Mako Hakkinenn's Voice
by Mako Hakkinenn



 2012年のオリンピック開催地は……
2005年07月08日(金)

 国際オリンピック委員会(IOC)は6日、シンガポールで総会を開き、2012年夏季オリンピックの開催地選考を行い、最終的にIOC委員による4回目の投票で、ロンドンが54―50のわずか4票差で、最有力候補と言われていたパリを破り、開催地の座を射止めることとなりました。ロンドンで夏季オリンピックが開催されるのは1908年、48年に続き3度目となります。3度目のオリンピックを開く都市はロンドンが初めてです。

 開催地には、ニューヨーク、パリ、ロンドン、マドリード、モスクワが立候補しており、総会開幕数時間前にニューヨークが早々と勝利を予告する声明を副市長が発表するという心理作戦を打ち出す一方、パリが今回3回目の立候補で最も有力視されていました。しかし、オリンピック開催地に世界の主要5都市が立候補したのはこれが初めてで、誘致合戦はオリンピック史上最も熾烈なものでした。

 2012年夏期オリンピックには当初9都市が立候補。書類審査などにより昨年5月、パリ、ニューヨーク、モスクワ、ロンドン、マドリードの世界有数の大都市5カ所に絞られました。総会では、5都市がそれぞれプレゼンテーション(招致演説)を行った後、IOC委員が投票を行い、過半数を獲得する都市が出るまで、最少得票の都市を順に除外する方式で行われました。
 投票では、1回目にまずモスクワが落選。2回目にニューヨーク、3回目にマドリードが落選し、最後はロンドンとパリの決選投票となりました。

 招致争いは、前回の08年大会招致で北京に敗れたパリが、凱旋門やエッフェル塔など名所を取り込んだコンパクトな開催計画を提案。事前のIOC評価委員会から最も高い評価を受け、本命視されていました。
 しかし、ロンドンは英国政府の強い後押しを受け、「五輪公園」を設置する市東部ストラトフォード地区の再開発のほか、約300億ドル(約3兆3000億円)をかけた鉄道・道路の整備計画を立案。五輪後、同公園に建設する五輪研究所構想など、詳細な跡地利用も高い評価を受け、パリをしのぎました。

 さて、晴れて2012年夏季オリンピックの開催地に決まったロンドンの招致委員会は、地下鉄の整備を五輪の輸送計画の中核に位置付けました。僕も何度か利用したことがありますが、従来「遅れる」「止まる」と評判の悪い鉄道網の改善が、ロンドン五輪の成否に直結しそうだといえるでしょう。
 招致委員会が輸送計画を記述したパンフレットには「地下鉄を含め列車は15秒ごとに発着、1時間に24万人の乗客を運ぶことができる」と書かれているそうですが、現状と程遠いと言わざるを得ませんね。
 19世紀に世界で初めて開通したロンドンの地下鉄。その遅れは日常的で、信号機の故障などで運休となることも多いです。今年6月下旬には朝のラッシュ時に駅と駅の間で立ち往生し、気温30度超の車内に乗客800人が1時間も閉じ込められたなんてこともありました。

 このオリンピック開催を機に、世界初の地下鉄は生まれ変われるでしょうか?



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