G*R menu


双樹 二

 奇形とまで呼べるほどの姿になって、絡み合う二本の木。風にさざめくそれを見上げて、ギンは一人笑う。

 君がいなくては生きていけなかった。
 たとえ君を絞め殺しても。たとえ自分が絞め殺されても。
 大人になり、力を得て、一人で立つ術を得て。
 それでも絡み合い癒着した幹は枝は離れられない。


 それがもう呪縛と呼ばれるものであっても、それでも自分は構わなかった。






 二人の関係は美しいだけではないと考えています。

  G*R menu novel short story consideration
Life is but an empty dream