眼花、井に落ちて水底に眠る
坂瀬
日記&BLの個人的感想。ネタばれ基本。まずは下のリンクのHOMEへ。
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青田買い2003年8月・9月・10月
2003年8月
吉田ナツ
雑誌でしか見ないような新人さんの話の感想を書いている。新人扱いは、個人的に単行本が2,3册出た所まで。将来有望かが基準ではなく、あくまで私の好みに合う話を書くようになってくれるかどうかが基準。
面白い作家さんだけを挙げるか、つまらなかった作家さんも挙げるかはその時の気分。
甘い嘘・ビーボーイ9月号・吉田ナツ
フリーライターの受は保険会社の冊子の依頼を受けて会社に赴きそこの会社員の攻と出会う。その夜攻と受を交えての会社の飲み会の帰り攻に誘われ部屋に行くが…
面白かった。でもまだデビュー予備軍なのね。結構長いようなのだがまだなのか。この作家さんの書く人の良さそうな攻は好きだ。金が無くても顔が悪くてもこのタイプの男だったら十分魅力がある。ただ受の暗い過去が最後にぱっと出てさっと終わった感じで流れのバランスが悪い気がした。次も楽しみ。
ショコラの新人バトル第五回。記録していない。
2003年9月
森川真澄/永瀬いさな/佐倉朱里/響高綱/佐伯まお/織田紗実
今月の青田買い
雑誌でしか見ないような新人さんの話の感想を書いている。新人扱いは、個人的に単行本が2,3册出た所まで。将来有望かが基準ではなく、あくまで私の好みに合う話を書くようになってくれるかどうかが基準。
面白い作家さんだけを挙げるか、つまらなかった作家さんも挙げるかはその時の気分。
空に似ている(小説ビーボーイ10月号)森川真澄
受(多分)合唱部員、攻(多分)はバスケが上手く頭が良い。攻に密かに憧れていたが、高校二年生に同じクラスの隣同士になり話をするようになる。1年を通じて攻の良さを知り更にひかれていくが…
面白かった。高校生の時期の透明感、センシティブさが全体に出ておりたまに読むと非常に心が温かくなり萌える。自分の心境を空になぞったりと恥ずかしいと言えば恥ずかしいのだが、新人さんらしい作品で楽しんで読めた。
ただこの作風ビブロスでやっていけるのだろうか。次も期待。
モリガンの天秤(リンクス10月号)永瀬いさな
女傑の祖母が亡くなり養子4人に遺産の遺言が公開された。攻は女傑の唯一の血を引く孫であったが、女神像を相続させるという約束につられて祖母の家に弁護士見習いとして戻ってくる。そこには一目で気になる受の姿があった…
面白かった。文体や流れは、新人さんにありがちなこなれていない頭でっかち気味なのだが、それは書き慣れれば取れるはずなので気にならない。女神に心情をなぞりすぎて頭の中だけで謎を解決しているのは残念。
一応のミステリーの体裁を取っており2段階の謎解きはそれなりに良い。動機も悪くはない。こういうのが好きで好きで書いているというのがよく分かる。内容はそこそこ書けているとは思うが、何より気に入ったのは受(女傑の最後の養子)の苛烈な性格。思いこみが激しくきつい。けどそれが魅力的に書かれている。個人的に指が3本無いのはフェチっぽくて良かった。無くなった理由は辛い過去なのだが。前回のグレゴールと似た雰囲気ではあった。つーか新人さんのタイプが似ている?
陽炎の国と竜の剣(リンクス10月号)佐倉朱里
砂漠の国ミーランの国では水が枯渇しかかっていた。若い王は叔父から一人の客人を預かる。その男は水を戻してやろうかと持ちかけて…
単行本が1冊出ているけど、作品としては2作目なので一応。まあ面白かった。よくまとまっていた。古代中国(というか中央アジア?)の国を舞台に魔法付きでファンタジーちっくに書いている。この作家さんは歴史が好きなのか、この手の設定は違和感無く安心して読める。受は殆ど前作と似ていたのでこのパターンのカプが好きなのだろう。ただ魔法の位置が分かりにくいというか。中盤からいきなり魔法が普通に出てきたので、魔法がどのぐらいこの世界で占められているのか説明して欲しかった。後攻の正体も少し唐突過ぎる。あのページでこれだけかければ良いとは思うが、1冊分で書き足してじっくり書いて欲しい内容。もしかして長文タイプなのだろうか。次は現代物が読んでみたい。
教えてあげないっ!(花丸秋の号)響高綱
高校生の受は父親から家庭教師をしないかと持ちかけられる。出向いた先には社長・攻(25歳)が待っており、中卒で高校に行けなかったので入りたいから家庭教師を頼みたいと持ちかけるが…
面白くなかった。設定は奇抜なのだが、奇抜だけに説得力のある内容にしてくれないと、なんじゃこれは。で終わってしまう。んで、なんじゃこれはで終わってしまった。まず攻が受に家庭教師を頼んだ理由が不透明。ついでに高校に行きたい理由は語られていたが、あまり説得力はなかった。ついでに受験のテストで良い成績を取れたという理由で、ご褒美に攻が受を押し倒すという理屈もよく分からない。つっこみどころ多すぎ。
南風と太陽(花丸秋の号)佐伯まお
沖縄出身の受は東京で事務員をしている。ゲイであるため上京したが、付き合っている男は暴力を振るいそれが嫌で仕方がない。そこにいつも通勤途中に出会う男・攻と話す機会があり…
可もなく不可もなく。何度かこの作家さんの話を読んでいるが、なんつーか泥臭い。悪い意味ではなく、文章が埃っぽい匂いがする。前の片親で住んでいる高校生の話にしてもトラック野郎の話にしても設定のためにそう感じるのかと思ったが、今回もそうなのでこの埃っぽさは作風なのかもしれない。
受が沖縄では感じなかったストレスを都会で生活している間感じまくり禿げになるエピソードがあるのだが、すべてに置いて「大らか」な沖縄でもゲイであることはストレスだったのね。と思ってしまった。
ついでに受が暴力元彼と離れられない理由が、他に自分の体を抱いてくれる人がいないから。というのは即物的でひく。嘘でも「心が寂しいから」とか取り繕って欲しいのだが。それで攻に初めて抱かれて、元彼と別れる気になっているのは直球すぎて笑った。
結局二人して沖縄に戻っていったので、何しに東京に行ったかというと婿を探しにいったわけね。
10月に単行本が出るらしいのでこれは買うつもり。個性はあるので作品は楽しみだが、泥臭い作風が苦手方面で発揮されると個人的には辛いかも。
FireBlood(花丸秋の号)織田紗実
生え抜きの消防士である攻(25歳)はエリートの道を捨てて小さな分署にやってきた。一方そこに配属されていた受(30歳)は8年前に同僚を亡くして以来ずっとそのことが暗い陰を落とし続けており…
消防士もの。好きな設定をよく調べて萌え萌えで書いた感じがして面白かった。消防士ものは案外少ない。ボーイズでは火崎さんの単行本未収録の奴ぐらいしか読んだことがない。ミステリの「鎮火報」を読んでから消防士ものを読んでみたかったので満足。
全体的にくだくだ堅い部分もあるが、新人さんなので書き慣れればどうとでもなる。謎解きやオチはきれいで良かった。ただ全体的に話中心でカプが相手の事を考えるエピソードは少ないように思える。初めてのHになだれ込むところもその前に一度受視点で攻にひかれた理由を述懐してくれれば良かったのにと思った。ついでに結構重い内容。
しっかりしているのでまた次の話が楽しみ。消防物をまた読んでみたい。
2003年10月
ゆりの菜櫻/島田迫/すずもと里絵
今月の青田買い
雑誌でしか見ないような新人さんの話の感想を書いている。新人扱いは、個人的に単行本が2,3册出た所まで。将来有望かが基準ではなく、あくまで私の好みに合う話を書くようになってくれるかどうかが基準。
面白い作家さんだけを挙げるか、つまらなかった作家さんも挙げるかはその時の気分。
最凶のアムール・ゆりの菜櫻(シャレード2003年11月号)
第二話。テニスプレーヤーの攻の試合でフランスに連れてこられた受は、その先で攻のはた迷惑な行為を受け続けるが…
つまらない。続編があるとは思わなかった。前回より読みやすくなった気はする。カップルになった二人一方的な甘甘が書かれている。攻が突き抜ければそれなりに面白くなるのかもしれないが、どこかで見たことのあるエピソードをなぞっているだけ。受も大げさに騒いでいるが大したことされていないのであまり同情(?)出来ない。最後のオチが1話目と同じなのでもう少し変えればいいのにとは思った。別の話も読んでみたいような別にいらんような。うまく化ければ面白くなるのかも。
クラブサンド・島田迫(シャレード2003年11月号)
高三の受は本屋に注文していたマイナー作家の新刊を取りに行き、そこで自分と同じ作家が好きな人間が居ることを知り気になる。それは同じ学校の後輩でバスケで活躍している男だった。あるきっかけで話すようになるが…
普通。自分と同じ趣味で相手の事が気になり仲良くなるが、相手が自分のことを中学時代から知っており片思いされていた事を知り、裏切られた(?)ような気持ちになった下りは、流石おたくの怒りポイントだと笑った。嫌いな雰囲気ではないので、もう少し書き込んで書き慣れてくれれば気になる作家さんになるかも。
ところどころ使われる単語の古さが気になった。普段はあまり気にしないたちなのだが。
ファミリーゲーム・すずもと里絵(ショコラ200311月号)
借金を取り立てに行った先で赤ん坊を拾ったやくざ・攻とその父親だと名乗り上げた公務員・受の話。
死体より愛して(ショコラ5月号2003)の勝者だそう。勝ったのね。やくざの攻が負債のカタに逃げた女の赤ん坊を手に入れ、その子を認知した堅物の役所勤めの受がやってきて同居し、その同居料として攻が押し倒すという流れ。
前回より起承転結の流れは分かりやすくなったが、キャラの心情が表面をさらっと流されている気がして話にのめれなかった。テイストとしてはショコラ作家っぽくなっているが、この作家さんならではという個性が見られない。
2004年06月05日(土)
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