眼花、井に落ちて水底に眠る
坂瀬
日記&BLの個人的感想。ネタばれ基本。まずは下のリンクのHOMEへ。
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ボーイズ小説・胸に手をあててみろ!:たけうちりうと/好きで好きで好きで:高遠琉加/ずっとずっと一緒:佐伯まお
ボーイズ小説・胸に手をあててみろ!(ゲンキノベル)たけうちりうと
質屋とチェーンのサラ金業を営んでいる受は、ある町工場に金を貸しに行った折り、銀行員である攻と出会う。いけ好かないと思っていた攻だが、次第に気になり、一緒に取り立ての旅行に行く事になり…
ほぼいつも買っている作家さんの新刊なので買ってみた。それなりに面白かった。受は母親にの美人系の顔立ち。人に使われるのが嫌い。若い頃は尻専門のタレントをしていた。若く結婚して3つ子の女の子の子持ち。男と浮気して離婚され毎月養育費を払っている。だらだら生活をしている。情は厚くて気が弱い面もある。攻は華道家の息子で銀行員。真面目できっちりとした性格をしている。変。思いこみは激しそう。理系な性格。顔は良い。受が初恋。運がいい。
いつも通りのこの作家さんの作品。設定がいつも一ひねりしてあり楽しめるのだが、ひねり方が同じ(或いはクセがある)なので、全然別設定の話を読んでいるのに時々既視感がある。
何度かクスっと笑える表現もあり読んでいて楽しかったが、この作家さんの文章に慣れるまではけっこうかかった。初めの頃は、早川SF文庫など外国人作家の作品の翻訳文を読んでいるような気分になり、日本語がカクカクしているというか英文のように文章と文章がからまっていないというか、横書きの方が似合う文だったが、作家さんが変わったのか私が慣れたのか気にならなくなった。
脇キャラはそれぞれ立っている。カプの好感度も良い。読後感も悪くない。ここら辺は安心して読める。
そう言えばこの作家さんがよく出す定番キャラに、理系の言動をするキャラがいるが、今回は攻がそれだった。ちと電波っぽいのも入っているけど。
理系の言動といっても他の人には伝わりにくいかも知れない。私が理系の人間を想像するときの人間像が、そのままこの作家さんのキャラにかぶる。専門馬鹿でどこか浮世離れしており、真面目で誠実。周りと個人の常識や認識がずれている時があり、そのずれがたまにあっけに取られるような言葉を言わせる。みたいな感じが私の典型的な理系像。次も楽しみ。
銀行員24、25才×質屋サラ金店主32才。受はばつ一。3人の子持ち。コミカルな雰囲気。
ボーイズ小説・好きで好きで好きで(ビーボーイノベル)高遠琉加
高校時代から攻に片思いしていた受は卒業前に告白しふられる。それから5年後働いていた花屋で再会し、まだ忘れていなかった恋心を自覚するが…
よく買う作家さんの新刊なので買ってみた。それなりに面白かった。本当にタイトル通りの話。
受は顔は良い方だが飛び抜けていい感じではない。入った会社が肌に合わずに辞めて花屋でバイトをはじめ、仕事のやり甲斐を感じている。高校時代に攻に一目惚れ。以来ずっと好きな気持ちは変わらない。攻は父親が早世し母子家庭で育ったが母親が再婚し居場所を見つけられず就職後家を出る。穏やかでしっかりした性格。弓道をしており体つきも良い。真面目で困っている人は見過ごせないタイプ。
受が高校生の時に攻にフォールインラブしてから一度ふられ、再会しくっつくまでが丁寧に書かれている。再会した攻には付き合っている女性がいて、その女性も素敵な性格なので諦めようとしつつ諦められない片思いの苦しさを切々と綴っている。
この作家さんの書くシリアスで切ない部分が良く出ていると思う。ただ裏を返せば、延々と受が悩み続けて悶々としているのは、ちと暗くてうざい。「好きだけど諦めなきゃ」という心情が綴られすぎて、あまり枝葉のエピソードが無かった。直球で話が進む。恋愛が成就して良かったね。と思う反面、全体的に読み足りない。ボリュームが無い感じ。
出てくるキャラはいい人達が多いので、嫌な気分にはならない。読後感も悪くない。
ただ個人的にはシャレードの「神経ぎりぎりの」の2冊目までが一番好み。それは今でも変わらず。ビブロスで書くようになってしっとり系の話が多いので、この手のギャグっぽい話もまた読んでみたい。
シリアス。しっとり。一応社会人物。高校からの同級生カプ。片思い。再会。一度ふられて成就。20代半ば。
ボーイズ小説・ずっとずっと一緒(花丸文庫)佐伯まお
受は平凡な高校生。病床の祖父から竹筒を渡され、その中に棲む管狐を使役する飯綱使いになる。受が竹筒を開けると表れたのは狐の精。忠実なしもべになった狐・攻にあこがれの先輩と仲良くなるように頼むが…
何となく買っていた作家さんなのでこれも買ってみた。普通とつまらないの間ぐらい。
受は普通の高校生。頭が良く顔は整っているが雰囲気は地味。スキー部に所属しているが埋没している。同じ年の従兄弟が同じスキー部で期待の新人。莫迦だが素質があり、明るくみんなに慕われている。その従兄弟に大きなコンプレックスを持っている。攻は管狐。狐の精霊で人間の意識を乗っ取り操る。絶世の美形の姿と狐の姿を持つ。味噌が好き。
全体的に地味。狐の精が出てくる割にものすごく大きな事件があるわけでも無く、小さな周辺の出来事で終わっている。下手に日本の陰謀を書かれても読めないとは思うのだが。
狐はともかく受の性格が地味で暗い。従兄弟に強いコンプレックスを持ち片思いの先輩はその従兄弟と仲が良い。愚痴を狐に話している。実家の蕎麦屋でも従兄弟の都合で後を継げと言われたり言われなかったりで、それもコンプレックスの元になっている。
最終的に、狐とくっついて蕎麦屋の跡継ぎにも納得できて、従兄弟へのコンプレックスも消えてめでたしめでたしなのだが、先輩は従兄弟に取られたままだし、立場も何が変わるわけでもない。あくまで受の心の中だけが平穏になる話。別に従兄弟を負かして欲しいとか思っているわけではないが、カタルシスの少ない地味な話だった。攻が狐の精である必要をあまり感じられなかった。
ほのぼの? ファンタジーちっく。狐の精×高校生。地味。
2004年03月23日(火)
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