ヒルカニヤの虎



 水色のキャンディがへばりついたまま

■ラ・ゴリスターズvs東京シュール5vsキュートン キュートン撲滅2010/05/02/Sun_16:30-@浅草公会堂

10分くらい押して始まったのかな?ギリギリまでオレンジ通りの喫茶店で茶をしばいていたので助かりました。撲滅は前から4列目のど真ん中、ムダにいい席。マイク通さなくてもナマ声が聞こえるので、参入よりずっと聞きやすかった。
またしてもかたつむり林の影マイクでOP。なぜか最後に蝸林「はやし―!」客「だいすき――!」と叫ばされるオーディエンス。まあ好きなんで大いに叫びましたけど。
まずは各コンビの紹介Vからラゴリ、なぜかノブコブ吉村がいない。続いてシュール、なぜかしずる池田がいない。そしてシャツイン&ハイウェスト&ムキムキポーズの阿部・押見・そして林さん。本当にシュールさのないシュール5。キュートンは参入でお客様を刀で切り刻んでしまったので、おとなしく舞台から登場。
結局遅れた吉村さんと池田は2階席・3階席で愛想を振りまいていたようです。前列から見るのは首痛い。3階の吉村さんへの家城さんムチャぶり「落ちるなよ吉村!落ちるなよ!!」さすがにそれはできなかった破天荒。
OPの映像が微妙に参入と違っていた。

ラゴリプレゼン「王様ゲーム」王様をお客様にして、壇上のお客相手に繰り広げられるサービスの数々。ラゴリって衒いがなくてすごいなあ。2人目の女性が「告白されたい芸人」にまさかのポイズン阿部ちゃんを選んで好感度がウナギ登りました。しかしそれを聞くや股間にくじ引きの割り箸をあてがい、おっ立てはじめたポイズン阿部ちゃんが最低すぎた。さらに企画を終えて舞台をおりる間際、その女性にお部屋の鍵を手渡した阿部ちゃんはもう芸人でしかないと思いました。ここではしんじの引きが強く、独壇場。

ネタ
ハイキングウォーキング:トランプの新しいルール。ポップ…!私ごときに語れることはなにもないです。
カリカ:弁慶と牛若丸から入る能の「夜空ノムコウ」バージョン。このバージョン初めて見たわ〜。今更ですがカリカのセンスはズバ抜けている。
椿鬼奴:漫談。38歳の奴ねえさん、生まれたのはあさま山荘の年。あの巨大鉄球が突き破ったとき臨月だった(これ若い娘さん通じてなかったな…)。桃井かおり、おしゃべりクッキングの上沼恵美子のものまねをやってくれた。奴ねえさんの笑いは上品でがっついてなくていいなあ。

シュールプレゼン「アドリブコント」悪意どっきり電話。しずる地獄五景のときのだよねこれ。今回は綾部さんとくまだまさしが犠牲。設定は学園祭後の高校生男女グループのカラオケ。綾部チームは男子学生が池谷さん・関町、女子学生がかたつむり林と村上。村上がすさまじいパンチラをかましていました。貪欲な姿勢がえらい。カラオケは関町の絶唱、その後「どうする?帰る?このままどっか泊まる?」で「綾部、泊まってくって親に電話しろよ!」と逃げ道をふさがれた綾部さん、実家に電話をかけさせられる。わけわかってない母親とのほのぼの会話を全部客に聞かれるという苦行です。でもなんとか外泊OKをもらってコント終了。
くまだまさしチームは男子学生が家城さん、押見さん。女子学生が池田と田所仁。田所さん存外違和感ない。カラオケは池田のラブサイケデリコ。で例のごとく「泊まってく?」で田所さん追い打ち「うちSMの道具とかあるよ」ということで、妻帯者で子どももいるくまださんは猛烈にてんぱりつつ電話。結局くまださんは嫁ではなく娘さん(2歳9ヵ月)に電話をかわってもらい、「パパ今日うち帰んなくてもいい?」「SMの道具があるおうちに泊まるからね」と伝える。そのうえで奥さんに「詳しくは○○ちゃんに聞いて」で通話切って終了。任務を遂行できなかったので、これはキュートンチームの負け。

ネタ
POISON GIRL BAND:作詞漫才。阿部ちゃんが作った詩がことごとく既存の有名な歌、というもの。阿部ちゃんの空気感がすごすぎる。夏のお嬢さんで爆笑。ポイズンの漫才は面白いなあ。
増谷キートン:ムード歌謡の世界。コモエスタキートンが初めてのデュエットを、ということで舞台袖からキリキリと釣り糸を引っ張ってくる。曲が始まるとキートンさんの手元めがけて首だけのマネキンがスーッと!会場悲鳴&爆笑。生首を台の上に置き、デュエット曲を歌い上げるキートンさん。はじめは歌わないマネキンが歌いだし、クライマックスの合唱でなんとマネキンの首が高速回転、悲鳴と爆笑のカオス。ラゴリとしずるファンにはなかなかのトラウマです。キートンさんお得意の全裸こそなかったものの、非常におもしろかった。私はつくづくこの手の衝撃がほしい。
平成ノブシコブシ:猿蟹合戦の漫才。よくぞキートンさん後の空気感でがんばったと思う!中盤からだいぶ盛り返していました。

キュートン企画「キュートンルーレット」当たりだと美女とキスができるけど、どんなタイミングで押しても必ずしんじになってしまうルーレット。Qちゃん→かたつむり林→又吉の順でしんじの餌食になりました。しんじすごい活躍。最後はしずるの強制コンビキスであほほどボルテージが上がる客席。前から4列目ど真ん中で苦虫かみつぶしてて申し訳なかったよ。しずるには何の蟠りもないし流れ的にも仕方ないのですが(終演後、いつもお相手していただくIさんに開口一番「しずるかわいそう!」と訴えた)、この安易に流れまくりの風潮を何とかしてほしい。だっておもしろいか?お笑いのオチとしてキスは本当におもしろいのか?客が喜ぶから芸人サイドだって楽な落としどころで濫用しちゃうんでしょ。なんだか最後にヤなものを見たなあ。残念です。ああいう消費のありかたは生理的にダメなんだよ。1000人からの巨大な欲望が一つに向かってしまうのはなんだかすごく怖い。
お笑いとして正しかったのは唯一、リンカーンのダウンタウンパイ投げのあれだけだと今でも思っている。

エンディングは惜しげないキュートン演舞からの光線炸裂=撲滅!で舞台上に6本並ぶ十字架。死んだんかい!めいめい花を手向けるラゴリとシュール。最後に家城さんがマネキン生首を墓前に置く、しめやかな追悼の儀です。でもキュートンを撲滅したのはラゴリとシュールだけどな。またこれからも新しいユニットが出てくれば対決して潰すとのこと。
すすり泣きながら告知などするシュールの無駄な演技力ににやにやしました。※特に家城さんと押見さん。


終演後、念願の神谷バーで電気ブランと洋食をたんまり食らう。Iさんいつもお付き合いくださってありがとうございます。カリカのハイセンスとキートンのすごさと、ライスが足りなかったことなどについて議論。ライスはなんでネタやらなかったの!?

2010年05月02日(日)
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