二度と失いたくない
12月、彼はよりを戻そうとは考えなかった。
私も、もう一度逢えたら、それでいいと思っていた。
1月、彼は私を取り戻そうと決めた。
私も、変った彼にまた恋し、戻りたいと痛切に思った。
2月、彼は私との暮らしを目標に動きだした。
私も、「今」だけでない希望を見出した。
昨夜、彼の書いた一節がどうしても気になり
その部分だけを先に返事して欲しいと書いた。
以前の彼なら、返事は後回しになっただろう。
今は、1時間も待たせたね、ごめんねと
別送でメールが来る。
すぐに返事をくれ、私が誤解した部分には、
詳しく書き直してあった。
それを読みながら、やはり前までの彼とは違うと
再度思う。
私からの返事が途切れると、彼はメッセンジャーを
起動してほしいと言ってきた。
読んで誤解は解けたけれど、私は返事をなかなか書け
ないでいた。
12月、まだ素っ気無いメールだったのが
1月に逢ってから不安、心配、気遣い、思いやりに
溢れるものになっていた。
彼からのメールを読み返していると
すぐに時間が過ぎてしまう。
忙しいのに、仕事を中断し私の気持ちをほぐそうと
言葉を重ねてくれた。
誤解させないように正直に話すのは難しいね
私は彼の優しさと愛情に目が眩み
重大な問題を忘れていた。
一瞬で、過去に感じた焦燥と痛みが戻った。
彼は私が切り出した時から覚悟していたようだった。
どちらを失っても傷つくよ。
だけど、ようと生きて行きたい。
ようを二度と失いたくない。
モニターの前で、無言で泣いた。
去年の3月に撮った彼の写真を思い出した。
今まで見たことがない悲しげな寂しげな
弱々しい笑顔を浮かべていた。
だって、寂しかったし悲しかった。
ようが消えてしまったから。
無理に笑おうとしてもダメだった。
写真の中の彼は、頬がこけていた。
眠れなくて、食べられなかったからね。
今は元に戻ったよ。
そして今夜、彼からの電話。
もっと長く話せるように、彼は携帯のプランを変えた。
今夜は帰ったらすぐに寝てしまうつもり
明け方まで仕事したから、もう限界だよ。
だけど、メールの返事は書いてね。
ほら、他の部分に返事もらってないよ。
私からの長いメールを楽しみにしてくれるようになった。
2005年02月10日(木)
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