過去日記倉庫(仮名)
もくじもどるすすむ
フリフリおれ的わたし的ベスト2007はこちらより


2005年11月12日(土) sun green,earth brown,and bleeding red (jacket the devil put on)

桜坂劇場にてニール・ヤングのGreendaleを見る。ボブ・ディランの頭の中を見るつもりだったのに終わってました…この日ニール・ヤングさんの誕生日だそうで、ついでにここに書いておきます。

この方についてはハーヴェストしか聴いたこと無くてよく知らないのですが、見てみるとアルバム一枚分の凝ったPVという感じでした。全10曲フルでかかっていた。リンクした所には曲名が書いてないのでアルバムのページもどうぞ。CDについているDVDはライブ映像のようです。解説を読むと、ファンの方には賛否両論、というかあんまり人気のあるアルバムではないようですね。確かに音だけ聴くと飾り気が無さ過ぎて退屈な所もあった。わざわざそうして物語の普遍的な側面を強調したいのかな、なんて思いました。

話はグリーンデイルという町に住むグリーン家のあれこれを描いた?もの。社会的なメッセージもたくさん込められていてああそうなのかと思いながら見てたら最後の曲でセイヴアラスカ!みたいなシンプルなエコロジー讃歌になってしまい、自分にはほとんどギャクに見えてしまったので、ちょっとそのオチはどうなのかと思ってしまいました。でもニール・ヤングの中では別に揶揄の部分はみじんも無く、きれいに完結しているのだろうな。後で読んだ雑誌のインタビューではクリーンエネルギーについて熱く語っていたし。この曲の所だけホールでライブ映像を撮っていて、登場人物が総出演、舞台上に独房(家族に逮捕者がいる)とグランパが揺り椅子に座っているダイニングのセットもつくられておもしろかった。03年の武道館コンサートでもこのセットでやったみたいです。

登場人物は、絵が趣味で街のギャラリーに何度も持ち込んで断られてるお父さんとか、いろいろ個性的な方々だったようなのですが、孫娘のサンがかわいくて印象的でしたね、牧場で干し草でNO WARサイン描いたり電気会社のロビーでアジったりして。そういう所はおもしろかったな。ドラッグに寛容(語り手が)なのはカリフォルニアだから?こういうメッセージ性の強い作品というのはNYテロ後に何か提示しようということなのかと思ったけどそれにしては素直すぎるような気もするのでそうでもないのかな。見てると自分もごく単純に、アメリカって広いんだな。そんなに広いんだったら演習場とか軍施設を引き取ってもらえないものかなあとか思ったり、うーんやっぱりファンじゃないんで素直に楽しめるものではなかったな。


表紙がかわいいのでつい買ってしまった西島大介ディエンビエンフー。かわいらしいけど別に切なくはないのでご注意。読む人を選ぶなあ。ご本人のサイトにもあるけど、これで話が完結しているどころかか導入部にすぎないのでなにがなんだかわからない所もあります。何これ?っていうのもあるな。話がすすむといろいろわかってくるんだろうけど、まだつかみの部分なのでまだ何もないって感じだった。20代だったらもっと感じる所あったかも。でも20代の人にぜひ読んでみてとすすめる気持ちはおこらないけどな…誰かにすすめるようなものではないのだろう。

作中にわざわざ岡本太郎の「殺すな」ロゴが貼り付けられたり、時代考証をした上での演出が今の世界とリンクしているようなのがおもしろいのかな。でも今の所、ああ、みんなこういうキャラクターが好きなんだなあ。としか思わない。大友克洋とか松本大洋とか(そんなに漫画を読まないのでそれくらいしか思い浮かばないのですが)好んで描くような、ほとんど愛情と見間違うほどの無垢な暴力、無敵な存在、その世界を支配する圧倒的な力というようなもの(そしてそれはだいたいかわいらしい子どもの形をしている)。都会の人はそういう存在を求めてるのかなあ。営々とつくりあげたものを全てなぎ倒してぶっ壊してしまうもの。そういえば古いけど、橋本治の暗野という小説を思い出しました。まさにそういうSF小説でしたね。



ドミノも見てます。キーラ・ナイトレイを見に行ったので他の所はどうでもよかったのですが、登場人物が多すぎてあんまりキーラちゃんの見どころが無かったのが残念。バウンティ・キラーという職業になじみがないので端折られるとぜんぜんわからない。保釈金の兼ね合いで犯人を捕まえる仕事、て感じでしょうか。もっとニキータみたいな感じで始めから仕事人になっていく過程をじっくり見せてくれるとよかったのに、雇い人の家族の話の割合が大きすぎて何が焦点なのかよくわからない。

というか、監督のトニー・スコットはドミノ・ハーヴェイと仲が良かったそうなんだけど、実際の伝記の要素は一割くらいで、あとはそれをダシにしてやりたい放題やっただけではないか、という印象だったよ。実在のワイドショーを使って人種的な差別問題を茶化してみせたり、アフガン系のキャラクターがいきなり登場してきたりとか、最後の場面(盗んだ金がアフガンのキャンプに送られる)とかしゃれにならないのでは、と思ったけどなー。

なのであんまりまじめに考えてもしょうがないかなという感じ。映像の凝った所は悪く無かったです。トリック的な所とか、軽く人物紹介をするように、作品中のセリフをサンプリングしてBGMのHIPHOPと絡めたオープニングとか、かっこよかった。最後もエンドロールに入る前にファーストネームだけ出して人物紹介していくのがよかったな。最後にドミノってご本人が出てくるの。実際はヒラリー・スワンクのアクを抜いたような感じなんだね。スレンダーでマニッシュな印象。あのワンショットは最高によかったな。

キーラ・ナイトレイはぜんぜん似てないのでは、と思ったけど好きだからいいや…見ているとやっぱり最初の欲求不満でひねてる所がいちばんかわいいんだよねー。ベッカムに恋してで主人公のライバルになる友人の役がはまってて、やっぱりそういう怒ってる所が魅力的な人なんだなと思った。親との関係とか精神的な問題があったんだろうけど、あんまり前面に出てこない。キーラ・ナイトレイがとても健康的なので見ていても気にならないんだよね…たまたま血の気の多い子だったのね、くらいで。(私がそういう話であってほしいと思ってるからなんだろうけど)

顔のそっくりなナタリー・ポートマンと違って泣き顔がそんなに印象に残らないのが意外だった。ナタリーがすごすぎるのもあるけど…やっぱり時代劇とかアクションものに向いている人なのだろうか。ミシェル・ロドリゲスとか栗山千明とかと共演してほしいなー。SWATの相棒ものとかやってほしい。てっきりルーシー・リューと斬り合い(笑)とか撃ち合いとかあるんだろうと期待してたのに、ねちねちした尋問の場面であそこは冗長だった。ああいう心理戦的な演技あんまりうまくないんじゃないかなと思った。必要な場面ではあったけど。

あとミッキー・ロークが普通にいい感じだった。もっと変なしゃべり方じゃなかったけな…昔のエンジェル・ハートのなんか食えない、どこか信頼できないあやうい感じがあまり無くて残念…キーラに恋する青年チョコちゃん(かわいい)を諭す場面とかいい人だったし。あそこはちょっと泣ける感じ。気のある子に通じないスペイン語でしゃべってしまうのは、かっこつけてるんじゃなくて気持ちを正直に伝えたいだけなんだね…後半いきなり出てくるアフガン系の運転手もおもしろかったな。

またインチキ牧師風にBGMとともに車で登場するトム・ウェイツ(本当にあやしかったこの人…)とか、雇い人のデルロイ・リンドーが好きなので見れてよかった。60セカンズで車泥棒のニコラス・ケイジを追いかける刑事の役がかっこよかったです。それにしてもバウンティ・キラー界隈と対照的に、唾棄すべきものとして主人公の中流家庭のスノッブぶりとか大学の女子寮の風景が対置されていたのですが(ここでもテレビ局のクリストファー・ウォーケンとミーナ・スヴァーリがナイスキャスティング)、そういう嘘くさいぬるい人間関係から逃れるためにはアウトローになるしかないんでしょうか。そんなことないよね。


aya_nkym |diaryJazz Boxantenna

即興アートWebRing
即興アートWebRing | 参加サイト一覧