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■ 米裁判所の公正な判断
2006年06月20日(火)
ちょっと古い話ですが、アメリカ連邦裁判所が今月17日の裁判で、2005年アメリカグランプリの事件に関して起こされていた集団訴訟について、これを却下する判断を示したようです。 2005年アメリカグランプリというのは、まだ皆さんの記憶にも新しいと思いますが、ミシュランタイヤが安全を保証できないとして全チームの出場辞退を決定し、ブリヂストンユーザーの3チーム6台だけによる決勝レースという前代未聞のレースを全世界に見せつけたものですね。集団訴訟は、これを不当なものとしてミシュランタイヤとインディアナポリス・モータースピードウェイに対して起こされていました。
判決では、ミシュランはプロフェッショナルとして良いレースをするために最善を尽くしており、結果としてファンの期待を裏切るものとなったものの、この判断を処罰するのは適当でないとしました。
う〜ん、何という素晴らしい判決!裁判官は大岡越前か?
僕の考えは当時のVoiceでも書きましたが、この判決と全く同じですね。そもそもインディアナポリスはレース開催の直前になって、路面の水はけをよくするために事前の報告なしに鋭いくさび形のエッジ加工を施し、それが原因でミシュランタイヤが極度に摩耗してしまう結果になったわけですから、そりゃあ耐久力ギリギリのところで最大限のグリップを生み出すためのタイヤ開発をおこなっているタイヤメーカーとしてはたまったモンじゃないですよ。ブリヂストンは問題なくレースに耐えうるタイヤを用意してきましたが、それは単にミシュランと違って無難な開発しかできなかったブリヂストンがたまたま難を逃れただけで、タイヤのパフォーマンスでは昨シーズンはミシュランにまったく歯が立ちませんでしたからねえ。
あの一件でミシュランを批判していた人は、この事実を知らない人が多い!
あと、ミシュランがインディアナポリスを走るのは昨シーズンが初めてではないということも言われていましたが、一昨年までと昨シーズンでは、タイヤルールがまるっきり違いますからね。昨シーズンはタイヤ交換禁止という訳の分からないレギュレーションのせいで1レース耐えうるだけのタイヤを作らなければならなかったわけですから、レース中何度もタイヤ交換できた一昨年までとは違い、まるっきり新しいタイヤを開発しなければならなかったわけで、それまでのデータなどまったく役に立ちません。 それに、ミシュランはF1以外ではインディアナポリスを走れませんが、ブリヂストンはインディシリーズでも走っていますので、企業としては豊富なデータを持っていますからね。そのあたりもミシュランには不利でした。
もちろんミシュラン側が緊急処置として最終コーナーにシケインを設けて欲しいと提案したのはあまりにも無茶な言い分で却下されて当然ですが、「タイヤが持たないなら3周ごとにピットに入ってタイヤ交換してでもレースに参加せよ」というモズレーのバカの言い分も、F1を仕切るFIAの会長にあるまじき発言というか発想ですな。
あの一件は、単に不運が重なっただけだと思います。僕は今でも、ミシュランのレース出場辞退(決してボイコットではない)は、英断だったと思いますよ。
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