読書記録

2013年07月19日(金) 想い雲    みおつくし料理帖                 高田 郁

 シリーズ第3作目。


○ 豊年星〜「う」づくし。

大阪天満一兆庵の元女将だった芳が澪のために手放したかんざしを、「つる家」の主人・種市が探し出して戻してくれたが常客の坂村堂お抱えの料理人・富三が、行方不明の息子の消息を探し出してやると偽って、芳からかんざしを取り上げてしまう。
澪が感じたように江戸店の倒産と佐兵衛の失踪の元凶はこの富三だった。
澪の考えた「う」づくしの献立は《卯の花和え》、《梅土佐豆腐》、《瓜の葛ひき》、それに《埋め飯》
値の張る食材は一切用いていないのだ。    

○ 想い雲〜ふっくら鱧の葛叩き
上方というか関西の夏は”鱧”です!!
吉原の翁屋にて、難しい鱧料理の腕を見せて楼主・伝右衛門の信頼をかちえた澪は、俄の騒ぎに紛れて、今は「あさひ太夫」と名乗る幼馴染の野江との心のつながりを、貝殻に託す。

○ 花一輪〜ふわり菊花雪」
「つる家」のライバル登龍楼をクビになった悪徳板長の末松が、意図的に「つる家」に似せて、女料理人を看板に卑怯なマネをしてくる。
女料理人のお色気で、一時は「つる家」も閑古鳥が鳴くけれど、
結局は味を知る客から「つる家」に戻り、真似した店は食中毒を出してつぶれてしまう。
ところが、風評被害は本物の「つる家」にも及び、誤解したお客がさっぱり入らない日々が続く。
信頼を失うのは一瞬、回復には時間がかかるということを嫌というほど知らされたのだ。。
きっかけになったのは、「三方よしの日」には酒を出す、という企画と、
翁屋から手伝いに来てくれた「野江命」の料理人の又次だった。

○ 初雁〜こんがり焼き柿
「つる家」で下足番をしている少女ふきには弟がいるが、
親の借金のかたに奉公している登龍楼から飛び出して、姉の所へ訪ねて来る。
姉は小さな弟を追い返してしまうのだが、弟は奉公先に戻らず行方不明になってしまった。
皆で探し回るものの手がかりがなく、ただ一人の肉親を思い、ふきは憔悴するのだった。
ようやく安否が知れてよかったが、助けてくれた百姓の言葉がいい。
ボケた母親が自分と間違えてふきの弟を可愛がる様子を見て、自分はこうして育てられたんだなぁ、と再認識するのだ。


シリーズを読むほどに 澪の料理に対する想いに感心してしまう。
これは テレビ化してほしい作品だ、とつくづく思うのだ。













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fuu [MAIL]