眼花、井に落ちて水底に眠る
坂瀬

日記&BLの個人的感想。ネタばれ基本。まずは下のリンクのHOMEへ。


 小説・ウスカバルドの末裔(後編):たけうちりうと/ボーイズ小説・遥山の恋:六青みつみ

昨日からずっと鋼のCDを聴いているのだが。
鋼のメディア展開はすごいねい。見ていて楽しい。原作好きな人の中には、原作の良さが壊れると嫌がる人もいるのだろうけれど。
これだけ金と時間と人数をかけて、これでもかと力で押されると圧倒されるというか。

リンクスを買ってみた。まだ読んでいないけど、前号は時代物やファンタジーが多かったが、今号は現代物もあるっぽい。しかし相変わらず全体的に似たような雰囲気の作品に見える。統一感があると言うか。多分似た雰囲気・系統の挿し絵がその統一感を促進しているのだろう。


小説・ウスカバルドの末裔(後編)(ホワイトハート)たけうちりうと

兄王を殺そうとした謀反の罪で流浪の刑を王弟は、お供に庭師の少年と楽師を指名し、都を離れることになるが…
楽しみにしていた後編なので買ってみた。それなりに面白かった。
主人公と王様は前編に。
王弟は兄と腹違い。金髪の見目麗しい華やかな青年。兄を慕い自棄になって謀反を起こす。
楽師はずっと放浪していたが王弟に誘われ都に来る。音楽の腕はすばらしく水を操ることが出来る。飄々と生きる。
誰も同性カプになっていないので、ボーイズではなくジュブナイル。敢えて言えば王様と少年のプラトニックラブか。
あらすじだけ読んだ時には、何故謀反を起こした側と防いだ側が一緒に旅する羽目になったのかと驚いたが、読めば納得した。
世界観はしっかりして脇キャラもいい味だしている。みんな前向きで優しい雰囲気なのだが、あまりにいい人すぎて、何故謀反が起こったのかと首を傾げたくなる。
後編は駆け足で、クライマックスになるはずの他国の侵入をくい止める部分は、とてもあっさり終わった。ついでに細かい部分で分かっていないエピソードもある?
全5巻で綺麗に落ちの付いているファンタジーの山場だけを抜き出しつなぎ合わせると、こんな話になるのではないかと思った。後編特に山場ばかりでページをめくる事に、不思議な能力が出てきたり、過去の謎が解けたり、死にかけたり、出会ったり。なかなか忙しい。
ボーイズにならなくても良いので、3、4冊ぐらいで脇のエピソードもしっかり補充しつつゆっくり書いて欲しかったかも。
前編の時も書いたが、同じ世界観でじっくりファンタジーを書いて欲しい。次もまた買ってみる。



ボーイズ小説・遥山の恋(リンクスノベル)六青みつみ

室町時代、生まれつき呪いをかけられ、焼けただれたような肌の受は、一人で山奥に住んでいた。そこへ地方の領主の跡継ぎである攻が、謀反の罪を着せられ瀕死の重傷で逃れてくるが…
表題と続編。気になる作家の既刊も買ってみた。可もなく不可もなくと悪くないの間くらい。
受は山の民。呪いのため小さい頃に父親と離れ、祖父と二人で山奥で暮らしていたが祖父は他界。犬と一緒に一人で暮らしている。山で生活出来る智恵がある。機織りが得意。全身に火傷の痣が広がると死ぬ。顔に激しいコンプレックスを持っている。
攻は領主の跡取りとして育つ。貴族の女を嫁に迎え裏切られる。精悍な顔立ちと体。強引で剛胆。頭は悪くない。領主の才覚と風格はある。
とっても日本昔話。ジャパニーズファンタジーな話だった。好みの設定の範疇外なのでこの感想になったが、現代ものならもう少し面白かった度が上がったと思う。
これで3作読んだがカプのパターンは似ている。強引傲慢で細かいところがなかなか気付かない攻と健気でそっと尽くすタイプの受。この受は威勢がいい部分もあるが基本は優しく尽くす。
ともに恋愛にはまりこむタイプだが、バカップルにはなっていない。くっついた後もベタベタにならないのは良いが、受の気配りはさっぱり攻には伝わっていないような。攻は愚かさに気づいて反省しても学習しないタイプ。ここら辺も基本は一緒っぽい。作品によって度合いが多かったり少なかったり
恋愛の感情の濃さは他の既刊と似ていると思うが、この作品と現代物を比べ現代物の方が濃く感じるのは、環境の違いか。
例えば、アパートの隣りの部屋に住む受が、「攻と一緒になれなければ生きていけない」とか一人で俯き唇をかみしめながら呟やいたら少しひくが、中世日本の山奥で呪いをかけられて、たった一人で生きてきた受が同じ事をすれば、そうだよねーと思えるみたいな感じ。
可哀想な受の話が読みたいなら楽しめるかも。割と特化した作風。嫌いではないが他のパターンは書けるのだろうか。
また新作が出たら買ってみる。
日本昔話。エセファンタジー。領主20代半ば×山の民15歳。一度別れて再会。

2004年11月10日(水)
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