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■ Mako、「それマコ」を勝手に語る(1)
2002年12月02日(月)
このところのお笑い芸人は、頭脳派が多い。松本人志しかり、爆笑問題の太田しかり、ナイナイの岡村しかり、彼らは3人ともコンビでは「ボケ」の方であり、「ボケとツッコミ」のいわばきっかけを作る役割を担っているのであり、彼らが何かを発しない限り、基本的には笑いが発生しないと言っても過言ではないでしょう。 松本、太田、岡村の凄いところは、フリートークでも絶妙のきっかけで、絶妙な「ボケ」をポンと出すことができるところだと思います。おそらく彼らの頭の中には、様々なジャンルのボキャブラリーが蓄積されているに違いない。特に太田は新聞やニュース、本などを多く見ているのか、「ボケ」の中に政治や社会的な風刺がよく出てきて、お笑い芸人の中でも特にインテリジェンスを感じます。太田はお笑い芸人でありながら、文化人といってもいいでしょう。
また最近のお笑いは、非常に精密になってきているとも感じます。NHKの「爆笑!オンエアバトル」では、観客がお笑い芸人たちのネタを採点し、10組中上位5組しかオンエアされないというシビアなシステムの中で戦っているので、比較的レベルの高いネタを見ることができます。 この番組で繰り広げられるコントやネタは、当然あらかじめ考えられ、ネタあわせを十分にした上で披露しているわけですが、これがまた緻密な計算がなされていて、実に良くできているネタが多いです。ライバル同士ひしめき合い、その中でそれぞれが独自のスタイルを模索し、また厳しい観客に飽きられないように、常に進化し続けていかなければならないという過酷な条件の中で作り出されたネタは、まさに芸術品といえるでしょう。
僕はお笑い芸人ではありませんが、よく人に「掲示板で知っているMakoさんが『それマコ』を書いているとは思えない」と言われます。僕自身ではどちらかというと『それマコ』の方の自分がより実際の僕に近いかなと思っています。 ……いえ、別にいきなりするどいツッコミをかますような無礼者ではないのですが、人と話をするときは、だいたい常に相手を笑わせるための計算を無意識のうちにしているのは事実です。『それマコ』を書いているときは、はっきり言ってまったく苦になりませんね。ここでどんなせりふを言わせようかとか、どのタイミングでボケさせようとか、そういった笑わせるための緻密な計算をしながら書き進めていくのが楽しくて仕方がないです。アイディアも湯水のように沸いてくるし、実際読んだ人にウケているのかというのはわかりませんが、お笑いでも何でも、誰かを楽しませようと思ったら、まず自分が楽しみながら作ることが大切なのだと、いつも念頭に置いています。
(つづく)
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