眼花、井に落ちて水底に眠る
坂瀬

日記&BLの個人的感想。ネタばれ基本。まずは下のリンクのHOMEへ。


 小説・おきざりの天使:夜光花

放課後保健室1〜7・水城せとなを買った。
「窮鼠」の時に久しぶりに読んだので、少女漫画の方にも興味が出て買って積んでおいた作品。学園物かと思ったがえらく観念的な話だった。毎週放課後保健室で夢の世界に入り鍵を探して扉を開ければ卒業できるという設定。主人公は上半身が男で下半身が女の体を持ち、両方の性の間で揺れている。自分の心の中にある問題が解決出来れば卒業出来る。
昔この作家さんがビブで描いていたスリーピングビューティだっけ。も夢の話が出てきたが、それと似たテイストを感じる。こういうのが好きなんだなーと思った。面白かったので続きも買う。この作家さんの描く毒にも薬にもなるような強いアクを持つキャラが好き。
「窮鼠」の時も思ったが、この主人公が男と出来たとしても、ボーイズではなく少女漫画のカテゴリーに入ると思う。上手く言えないのだが、この漫画は男と女の存在が等分に出てきており、女側の事情もあってこそ作品に深みが出ていると思っている。ボーイズジャンルで女の方を掘り下げたら、即「BLなんだから女の事情はいらない」と読者に突っ込まれるだろう。
この作家さんの作品を全部読んでいる訳ではないのだけど、遙か昔ボーイズで描いていた時から描きたいものみたいなコアはあまり変わっていない気がする。そしてそれをボーイズで描くには、描ける幅が狭まるのではないかな。
根っからのBL好きなので、この主人公が男を選んだらきゃっきゃと喜ぶだろうけど、これは少女漫画だという認識は変わらない気がする。と言うわけで、最後は男とくっつくの希望。


ボーイズ小説・おきざりの天使(シャイノベル)夜光花

生徒会で副会長を務める高校生の受は、生徒会長の攻を密かに思っていた。有ることがきっかけで告白され両思いになったが学校が不思議な世界に入り込み…。
気になる作家さんの新刊なので買ってみた。可もなく不可もなくプラス2。
受は副会長。両親は小さい頃に心中し一人で生き残る。トラウマ。叔母夫婦に引き取られ同じ年の従兄弟と兄弟のように過ごす。奥手。努力家。学年で一番の成績。優しい。綺麗系。
攻は生徒会長。水泳部だった。親は弁護士。13まで外国で過ごす。努力家。頭が良く運動神経も抜群。190センチ近く。凛々しい顔立ち。穏やかで動じない性格。人間観察が得意。
普通の学園物かとおもいきや、一種のミステリーというかパニック物というか。地震が切っ掛けで学校に閉じこめられ、外に出ようとすると死んでしまう。生徒達は閉じこめられパニックをおこして事態を収拾しようとする話。
二昔前の現在のラノベになる前のソノラマで、たまに読んだような設定とオチだった。
ミステリー部分とパニックの描写にページをさかれて恋愛部分があっさりし過ぎ。つーか受のトラウマといい従兄弟との関係といいさらっと書くには美味しすぎる内容だったのに。しかも後書きを読むと最初はさんぴー設定だったらしい。何故そこでさんぴーを書いてくれなかったのか。それが一番の不満だった。
パニック物にするなら受と攻はがっつりくっついているカプにしてくれた方が、その分くっつくまでの部分を割愛して恋愛感情をもっと書けただろうにと思ってしまう。或いは受の過去と現在のトラウマと従兄弟の関係をからめた攻との普通の恋愛をしてくれた方がじっくり読めた思う。そしてさんぴーにしてくれれば言うことはなかった。
このカプの恋愛とこのミステリー(?)設定を両立させるには全体的に中途半端。パニックにしては、ばたばたと人が死にすぎて怖さがあまりない。
最後も受の心は救われていないままなのか、吹っ切れたのか分かりにくかった。
作家さんの意欲は買うし設定も嫌いではないが、どちらつかずの印象。
Hはそれなり。
次も地雷で無い限り買う予定。というか、いつかファンタジーでもなくミステリーでもないさんぴーを書いて欲しい。
学園物。パニック物。一種のミステリー? 生徒会長17歳×副会長17歳。高二同士。

2007年10月11日(木)
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