2019年06月20日(木) |
ほどなく、お別れです / 長月 天音 |
大学生の清水美空は就職試験に連敗中。 そんな中 東京スカイツリーの近くにある葬儀場「坂東会館」でアルバイトを半年ぶりに再開した。坂東会館には、僧侶の里見と組んで、訳ありの葬儀ばかり担当する漆原という男性スタッフがいた。漆原は、美空に里見と同様の“ある能力”があることに目を付け、自分の担当する葬儀を手伝うよう命じる。漆原は美空をはじめとするスタッフには毒舌だが、亡くなった人と、遺族の思いを繋ごうと心を尽くす葬祭ディレクターだった。
第一章は、歩道橋で転んで突然亡くなった身重の若い女性。 第二章は、病気で亡くなった5歳の女の子。 第三章は、自死した女性。
自分に霊感があることに気づかなかった美空だが、自分が生まれる前の日に亡くなった姉がいつも側にいたのだった。
不動産業者への就職を諦めた美空は、漆原の下で葬祭ディレクターになることにした。 そして最後は最愛の祖母が亡くなり、幼い姉とともに自分から遠く去っていくことを知るのだ。 ただ 魂はいつまでも残された者の心に生きている。
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