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■ F1、モントーヤ何と来季はNASCARに転向!
2006年07月10日(月)
F1で非常に驚くべきニュースが入ってきました。何と現在マクラーレン・メルセデスに所属しているコロンビア人ドライバー、ファン・パブロ・モントーヤが、来シーズンからアメリカのNASCARに転向することが明らかとなったのです! NASCARとは、四輪市販車をベースに改造を施した車両(ストックカー)のレースであり、主に北米大陸で行われる独自のレースカテゴリーで、ロードコースではなく楕円(オーバル)型をしたオーバルコースを走る点で、日本やヨーロッパのレースとは大きく異なっています。 エンジン供給はアメリカのビッグスリー(GM、フォード、クライスラー)ですが、2004年からトヨタがこれに加わっています。
モントーヤはウィリアムズの契約下で99年からアメリカのCARTシリーズに参戦し、初年度でチャンピオンを獲得するなど才能を発揮しました。また2000年にはインディ500も制覇し、翌2001年にウィリアムズからF1デビューを果たしました。そのCART時代に在籍していたチームがチップ・ガナッシで、来季から参戦するNASCARも、同じチップ・ガナッシからのデビューとなり、モントーヤは古巣に戻る形となります。
F1のストーブリーグは、現在モントーヤが在籍しているマクラーレンは、来季ルノーのフェルナンド・アロンソが移籍することがすでに決まっており、現在モントーヤのチームメイトであるキミ・ライコネンは来季別のチームへ移籍することが確定的とされています。しかしマクラーレンは来季モントーヤをチームに残留させることを視野に入れていないため、モントーヤもまた他のチームへ移籍するものと思われていました。 ところが、モントーヤは今回、来シーズンも別のチームでF1の世界に留まることよりも、NASCARという新天地への転向を決断したのです。
モントーヤは2001年から2004年までウィリアムズに在籍し5勝を挙げ、昨シーズンからマクラーレンに加わり2勝を挙げました。シリーズランキングはデビューシーズンが6位、その後2002年3位、2003年3位、2004年3位と常にトップ争いを演じてきた実力者で、デビューシーズンからしばしば王者ミハエル・シューマッハを脅かす走りを見せていました。 マクラーレンに移籍後は2勝を挙げるものの、チームメイトであるキミ・ライコネンの後塵を拝すことが多く、血気盛んな性格が規律を重んじるマクラーレンの空気に合わなかったとも言われ、結局最後までマシンにもチームにもなじむことができないままチームを去ることになりそうです。
ただ、上記のようにモントーヤが実力者であることに変わりはなく、年齢も30歳ともっとも脂が乗っている時期であり、彼が今後もF1で成功することは十分可能であることは言うまでもありません。また、古巣ウィリアムズから来季のオファーがあったとも噂されており、成長著しいレッドブルも興味を示していたことを考えても、モントーヤのNASCAR移籍という決断は、“来季のシートがなくなったから”と考えるにはあまりにも早すぎる決断だと思います。
従ってモントーヤは、自らの興味関心でF1に見切りを付け、NASCAR行きを決断したのではないかという憶測がもっとも現実的であると言えるでしょうね。モントーヤはCART時代からベテランドライバーに臆することのない態度を表に出しており、回りの雑音などどこ吹く風といった感じで常にマイペースを貫いてきましたから、F1でもミハエル・シューマッハ、ジャック・ビルヌーヴ、ラルフ・シューマッハ、キミ・ライコネンなどとしばしばいざこざを起こしたりもしました。「コロンビアの暴れん坊」にとって、現代F1の“上品な”世界は性に合わなかったのかもしれませんね。 特にミカ・ハッキネンやジャン・アレジがいなくなってからのF1は、非常に生ぬるくて反吐が出るほどお上品な走行会と化してしまっていますからねえ……。
僕としてはモントーヤのF1離脱は非常に残念でなりませんが、まあモントーヤはやはり、荒々しいアメリカンモータースポーツ、それも白熱したバトルが繰り返されるオーバルレースが似合っていると思いますね。モントーヤにはNASCARで、その本来持っているアグレッシヴな走りを遺憾なく発揮してもらいたいものです。
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