眼花、井に落ちて水底に眠る
坂瀬

日記&BLの個人的感想。ネタばれ基本。まずは下のリンクのHOMEへ。


 小説・リバーシブルスカイ:沙野風結子

この801がすごい2011年版を買った。
中村さんのため。このミスとかならミステリーをあまり読まないのでどんな本があるのかな?的に楽しめたりするんだけど、BLジャンルは個人で既に取捨選択をしているので、情報として役に立つわけではないのだけど、番外漫画とロングインタビューは楽しめた。
因みに漫画のベスト10までなら7作品、20までなら16作品買って読んでいた。
ついでに小説のベスト10までなら8作品、20までなら14種類買っていた。結構買っている方なのか投票する人と嗜好が似ているのか。

マガジンビーボーイ1月号を買った。
高峰さんは新連載。前の作品のスピンオフみたい。本庄さんは前後編の前編。美貌の学生×保険医で話は面白かったけどあっさりした絵柄故美貌に見えない。腰乃さんはシリーズの続き。乳首に笑った。
森本さんはリーマン物。出来る上司×部下で出来るエリート童貞攻だった。すごく続きが読みたい。この作家さんの作品は好きな話が多いので単行本でないかな。大本命は相変わらず。1巻が一番面白かった。石原さんは犬の王。コーキは無事に逃げのびたかと思えば戻るのね。続きが気になる。
藤崎さんはスピンオフの後編。話は読めるんだけどキャラ造作が更に似てきているので個体識別しにくくなっている。草間さんはエンジニア芸術家の中編。まだ始まっていない気がする。亜希良さんは動物病院の続き。嫌いではないのだが間隔が開きすぎていて細かな所を覚えていない。町屋さんのコラボは新章。まだラブではないが良い雰囲気になっている。
異聞のドラマCDレポが寂しかった。
次も買う予定。



ボーイズ小説・リバーシブルスカイ(リンクスノベル)沙野風結子

医者の受は天才登山家である弟のザイルパートナーで親友の攻に密かな思いを寄せていた。弟が山で亡くなり大怪我を負った攻を献身的に看護したが…。
設定が気になったので買った。可もなく不可も無くと悪くないの間。
受は医者。外科医。真面目。腕が良い。周囲の愛されている天才プライマーの弟が居る。高校までは登山部だった。攻に後を託して医学部に進む。遠い昔ロシア人の血が入り色素が薄い。薄茶色の髪。ベースが灰色で瞳孔周辺に緑色の靄がかかっている。奥二重。いくらか外国人めいた骨格。
攻は登山家。外交官の親を持つが勘当されている。受弟と親友でパートナーだった。帰国子女。表に出るのが苦手。ストイック。ふてぶてしさと繊細さの両面を備えた顔つき。遠くに焦点を結んでいるような黒い眸。玄人受けする。意外なほど長い睫。180センチ。アスリートらしい精悍さ。
一応リバになっているが最終的には登山家×医者になりそうなので受攻表記はこうした。
将来の進路に悩んでいた受は、弟の親友である攻と出会い、登山家の夢は心の中で攻に託し医学部に進む。医者になって数年。弟が亡くなりそのパートナーであった攻は大怪我を負い生きる気力を無くす。献身的に攻を助けるが攻の心には弟がいて…みたいな流れ。
体と心に深い傷を負った登山家の再生物でもある。
山の描写が良かった。メインキャラはどれも好感持てる。医者が登山家に憧れを託して献身的になっている所も良かった。
前にも書いたが、恋に落ちる(相手に惹かれる)瞬間を書いてくれるとポイントがぐっとあがるのだけど、高校生の医者が後輩の登山家と出会い、ロープを通じて登山家の存在を感じたエピソードは正にそれだと思う。とても印象的。
何げないシーンがエロスなのはいつもの事なんだけど、Hシーンが真面目なのに何か笑ってしまうのもいつも通り。
クライマックスのビル脱出は胸躍る展開なはずなのだが、冷静に状況を考えると少し珍妙に見える。それがあっても良い話だった。
なにげに弟のスポンサーだった企業のトップの執着ぶりも密かな怖さと萌えを感じた。
Hはリバなのだけど理由のあるリバだった。でもリバ展開とはいえ、これ一回切りな感じもする。
医者が意識朦朧とした登山家にやられて、あの世に行きそうな登山家を引き留めるために医者がやって最後に登山家に押し倒され両思いHの計3回。登山家が他の男に咥えられている描写有り。
次も設定次第。
登山物。リバ物。登山家27歳×外科医29歳。出会いは高校生。シリアス。一種の再生物。

ここ数年で個人的に山萌えが増している。きっかけは多分パキスタン旅行。
元々海よりは山派なのだけれど、これまでは緑が綺麗とか空気が新鮮とか雪山が美しいとか自然満喫な所を楽しんできたのだが、あの旅行で草も木も生えない高度の山の中を通った時、周囲を見渡してもそこには岩と水と空しかなく、ふと、ここで私が生きるのは無理。と思った。
山の上を見ると高すぎて頂上が見えず、視界いっぱいに岩肌が広がっていて、あの世(人が生きていけない世界)とこの世(私がいる場所)の境界に立っているような気がして、人が山を神聖視する感覚がはじめて実感出来た。
近くに村もあったので本当の境界はもっと上にあるんだろうけれど、それでも山の静謐さを体感出来た。
子供の頃は緑のない景色を綺麗だと思えなかったのだけど、木や草が一本もない砂漠や岩山が綺麗だと思えるようになったのは、人が生きていけない・生きにくい土地に一種の荘厳さを感じるようになったからかもしれない。
登山家はその境界を超えていくのだから命を落としても仕方がないよねと思ってしまう。
そういうわけで山萌え熱が上がっているので、もっと山BLが増えてくれないかと熱望。
今一番後悔しているのは、パキスタン旅行に行った時の日本語を話せる現地ガイドの一人が、登山のシーズンオフに旅行会社のガイドをやっている人で、K2のベースキャンプまで何度かシェルパをした事があり、何でもっと仕事や登山家について根掘り葉掘り根掘り葉掘り尋ねなかったのか、せっかくの日本語を話せるガイドだったのに、私のばかばかばかばかと心から悔しがっている。


2010年12月10日(金)
最新 目次 MAIL HOME