読書記録

2023年07月04日(火) ソ連兵へ差し出された娘たち / 平井 美帆

 
1945年夏――。日本の敗戦は満州開拓団にとって、地獄の日々の始まりだった。
崩壊した「満州国」に取り残された黒川開拓団(岐阜県送出)は、日本への引揚船が出るまで入植地の陶頼昭に留まることを決断し、集団難民生活に入った。
しかし、暴徒化した現地民による襲撃は日ごとに激しさを増していく。
団幹部らは駅に進駐していたソ連軍司令部に助けを求めたが、今度は下っ端のソ連兵が入れ替わるようにやってきては“女漁り”や略奪を繰り返すようになる。
頭を悩ました団長たちが取った手段は……、未婚の娘を接待という名目で差し出すことだった。

実際にその接待に差し出された人たちの真実の語り。

もし「接待」がなければ 、移民した大集団の人々の自決という自死をしていたかもしれない。
だが、その犠牲になったのは未婚の娘たち。

無事に帰国しても「接待」に出されたという差別にも苦しめられる。
そして「接待」を決めたのも、その後にも口を噤んでいた男たち。





別記
私の母も満州引き上げ者で、自宅に帰りついたとき、叔母は乞食が物乞いにきたと思ったらしい。
やはり ロシア兵からの暴行を防ぐため頭は丸刈りだったそうだ。
母は26歳だった。







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