっときた。

クール美女子トリニティ役の女優さんをどこかで見たような気がしていたら

『メメント』に出てた女優さんだったんだ。

演じる女性像が異なると、こんなに印象が変わるんだ。

あっちゃこっちゃでつながってて面白い。









2010年06月15日(火) 『プリシラ』The Adventures of Priscilla Queen of the Desert


『プリシラ』The Adventures of Priscilla Queen of the Desert


会えば会うほど好きになる。

最初に見た時は10作品前後のDVDが控えていたので

気忙しい意識が多少影響していたのかもしれない。

オープニングシーンから胸がしめつけられる。涙がこぼれる。

見るほどにテレンス・スタンプの演技が心に沁みる。

上手い役者さんだなあ。

10回前後見たところで

構成、登場人物の背景、キャラクター、変化の地点、

物語が語っていること、テーマを語っている箇所、理解する。

ティックとベルナデットの存在理由はわかる。

わからなかったフェリシアの動機がわかる。

ティックとの関係だ。

それぞれの関係性の中で見せる反応の違いに気がついた。

ちょっと人物像があやふやかなと思う。

フェリシアの存在は魅力的だけど、バックボーンが想像できない。

ティックとベルナディットは想像できる。

『L.A.コンフィデンシャル』で俳優の演技をあんなに丁寧に

取りこぼさずに見せてくれたカーティス・ハンソン監督はすごい!

エンターテイメント主義の中で勝ち取った描写ではないか。

全てにしびれるのは、エドを演じたガイ・ピアースの真骨頂といえる

細やかなキャラクター表現を生かしてくれたから。

まだ物語から受け取るものがある予感はする。









2010年06月14日(月) 『プリシラ』


『プリシラ』



2010年06月13日(日) 『プリシラ』


『プリシラ』



2010年06月12日(土) 『プリシラ』


『プリシラ』



2010年06月11日(金) 『ブランニュー・ワールド』 『プリシラ』


『ブランニュー・ワールド』Woundings/Brand New World 1998年

『プリシラ』 The Adventures of Priscilla Queen of the Desert 1994年 豪



2010年06月10日(木) 『トエンティマン・ブラザーズ』 『タイムマシン』 『ベッドタイム・ストーリー』 


『トエンティマン・ブラザーズ』The Hard Word 2002年 英=豪

『タイムマシン』The Time Machine 2002年

『ベッドタイム・ストーリー』Bedtime Stories 2008年





2010年06月09日(水) 『モンテ・クリスト 岩窟王』 『奇術師フーディーニ 妖しき幻想』 『ザ・プロポジション 血の誓約』 


『モンテ・クリスト 岩窟王』The Count of Monte Cristo 2002年 英=米=アイルランド

『奇術師フーディーニ 妖しき幻想』Death Defying Acts 2007年 英=豪

『ザ・プロポジション 血の誓約』 2005年 英=豪 ジョン・ヒルコート監督



『ザ・プロポジション 血の誓約』 

日本未公開作品。DVDセールスのみ(?)。

製作年などデータを検索するためにタイトルを入力したら

『ザ・プロポジション 血の誓約』のデータはヒットせず

『ザ・ロード』の情報が先にダーッとヒットした。

全米ベストセラー、ピューリッツァー賞小説の映画化。

『ザ・プロポジション 血の誓約』のジョン・ヒルコートが監督したそうだ。



『ザ・プロポジション 血の誓約』を見て

PV映像と言ったら言い過ぎかもしれないけど、

深い所まで描けていない、表面的な処理にしかなっていないような印象を持った。

過激な表現が血肉にまで昇華されていないというか

どこかイメージに逃げているところがあるように思った。

ただ私はオーストラリアの歴史に疎いし

西部劇の価値判断の基準がまだ自分の中にないから

そのへんの自分の視点が変われば受け止め方も変わる可能性はあるかもしれない。


『ザ・ロード』の紹介記事に

『ザ・プロポジション 血の誓約』について世界的に絶賛された

云々と書いてある宣伝文章があったけど飾り過ぎな表現が鼻白む。

佳作かどうか自己基準は変わらない。

だけど『ザ・プロポジション 血の誓約』と同じ監督だということで

『ザ・ロード』を見たいと思ったし

『ザ・プロポジション 血の誓約』も再見する。









2010年06月08日(火) 『メメント』 『ファクトリー・ガール』


『メメント』 Memento 2000年 クリストファー・ノーラン監督


NHK-BSの深夜の映画劇場で放送されることを知って

すごく見たいと思っている時になんというタイミング!とうれしかったものの

今までの感触上、NHKの翻訳はDVDの翻訳より

わかりやすい印象があるので(さすが公共放送だ)

先にTV放映の字幕で見てしまうと、荒削りかもしれないDVDの字幕に

違和感を感じてしまうかもしれないことから

のどから手が出るほど見たい気持ちを自制して

注文したDVDの到着を待つこと数日。




表現が違っているかもしれないけどアメリカン・ニューシネマみたいだと思った。

『スケアクロウ』や『タクシードライバー』がオーバーラップした。

作品が類似しているという意味ではなく根底に流れるものに対してだ。

エキセントリックな構成だけど、見せ掛けの奇抜さではなく芯から掴まえられる感じだ。

時間が逆回転する運びなので、構成がどーのと思いながら見ると余計に

わけがわからなくなるので、途中から感情にまかせて見るスイッチに切り替えた。

こんなにガイ・ピアースに惹かれる意味は何なのかと考える。

ちょっと理解しきれてない感はあるんだけど

俳優(の配役)、演出、映像・・・イヤだと思う箇所が見当たらないのは確実。

クリストファー・ノーラン監督は

『バッドマン ビギンズ』や『ダークナイト』を監督した人だったのだ。

こういう流れになるとは思わず少し前に見ていた。

評判が良いみたいなのだが(特に『ダークナイト』)

自分的にはあんまりピンとこなかったんだよなあ。

ロールプレイングゲームとかそっち系統にのめり込める人が

おもしろがれるタイプの映画なのかも?と思ったり。

まずガイ・ピアース出演作品をひと通り見たいので再見はそのあとに。

構成的なことを分析する。








『ファクトリー・ガール』Factory Girl 2006年


アンディ・ウォーホールを演じるガイ・ピアースの変貌ぶりにびっくりした。

物腰とかテイストが『This Is It』で見たマイケル・ジャクソンに似ていると思った。

ゲイという精神の共通項によるものかな?と思う。


アンディ・ウォーホールとZ氏が重なる。

あるいはZ氏の中にアンディ・ウォーホールに傾倒するところが

あったのかもしれないと今になって思う。

半歩先を行けば共感を得られるところを、ずっと先に行ってしまうから

周りは理解しないか、マニアックに支持するかの二極に分かる。

そういう作家における表現(あえて言う。いい加減な後始末のつけ方)や

目に耳に入ってきた女関係の色々に

くやしいけど(?)感覚が刺激される存在だったのだと改めて思う。

Z氏の作品に触れた時の感覚がオーバーラップする、

この作品は全般的にそういう見方になった。

再見する。









2010年06月07日(月) 『プリシラ』 『ラビナス』


『プリシラ』 1994年/豪
The Adventures of Priscilla Queen of the Desert



『L.A.コンフィデンシャル』で初めて知った、エドを演じた

ガイ・ピアースが、どんな演技をするのだろう。

胸がふるえる。ドキドキ。


エドとは見場も雰囲気も180度違うガイ・ピアースに

軽くカルチャーショックを受ける。

3人のオカマのお姉さんたちのロードムービーなわけだけど

それぞれ個性的・・・というか、美術セットとでも言うべき

アートな衣装をまとった姿に圧倒される。

ガイ・ピアースが演じたお姉さんの、その人物の履歴に思いを馳せた時

あんまり想像が広がっていかない感じがした。

つまり演じる型の方が先行して(だけど型はキレイ)

オカマのお姉さんの本質を捕まえきれていないのかなと思った。

ま、テレンス・スタンプとヒューゴ・ウィービングが演じるお姉さんたちに

比べると、バックボーンを想像させる描写が少ないことも関係しているのかもしれない。

なーんて、自制を意識して見ないと

映画なのに芝居の舞台を見るみたいにフォーカスしてしまうのだ。

ポップで元気でお下劣で、そして温かみがあって

一陣の風が人生の色んな思いを詰め込んで吹き去って行った

そんな感覚におちいる。

エンドロールを見ながら自分自身予想外にはらはら涙がこぼれた。

公開当時、話題になっていたのは覚えている。

だから何とはなしに引っかかりはあったんだけど

その時、何とはなしに見なくてよかった。

見るべき時に出会うべき時に見たと思う。









『ラビナス』Ravenous 1999年 アントニア・バード監督


オープニングシーンを見て期待感を抱くも

わりとすぐの段階でダメだコリャと思う。

めっちゃイイ役者なんやから、頼むから出演する作品選んでよ〜と

ガイ・ピアースにつっこみながら見てしまった。

冒頭から少なくとも30分、主要登場人物と思われる

ボイド大尉(ガイ・ピアース)が、物語の中枢部分に関わってくる気配がない。

傍観者のようにただ佇んでいる。台詞もほとんどない。

故にキャラクターがイマイチ立ち上がって見えてこない。

恐怖心や臆病で屈折した心情を抱えた人物なのであれば

ちょっとした描写でキャラクターを伝えるチャンスを作れたのではないか。

何を目的としてどんなゴールに向かっているのか

作品の半ばを過ぎてもなお漠然としていてよくわからなかった。

ラスト30分くらいのところでようやくボイド大尉の能動的行動や

状況を選択する意志が見えて物語の動きを感じるも遅過ぎるわ。

ラストシーンは胸にぐっときた。

この結末を生かすもっと上手い構成は他にあると思う。




ぷんぷんしながら、特典映像のコメンタリーを見る。

(一応見るものは見るのだ。)

10分ほどの未公開映像集に乗せた監督のコメントを聴くと

まるで他人事を語っているみたいだったのでいぶかしく思う。

脚本家×出演俳優によるコメンタリー解説によると

この作品は若い?作家の映画デビュー作品なのだそうだ。

撮影開始から2週間で現場での意見の相違から監督が二度変わり

編集監督、他にも交代があり、チェコだかプラハだかの

元共産圏の環境の整っていないホテルに缶詰になって云々、

そういう状況下で作られた作品だったとのこと。

結果的にアントニア・バード監督に落ち着いたのだそうだ。

(そりゃ他人事みたくなるわな。)

直前になって監督がバタバタ降板するような状況で

統一感や熱のある作品に仕上がる方が不思議ではないか。

ただこのような製作背景を知って、頼むから出演する作品選んでよ〜と

思いながら見ていた時の気持ちが変わる。

(よくわからないけど)ガイ・ピアースはメジャーとか

そういうことには関係ないところで出演をしていたのだと思うと

強く惹かれる理由の一端がわかった気分。



アントニア・バード監督はずっと前から気になっていた

『司祭』の監督だったのだ。(ネットショップで)ヒットしないんだけど

いつかこの作品を見たい。









2010年06月04日(金) 『恋愛適齢期』 『妹の恋人』再見


『恋愛適齢期』Something's Gotta Give 2003年 ナンシー・メイヤーズ監督


NHK-BSで録画したのを見る。

ジャック・ニコルソンの魅力を考えてみるに

アク自体、その根源なのかなと思う。

見場で勝負してる感じじゃないし

超セクシュアルって感じでもないし(感じ方は人それぞれだろうが)

独特のエグミみたいなものが魅力になっている稀有な俳優さんだなと思う。

(『カッコーの巣の上で』再見したくなった。)



名前は聞いたことあったけどダイアン・キートンという女優さんのことを

知らなかったせいもあるのだろうか?

50代後半の女性脚本家(ダイアン・キートン)に

20歳年下の青年医師(キアヌ・リーブス)が惚れるという設定が

不自然だと思った。年の差恋愛がおかしいと言っているのではない。

必然を感じる描写がないのだ。

あえて言うなら、青年医師が彼女の才能を褒め称えている

それが彼の恋愛感情の源を示しているのかなあとは思うけど

ちと説得不足だと思う。

だけど、このタイプの作品にアレコレ言っちゃうのは野暮なのかも。

今年のお正月見る用に購入したDVDの『ホリディ』も同じ監督だったんだな。

頭を楽天気分に切り替えてハッピーに見る、それが正解なのかも。

『恋愛適齢期』も『ホリディ』も時間を置いて再見する。

あと『カッコーの巣の上で』も再見する。






『妹の恋人』Benny & Joon 再見する。

オープニングのポップな音楽が

シーンのイメージと重なって頭の中でぐるぐる廻る。

ラストシーンにほっこりする。









2010年06月03日(木) 『妹の恋人』 『道』


『妹の恋人』Benny & Joon 1993年

NHK-BSで録画したのを見る。

登場人物の動機とか設定とかに不自然なところが結構あったけど

胸がキュンとなって、気持が伝わってくるところもたくさんあったから佳作と言っていいのだと思う。

全体的にとてもかわいらしくほっこりするイメージだ。

そういう気持ちに浸りたくて、繰り返し見てみたくなる作品だ。


不思議その1

サムがベニーとジューンの家に行くための動機づけの設定。

サムのいとこがやっかい払いをする目的で

サムの所在をポーカーゲームで賭けた結果、

ベニーとジューンが自分達の家に(突然見ず知らずの)サムを連れて帰る。

いとことサムの関係も描かれていたり示唆する気配もない。


不思議その2

何だかよくわからいのだが、ベニーが「飲みたい気分だ」と言って

ベニー、ジューン、サム3人で町のレストランに行く。

ウエイトレスのルーシーと出会わせたかったわけね。


不思議その3

ルーシーと気持のすれ違いを抱えるベニーの傷心はわかるが

3人で出かけたピクニックの帰り、サムとジューンを先に帰して

自分は公園でたたずむ。突然説明もなくメランコリックに陥った模様。

サムとジューンが結ばれるには、ベニーがいちゃマズイってことだったのね。


他にも、ジューンとサムを二人きりにさせている

ベニーの心情の在り方の必然性も希薄だったり、

細かく検証して書き出せばあれもこれもになると思う。

描きたい場面ありきで、とにかくその場面に持っていくために

とって貼り付けた設定の運びになってるのだ。

だけど前述したように、すごく気持ちに響いてくるかわいらしい作品だから

まあ、いいかとも思えるのだ。

なーんか見たことあるなあと思いながら見ていたのだが

サムってジョニー・デップだったのね。作品を見た後で検索してわかった。なはは。

過去と現在、良い意味で全然違う味。








『道』La Strada 1954年 フェデリコ・フェリーニ監督


ちょっとイライラした気分のまま見てしまったので時間を置いて再見する。

自分にとってフェデリコ・フェリーニ監督の作品は

「成熟した」「大人がわかる」というイメージ。

あんまり気持ちが入らずに見てしまった感があるにもかかわらず

今ふっと思いを馳せてみると

様々なシーンが強く印象に残っていることに自分で驚く。

作品に力があるってことなのだろう。









2010年06月02日(水) 『ビューティフル・マインド』

『ビューティフル・マインド』A Beautiful Mind 2001年 ロン・ハワード監督


NHK-BSで録画したのを見る。

ラッセル・クロウ出演作品。

絶妙なタイミングの放映である。

『L.Aコンフィデンシャル』に気持が傾き続け

一時も離れられない状態から、少しクールダウンして

冷静なフリをする?事が出来るようになった時期である。


『L.Aコンフィデンシャル』の世界の人物が

別の世界の人物を演たらどんな風になるんだろうとワクワクして見る。

『L.Aコンフィデンシャル』が作りこまれている作品だけに

『L.Aコンフィデンシャル』頭の今、意識的、無意識的に

比較してしまうのは仕方ないわ。

ラッセル・クロウ演じる数学の天才が、スパイ任務を命じられ

諜報活動に没頭する日々は現実なのか虚構なのか

その種明しがあるまでの物語の過程において、

妻となる女性との出会いの設定が貧弱すぎる点で

(描写が貧弱とは思わず真に受けた解釈をしようとして)

あらぬ人物関係をかんぐるという無駄骨を折らされた。

ジョン(ラッセル・クロウ)の虚構の世界である

スパイ関連を描写する比重がちと大き過ぎるような気もする。

そのため、尻すぼみになってるような気もする。

あと見る側に後半部分、その描写がジョンの虚構なのか現実なのか

もっとハッキリわかる、ひと工夫も必要だったと思う。

ジョンがレストランで大勢の人達の賛辞を受ける場面など

あれ?これはひょっとして虚構の話? などと迷ってしまったもの。




ラッセル・クロウはどこに行ってもマッチョな人だったんだな。

老齢を演じたラッセル・クロウはすごく上手いと思った。

マッチョな体型がかっぷくのよい老人の様子につながって自然だった。

野暮ったさ、素朴さと「華」が両立している俳優さんだな。

ラッセル・クロウの奥さんの老けた様子は、欽ちゃんの仮装大賞かと思った。

たぶん20代の女優さん?(ジェニファー・コネリー)なのだろうから

しょうがないといえばしょうがない。でも笑えた。

物語は素敵だと思う。









『雪』 黒澤明脚本 再読、読了する。

瑞々しく清廉な情感が、わぁっと目前に

きらきら光りながらひろがっていく感じだ。

涙がこぼれる。

戦前(1942年)に書かれた作品だと思うと意外な感じがする。

真髄は時代を超えるのだなと改めて思う。








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Barbara [MAIL] [バイオトープの庭]

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