眼花、井に落ちて水底に眠る
坂瀬

日記&BLの個人的感想。ネタばれ基本。まずは下のリンクのHOMEへ。


 ボーイズ小説・なつかない男:たけうちりうと

B-Rashという季刊アンソロを買ってみた。夏コミでチラシを配っていて、九州男児のギャグ漫画が気になったので。自衛隊の訓練もの。相変わらずなギャグだった。ハードボーイズラブらしいのだが、愛の無いエンドもあり、珍しいといえば珍しい部分もあるのか。
小笠原さんの絵はシリアスが似合う絵柄だと思っているのだが、シリアスな話でも部分的に間抜けなコマが哀愁を誘う。今回は兄弟の近親○姦の場面で、弟に突っ込んでいる兄が、立たせたまま後ろにひきづられているところ。H途中で離された犬の後尾を思い出した。あれは哀しい。馬鹿にしているのではなく、ヘボい中にもの悲しさを感じてしまうということ。
内容的には他のアンソロと変わらないと思う。作家さんによっては、今後も買う事もあるかな。



ボーイズ小説・なつかない男(ゲンキノベル)たけうちりうと

上司で愛人の男に命令され旅行者を装い、寒村の不正を探りに来た役人の受。風呂場で出会った子ヤギを洗う不審な男・攻こそブラックリストのトップに名前が載る男で…
表題と事件後の番外。よく買う作家さんなので買ってみた。面白かった。
受は厚生労働省の役員。二世議員の愛人を兼ねた個人秘書もしている。その既婚議員に言われて村に来る。議員に捜査の手が伸びている噂があり、捜査された場合は、議員から罪を被され人身御供にされる事を理解している。そのため世に疲れ自棄になっている部分もある。芸能人のような綺麗な顔立ち。我慢強く待つタイプ。勘が鋭く頭も悪くない。猫アレルギー。
攻は元役所の人間で受の上司とも確執があった。国の制度をフルに活用して廃村にされないよう活動している。精力的で精悍な顔立ち。父性をおもわせる広い心。頭が良く何でも器用にこなすが恋愛には不器用。バイ。
雰囲気はこの作家さん独特のコミカルな感じで進むが、根本に政治家の汚職と村の不正隠しと言う狸と狐の化かし合いが横たわり、受は何時身代わりに逮捕されてもおかしく無い洒落にならない状況。キャラの台詞のやりとりに笑いながらも、ふと現実を見て腹が冷える感じが何とも楽しい。
こんなところからよくネタを見つけてくるもんだと素直に感心してしまった。都心の将来大臣になるかもしれない政治家と寒村の男。心臓部と末端神経は繋がっているんだなーと思える話。
脇キャラもクセがあってこの作家さん風味。色々出てくるけど、どのキャラも割と立っていた。最後は綺麗にまとまりすぎ「お話」という雰囲気。この出来すぎている部分が、鼻につく人はいるかもしれない。
話の内容はまったく違うのだが、材料や料理法は既刊の「星霜」と同じカテゴリーっぽい。
「星霜」の時も思ったが、この作家さんの書く寒村に住む人々は、前向きというかポジティブな書き方をされているので、映画やドキュメンタリーで見るような、寂れた土地が持つ悲哀や孤独、閉塞感が無いのが良い。こういうのも「お話」の良さなのかも。
事件後の後日談。カプの初Hシーン。攻が受とやりたくてうろうろするエピソードは可愛くて良かった。こういういざという時にヘタレる攻は好き。ついでに乳首についての描写が2PもあるHは珍しいと思った。
また次も設定が合えば買ってみる。
村おこし。横領。汚職。助成金。愛人。猫。村の青年32歳×厚生労働省の役人26歳ぐらい?

2004年09月11日(土)
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