あなただから
ケータイに彼からメール。
彼はヘアカットしているところだった。
最近、誰がタイプと聞かれ、高橋克則だと答えた。
彼とは全く違うタイプ。
俺のどこがいいのと聞かれたとき、あなただからと言った。
それは彼にしたら答えになっていない。
髪を切っていると聞いて、短くしないでほしいと
返事した。
彼の好きなところは、さらさらの細い柔らかな髪だと気づく。
彼は見つめられるのを嫌がる。
私が見つめてしまうのは大きな瞳、長くて濃い睫だから。
細くて、しなやかな肢体。
私を軽々と抱き上げる力。
厚い胸板。
一晩中腕枕をして、私を抱き寄せて眠る。
美しい顔、整った顔。
でも、それを言い出すと外見ばかりになってしまうし
もっと美しく垢抜けた男性は、他にたくさんいる。
だから、あなただからと言った。
PCを初期化してもらい、彼にもらった壁紙をなくした。
入念にバックアップを取り、彼も何度も確認してくれたのに。
彼がくれた寄り添って泳ぐ2匹のいるか。
その代わりのものを考えた。
自分で作ればいいんだと気づいた。
彼がプレゼントしてくれたソフトを使えばいい。
元の画像は置時計。
二人のこれまでの時間、これからの時間。
過ぎた時に思いを馳せ、未来へと続く時へ思いを込めて。
完成したものを彼に送った。
色違いにして、私は自分のモニターを飾った。
お揃いで何かを持つことは、彼と出会うまで
誰ともしたことがない。
野暮ったくてみっともないことだと思うし
彼以外となら、今でも絶対にしない。
あなただから、あなたが恋しい。
あなただから、私はしたことのないことができる。
2005年02月11日(金)
≪
≫
初日
最新
Copyright(C)2004- you All Right Reserved.