無責任賛歌
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| 2005年09月18日(日) |
舞台『イッセー尾形とフツーの人々 北九州編』第二日目 |
集合は11時と昨日と同じだが、今日の公演は昼公演なので、リハーサルを行う余裕はない。所用で出演できないキャストが増えて、新しくコンビを組んだチームを舞台に上げて、森田さんのダメ出しが入る。つか殆ど檄を飛ばしているようなものだ。 出来のよかったスケッチを中心に全体構成を考えていたのに、その肝心の主要キャストが今日は欠席ということで、森田さんも愚痴と檄が同時に口から出る。 「新宮の時も、一日目出てた役者が急に二日目来なかったんだよ。それも一言の連絡もなく」 けれどそれは愚痴ではあっても弱音ではない。再びギリギリまで詰められていく森田演出。激昂して椅子を叩き、手が痺れて再び演出をイッセーさんに交代するのも昨日と同じ。イッセーさんも「ここまでかな」と、諦めたような声が漏れる。 これがちょっと私の癇に障った。イッセーさんの心情としては、ついそんなことを言いたくなる気持ちもよく分かる。所詮、我々はただのシロウトだ。そのシロウトがたった四日間でどこまで「完成」の域に達することができるというのだろう。「ここまでしかできない」ことは当たり前であるし、それを承知でシロウトに門戸開放したのは他ならぬ森田さんとイッセーさんではないか。 「ここまで」と言われた人は私ではない。そう言われた人も、そんな言葉くらい跳ね除けて舞台に立ってもらうくらいの気概はなければ困る。それでもこの時、私は何となくむかっ腹を立てていた。 でもそれで吹っ切れた。
二日目の幕が上がった。 冒頭シーン。倒れている中年女性と泣いている女の子。呆然としているサラリーマン風のイッセーさん。それは昨日と全く同じ風景だ。 けれど、集まった七十人の態度が違う。昨日より、誰もがイッセーさんを「憎んで」いる。ツッコミが昨日よりも激しい。イッセーさんの狼狽振りも昨日より弥増した。 あとで、公演終了後の挨拶で、反省会の席で、イッセーさんは仰った。「たった一日で芝居がこんなに膨らむものなのか」「一番イヤなタイミングで、一番イヤな言葉を投げかけてくる。舞台を降りたあと、掌に汗がにじんでました」と。 多分、その一番イヤなセリフをイッセーさんに投げつけたのは私だ。
今日、私は、昨日受けなかったネタをしきり直した。笑いが起きる。けれど反省会で森田監督は「これから先が芝居なんです」と仰った。その通りである。私はまだスタートラインに立って、構えてみただけなのだ。
今日の公演はよしひと嬢とお母さんが見に来てくれた。一緒に食事をしながら、今日の芝居の感想を聞く。よしひと嬢は「楽しかったですよ。意味が分かんないところもありましたが」との感想。 演技下手で意味不明になったシーンももあったようだけれど、その「わかんなさ」が我々シロウトの演技を上手く誤魔化してくれていることなのである。
2004年09月18日(土) アナリストたちの誤算/『毎日かあさん カニ母編』 2003年09月18日(木) めんどくさいのは私も好かんけど/『少女たちの「かわいい」天皇 サブカルチャー天皇論』(大塚英志) 2002年09月18日(水) 復讐するは誰にある?/映画『恐怖のワニ人間』/『Q.E.D. 証明終了』13巻(加藤元浩) 2001年09月18日(火) 声だけ美少女/『スタジアム 虹の事件簿』(青井夏海)ほか 2000年09月18日(月) ゴキブリと音痴娘と構造記憶と/『僕らは虚空に夜を視る』(上遠野浩平)ほか
| 2005年09月17日(土) |
舞台『イッセー尾形とフツーの人々 北九州編』第一日目 |
本当に初日が来てしまった。 よしひと嬢のお母さんに「頑張っておいで」と激励されて、小倉に出発。直行バスは8時42分発。これを過ぎると11時まで一本もないので(これが若松半島というやつである)、ちと早いがこれで行くしかない。 「リバーウォーク」には9時半に着く。リハーサルは11時からなので、北九州芸術劇場は、まだ開場もしていない。しばらく小倉城堀端の一階テラスのテーブルで、しげと二人、もう一度1時間ほど朝寝。 10時半に一番乗りで入場、ややあってやってきた相方と少し打ち合わせをする。 森田さんは時間ぴったりに登場、通し稽古の前に、一つ一つのスケッチにダメ出しをしていく。開演ギリギリまで粘るその姿勢には脱帽。私も当然、ダメ出しを食らう。森田さん、さすがに四時間近くぶっ通しで声を張り上げ椅子を叩いてきたので、疲れ果ててしまったのだろう、「イッセーさん、後、頼むよ」と言って、いったん裏手に引っ込む。 突然の「監督交代劇」であるが、おかげで私も直接、イッセーさんのご指導を受けることができた。イッセーさんの指導は森田さんのような「たくらみ」はなくてストレートだが、やはり面白くないものには面白くないとスバリと仰る。森田さんに比べて怖くないということは決してない。みんな、心臓のドキドキは治まる様子がない。 一時間ほど休憩して、森田監督が復帰。出掃けと、それぞれのシーンに合わせた効果音を出演者の声で表現する演出が示される。こういったアイデアの一つ一つに森田さんの非凡が光る。我々出演者は、やはり森田さんの演出がなければただの学芸会の集団でしかないことを痛感する。
そして、幕が上がる。舞台にひしめき合う七十人の我々。 観客の間に「おおおお!」とどよめきが走る。森田監督が「最初にお客さんを『こんなにたくさんの人が』とビックリさせたい」と仰ったことが見事に効を奏していた。
一日目の私の芝居はハッキリ言って大失敗だった。緊張のあまり、わめくことしかできていない。お客さんの反応も当然何もない。公演終了後、出演者一人一人に森田さんは明日へのダメ出しをするが、私にはもう何も言葉がなかった。何もないことが何よりも雄弁である。これで奮起しなければ、私はシロウトである以前にただのバカである。 今日は舞台では遊べなかった。明日は遊ぼう。そう決意する。
2004年09月17日(金) 爆発120%!/『カミヤドリ』1巻 2003年09月17日(水) そう言や久しぶりのカラオケだったな/『雑多なアルファベット』(エドワード・ゴーリー) 2002年09月17日(火) 放生会の掘り出し物/『博多の心』(朝日新聞福岡総局)/『魁!! クロマティ高校』5巻(野中英次) 2001年09月17日(月) 祝日には旗を。私は出さんが/『クラダルマ』1・2巻(柴田昌弘)ほか 2000年09月17日(日) クウガと絶叫としゃぶしゃぶと/『少年探偵虹北恭助の冒険』(はやみねかおる)ほか
| 2005年09月16日(金) |
ガクガクブルブル/ワークショップ『演出家・森田さんの「イッセー尾形ができるまで」』Part4 |
ワークショップ四日目、最終日。 初めて、オープニングシーンの演出と、全体構成が決まる。昨日まで舞台にはなにも設置されていなかったが、ようやく平台と白い壁が背景に立てられる。ここがどことも見立てられる装置だ。 森田さんの「出たい人は出るように」との指示で、出演者の半分ほどが舞台上の平台に上る。私もしげも上り、これで一応、イッセーさんと「共演」できるようになった。 イッセーさんは、スケッチのところどころに勝手に出演する「東京から出張してきたサラリーマン(なんだけど、どうやら怪しい仕事関係らしい)」という役どころ。オープニングでは、事故に遭って倒れている女の人の第一発見者だけれども、「小倉以外の住人」ということで犯人にされかかる。もちろんこのアイデアは森田雄三さんで、小倉の排他性をそのまんま舞台に移した皮肉な演出である。イッセーさんは最後には群衆の前で土下座して謝ることになる。 「人が土下座するって大変なことなんだよ」と森田さんは仰るが、つまり部外者をそうさせてしまうのが「小倉の街」だと喝破しているのだ。小倉の人々を「デリケートで控えめ」とか言いながら、舞台ではしっかりその残酷さも描いてしまうわけだ。食えない方である。 私は自分の出演シーンはこれだけだと思っていたのだが、いきなりあるシーンに出演するように言われて、即興で演じることになった。一応オーケーが出たので、三日間の出演が決まる。てっきり好きな日に一日だけ出演すればよいのだと思いこんでいたのに、何ということであろう。もちろん嬉しいことは嬉しいのだが、何百人単位の観客の前で芝居をした経験など、高校時代の予餞会以来である。私なんぞに勤まるのだろうか、途中でやっぱり降ろされるんじゃないかという不安の方が弥増すのであった。 明日はいよいよ初日である。
夜はよしひと嬢のお母さんにご馳走攻めになる。普通の惣菜、普通のおかずなのだが、しげには天地がひっくり返っても作れない「おふくろの味」。感激以外のなにものでもない。
2004年09月16日(木) 小田部通麿氏ご逝去/あさりよしとお『まんがサイエンス�宗� 2003年09月16日(火) 狂熱の一夜/映画『南の島に雪が降る』/『C級さらりーまん講座 付和雷同編』(山科けいすけ) 2001年09月16日(日) オタクの輪ッ!……古い(^_^;)/『(週)少年アカツカ/おまわりさんを追いかけろ!号』(赤塚不二夫)ほか 2000年09月16日(土) 電波とスケルトンと二人乗りと/アニメ『バットマン マスク・オブ・ファンタズム』
| 2005年09月15日(木) |
ソワソワアセアセ/ワークショップ『演出家・森田さんの「イッセー尾形ができるまで」』Part3 |
しげの××歳の誕生日。 12時になった直後にお祝いメールを入れたのだが、しげはくたびれ果ててよしひと嬢のウチで即寝しちゃって多らしい。張り合いのないことである。
森田雄三さんのワークショップ、三日目。 少しずつ顔見知りができてくるが、それが馴れ合いみたいな雰囲気を作ってしまつている印象で、やや停滞気味。森田さんもイッセーさんもややピリピリしている感じである。 「これまで自分が培ってきたノウハウが役に立たない」と、弱音とも聞こえる言葉を口にするが、同時に「楽しくて仕方がない」とも仰る。困ってるんだかそうでないんだか、よく分からない感じだ。今日初めて知ったのだが、前回までの公演はお金を取っていなかったとか。今回初めて「商品」として公演を打つわけで、そのためにも「芝居」として成立させることに腐心されているようである(自分が出演するかも知れないのに他人事のように書いているのは、自分の役回りを悟られないためであるので悪しからず)。 今日は、いきなり「小倉の町」を具体的にイメージさせて舞台を作る。いくつもの場所が次々に変化していくスケッチ風の構成を考えていらっしゃるようである。ただ、参加者が必ずしも小倉の住人ばかりではなく、世代も性別も分かれているために、全員が共通してイメージできる場所というものがない。参加者もまだまだ「自分がやりたいこと」を作りきれずに、森田さんの演出を「待って」いるところがあって、もうひとつハジケない。 椅子をベンチに見立てて、そこに二人の人物を座らせて会話をさせる。そこに他の参加者が様々な「風景の音」を口真似でかぶせさせる。「主役は音のほうだ。演技をするな」と、シロウト演技に陥ることを規制する。けれどそれがかえって出演者を萎縮させることになる。それを見て、「小倉の人たちはデリケートだ」と仰ったあとで、前述の「ノウハウが」の発言に繋がるのである。イッセーさんも「もっと自由になれるはず」と、ハッパをかける。 ついに明日はいつもより早く「11時集合」と言われる。昼の部の人は三時間も早く出ることになるが、夜の部の人もできるだけ早く来るようにとのこと。つまり、森田さんはぶっ続け11時間、練習しようと言うのだ。しげは「逃げ帰りたい」とか言うが、冗談じゃない。こちらは昼の部から参加できないことが悔しくてたまらんのだ。 今日は、昼の部で、あまりに森田さんのツッコミが厳しくて、泣いて帰った女の子がいたらしい(15歳だったそうだが、学校はどうしたんだろうか)。みんなシロウトだけど、言われるままに動くだけの学芸会ではないのである。自分にもそんな甘えがないかどうか、他山の石としたい。
今日はしげも、明日の午前中は通院しなければならないので、一時帰宅。けれど今日も練習時間が30分も超過して、おかげで、快速に乗り損ねて鈍行で帰ることになつた。当然バスはないので、竹下から歩いて帰る。しげが「足が痛い」とうるさい。ようやく家に帰りついたのが午後1時だが、そのあともベランダの倉庫の荷物を片付けなければならないので、ひと騒動。 明日からは私もよしひと嬢のお宅にお邪魔することになるのでその準備もしなければならない。よくこれだけ動いて、倒れないものだと自分でも感心するが、多分興奮して脳内麻薬が出っぱなしなのであろう。
そういうわけで、多分、舞台に出演することになれば明日から19日まで帰ってきません。その間、日記の更新がまたストップしますがご勘弁ください。私のナマの姿が見たいと仰る奇特な方がいらっしゃいましたら、17日から19日まで、北九州芸術劇場にいます。どうぞお気軽にご観劇を。
ああ、それにしても時間がなくていつもより短くしか書けないから、安達祐実のできちゃった結婚やロバート・ワイズ監督の死去についても触れられない。触れなきゃならんこともないってことも分かっちゃいますが。
2004年09月15日(水) みんなゴミの山に踏みこむ覚悟はあるのか/『武装錬金』4巻 2003年09月15日(月) 西手新九郎は「心の遊び」に留めておこうね/『アレクサンドロス 〜世界帝国への夢〜』(安彦良和) 2001年09月15日(土) オタクなばーすでぃ/映画?『スペースカッタ2001』in「山口きらら博」ほか 2000年09月15日(金) ネパールとサウスパークとおだてブタと/『ブタもおだてりゃ木にのぼる』(笹川ひろし)ほか
| 2005年09月14日(水) |
ワクワクドキドキ/ワークショップ『演出家・森田さんの「イッセー尾形ができるまで」』Part2 |
森田雄三さんのワークショップ、二日目。 小倉に着いてしげに連絡を入れるが、全く応答がない。昼の部の練習が30分以上、長引いていたのだ。しげは昨日よりは怖さが取れたよう。
森田さんの参加者への指示、昨日より辛辣さを増す。いろんな「人」を演じさせる。上手い人あれば下手な人あるのは当然だが、「上手下手は関係ないよ。イメージを作ること、空気を作ることね」といちいちダメ出しをされていく。新宮公演では三日間で舞台に立たせたのだが、北九州では四日間でやれるので、より念入りに、ということであるようだ。 イッセーさんの「小倉は『いちゃもんと小競り合いの文化』」という言葉を受けて、参加者に「なーんそれ」を頭に付けて喋ってみる、という課題などが出される。ご当地ごとにこういうことをやっているらしい。森田さんが「新宮じゃみんな「くさくさくさくさ」言っててさ」と仰るのがおかしい。 円陣を組むのを早めにやめて、舞台に椅子を置いて何人か組で立たせてみるが、参加者が途端に「小芝居」を始めるようになってつまんなくなる。「円陣でやってた時のことを思い出して」と指示が出されるが、「芝居」をすることを禁じられてしまったみんなはなかなかうまくいかない。森田さんは「学芸会」を作るつもりはないのだ。今更ながらに「真剣」なのだということを実感して緊張する。 明日はまた円陣に戻してやり直すと言う。さあ、この森田丸はどこへ向かって航海しているのか。
夜の部も20分超過したが、今日はなんとか電車・バスに間に合う。でも、ぶっくたびれてたのでは帰宅して洗濯したら途端にバタンキュー。だもんで、日記はこの程度しか書けない。あしからず。
2004年09月14日(火) 「宅間守」という“役者”の死/『ああっ女神さまっ』29巻ほか 2003年09月14日(日) タイトルを付ける元気もね〜や(;´_`;)。 2001年09月14日(金) カリメンしげ/『モーツァルトは子守唄を歌わない』1巻(森雅裕・有栖川るい) 2000年09月14日(木) 通院と残暑と誕生日プレゼントと/『世紀末アニメ熱論』(氷川竜介)ほか
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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