上下 本。 生野銀山一の坑夫たる雷太。浅井医院の娘で東京帰りの咲耶子。雷太の幼なじみで美貌の芸妓・芳野。咲耶子の女中で後、雷太の妻となるひたむきな志真。東京で咲耶子と恋に落ちた江藤。6歳まで雷太と一緒に育った北村の咲耶子へのゆがんだ愛。登場人物のいろいろな事情と立場とそれぞれの思いと。強い男の真の優しさとか。なかなかに読み応えがあった。時が行き、世界が変わっても、男は男でありたいものだ。