読書記録

2019年06月07日(金) ボダ子 / 赤松 利市

タイトルになっているボダ子というのはボーダーラインのこと。
ボーダーとは境界性人格障害と呼ばれる深刻な精神障害のこと。
でも作品を読んでいったら、そんな障害を抱えた娘は親が作っていた。
タイトルにあるから当然娘が主人公かと思いきや、父親である大西浩平の物語。
そして架空の物語だと思っていたのに終章で何とこれは私小説らしい。
びっくりだ。

バブル時代 順風満帆に過ごしてきたはずの大西浩平の人生の歯車が狂い始める。愛する我が子は境界性人格障害と診断され。 震災を機に、ビジネスは破綻。東北で土木作業員へと転じ迫ってくる貧困。 波乱万象すぎる主人公。
娘は障害を餌にする男に騙され、自身もホームレスに転落していく。

でも世の中、大抵のことに裏があるように、今の政権を見ても分かるように、土木の現実は事実だと思う。震災復興という建前で大きなお金が動いてるのだから。


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fuu [MAIL]