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2007年06月27日(水)
maximum OF life




「最近、精神的に疲れ果ててて、
 心がトゲトゲしてるから、
 お前に逢って、安らぎたい。」


彼にしては珍しく弱気なその発言が気になった。


疲労が滲み出た顔をして逢いに来たから、
ますます心配になったけれど、
彼がいつもそうしてくれるように、
ずっと手を握って離さずに、
ただただ繋いだ手で体温を分かち合った。


したくない話はしなくていい。
したくなったらすればいい。


私は変わらずに傍に居て、笑ってあげるから。


優しく優しく抱きしめて、
何度となく頬に、額に、唇にキスをして、
彼の求める安らぎを与えた。


「愛してるよ。」

「うん。俺も愛してる。」


抱きしめる腕に少しだけ力を入れる。
「私はここにいるよ、ちゃんといるよ」
そんな言葉に出来ない想いを込めて。


「ちょっとだけ眠らせて。」


そう言って私の首筋に鼻を寄せて、
手を繋いだ途端小さな鼾をかき始めた。


眠る彼の横でテレビを見ながら、
時々彼の顔を覗きこんで、
眠ってるのを確認してから頬を緩める。


目覚めてすぐの寝ぼけ眼の彼を抱きしめて、
小さな子どもをあやすように、
背中に回した手をゆっくりと上下に動かし摩る。


「安らげた?」

「この短時間で俺、イビキかいてたんだろ?」


いつだって言葉足らずで苛立つことも、
不安になることも凄く多いけど、
多くを口にしないのは、
言葉にしてしまうと嘘っぽくなるからなのかな。


彼らしい回答に笑顔が零れた。






2007年06月24日(日)
酷い人。






ズルイ人。
逃げた人。
泣いた人。
嘘をついた人。
騙す人。



酷い人。








2007年06月15日(金)
醜さの樹。






吐き気をもよおす程の嫉妬。


憎くてたまらない。


みんな消えてなくなればいい。








2007年06月04日(月)
抱くための腕。





カウンター席で並んで座る友人達に、
隠れてこっそりと何度もキスを交わす。


唇が重なる度、離れる度に、
にっこりと微笑み合う、
優しい空気が流れて、穏やか。


「抱きしめたい」って顔に書いてあって、
なんだかそれがとても愛しくて、
体内を駆け巡るアルコールの勢いに任せて、
照れ屋な彼の代わりに腕を伸ばした。


抱きしめてから微笑んで、
重ねられる唇に愛を咲かせて、
穏やかに流れる時間に、
アルコール以上に身を浸した。


隣に彼が居る。
それだけで幸せ。


だけどアルコールに踊らされ、
彼と、幸せでどうしようもない時間に酔い、
自宅の床に転がり続けた。


見慣れた筈の、でも覚えられない11桁に手をかけ、
ケイタイの向こう側で心配そうな声を出す彼に、
ケイタイのこちら側で優しく微笑んでから告げる。


「愛してる。」







2007年06月02日(土)
サヨナラは月曜の朝に。




いつもと様子が微妙に異なるから、
なんとなく不安になり、逃げた。


強引に腕で頭を押さえ込んで唇を寄せる彼は、
いつもと少し様子が違っていて、
わたしを不安にさせるのには十分だった。


逃げては捕まり、捕まっては逃げるを、
暫く繰り返した後、
「どうして俺から逃げるの?」と、
拗ねていじけた彼に、愛しさで降参した。


「どうしたの?」

「どうもしないよ?」


どうもしない訳ないような様子だが、
突っ込んで聞いても仕方ないなと諦めて、
抱きしめたまま優しく頭を撫で続けた。


微笑み合って、腕を絡めて、
唇を寄せてから、寄り添って眠る。


「どうした?」

「どうもしないよ?嫌?」

「ううん、嫌じゃないよ。」


妙な不安と絶え間ない愛しさで、
心がぐちゃぐちゃになって、
一瞬も離れたくなくて、
ずっとくっついてるわたしに彼が笑う。


「甘えん坊だな。」


わたしはいつも傍にいる。
決して逃げたり、
独りにしたりは、しない。