Mako Hakkinenn's Voice
by Mako Hakkinenn



 スーパーアグリに圧力を掛けるスポンサーとは?
2006年05月19日(金)

 今回は、できたら最後まで読んでね!

 井出有治をスーパーライセンス剥奪で失い、第5戦ヨーロッパグランプリから井出に代わってフランス人のフランク・モンターニュをセカンドドライバーに起用しているスーパーアグリですが、チーム代表の鈴木亜久里は「オールジャパン体制」にこだわり、いずれは23歳の山本左近を起用したいと考えているというお話を、16日のVoiceでもお話ししましたね。

 しかし実際は、鈴木亜久里自身は現在チームが置かれた厳しい状況を憂慮しており、あえて今の時期に将来のある日本人ドライバーの起用には至らないのではないかとも言われています。そして日本人ドライバーコンビを熱望しているのは、実はチームをバックアップしているスポンサーの方で、彼らが鈴木亜久里に対してプレッシャーを掛けているようです。
 スーパーアグリのような新規参入チームにとっては、貴重なチーム運営資金を援助してくれるスポンサーは神様のような存在ですから、そのスポンサーの要望は無視できないですよね。スポンサーの中には、日本人ドライバーコンビが契約の条件に含まれているという可能性も考えられ、「日本人ドライバーコンビだから契約したんだ」と言うスポンサーがあったとしたら、その契約条件が満たされなくなってしまうことになるわけですからね。チーム内部ではモンターニュの評価が高く、継続を望む声が挙がっているので、鈴木亜久里はチーム内とスポンサーとの板挟み状態と言うことになります。

 では、いったいどのスポンサーがプレッシャーを掛けているのでしょうか。

 現在スーパーアグリをサポートしている主なスポンサーは、ホンダやブリヂストンといったサプライヤーを除けば、サマンサ・キングス(服飾:プロモーショナルパートナー)、ライフカード(信販)、アデランス(理・美容)、オートバックス(自動車用品)、モバイルキャスト(テレマティクス)、セイコー(精密機械)、アサヒ飲料(飲料)、全日空(航空)、グリーンスターホンコン・リミテッド(服飾)、ENEOS(オイル)、NGK(自動車部品)、タカタ(自動車部品)の12社です。

 この中で、自動車部品やオイル、その他電子テクノロジーなどの技術的なサポートを行っているスポンサーは、特にセカンドドライバーが日本人だろうとそうでなかろうと関係ないと思われるので除外すれば、サマンサ・キングス、ライフカード、アデランス、アサヒ飲料、全日空、グリーンスターホンコンの6社が残ります。

 さらにこの中から絞り込んでいくと、まずグリーンスターホンコンは香港の会社ですから、それほど日本人コンビにこだわってはいないでしょう。ライフカードと全日空は日本の企業ですが、いずれもインターナショナルを重視した企業であるため、日本人コンビにこだわっているとは考えにくいですね。アサヒ飲料は、チームスポンサーと言うよりは佐藤琢磨のパーソナルスポンサーで、佐藤琢磨が所属しているからスーパーアグリもサポートしているという意味合いが強いですね。ですからテレビCMでも琢磨しか登場しませんし、とりあえず琢磨がファーストドライバーであれば、セカンドドライバーが日本人でなくとも関係ないでしょう。

 となると、残るはサマンサ・キングスとアデランスの2社ということになります。しかし、日本のウィッグ製品大手のアデランスがスーパーアグリのスポンサーになったのは先週末のスペイングランプリから。つまり井出がスーパーライセンスを失効して、フランク・モンターニュと交代してからスポンサーに加わったので、アデランスが日本人コンビを熱望しているというのはまずあり得ないでしょう。

 従って、スーパーアグリに対して「日本人ドライバーコンビ」を熱望しているのは、サマンサ・キングスである可能性が非常に強いということになります。特にサマンサ・キングスはスポンサーであると共にプロモーショナルパートナーという立場にもあり、他のスポンサーよりはチームの体制に口出しできる立場にあると思われます。
 サマンサ・キングスは、3月6日のVoiceでもご紹介しましたが、女性向けのブランド「サマンサタバサ」で有名なサマンサタバサジャパンリミテッドが、今秋にむけて男性向けブランド「SAMANTHA KINGZ」を立ち上げることが決まっており、それに伴ってスーパーアグリのプロモーションパートナーに就任したというもの。3月上旬にはスーパーアグリの鈴木亜久里代表とドライバーの佐藤琢磨、井出有治の両ドライバーが、東京都内で行われたプロモーションに登場したこともあり、そのターゲットは日本人男性であることから、サマンサ・キングスがスーパーアグリに日本人ドライバーコンビを望んでいるのも頷けますよね。

 しかし、その3月上旬のプロモーションでサマンサタバサの寺田代表は「われわれはプロモーショナルパートナーとして、F1チームをブランド化することが目的である」と語っていましたが、彼の言う“ブランド化”とやらが、一向に進んでいないような気がするのですが……。男性向けブランドであるサマンサ・キングスを立ち上げるのは今年の秋と言われているので、もしかして本格的にスーパーアグリのブランド化が進んでいくのは、日本グランプリ頃なのでしょうか?

 ……それともまさか……あのプロモーションの時に登場した、あの亜久里と琢磨と井出が持っていた、普通の革地にシルバーのメタルプレートで「SAMANTHA KINGZ」というロゴとカーナンバーが入った、あのカバンだけで終わり……?

 さて、先程お話ししたように、先週末のスペイングランプリから新たにアデランスがスポンサーに加わりましたが、この契約ってやはり、フランク・モンターニュがセカンドドライバーに昇格したことを受けて実現したんでしょうか。アデランスと言えばもちろん男性用カツラや育毛が有名ですが、スーパーアグリのメンバーのヘアスタイルに目を向けてみると(こらこら)、鈴木亜久里も佐藤琢磨もカツラは不要。逆にカツラや育毛が必要と思われるのは……

 ……新規加入した某フランク人……もとい、某フランス人ですからねえ。



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