眼花、井に落ちて水底に眠る
坂瀬

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 小説・優しくて切ない:名倉和希

ボーイズ小説・優しくて切ない(ドルチェノベル)名倉和希

創業者一族の直系だが親族から期待されず出世コースから外された受は同期で出世頭攻の恋人になる。幸せな時間を過ごしていたが攻が女性と浮気していると知り…。
設定が気になったので買った。可もなく不可も無くと悪くないの間。可もなく寄り。
受は製菓会社の総務部。父親は社長。祖父が創業した会社が大きくなった。覇気が無く人の上に立つ性格ではない。真面目でひっそりとした優等生。引っ込み思案。おとなしい。他人とコミュニケーションがとれない。ゲイ。地味。そこそこ整っている。
攻は受の同期。将来を期待された営業マン。兄が一人。とんでもなく整った顔。面長の輪郭に優美な眉と二重のはっきりした目。すっと通った鼻筋と薄めの唇。明るい栗色の髪。屈託のない笑顔。人好きする。女性にもて来る物を拒まず。下半身がだらしない。
受の実家は創業が1900年の老舗菓子メーカー。全国や海外に支社がある。典型的な同族経営で一族以外は優秀でも部長止まり。
地味な受が派手な攻とうっかり付き合えるようになったが攻は女と浮気してのどうせ僕なんてが楽しめるかと思って買ったのだが。
ネットの煽り文だけ読むと浮気は受の誤解にもとれたので、「ばかだなー。浮気は誤解で好きなのは受だけだ」というオチを予想していたら本気で浮気していた。
攻は断るのが面倒くさい性分で、適当に相手していたら女の方が離れていく。だから言い寄られた女と寝ているだけで本命は受だと、いけしゃーしゃーと宣っていた。
受は職場に馴染めずゲイであることもひた隠しにしており友達もいない性格なので、浮気に目をつむり攻と付き合いを続けている。
受は同じ部署の男の先輩に苛められているのだが、がちがちの同族経営の会社にいて、いくら親戚達から落伍者認定されたからといって、直系の孫である受を周囲に分かるぐらいにいびっている男の先輩度胸ある。
受の会社での態度が本当に仕事が出来なさそうで、ついでにやる気も今ひとつ感じられず、取り敢えず学生時代は成績優秀だったのに何なんだろうと思った。脇キャラの受従兄弟は「受は事務能力が高い」と言っていたが、受の仕事描写からは全然感じとれない。
受は同じ部署で親しい人がいない、男の先輩に苛められても庇ってくれないとくどくど考えていたが、腐っても経営者一族の直系を最初からハブにしていたとは思えないし、受がよほど不味い人間関係を築いた結果なんじゃないかと思わないでもない。
親戚一同が集まる祖父の七回忌に出ない受や受が入院したのに見舞いに来ない受父など受と家族の距離が遠すぎる。
メインキャラが二人とも悪い人ではないけど全面的に感情移入も出来ないなーという感じで微妙な距離のまま読み進めた。
どうせ僕なんても多少楽しめたのだけれど、どちらかというと義月さんがたまに書く酷い攻を楽しめる人が読んだ方が面白いのではないか。
こちゃこちゃ書いているけど、この攻に義月さんの酷い攻ほど腹が立たなかったのは、下半身が限りなくゆるく浮気もするけど受を一度も悪く言わなかったからかも。金や物もたからなかったし。なので攻の言動に終始半笑いにはなっていたがむかつきはしなかった。
最後はこのまま別れてしまえと思ったが、まあ、くっついた。
個人的に読み終わったら印象的だった部分・気に入った部分を数カ所さらっと読み返すクセがあるんだけれど、この作品を読み終えて一番に読み返したのは受が攻に別れを切り出した場面だった(そしてくっつく前まで)。
これだけ書いているけど、メインキャラは多少もやもやするけれど嫌いだった訳ではない。一番好感を持ったのは受従兄弟だったけどね。
この攻は確実にまた浮気すると思う。受もそれを確信している。
Hはそれなり。攻は初心だった受を開発していた。攻が女と浮気している描写は何度もあるが直接的なシーンは書かれていない。
次も設定次第。
社会人物。会社。遠距離恋愛物。同じ会社の営業×総務。始まりは22歳で最終的に27歳。浮気攻。一途受。

2012年02月22日(水)
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