眼花、井に落ちて水底に眠る
坂瀬

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 ボーイズ小説・魔惑の瞳に殺られそうっ!:吉田珠姫/ろくでなしheart:麻生雪奈/狂おしく恋に堕ちる。:鬼塚ツヤコ

ボーイズ小説・魔惑の瞳に殺られそうっ!(花丸文庫)吉田珠姫

高校生の受は付き合っていた上級生の男が浮気しているところを目撃して家に帰る途中、同級生の攻と出会う。子役を長くやっていた攻は初めての役者のオーディションで足がすくんで動けなかったのだが…
破壊力満点のタイトルに何となくへぼい話が読みたくて買ってみた。今一つ。
受は尽くすタイプ。頼られると嫌と言えない。本人は気付いていないが学校のアイドル。顔は可愛い。手先が器用。攻は両親が亡くなり妹の心臓病の治療費を出すために子役になった。妹はアメリカでひきとられて生活している。あだ名が出来杉君というほど、真面目で頭が良くきっちりしている。性格もよくヘタレ。顔はとても良い。

以下ネタばれ含む。
何から書けばいいのか。私はカッ飛んだあり得ない設定や話でも、作風がドメスティックでほのぼのしていてキャラの性格が良さそうなら、細かいところは気にしないが、この作品は一応この3つをクリアしている。
受は手先が器用でオーディションに後込みする真面目な攻に舞台メイクしてその役(プレイボーイ)になりきらせて合格する。初めてで適当にしたわりに通用している舞台化粧とか、化粧される度にその役になりきりなっている間の記憶はなさげな攻、それだけで売れてなかった役者・攻が売れ出し、生出演中のテレビで受が必要だと叫ぶ攻。などなど。すごい。
受は化粧して人格の変わった攻とHしても、攻が自分を好きなのは変身化粧が出来るからだと思いこみ、片思いのまま中途半端に身を引いている。攻はずっとへたれ。まあへたれ攻は好きなのだが。
受のまわりのクラスメートは上級生と別れた途端、受を可愛がり何故かいきなりアイドル扱い。とかとか。やっぱりすごい。
後書きの一行目で「…またヘタレた攻を書いてしまった…」と三倍角ぐらいの文字で書かれており、どこかで聞いた文句だと思い返すと五右衛門だった。
「バージンショック」ぐらいアホっぽく突き抜けてくれれば良かったけれど、中途半端に感じた。
色物。学園物。17才同級生カプ。



ボーイズ小説・ろくでなしheart(アクア文庫)麻生雪奈

入学式当日、元生徒会長受に話しかけてきた新入生攻は、後日受に付き合ってくれとつきまとうようになった。過去ふられた経験のある受はなかなか踏み切れないで居るが…
ノベルの文庫化なのだが、久しぶりに見た作家さんの名前だったので何となく買ってみた。微妙。
受は5人兄弟の長男で面倒見が良い。生徒にも人気があり生徒会長としても頑張ってきた。顔は良く友達からも大切にされる。過去に辛い失恋の経験がある。攻は明るく強引な新入生。人気はありそうだが、仲のいい友達を作らない。受に一目惚れして押しまくる。将来は包容力がありそう。母子家庭で母親はジャーナリスト。海外を飛び回っている。
前に読んだ時は多分、可もなく不可もなくだったような記憶があるが、加筆修正つきで読み返すと、色々微妙な気分になった。基本は周りから愛されている主人公が、新しい一歩を踏み出す(?)センシティブな雰囲気の話。嫌いな設定ではない。
まず文章が読みにくい。視点がころころ変わるのもそうだが、受の傷ついた過去が思わせぶりに出てきて、またそれを延々気にして怯えているのだが、何があったのか最後まで出てこずに、読み終わってからも「?」な気分だった。
正直受が何に傷ついていたのかよく分からない。いや一応失恋だとか周りの期待だろうなというのは分かるのだが、例えるなら「受はそれを見てぞっと身を震わせた」それとは毛虫。みたいな。言葉の修辞と内容が一致していないように見えた。つまりは大げさ。強いて言うなら若いこと自体に傷ついていたのかな。
周りも良いキャラが揃っているのだが、何故受がここまで猫かわいがりされ大切にされているのかよく分からなかった。受が魅力があるからなのだろうが、その魅力があまり伝わってこなかったというか。
全体的にバランスの悪い印象だった。
新入生15才ぐらい×元生徒会長3年18才ぐらい? 学園物。センシティブ。攻が受より背が低い。



ボーイズ小説・狂おしく恋に堕ちる。(プラチナ文庫)鬼塚ツヤコ

親友の女友達に頼まれ偽の婚約者として家族に紹介された受は、そこで女友達の兄・攻に出会う。出会った途端激しく惹かれるが、攻には既に婚約者がいた。その後、受の父親の会社が危なくなり、攻の勤める銀行に融資を頼みにいくが、融資の代わりに体を差し出す事になり…
既刊が割と好みだったのでこの本も買ってみた。どこまでも普通。
受は服飾関係の会社社長の息子。自分でも小さな古着屋をやっていたが、父親が倒れて代わりに会社を建て直す。女より綺麗な顔で綺麗な肌。気は強そう。感じやすい。攻は銀行に勤めてている。仕事が出来強引。強気、傲慢な性格。顔はもちろん良い。
この本で5冊目? この作家さんの攻の性格は味付けが少し違うだけでみんな似た感じに見える。受はもうちょっと性格が違う。あまりカプのバリエーションは多い感じでない。
正直前のボクシング物の方が好み。元々ボクシング物自体は興味ないのだが、書き方と展開が好み。今回は普通のボーイズのようにちゃんと山なりにエピソードが流れていた。多分5冊の中では一番さらっと読めるのかもしれないが、この作家さんのねちっこさや暑苦しさのある文が好きだったので、何となくつまらない。
金の代わりに体をさしだし濃いーHをしているうちに相手が好きになって(今回は一目惚れっぽかったけど)、いつのまにか借金を返すめども出来て、最後はハッピーエンドという典型なのだが、目新しいエピソードもHシーンもないので、読みやすい以外のプラスポイントが無かった。
読みやすい文章が良いはずなのだが、たまに読みにくいクセのある文章だから好んで読む作家さんもいる。この作家さんの私にとってのプラスポイントがその文章だったので、今回の話はありきたりで終わってしまった。
内容も受が奮闘しているはずなのだが、行き詰まると門外漢のはずの攻が助け船を出して切り抜けている気がして、おんぶにだっこ。あまり受が自立している感じがしない。脇キャラは悪くなかった。
ボクサーものだけがハイテンションで暑苦しいイメージ(誉めてます)があるのは、同人ネタだったからだろうか。悪くないはずだが期待していた方向ではなかったので拍子抜けした。でもまた次が出たら買うと思う。
銀行員32才×アパレル会社後継者24才。借金物。アパレル関係。

2004年03月22日(月)
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