読書記録

2013年07月23日(火) 今朝の春    みおつくし料理帖              高田 郁


シリーズ第4作目。

○ 花嫁御寮━ははきぎ飯
ははきぎとは、ほうき草の古い呼び名で今では「とんぶり」として知られている。
畑のキャビアとも言われる秋田県の特産品で、乾燥したものは腎臓からくる浮腫みをとる薬効がある。
澪の思い人である小松原が浮腫んだような顔で現れたので、てっきり腎の臓を病んでいるのだと思い恐ろしく手間のかかるははきぎに向き合った。
が 腎の臓を患っていたのは小松原の母で、澪の人となりは認めるけれど一回の料理人を息子の相手として認めることはできないと申し渡した。

○ 友待つ雪━里の白雪
味にうるさい辛口戯作者清右衛門が吉原のあさひ太夫を題材に戯作をかくことになった。
澪は幼馴染の野江が花魁になった理由を知りたいと思いながらも、あさひ太夫の過去が戯作になって世間に知れることは何とも避けたかった。
清右衛門の口を里の白雪と名付けた鮃の蕪蒸しで満足させた澪はあさひ太夫のことを戯作にしないでくれと頼むのだった。

○ 寒紅━ひよっとこ温寿司
おりょうの亭主伊佐三が浮気をしているという。
が実は、太一の口がきけるようにと人に話せばご利益がなくなるという百日詣での願掛けをしていたのだ。
夫婦別れの話にまで発展したけれど、男気のある伊佐三を勝手に女のほうが入れあげただけのことで
誤解も解けたのだ。

○ 今朝の春━寒鰆の昆布締め
浅草の聖観堂という版元の企画で、登龍楼とつる屋とが同じ食材を使って料理の競い合いをすることになった。
その番付で大関位を取れば、江戸一番の料理屋の証し、天満一兆庵の再建も開けるかもと競い合いに応じた
澪だったが、不注意から左手の中指と薬指を出刃で切ってしまい源斉に縫合治療をしてもらった。
それでも不自由な指ながら 鰆の昆布締めという皆の口をうならせる料理に仕立て上げたのだが、
金子に糸目をつけない登龍楼は唐墨を用いて競い合いに勝利した。



里の白雪は蕪蒸しのこと。
さっと湯引きした鮃か鯛に、卵白を加えた卸し蕪をこんもり置いて蒸したもの。醤油あんをかけてわさびで頂く。









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