読書記録

2023年07月07日(金) 私の盲端 / 朝比奈 秋



 盲端という言葉を知らなかった。内臓器官で一方の端が閉じている管(盲管)において、その閉じた端のこと。
虫垂などは端が閉じているので盲端を持つ。
また、鎖肛で直腸が閉じている場合、直腸盲端とも表現できる。


中華料理店でバイトしていた大学生の涼子は、生理の出血だと思っていたのに、病院で気がついたときには人工肛門になっていた。
オストメイト用のトイレで、同じく人工肛門の男性と知り合いになった。
ある程度 日にちが過ぎたら人工肛門を塞げると期待していたのに、遺された直腸が短いため手術不可能と診断された。

  


もう一つ、短編。

塩の道

関東の救急病院で馬車馬のように働いた。
二度の離婚の後、博多のお看取り病院で3年働いた。
自室で寝転がりながら人が亡くなるのを待って死亡診断書を書くだけの病院なのに、体に溜まった疲れがとれなくなっていた。
そんな病院の延長線上にあるはずの、青森の診療所にやってきた。




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