Mako Hakkinenn's Voice
by Mako Hakkinenn



 ロッシF1進出を断念、そして左近!
2006年06月02日(金)

 これまでにF1のフェラーリチームで何度かF1テストをおこなってきた2輪世界王者のバレンティーノ・ロッシですが、先月29日のVoiceで僕が来シーズンのF1ドライバーエントリーにロッシを加えましたが、2輪世界最高峰のMotoGPへの残留を発表し、事実上来シーズンのF1転向は消滅したようですね。
 ロッシはフェラーリの親会社であるフィアットのルカ・モンテゼモロ社長に気に入られており、前述の通り何度かフェラーリでのテストを経験しその順応性の高さを見せつけ、F1に転向するならフェラーリ入りは確実と言われていましたが、現実問題としてミハエル・シューマッハの去就がまだ不明であること、そして来シーズンはマクラーレンのキミ・ライコネンがフェラーリ入りすると言われているため、まずはフェラーリがエンジンを供給している関係で、プレッシャーの少ないレッドブルに加入するのではという説もありました。
 しかし、レッドブルではベテランのデビッド・クルサードが好成績を収めており、ロッシが加入する余地はなく、そうこう言っているうちにロッシのF1に対する興味が薄れてしまったのではないかとも言われています。

 僕に言わせてもらえば、いくらロッシが2輪最高峰のMotoGPで最強を誇っているとはいえ、2輪と4輪ではまったく別のカテゴリーであり、F3などの4輪の下位カテゴリーからステップアップするよりも難しいと思われ、なぜフェラーリがロッシにそこまでこだわっているのかが理解できないですね。実際ロッシは何度かフェラーリでテストをしていますが、言っても特に際だったタイムを出しているわけでもないですからねえ。まあロッシ自身も自分がF1で果たして成功できるのかというのは大いに疑問に思っているでしょうから、下手におだてられてF1に転向してドライバーとしての評価を下げるよりは、得意の2輪で今後もやっていく方が、これまでのキャリアに余計な汚点をつけなくて済むのではないでしょうか。

 自転車レースの世界最高峰ツール・ド・フランスの王者ランス・アームストロングがモーターバイクに転向するようなものですぞ。

 アレックス・ザナルディもCARTでの2度の王者という肩書きをひっさげて99年にF1に復帰しますが、結局F1では泣かず飛ばずで1年限りでF1を去ってしまうことになりましたからねえ。

 さて、スーパーアグリではヨーロッパグランプリからスーパーライセンスを剥奪された井出有治に代わってフランク・モンターニュがセカンドドライバーに昇格しましたが、来週行われるイギリスグランプリに向け、噂されていた山本左近がスーパーアグリのサードドライバーとして加入することが決定したようですな。

 やっぱりスーパーアグリは日本人コンビにこだわっているというか、先月19日付のVoiceでお伝えしました通り、サマンサキングスが圧力をかけているんでしょうかねえ。このままモンターニュに代わって左近がレギュラー昇格なんてことになってしまわないか心配です。
 もちろん山本左近がF1でも使えるドライバーだったら大歓迎ですが、彼はまだフォーミュラニッポンでタイトルを穫ったわけでもなく、昨年の日本グランプリではジョーダンのテストドライブを経験し高パフォーマンスを見せましたが、それにしたって走り慣れた鈴鹿でのことですからねえ。やはり今シーズンは経験豊富なモンターニュをセカンドドライバーに据え置いて、左近は今シーズンはとりあえずサードドライバーとして起用して様子を見た方がいいと思うのですがね。

 前にも言いましたが、「日本人コンビ」にこだわりすぎて判断を誤り、井出有治の二の舞にならないことを切に願います。左近はまだ24歳と、未来あるドライバーですからね。まだ時期尚早だと思います。



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