無責任賛歌
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|藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2001年11月18日(日) 休日満喫テレビ三昧/『パワーパフガールズ』第46回/『サイボーグ009』第6話ほか

オタアミ当日まであと6日! カウントダウン6!

 夕べはしげが帰ってきた3時ごろに目が覚めちゃったので二度寝。
 でも、やっぱり寝つけず、いつもよりちょっと早く6時頃に目が覚めた。寝つけなかったのは夕べ見た夢のせいかもしれない(^_^;)。
 一日の平均睡眠時間が6時間だなあ、たまには8時間くらいゆっくりと寝たいなあ、とか思っていても、早寝するとやっぱり6時間で起きてしまうのである。……ジジイになってきたってことかな、これ。
 いやね、『エンピツ』の日記をあちこち覗いてて思うのはさ、書いてる人ってたいていが20代の女性みたいな気がするのね。私みたいにもうすぐ四十郎の中年男(あるいはそれ以上のトシの人間)がどれだけいるかって考えたら、殆どいない気がするのね。なんだか一人だけ浮いてるなあと思いつつ、その「浮き具合」を楽しんで読んでくれてる読者の人もいるんじゃないかなと勝手に思ってるわけですよ。
 でも、日記書くのって楽しいと思うんだけれど、どうしてこんなにオトナの男が少ないかね。もともと日記は、日本においては10世紀末まで、男のみに許された特権であった。ところが平仮名の発明が一気に女性に日記文学発展の道を開かせた。そこには紀貫之というネカマの元祖(ご承知の通り『土佐日記』は女性に仮託して書かれた)が仕掛人となったという背景はあるものの、「日記」という自己表出の方法を最大限に活用したのが女性であったという事実は否めない。それ以前に男性によって書かれていたであろう漢語による日記は、現代、ほとんど価値を見出されていないのである。
 結局、男は事故を表出する手段としては「小説」などの純然たるフィクションに流れるしかなかった。現実をも虚構化する女性のパワーを、男性はついに持ち得なかったのである。それは「日記」を客観的な事実の表記としてしか認識できなかった男の限界でもある。しかし、高度に複雑化して現実を客観視すること自体不可能になった現代、もう一度過去の女性に倣って、男が目の前の現実を自分のものとするための手段として、日記を書き始めてもいいのではないか。
 それは男の、男による、男のための日記である。
 ……いや、さ○系じゃなくて(^_^;)。

 今日はともかく一日ぐでっとテレビを見てようと決心。来週はいよいよオタアミ当日で、休みとは言えゆっくりは出来ないと踏んでるからだ。


 『パワーパフガールズ』第46回「ともだちになりたい!/SUPERFRIENDS」。
 ここしばらく30分一本の長尺版が続いて放送されてるみたいだけど、今回はそのボリュームに足るだけの名編。
 PPGの隣家に引っ越してきたのは同じ幼稚園に通うことになるかわいい女の子、ロビン。この出会いの描写の演出がきめ細やかで実にイイ。
 垣根越しにこっそり覗き見しながら引越し荷物を確認しているPPG。
 「ドレスがあるわ。女の人よ。ハカセの恋人になってくれるかも」
 「ドレスがあるからって女の人とは限らないわ(おいおい)」
 「ダンベルがあるわ。男の人よ!」
 「マッチョな女の人かも。それでハカセと恋仲になって……」
 「ベッドがあるわ!」
 「……なーんだ、夫婦ものか」
 「見て! おもちゃ! 子供がいるんだわ!」
 おもちゃの箱の陰からこちらを覗いていたロビンの前に飛び出して行って思わず声をかけるバターカップ。
 「あなただれ? 年はいくつ? なにが好き?」
 「私はロビン……幼稚園で……好きなのは象」
 「象を食べるの?」
 おとなしげなロビンにブロッサムとバターカップはすぐうちとけるが、バブルスは何となく気に入らない。けれどロビンが「新しいおともだちとドッジボールとかしたい!」と言った途端に目の色が変わる。
 「ウチに遊びにおいでよ! おもちゃとかたくさんあるよ!」
 PPGに案内されて、ハカセと会うロビン。
 「紹介するわ。これが私たちのパパ」
 「そうなんだよ、うっかり間違ってこの子たちを作っちゃったんだ」と言いわけするハカセ。ロビン、にっこり笑って、「大丈夫です。私も間違ってできちゃった子供ですから」
 思わず目が点になるハカセ。

 ながながと記憶を頼りに書いてみたが、なんだかもう、ガサツで単調なアメコミとは一線を画していることがご理解いただけようか。キャラクター描写が堂に入っているだけでなく、最後のギャグなんか、ギャグでありながらロビンの孤独感をさりげなく表している。
 なにしろ、隣家のご夫妻、最後まで一度も姿を現さないのだ。

 「どうしたの?! みんな宙に浮かんでる!」
 「実は私たち……スーパーパワーの持ち主なの」ロビンに嫌われるかも、と不安な顔になるPPG。
 「そうなの? 私もスーパーパワー持ってるのよ」
 「……ホント?!」
 ロビン、片頬を顰めて痙攣させて見せる。思わず笑うPPG。
 先週の『FF:U』の、小手先のセリフだけの言い訳に比べて、なんと説得力のある表現であることか。

 大の仲よしになった四人だけれど、なにしろPPGはスーパーパワーの持ち主。タウンズヴィルの町を救いに毎日出かけなければならない。楽しく遊んでいてもそれは一瞬。
 ひとりぽっちで残されるロビンと、PPGの活躍を交互に見せながら、ロビンの孤独を歌うBGMがかかる。ロビンの寝室の扉がゆっくりと閉じ、真っ暗になって音楽も終わる。
 ああ、ダメだよ、日曜の朝っぱらからこんな悲しい演出しちゃ。トシ食ってただでさえ涙もろくなってんだからさあ。
 ここまででずいぶん時間を使っちゃったおかげで、後半、淋しいロビンの心に取り入ったプリンセスが、ロビンに万引きを唆す展開がやや駆け足になっちゃったけど、間違いなく本作はこれまでのエピソードの中でも出色の出来である。やはり『パワパフ』は簡単に見逃せないなあ。
 いや、ギャグがずっと続く間に、たまにこういうの差し挟まれるとついホロリときちゃうってパターンじゃあるんだけどさ。
 ……昔、とり・みきの『クルクルくりん』でも死んだ少女の人格がくりんに蘇えって、その子の父親と出会うって話に泣かされたことあったなあ。


 『仮面ライダーアギト』第41話。
 わあ、やっと翔一が記憶を取り戻しそうだ。
 ……よく引いたよ、ここまで。52話構成ならこのあたりで、という計算を立てたんだってことは理解出来るけれど、ちと長過ぎた気はするな。引くだけでドラマが進まない時期もあったし。
 けれどシリアスな展開を出来るだけギャグでつなごうとするのはいいけれど、翔一と氷川の関係をムリヤリギャグにするのはちょっとねえ。緊張感なくすだけじゃないのかな? しかも前回は「栗」で今回は「アイスクリーム」だよ。毎回「食いものギャグ」で行く気かい(^_^;)。
 随分謎が解かれて来たとは言え、まだまだ思わせぶりは残っているのである。
 謎の手紙の送り主「雪菜」(『幽遊白書』かな、ネーミングソースは)とは誰なのか。
 翔一の過去を知るらしいアナザーアギト・木野の「記憶喪失になる前は、お前も過去にこだわっていたんだ!」のセリフ。
 謎の青年の「人類は私の子だ」のセリフ。
 そして復活した最強のアンノウン、エルロード。
 ……プロデューサーが「『サイボーグ009/神々との闘い編』を参考にしてます」とか気になることを発言しちゃってるので、まさか「未完」で終わるつもりじゃねーだろーなと心配になってるんだけど、ホントに広げた風呂敷はきちんとたたんでほしいものである。


 『も〜っと! おジャ魔女どれみ』第40回「ハナちゃん、イモを掘る!」。
 女の子にとって、イモはどれほど必須アイテムかという話(^^)。
 あいこが買ってきたサツマイモを、大喜びで焼きイモにして食べるどれみとももこ。けれど、はづきとおんぷは「おならがでるから」「太るから」と言って、食べるのをいやがる。途端に激怒するあいこ。
 「イモはなー、食物繊維たっぷりで栄養満点でお百姓さんが一生懸命作ってくれた最高の食べ物なんやー! おならがなんやー!」……あいちゃんテンション激高。女の子の食べ物っつ〜より、関西人必携の食べものってことなのかね(^_^;)
 結局、はづきとおんぷもみんなで食べて、その美味しさに頬が落ちるくらい感激。
 ハナちゃんにも食べさせようと思ったのに、野菜ギライの呪いのかかったハナちゃん、どうしても食べてくれない。
 あいこは叫ぶ。「こんなおいしいもの食べられへんなんて、ハナちゃんかわいそうや……。よっしゃ! うちがぜったい食べさせたる!」。
 そこで新鮮なおイモをハナちゃんにあげようと、電車に乗ってイモ畑を目指すが……。やってきたあいこの姿を見て、みんな呆然。……あ、あれは、もんぺ?!
 ……いやあ、どれみちゃんたちの(特にはづきの)もんぺ姿は実に似合っててよかったなあ。今回の見所はそれだけです。少なくとも私にとっては(^^)。


 『コメットさん☆』第34回「星の絆」。
 ……え? コメットさんに敵がいたの?
 「あの方」って誰よ? 予告されてて登場してないキャラって言ったら、タンバリン星国の王子様だけれど、それってケースケのことじゃなかったのか?(←勝手な予測)
 ともかく「ハモニカ星国臨時裁判所」とか「監獄星」なんて仰々しい設定、『コメットさん』の世界観にはちょっと合わないと思うんだが、もしかしてこれ、テコ入れか? それとも打ちきり?
 「姫さまほったらかし罪」で捕まったラバボーの代わりに一時的にやってきた
「月人」が、“タンバリン星国”の住人ってことは、裏にいるのはやっぱり……ってことになるんだけど、あまり予測できる展開にはなってほしくないなあ。


 CSファミリー劇場『加藤夏季のファミナビ12月号』、新作紹介が『太陽にほえろ!<スコッチ編>』や『陽暉楼』。紹介が今月はえらくあっさりしてるな、と思ったら、加藤夏季主演の新作映画、『羊のうた』のレポートのためだった。
 先日の東京国際映画祭に正式コンペティション作品として出品され、あえなく沈没(^_^;)しちゃった本作だが、予告編映像を見るかぎりではそう悪そうな出来ではなさそう。原作の頽廃的な雰囲気は出てるような気がする。
 監督の花堂純次って、テレビドラマ『永遠の仔』の監督の人だったんだな。あれは最初の1、2回を見ただけだったけど、多少思わせぶりな演出が鼻につきはするが、作品作りについては、原作とがっぷり四つに組んで、きちんとドラマ性を浮きあがらせようとする姿勢があったなという感じがしていた。
 けれど加藤夏季は喋らないとやっぱりいいよなあ。最大のネックはすぐに上ずるあの声質なんだが、今回はそう喋るシーンもないし、案外いい雰囲気が出せてるんじゃないか。
 いやもう、映画祭でのティーチインでも「あの家って、昔は病院だったんですか?」とか、設定よく解らずに演じてたことバレバレの質問監督にしてるし、実像と演技の格差を感じさせてくれてもうGOODっスよ(^^*)。
 なのにインタビューじゃ「今までは役と自分とが別だったんだけど、今度初めて『私は千砂なんだな』って思えました」とか言ってるし。……うーん、実の弟と血を吸いあいたいのか、君は。
 チラリと『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』のフィルムも流してくれてたけど、ゴジラの吐く白熱光(原作第一作表記に準じてます)がガメラのプラズマそっくりだったのには笑った。これもあちこちで評判がいいみたいだけれど、期待しすぎて裏切られた経験はいくらでもあるので、なるべく情報入れないで見に行こう。


 しげ、練習から帰ってくる。
 いつもならここで二人でお出かけでもして食事をするのだが、給料日前なので質素にテレビを見るだけ。

 ANAのCM、『アルプスの少女ハイジ』のパロディ。
 「クララ、クララが立ったわ!」
 「クララが一万円!」
 ……なんだかよく意味がわからなかったが面白いんだろうか。CMに往年のアニメキャラが出るのって実はあまり好きじゃない。ソルマックの『ど根性ガエル』もそうだけれど、あんな中途半端な復活のさせ方するんなら、スペシャルでもいいからちゃんとリメイクしろって言いたいね。
 ハイジとクララはオリジナル版の通りだけれど、アルムおんじは宮内幸平さんが亡くなっているので別の人。でもいやに声が若い。……誰なんだ?


 『回復!スパスパ人間学』。森本毅郎司会のバラエティーらしいんだが見たのは初めて。コンセプトはなんだかよく分らないけど、これが結構面白い。
 今回は、「女に嫌われる女」の特集。その条件として、「人の話を聞かない女」「自慢する女」「男の前では態度が変わる女」などを挙げるのは定番だが、笑えたのは、「なぜ女が女に嫌われるのか」それを脳のメカニズムから説明してるんだけど、これを役者にコスプレさせて演じさせてるのね。視床下部が暴れようとしてるのを普段は前頭葉が押さえてるんだけど、押さえきれなくなると暴走する……って、これ、『エヴァ』じゃん!
 そうかそうか、あれもA10神経がどうのこうのと、脳のメカニズムをちょっとかじった庵野さんがそれをまんま作品化したってことは聞いてたけど、庵野さんの女性コンプレックスから生まれた話だったわけだ。
 考えてみりゃ、エヴァって最初の「女」なんだから、その行動原理が女であることは当たり前だったんだよなあ。……しげがしょっちゅうヒステリー起こすのも、前頭葉が未発達なせいなんだな。納得納得。


 『だあ!だあ!だあ!』
 チラチラ見てたけどじっくり見るのは始めて。これ、再放送だよな?
 男の子と女の子の同居物に化け猫が絡んでるって感じなのか?
 エンディングがtrfの『BOY MEETS GIRL』だったのでちょい懐かしかった。
 

 『サイボーグ009』第6話「消えた博士を追え!」
 サブタイトルがちょっちダサイなあ。せっかくの0012登場話だってのに、もう少し気を引くタイトル思いつかなかったのか。
 開巻早々、ドルフィン号(?)をペインティングするサイボーグたちの姿が描かれるけれど、002がいかにもアメリカ軍風のペイントする上を005が“無言で”消してくのがなかなか深い。うーん、原作に描かれたことは殆どなかったけれど、005、やっぱり侵略者であるアメリカ人の002に対して含むところがあったんだろうか。
 ベースは原作にあるけれど、今回は0012の正体も含めてずいぶん脚色が加えられている。コンピュータの姿のみだった0012にちゃんとマダムの姿が与えられてるのが最たる変更だけど、これもちゃんと石森キャラしてくれてるのが嬉しい。でも怪しい洋館ものにするなら、もう少しアイデアおりこんでほしかったかなあ。
 一応、作画は安定していて、部分的にはひとコマ作画もある。けれどいくつかバンクがあるのは、やっぱり作画スケジュール、相当追われてるのかなあ。
 さて、来週はいよいよ前半の山場の一つ、0013登場の巻。エンディングにもしっかり登場してくれてるし、『ボンボン』なんかに代表される石森さんお気に入りの山下清系列のキャラだ。どうか作画が荒れてませんように(^_^;)。


 『こちら葛飾区亀有公演前派出所』、いつの間にかOP歌ってるのが天童よしみで『いなかっぺ大将』のパロディ。こんなんどれだけの人間に解るってんだ(^_^;)。
 しかも、本編が両さんの顔がつるんつるんにハゲてどんな顔だったか解らなくなるっていう話なもんだから、OPも両さんの顔に全部モザイクがかかってるっていう凝りよう。たまにこうやって遊んでるのかな。スタジオぎゃろっぷ、なかなか濃いスタッフがいると見える。
 『ワンピース』、とりあえずワポルの下っ端はチョッパーが倒す。小さくなったり大きくなったりの変化、マンガじゃよくわからなかったけれど、アニメだといい効果出してるなあ。来週で一応ひと区切りなんだろうけれど、このままアラバスタ編に入るんだろうか。もう少し場つなぎしないとまた間延びした展開になりゃしないかな。

 『笑う犬の発見』。
 トーマスのネタがハム太郎に代わってる。わざわざOPアニメまで作っててしかも意外にその作画かイイところがスタッフが結構リキいれてて笑える。
 イナカの学生に扮したウッちゃんが、女の子と毎回イイセンまで行って振られるコントが結構気に入ってるんだが、今回のお相手は桜井幸子で、教育実習の先生役。……かつてテレビ版『高校教師』で、彼女が教師との禁断の愛を演じていたことを思い出せば、このコントの面白さは倍増するであろう。
 「あなたが私のことかばってくれたおかげで先生になる自信がついたわ!」
 「じゃあ、オラと一緒に写真撮ってくれっぺか?!」
 「……イヤ。それだけはイヤ。だってあんた、それナニに使うか分らないでしょ?」
 ……桜井幸子、本気でイヤそうに言うんだもんなあ。多分実際にナニに使われたことを想定して言ってんだろうな、このセリフ(^_^;)。誰だ、こんな身を切るようなギャグ考えついたのは。あくまでフィクションでも、これ面と向かってやられるとオトコはツラいぞぉ(-_-;)。
 ゲストの西川きよしが一番面白くないのはこういう番組の常だね。


 CSチャンネルNECOで『うる星やつら4 ラム・ザ・フォーエバー』『うる星やつら完結編』の2本再見。
 ああ、『うる星4』も脚本が井上敏樹だったよなあ。するってえと、この「街が夢を現実化する」ってネタ、『アギト』のプロトタイプか。……んなわけないな。公開当時「なんだかよく分らない」と悪評紛々だった本作だけど、廃棄された街のゴミがネットワークを作り意志を持ったと考えれば、SFとしてちゃんと見れるし、「街」を「映画」そのものの寓意と考えれば、「思い出だけでも生きていける」のセリフも、実感をもって受けいれられようと言うものだ。少なくとも、それまでのネタの寄せ集めの完結編よりはよっぽど完結編らしかったと思う。

 マンガ、ももせたまみ『せんせいのお時間』3巻(竹書房・590円)。
 しげがいつの間にか買ってた学園4コマ。4コマも昔はホントにいい加減な線のものばかりだったのに、キッチリ少女マンガしてるというかアニメ絵してるというか、ともかく絵は可愛い。ただよくもわるくも「典型的」なんで、同じ可愛い系でも、あずまきよひこのような線にキョーアクさがにじみ出ているものと比べると、どうしてもインパクトが弱い。主人公の「27歳だけど童顔」って設定も、似たようなアイデアは竹本泉や加藤四季も使ってるし、ギャグのパワーはそっちの方があるのである。それに3巻もそのネタで引っ張るのはもう無理がある。
 第一私は「28歳のクセに下手すりゃ中学生か高校生に見える」女房を持っているので、この手のギャグには笑えないのよ。
 ……どこぞの店に夫婦連れで入るたびに「お父さんに買ってもらってよかったね」なんて言われるんだよなあ、マンガじゃあるまいし(-_-;)。こんな苦労、童顔の女を妻に持った者にしかわかるまい(当たり前だ)。

2000年11月18日(土) 今年はコンサートで眠らなかったぞ/福岡シンフォニック合唱団コンサート


2001年11月17日(土) 多分愛してるんだろう/『料理少年Kタロー』第7話/『カスミン』第7話

オタアミ当日まであと7日! カウントダウン7!

 ここんとこ、しげのロドリゲス(スズキのWAGON‐R)のBGMが『ブルース・ブラザース2000』から『ザ・ラットルズ』に代わっている。

 この日記を読んで下さってるような奇特なオタクの方なら、もう説明するだけ野暮ってもんなんだが、一応簡単に説明しておく。
 イギリスの伝説的コメディ番組である『空飛ぶモンティ・パイソン』の一員であるエリック・アイドルが(この人のコトまで説明してたら、またやたら長くなるので省く)、ニール・イネスと組んで、ビートルズのパロディ・バンドを作り、あたかも『ラットルズ』というグループが実在したかのようにでっち上げたニセドキュメンタリー番組なんである。
 パロディであるから、ビートルズの四人に当たるキャラクターだけでなく、当然オノ・ヨーコもいるわけで、これが女ナチスのキャラで登場してるのを見たときには爆笑した。いやもう、チョイ役でジョン・ベルーシやビル・マーレイ、ミック・ジャガーや本家ジョージ・ハリスンまで登場するというトンデモなく豪華なモノである。こういう番組の常としてクレームは相当つけられたらしいが、放送にあたっては幸いダン・エイクロイドの登場シーンが多少カットされたに留まった(ビデオ版では復活)。
 何よりスゴイのは、番組み中に演奏される30曲余りの音楽が、本家ビートルズの音楽と比べて遜色がない出来だったってことだ。事実、「ラットルズ」のCDが発売されたとき、「あれは本当にビートルズが歌っている」というウワサがマコトシヤカに流れ、それはかなり多くの人に信じられた。「チーズとオニオン」なんて曲にいたっては、ジョン・レノン本人が「オレはそんな曲歌ってない」と明確に否定したにもかかわらず、「いや、あれはレノンの声だ」と言いはる人がいて、アホなことにジョン・レノンのアルバムにうっかり収録されたりもしたくらいなのだ。
 ウソだと思うなら、輸入CD買って聞いてみればいい(日本版は多分廃盤)。歌詞もメロディーも、「本歌取り」の名前がこれほど相応しいものはない。今すぐ聞けない人は、“ALL WE NEED IS LOVE”が“ALL WE NEED IS CASH”ってタイトルになって、あのメロディーラインで演奏されるオカシサを想像していただきたい。

 残念ながら、ソフトな歌声で知られるエリック・アイドル自身は、ラットルズの一員、ダーク・マックィックリー(誰のパロかはよく解るね)を映像の上では演じていても歌そのものはオリー・ハルソールによる吹替えである。これは当時エリックが盲腸で退院した直後だったためだが、エリックの声でポールの……ああ、いやいや、ダークの声を聞きたかったと思ってるファンは私だけではあるまい。
 あと、『ザ・ラットルズ』というのは初めビデオで発売された時の邦題で、現在入手できるDVDは『ラトルズ 4人もアイドル?!』という腑抜けたタイトルになっている。全く、日本人のこのギャグセンスのなさってのはどうにかならんもんかね。


 土曜で半ドンなんだが、ちょっと残業があって、しげとの待ち合わせは1時半。「遅い」としげはぶすくれ顔。いきなり遅くなったわけじゃなくて、「遅くなるよ」と予め言っておいたのにどうして怒るかなあ。
 「すぐにはウチには帰らんけどいい?」
 「どこか寄るとこあるんかい」
 「それはヒミツ♪」
 何がヒミツだ。しげは私がちょっとくちごもったりすると、根掘り葉掘り隠しごとがないか聞いてくるのに、自分は常にヒミツを持っていようとするのだ。要するにそれだけヒミツにしたいアコギなことをやっているということだろう。たいていは金をちょろまかしたり金をちょろまかしたり金をちょろまかしたりしてるのだ。

 着いた先は近所の博多区民センター。なんだ、ホントにヒミツにするほどのこともないじゃんか。
 今年の劇団の公演、キャナルシティ横の「ぽんぷらざ」を予定しているのだが、その抽選にずっと外れまくっていたのである。苦肉の策で、数ヶ月分、一気に予約を入れたら、今度は二つも当たってしまった。おかげで片方、予約を取り消さねばならなくなったのであった。
 土曜の午後のせいだろう、体育館や公園が隣接しているセンターの駐車場、満杯で車を停めるスペースがない。仕方なく路上駐車に近い状態で、車の出入り口の場所に一時駐車して、しげだけが走って予約取り消しに向かう。私は車中で誰か人が来たときの言い訳役(+_+)。
 幸い5分ほどでしげは帰ってきて、怖いあんちゃんにすごまれることはなかったのであった。

 結局、予約が取れたのは5月11日になった模様。こりゃまた半年も先とは伸びたものだが、スタッフも少なく常時集まれるわけでもないウチの劇団にとっては、練習する余裕ができたってことか。まあ、その間に「できちゃった結婚」するやつがポコポコ出なきゃいいんだが(^^)。


 帰宅した後、ロドリゲス洗車。
 しげ、バケツにお湯を汲んで、えっちらおっちら駐車場まで運ぶ。重い荷物を持つとしげはバランスが崩れるせいか、必ず首を傾げて歩くクセがあるが、頭がフラフラして、日頃から知恵の足りないしげがますますおバカに見える。
 30分ほどかけて車体を一通り磨いていくが、中古のわりにはたいした傷がない。この間からパンパー引っ掛けたりいろいろぶつけてるのに、そういう傷もたいして目立ってないのだ。磨いていくうちに、ツヤも出て来て、何となく新車っぽく見えてくるから不思議である。
 しかししげ、部屋の片付けはマトモにしようとしないくせに、自分の車となるとこんなに一生懸命にきれいにしようとするんだなあ。つまり日頃掃除しないのは、私のために家事するのはイヤだってことだよな。
 それなのにこうしてしげの洗車を手伝ってる自分が健気過ぎて泣けてくるったらありゃしない。とほほ(T.T)。
 

 RKB『ウルトラマンコスモス』第19回「星の恋人」。
 軍事衛星「アンジェリカ」の攻撃コンピューターが誤操作し、たまたま通りかかった飛行物体に反応して攻撃を仕掛けた。
 ある日、トレジャーベースの施設見学にやってきた一人の美青年、それは先日アヤノを事故から救った青年だった。だが、彼の正体はミゲロン星人・レダ。アヤノに衝撃波を与え、人形のように操り、EYES司令室から「アンジェリカ」を宇宙ステーションに激突させようとする。飛行物体に乗っていたのは彼と、彼の恋人。そしてその恋人はあの事故で命を落としていた……。
 まあ、つまり宇宙人の復讐話なんだけれど、ありふれてると言うか、陳腐な印象は免れない。第一、ムリヤリ怪獣を出してコスモスと対決させる必然性が全くないのだ。「復讐のエネルギーを怪獣化させる」なんてめんどくさい設定になんかしないで、ミゲロン星人の正体が怪獣だったってことにして巨大化して戦わせた方がずっとスッキリする。いや、宇宙人をナマミの俳優に演じさせたりせずに最初から怪獣でやればよかったんだ。
 比較しちゃ悪いかもしれないけれど、異形のモノの悲しみを打ち出してた初期ウルトラマンには遠く及ばない。


 NHK教育『ドラマ愛の詩・料理少年Kタロー』第7回「美人陰陽師のユウウツ」。
 タイトルだけ見ると、マジメな料理ドラマなのかと思いきや、こないだは江戸時代からKタローのご先祖様の料理人(池乃めだか!)がタイムスリップしてくるし、今回は安倍晴明の子孫で実はキツネの化身に元気の出る料理を作ってやるという、そんじょそこらの料理マンガなんかとは毛色が二色も三色も違っている。
 つまり「どんな世界でも料理で人を救える」って料理万能ドラマだったわけだね。来週はついに宇宙に飛び出し熱唱する水木一郎と対決するらしい。なんじゃそりゃ(^_^;)。
 でも、こんなヘンテコな「SF」まで制作するなんて、完全にこの『愛の詩』シリーズは平成の「少年ドラマシリーズ」になりおおせたな。今のところDVD化されてるのは『六番目の小夜子』だけみたいだけど、『まぼろしのペンフレンド2001』も『お嬢様は名探偵』も『浪花少年探偵団』も、とっとこDVD化してほしいもんである。


 NHK教育『カスミン』第7話「ポトポット、悩む」。
 『バンパイヤンキッズ』を見るのも飽きてきたので、ウラの『カスミン』、第一話以来久しぶりに見る。
 カスミンとヘナモン(素直にオバケとかもののけって言ってほしいなあ。設定を作りこみすぎるとかえってクサくなるんである)たちとの同居もまあうまくいっているらしい。
 合唱コンクールの発表が近いカスミだが、クラスのみんなはてんで部活だ塾だとまるで協力しようとしない。同じようにポトポットも屋敷のみんなのお茶の好みがてんでんバラバラなのでてんてこ舞い。ついにはノイローゼになってお湯すら沸かせなくなってしまう。
 結末は無理せず落ちついて、何もかも自分一人でしょいこもうとしないで、という、いかにも本郷みつるさん的な終わり方をするのだけれど、子供向けとは言え、もうひと捻りほしかったかな、と思う。どうも全体的に、脚本や監督が気負って作ってるとこあるんじゃないか。
 ギャグが今一つ効いてなくて、話の中に説教くさいところがチラホラ見えてきちゃってるのである。……「教育」だからしかたないのかなあ。


 夜、こんな夢を見た。
 ある日、劇団のみんなとどこぞの居酒屋で飲み会をしている。
 しげが突然「私もようやく独立できるようになったよ」と言い出す。
 私はドキリとして、それでも心の動揺を隠しながら「なんだ、仕事でも見つかったのか」と聞く。
 しげは私を睨みつけ、「結婚するんだよ!」と怒鳴る。
 実は、夢の中でしげは私の妻ではなく愛人なのであった。
 劇団を維持するために夫婦のフリをしているだけなのだった。
 みんなは口々に「おめでとー」「おめでとー」と拍手をするが私だけは機嫌が悪い。思わず「だ、だ、誰とだよ」と聞き返す。
 「なんでそんなことまでアンタに話さないといかん。他人やん」とニベもないしげ。
 あくまで高圧的に「言えよ、誰とだよ」と詰め寄る私。
 「私にだってプロポーズしてくれる人はいるよ。Aさんとか、Bさん。Bさんはハイヤーでいつも私を山越えで送ってくれるし」
 知らない名前を告げるしげ。二人もいるのか、それにしても「ハイヤー」なんて今時あるのか、第一どこを山越えしてるんだと首を捻る私。
 しげが急にニコニコする。見ると、居酒屋の入口から入って来た若くて背が高くて保坂尚輝の顔をもっと精悍にしたようなヒゲを生やした男が入ってくる。
 しげ、その男の腕に飛びついてうっとりとしなだれかかる。
 しょ、しょ、しょうがないもんな、べ、べ、別に、お、お、おれの女ってわけじゃないんだししし、と震える手で酒を飲む私。
 「そいつが新しい男か?」と聞くとしげは「ううん、別の人」と答えて、なのにそいつと手に手を取って居酒屋を出ていってしまう。
 追いかけるわけにも行かず、酒を煽る私。ふと見ると、目の前のテーブルには小ナベになみなみと水が注いである。
 「これ飲めるのかな」と隣の父に聞く(どうして劇団の席だってのにオヤジがいるのかね)。
 兄が、「飲まん方がいい」と忠告する。
 でも私は鍋の水を一気に飲み干してしまう。で、やっぱり飲まないほうがよかったと気がつく。その水は涙の味がしたからだ。

 わ〜、照れくさい夢(^_^;)。
 夢の中で私、自分にとってしげはベストハーフだと思いこんでるんだもんなあ。ついこうして日記に書いちゃったけど、しげが読んで喜んだりしたらヤだな(+_+)。
 いや、読まないはずはないって解ってんだけどさ。たまには女房サービスしておかないと、しげのやつ、周囲に私が冷酷無慈悲なド外道のように吹聴するので、誤解を解くのにひと苦労するのである。

2000年11月17日(金) 一日一ドジ女房/東野英心死す。


2001年11月16日(金) 若葉マークはどこへ行く/歌劇『さまよえるオランダ人』(ドイツ・ザクセン=アンハルト歌劇場)ほか

オタアミ当日まであと8日! 8日しかないのだ!

 脚本家、永原秀一(ながはら・ひでいち)氏が、14日、心不全のため死去。享年61歳。
 特撮関係ではあの悪名高き、『惑星大戦争』及び“はちよん”『ゴジラ』の脚本及びノベライズまでやっちゃったので、才能のない人のように思われてるが、その辺が難しいところである。何たって、あの時期の『ゴジラ』は(今でもそうだが)シバリが多くて、誰が書いたって駄作にしかならん状況だったしなあ。
 マンガ『松田優作物語』の中に、松田優作と永原秀一のカラミを紹介したエピソードがある。泡坂妻夫のミステリ『乱れからくり』が映画化された際、主演の松田優作が酔って「こんなシナリオがやれるか!」と引き裂いたというのだ。激怒した永原が「俺は自分の命かけて脚本書いてんだ!」と松田に謝罪を求め、松田が頭を下げた、という一件があったらしい(マンガでは永原の名前を隠してはいるがバレバレ)。
 しかし、松田優作を弁護するわけではないが、あの『乱れからくり』はプロデューサーの田中文雄も認める超駄作であって、私も原作をズタズタに改竄して魅力のカケラも残さなかったシナリオには当時本気で激怒していたものだった。だいたいこの人、本格ミステリには向かない人なのである。
 じゃあ何がよかったかというと、新聞記事にも載っていたが、この人の代表作はなんと言っても『狙撃』だろう。
 若きスナイパーと年老いたスナイパーの決闘を描いたこの映画、やや現実離れはしてたが、加山雄三のもったいつけ演技はともかく、おそらくこれがほぼ遺作に近い森雅之の名演が光る傑作になっていた。ラストの砂漠での対決はまんま西部劇だったけど、脚本家のオマージュが感じられる名シーンだったと思う。……別にガンマニアってわけじゃない私が唯一好きな銃がモーゼルなんだけど、それはこの映画で岸田森が持ってた銃だったりするのだな。
 実はあとはたいした映画の脚本書いてない。『野良猫ロック』シリーズは見てないからなんとも言いようがないが、『蘇える金狼』はまあ魅力的ではあったけれどシナリオ自体はメリハリがなかったし。
 ちょうど今、CSファミリー劇場で『西部警察』やってる。やっぱり脚本はいい加減(^_^;)。でも「命をかけて書いてる」ってのは案外本当だったのかもなと思う。永原氏の脚本からは理性とか知性ってものが決定的に欠けていたし、だからこそ「情熱」だけがこの人の原動力だったんじゃなかろうか。


 今日は久しぶりの観劇の日である。
 先日の日記にも書いた通り、しげがアンケートでチケットを当てたのだ。
 ハナキンとはいえ、平日の夜のことで、最近残業も多く、果たして行けるものかどうか危ぶんでいたが、ちょうど今日だけ早引けできることになった。っつーか、ムリヤリ休み取ったんだけど(^_^;)。
 いきなり仕事を入れられたらオシマイなので、職場に退出時間通りにしげに車をつけてもらい、さっさと乗り込む。時間は4時半。チケットの引き換えは5時半からだが、会場の福岡サンパレスまでは通常なら30分、ラッシュ時でも2倍かかるということはあるまい。充分余裕で着けると、安心していた。していたのよ、ホントに。

 しげが地図を私に渡し、ナビをしてくれと頼む。
 「……箱崎まで行って、左折しようと思うんだけど」
 「……箱崎? なんで?」
 福岡以外の方には地名を出しても解るまいから、ちょっと解説するが、要するにすげえ遠回りなのである。
 「箱崎まで行かなくても、五斗蔵か二又瀬から左折すればいいじゃん」
 「だってそっちの道行ったことないし」
 「箱崎は行ったことあるのか」
 「うん」
 「行った道しか通れないってなんだよ。遠回りして間に合わなかったらイミないじゃん」
 「……じゃあ、アンタが案内してよ!」
 「だからナビしろって言ったんだろ?!」
 なんだか出発から前途多難である。
 結局、五斗蔵から空港横を通って博多駅へ抜ける道は相当渋滞しそうだという判断で、二又瀬から左折する道を選ぶ。それならあとは一本道でサンパレスに着く。
 「二又瀬なら多分混んでないよ」
 「なんで?」
 「なんでって……勘だよ」
 「でもアンタすぐ私を騙すし」
 「今、おまえを騙して損するのはオレもだろ?!」
 「ホラ見てん、やっぱりいつも私を騙してるってことやん」
 なんだか会話するのがイヤになってきたので黙る。早目に出発したのだから、渋滞はそうひどくないはずだが、それでもスムーズに進んでいるとは言い難い。しばらく一車線の一本道なので、横道から入ってくる車や、先を走るバスや、信号なんかでやたらと止まる。ちょっとイライラが溜まりつつあったが、ようやく五斗蔵まで来て、車線が二つに増える。
 「よし、そこを真っ直ぐ」
 しげ、スイッと車を右車線に。
 「……あッ!」
 「……どうした?」
 「……真っ直ぐ行けん」
 「? どうして」
 「右にしか曲がれん」
 「オレ今、真っ直ぐ行けって言ったやん!」
 「だから、右と真っ直ぐと、両方行けると思って右に行ったら行けなかったんよ!」
 「……矢印ちゃんと見とけよ!」
 「見落とすんだよ! よく!」
 「威張って言うな! じゃあどうすんだよいったい」
 「……右に曲がったら左の細道に入って、グルッと迂回してもとの道に戻る」
 「……じゃあ、そうしな」
 信号が青になり、右にギュンと曲がるしげ。
 細道に入ってぐるぐる回らなくても、真っ直ぐ行って、Uターンできないものかと思って、そう言おうとしたら、しげ、左の細道に入らずにそのまま直進した。
 「……今の道、左に入るんじゃなかったのかよ!」
 「あッ! 忘れたッ!」
 「忘れたって、ほんの5秒前に自分で『左折する』って言ったんじゃんかよ!」
 「だから5秒前のことでも忘れるの!」
 「だから威張って言うなあああ!」
 ……もうずいぶん行数がかかりましたので、結論だけ書きます。もとの道に戻るのにキッチリ10分かかりました。
 そして福岡サンパレスに着くのにも1時間かかりました。
 若葉マークって、やっぱりスゴイです(T∇T)。


 駐車場がどこも満杯なのでなぜかと思っていたら、サンパレスの隣の福岡国際センターで大相撲九州場所が開催されていたのであった。なるほど、道端をおすもうさんがちょこちょこ歩いている。もう今は全然相撲に興味がなくなっていたので、九州場所が始まっていたことも忘れてたよ。
 なんとか駐車場を見つけて入りこむ。サンパレスの隣なだけあって、20分100円とボッている。少し離れると30分100円のとこもあるってのに。でもそちらに回って駐車できなかったら困るので、ともかくそこに停める。

 福岡サンパレスでチケットを引き換えて座席を確保。
 しかし開場は6時半なので、それまで時間つぶしのため、ベイサイドプレイスを散策する。
 ベイサイドに来るのも久しぶりだなあ。キャナルが出来る前はここまで足を伸ばして買い物することもあったんだが、近場で買い物が出来るとなれば、こんなとこまで遠出することはまずない。すっかりお見限りで、もう1年以上来てなかったんじゃないかな。
 波止場には見た目20メートルほどのでっかいクリスマスツリーがもう立てられていて、サンタの人形もあり、ここだけクリスマス気分になっている。
 でも港に停まってる船の名前は「きんいん」とか「おとひめ」で、純和風。ここもなんだかみょうちくりんなスポットだよなあ。まだ時間帯が早いのか、客の姿は殆ど見かけないので、ゆっくりと回る。

 ここへ来るといつも、私は中央の水槽柱を見ることにしている。水族館って好きなんだよ。多分、動物園の4.7倍好きだ。もしかしたらこれも『うる星やつら2』の影響かもしれないな(^.^)。
 でも余りにいつものことなので、しげは「また?」みたいな顔をしている。
 ウミガメが好きなので、まず真っ先に泳いでないか目で追う私。
 あの、前ビレを横に広げて泳ぐ姿の優雅さ、気高さよ♪ 『ガメラ2』でガメラがそうして飛んでくれたのが、どんなに嬉しかったか。『恐竜図鑑』で古代の巨大ガメ「アーケロン」がそうやって泳いでる絵を見て以来、私はウミガメフリークなのである。
 でも、なぜだろう、以前来たときにはいたウミガメ、今日は泳いでいない。岩場に隠れてるのかと思って柱の周りをぐるぐる回るが、いるのはウツボばかり。いやウツボも好きなんでそれはそれでいいんだが。
 「どうしたのかなあ、死んだのかなあ」
 不安げについ呟いた私に、しげが無慈悲なヒトコトを返す。
 「うん死んだ。死んでるよ」
 ……やっぱりこいつには「愛」はない。ううううう(TロT)。

 ベイサイドのモスバーガーで食事。ほかの店は軒並み高いので、給料日前で苦しい我々はこんなところで食うしかないのだ。
 『キネマ旬報』11月下旬号をしげに見せて、冬の映画、何が見たいかを聞く。
 「『ハリー・ポッター』は行くやろ〜? あとは『スパイ・キッズ』に『シュレック』かなあ」
 「『シュレック』? 考えもしてなかったな。どこに引かれたん」
 「……えーっと……声優?」
 「誰が出てたっけ?」
 「マイク・マイヤーズにエディ・マーフィ」
 「どっちもおまえが嫌いな俳優やん」
 「そうなんよ」
 「だったらなんで」
 「なんか、出てくる姫が昼はいいヒトで夜は意地悪いヒトになるって」
 「……なんじゃそりゃ。そんなんだったらオレ、まだ『アトランティス』見に行ったほうが面白いと思うぞ。あと『ゴジラ』とか話題になってるし」
 「……どこで?」
 どうせオタクの間でだけだろう、と言いたげなしげの目線を感じたので会話を打ち切る。そろそろ開場の時間だ。

 
 ドイツ・ザクセン=アンハルト歌劇場日本公演2001/リヒャルト・ワーグナー歌劇『さまよえるオランダ人』。
 生まれて始めて見る生のオペラ、しかも本場ものである。
 こんな場末の劇場じゃどれほどの音響効果があるか心許ないが、結構期待してしまう。
 S席と言うので前の方かと思ったら、Sでも結構後ろの方。おかげで両袖に立てられた字幕ディスプレイ、私の貧弱な視力では平仮名がかろうじて見れるくらいで殆ど見えない。字幕を一生懸命見るだけで時間が過ぎそうなので、意味が知りたいときだけ見ることにして、話はまあ、仕草や動きで解るだろうと見当つけ、舞台に集中する。
 音響はやっぱり劇場のせいで最低。上演前のトークショーで、演出のヨハネス・フェルゼンシュタイン氏が「ドイツのオペラハウス並だ」とリップサービスをしていたが、それがホントならドイツの本場、よっぽど貧弱な劇場しかないってことになるぞ。「ドイツは国立劇場ばかりなのに日本は芝居が民間で行われている、素晴らしい」なんて言ってたのも文化の遅れをバカにされてるとしか思えん。
 演奏は手抜きしてるとは思えないのに、ともかく胸に響いて来ないのだ。CD聞いてるのと変わらん。いや、オーディオ設備次第じゃ、CDの方が感動があるかもって言いたくなるくらい、反響がない。……東京じゃBunkamuraオーチャードホールってとこで上演したんだなあ。きっといい劇場なんだろうなあ。ただチケットなんで文句も言えないが、もちっといい劇場で聞きたかったよ。
 今「聞く」と書いて「見る」と書かなかったが、オペラは演劇的に見ればやはり歌舞伎と同じで様式のものである。現代劇のような微妙な人間の心理を表現するものではない。ともかく、ヒロインやたらと両手広げてるし。
 しげはその大仰な表現に、上演中、クスクスしっぱなしだった。
 芝居が終わって、しげが聞いてくる。
 「結局、あれ、どういう話なの?」
 「……つまり、『呪いのかかったオランダ人が7年に一度陸に上がって、そのとき貞淑な女に愛されたら呪いが解けるんだけど、せっかく見つけた女には昔の男がいて、裏切られたと思ったオランダ人は自分から去ってって、女は自分の貞淑を証明するために海に身を投げて自殺する』って話じゃないの?」
 「やっぱ、それだけ?」
 ホントに、たったそれだけのドラマに2時間以上かけてるのである。なにしろ歌は簡単に言えば「好きだ、愛してる、お前は運命の女」なんてセリフを延々言ってるだけだし。……ボケ老人の繰り言かい。でもこれ、ワーグナー30歳のときの作品なんだよねえ。途中、何度かウトウトしてたんだけど、ハッと目が覚めるとさっきとシチュエーションが全く変わってないし(^_^;)。
 「……要するに、これ、色既知外の男と、思い込みの激しい女の恋ってこと?」
 「そうなるよなあ。ずっとオランダ人に会えることを夢見てた女だってんだから」
 「でも、怖いよ、あんなにオランダ人の絵見て話聞いてただけで自分が運命の女だって思えるってのは」
 ……『ウルトラマンコスモス』のムサシ少年みたいなもんだな。「ウルトラマンは本当にいるんだ!」って。でも実際に「フライングダッチマンは本当にいるんだ!」って言い張るやつが現代にいたら、即日、どこぞに入れられてしまうだろうな(^o^)。
 で、面白かったかどうかってことだけど、もちろん面白かったのである。トンデモ芝居だってことで。

 帰宅すると疲れてそのまま睡眠。おかげでまた日記が書けず、更新が遅れる。……追いつける日は本当に来るのか?(-_-;)

2000年11月16日(木) 風邪がまだ治らんがな


2001年11月15日(木) お客様は皆の衆です/『真・無責任艦長タイラー�の瑳�編』(吉岡平)ほか


オタアミ当日まであと9日! 9日しかないのだ!

 気がついたらこの日記のカウンター、劇団ホームページのカウンター数を上回ってしまっている。
 「演劇集団 P.P.Produce」なんて名前だけは仰々しく謳っちゃいても、もちろん全くの無名なわけで、そんなイナカのささやかな小劇団にしては、演劇関係のサーチから来るのか、2年ほどで延べ一万人、カウンターはまあまあ回転している方であろう。
 少なくとも、更新もままならず、何年間もほったらかしになってるHPがゴロゴロあることを考えれば、ちゃんと続いている方なのは間違いない。
 なのにである。
 たかが日常のウダウダを書き連ねてるだけのこの日記の方が、更に短い期間で劇団HPを追い越しちゃったのだよ、ハテサテどうしましょ?
 これって、やっぱりあちこちから検索かけてくる人が日に10件以上あるおかげだろうな(^_^;)。ホントに固定ファンが少ないページだ。
 なんだか最近は『フルメタル・パニック!』で検索かけてくる人が異常に多いのだが、放送延期が気になってる人なんだろうか。でも、必死こいてこれだけの分量の記事の中から目的の記事を探し出しても、「いつになったら放送解禁するんだよ」くらいのことしか書いてないし、結局、無駄足だと思うんである。
 ……怒ってないかなあ、そういう人。いや、ホントに申し訳ないことをさせております。なんだったら、掲示板に怒りの書きこみをしていただいて構わないので、どうぞご遠慮なく。
 あと、加藤夏季のホームページからちょくちょく飛んで来られてる方がいるんですけど、もしかしてお気に入りの中にでも登録して下さってるんでしょうか?
 いや、イイっスよね、加藤夏季(^^*)。
 何はともあれ、そういう奇特な方々によって、このカウンターは回っているのだ。皆様に敬意を表して、もう少し中味のあることを書かねばとも思うが、もともと頭の中身がスポンジなもんだから、そうもいかないのである。
 とりあえず気持ちだけ。

 みんな、愛してるよ!!

 気持ち悪かったですか? どーもすみません「(^^; ) 。


 もうなんちゅーか忙しくって7時半過ぎまで残業。
 昨日あたりからまた咳がひどくなってきていて、ホントはさっさと帰りたいんだが、人任せにはしてられない仕事も多いんで仕方ない。
 もちろん、今日は遅くなるってことは予測がついてたことなので、しげには「帰りは7時過ぎになるよ」とは言っといたけど、まさか30分も遅れちゃうとはなあ。
 迎えに来てくれたしげ、8時過ぎには仕事に行かねばならないので、いい加減シビレを切らしていた。もう10分も待たせるようならさっさと帰られるところだった。いやあ、危ない危ない。


 メールのやりとりをしてると、しげがこちらをジト目で見て「そう言えばアンタ、女の子のメル友ばかりやね」と言う。
 「んなこたねーよ。掲示板なんか殆どZUBATさんとのやりとりばっかりやんか」
 「顔知ってる人は別なの!」
 「……おまえ、ムリヤリ嫉妬しようとしてない?」
 実際、そうとしか思えないんだがなあ。だいたい私が女性と会話することだけでなく、男と話そうが職場に行こうがコンビニで『プレイボーイ』立ち読みしようが、それだけでジェラシるしげだから、いちいち相手にはしてられないんである。
 あの、ウチのしげはいくらヤキモチ焼いても、相手にネットストーキングまではしませんので、どうぞご安心してメール下さい。私が3時間ほど愚痴聞かされるだけですみます(^_^;)。


 CSキッズステーション『ナジカ電撃作戦』MISSION 006「美しき野獣の瞳は孤独の影と共に」。
 ミッションが毎回ヒューマリット回収に限定されちゃった感じだなあ。見る前はもう少し幅の広い話になるかと思ってたけど。もちろんそれで面白くないってわけじゃなくて充分面白いんだけど、未だに世界観とヒューマリットの概念が語られないままミッションだけがどんどん進んでるってのは見ていてちょっと座りごこちが悪いんである。
 でも今回の話、なんだか士郎正宗の『ブラックマジック M‐66』とよく似てるなあ。もっとも人型ロボットが暴走するって話はそれこそ原典は『フランケンシュタイン』なんだろうけど。
 これまで回収したヒューマリットも充分高度な戦闘能力を有していたけど、今回のBBBは、戦闘能力をさらに強化したコンバットモデルだそうな。極度に筋力を解放したそのパワーには、ブローニング50もパンツァーカンプも全く効かないほどだが、結果的に「時間切れ」で回収できたって結末もちょっと物足りない。BBB奪還を狙う別の組織の存在もストーリー展開の上ではあまり必要がなく、カットして、BBBとのやりとりに絞った方がもっと面白くなったんじゃないかなと思う。
 あ、今回初めて次話への「引き」で終わったが、少しは設定を示してくれるのかな。


 吉岡平『真・無責任艦長タイラー�の瑳�編』(エンターブレイン/ファミ通文庫・672円)。
 ついにタイラーがパコパコになる。
 って、『タイラー』のストーリー知らない人にはなんだかよく分らないだろうな(^o^)。でも説明し出すと長くなるのでしない(←イジワル)。
 けれど以前のようなおポンチな展開ならともかく、こう話がリアルになっちゃ、なんでアザリンに不敬を働いたタイラーが許されちゃうのか、いまいち納得がいかなくなるなあ。だってロナワー殺した敵じゃん。もっと分らないのは、ル・バラバ・ドムを始めとして側近たちが全然タイラーに怒りを感じないことで、こりゃいくらなんでも不自然。
 タイラーがタイラーであるってことだけで信頼を勝ちえて常勝ロードを歩むってのは、今イチ理解しがたい展開なんだけどな。

2000年11月15日(水) みんな妄想の中に生きているのね/『リアル国家論』(教育資料出版会)


2001年11月14日(水) 『千と千尋』新記録!/アニメ『ヒカルの碁」第6局/ドラマ『死者の木霊』

オタアミ当日まであと10日! 10日しかないのだ!

 今朝の新聞各紙の囲み記事。
 『千と千尋の神隠し』がついに『タイタニック』を抜いて、日本興行記録の新記録、261億円の興行収入をうち立てた。
 てゆーことは配収は半分の130億。ジブリに入るのは更に半額の70億ほどか。税金でごっそり持ってかれるとしても、まあ、3、4年はスポンサー付かなくて収入が入らなくても新作を作ってられる計算になるな。
 予想通り、宮崎監督、今回もまた引退宣言を撤回したそうで、めでたいめでたい。『千と千尋』作ったときに、「『もののけ姫』で引退するんじゃなかったの!? ウソつき!!」と憤ってた人は多かったようだが、あの人の「引退する!」はデビュー映画の『ルパン三世 カリオストロの城』以来の口癖なんで、こちらは今更オドロキもしない。押井守からも「またほざいてるけど、どうせジジイになるまで作りつづけるに決まってる」と揶揄されてたくらいなのだ。そんなことくらい、昔からのファンなら誰でも当然知ってることなんで、世間の一喜一憂を見るにつけ何を躍らされてるんだかと思っちゃうのだが、つまりは「宮崎」ブランドが浸透したの、本当にここ数年なんだってことなわけで、つくづくオタクな野郎はまだまだ少ないんだなあと感じてしまう。
 ……だって、若い人の中には『ルパン』も『コナン』も知らないってやつゴマンといるんだから。

 そんな中で、「宮崎の原典はやっぱり『長猫』のオッカケだよな」とか、「いやいや、やっぱり『ガリバー』のあのロボットがパックリ開いて中から美少女が」とか、「何を言う、『わんわん忠臣蔵』のころからあった反手塚治虫のスピリットが」などと言い出したりした日にゃよ、かえって「なにワケわかんないこと言ってんの? このオッサン」とか言われるようになってしまうのである。
 ああ、この程度の知識、我々の世代なら、別に知ったかぶりでもヒケラカシでも何でもなく、ただの常識だったのに(T∇T)。
 けれど本気で宮崎駿を語ろうと思うなら、『ナウシカ』以前、『太陽の王子ホルスの大冒険』と『長靴をはいた猫』の2本くらいは少なくとも見ておかないといけないと思うんだが。あの共産主義的共同体幻想と、男尊女卑的エンタテインメントの2本の間の振幅が、その後の宮崎作品のベースになってることは疑いようもない事実だからだ。
 つーか、日本のアニメーションを語る上でこの2本見てないってのはいくらなんでも不勉強過ぎるってもんだろう。リアルタイムで見てない世代だって、ちょっとでもアニメに興味があったなら、どこかでその名声は聞きかじってるはずだぞ。
 もし「え〜、そんなの知らな〜い」とか、「そんなん絶対見ないといけないなんて決めつけイヤ〜」とか言い出すドアホウがいたら、逆さ吊りにしてムチ打ってドテっぱらに風穴開けてカツブシ詰めこんで猫けしかけて簀巻きにして御笠川にたたっこんでやる。凸(-_-メ)

 それにしても朝日新聞の見出しには笑ったねえ。
 「『千と千尋』、『タイタニック』を沈める」だもの(^_^;)。
 『タイタニック』が1年あまりで立てた記録を四ヶ月で更新、それは確かに事実だろうが、『もののけ』が『タイタニック』に抜かれてたことがそんなに悔しかったのかね。朝日、根は国粋主義なんだな。
 既に日本人の五人に一人が見ている計算になる『千と千尋』、多分、上映終了時には三人に一人が見ているくらいになってるんじゃないかと思われるが、ここまでヒットちゃうとオタク的には少しは反発したことも言いたくなってしまう。
 前記の「『ホルス』が」云々もそんな気持ちの表れの一つなんだが、それで新しいファンに嫌われたりでもしたら、オタク新世紀を担う新しい世代はいつまで経っても育たない。オタクなウンチクを披露したくなったり、「キミキミ、それは違うね」なんて指を立ててちっちっちとやってやりたくなるのをグッとこらえて、メルヘンでファンタジーなやりとりもしてみせねばならぬのである。
 だから「『千と千尋』のキャラの中で何が一番好きですかぁ?」なんてこと聞かれて、内心、アホかおどれらと思いながらも、「うーん、カオナシかな♪」「え? やっぱりそうですかぁ♪ 私もぉ♪」なんて、媚びに媚びたヤリトリもせねばならないのだ。
 マジで(←イントネーション尻上がり)。
 ほんなこつ、しろしかっちゃんねえ(´o`;)。

 話はちょっと変わるが、しげから聞いた話。
 ウチの劇団の某女性(特に名を秘す)の新恋人君が、どうもそういう「ちっちっち、違うね」君というか、典型的な「サロンのバカ」君らしいのだ。
 先日の練習に久しぶりに顔を見せた某嬢、彼氏を連れてきていたのだが、なんだか演劇にもいろいろ一家言を持っていたらしく、そのあたりのことを喋ったあと、「どこの劇団が好きなの?」としげに聞いたそうな。
 しげが「シティボーイズかな」と答えると、彼氏君、「シティボーイズは劇団じゃないよ」と言い返したとか。
 確かにしげの返答はピント外れで、シティボーイズは劇団ではなくてユニットと言うべきであろう。シティボーイズ単独のプロダクション、つまり「組織経営」が存在していない以上、彼らがラジカルガジベリビンバシステムだったころからそれは変わらない事実だ。しげを見てると私だってしょっちゅう「それは違うぞオイ」と言いたくなるので、その彼氏君がツッコミ入れたくなった気持ちも解らなくはない。
 しかしである。
 通常、「あなたはどこの劇団が好きか?」という質問の趣旨は「劇団」というカタチにあるのではなく、「どのような傾向の芝居が好きか」という内容の方にある。だから必ずしも適切な答え方でなくたって、相手の好みがわかるものであったからには、それにツッコミを入れるってのは野暮というものだ。つーか子供だがね。
 よしひと嬢がその某嬢とプライベートで会ってたときにも、その彼氏君はいきなりやってきて、何やらいろいろ口角泡を飛ばして喋ってったらしい。
 その彼氏君、某嬢の大学のセンパイだということだが、「あのキョージュとならオレ言い負かせるぜ」とかいうような意味のことを自慢げに言ってたとか。論争を勝ち負けで判断するやつにロクなやつはいないが、その彼氏、話を聞くかぎりではどうも「ハズレ」っぽい。
 某嬢の前の彼氏がとてもいいヒトだったので、反作用的にみんなから評判が悪くなってるのかなあ、とも思うが、某嬢の性格というか、オトコを見る目のなさを考えると、そういう「ハズレ」に引っかかっちゃった可能性も否定は出来ない。

 なんだか某嬢、私にも会いたがってたという話だが、もしかしたら、その彼氏君と私とを「対決」でもさせたかったのだろうか。
 そりゃ私も若い時はよ、青くせえSF論争だのミステリ論争だの散々やったがねえ、勝ち負けに拘るようなやつはもう高校のころを最後に卒業してるんだけどなあ。「それは違う」君に会ったら、もう論争にならないって解ってるし。
 相手との論争が、他人に見てもらって面白くなるという目算があるなら、不毛に見える言い合いも実は不毛ではない。それは一つのショーなんで、バカ話の応酬なんかはそういう性格のものだ。けれど、「相手を言い負かす」とか「自分の意見の正しさを証明しよう」なんてことしか考えてないやつが相手だと、論争を受けて立つ方も。それを見てる方もつまらないこと、この上ないのだ。
 仮にその彼氏君に会うことがあったとしても、私ゃ受け流すと思うがな。

 誤解が多分あろうから、ちょっと付け加えておくが、この日記でも映画やマンガや小説をいちいち俎上に上げては誉めたり貶したりしてるが、実は私は自分の意見に全く固執していない。当たり前の話だが、意見とか批評なんていうのはその作品の持っている情報をどう選択するかによっていくらでも変わる。更に言えば、「この作品はこう評価するのが正しい」と思いこんでる人間の気持ちを変えさせることはかなり難しいし、変えさせなきゃならない必然性もないのだ。
 だから、私がいくら「『ヒカ碁』はいいよ!」と力説しようとも、「ヒカルのメッシュがイヤ」という意見の持ち主に対しては何一つ言える言葉がないのだ。
 また逆に、「『ワンピース』は第一話で終わっている」という私の意見に対して、「『ワンピース』の真骨頂はアラバスタ編だ!」と反駁してくるヒトがいたとしたら、「それは違う」なんて言い返すつもりもない。
 ただ、相手がちゃんと「他人が見て楽しい論争をしよう」と考えていることが見えた場合は、「バロックワークスのキャラクター造型は確かに画期的だよねえ」とか言って論争に乗ったっていいのだ。
 要するに語り合うも争うも、結局ヒト次第ってことなのである。私が某巨大掲示板に一切書きこみをしないのもそういう理由であります(^^)。


 今日も残業、仕事は6時半過ぎまでかかる。
 おかげで迎えに来たしげ、「『テニプリ』が見れんやん」とブー垂れる。
 そんなに面白いかなあ、『テニプリ』。確かに笑えるところはあるけれど、キャラ造型もストーリー展開もなんかムリがあって、そんなに魅力感じないんだけどなあ。
 というか、最初から主人公が滅法強くて、他人をコバカにして相手の足元掬うようなパターンを作っちゃってるので、ドラマ的にはイジクリようがないのだ。これじゃ強い敵を出せないし、出してもキャラが崩れるからつまんなくなるのは眼に見えてる。「弱さ」のないキャラって、魅力が出ないのよ。
 「今から帰れば後半だけでも見られるじゃん」
 と言うと、「後半だけなんて、ははん」と鼻で笑われる。なんだよその「ははん」ってのは。
 『ヒカ碁』はしっかり録画予約してあるし、私は『テニプリ』は見れる時だけ見られればいいのだ。


 買い置きのトンとろを焼いて丼飯。塩胡椒が付いていたが、以前それで炒めたら辛過ぎたので、今日はただ炒めるだけ。
 以前から「うまいぞ」と言っても信用しなかったしげ、二、三切れ食って、やっと「コリコリしてうまい」と言う。
 けれど「でも油がちょっと多い」とやっぱり文句を言う。超偏食のクセして注文付けるんじゃないよ。


 TVQでアニメ『ヒカルの碁』第六局「美しい一局」。
 演出的に関心したのは、このままではトーナメントに勝ち進めないと感じたヒカルが「佐為、おまえが打て」と呟いた時、わざと口パクとアテレコをずらしたこと。その口パクがちゃんとそのセリフ通りに動いたと解るキメの細かい作画。
 ああ、こういう演出が頻繁に出てくればアニメの方も面白くなるのになあ。オーソドックスな演出と陳腐な演出は紙一重で、あまりに定番という印象が続くと、どんなに好きな原作のアニメ化でも、次の回を見たいという意欲が失せるものである。今のとこ、どうもヒカルと佐為の声に馴染めないので、ちょっと見ててもイマイチ高揚感がないのだが、そこいらを脚本と演出がカバーしてくれりゃあな、と思う。


 RKB毎日放送『オフレコ!』、ネットストーカーの特集。
 「迷惑メール」ってやたら騒いでるから一体どんなのかと思ったら、たいていはエロサイトの紹介メールが勝手に送りつけられてるのを言うみたいである。
 ウチにもそういうのがたまに来るが、「メイワク」とは感じなかったな。いや、利用させてもらったってわけじゃないけど(^.^)。
 「迷惑」とまで言ってるんだったら、何らかの「被害」がなくてはならないわけだけれど、さて、これが警察に訴えて取り締まれる程度のものなのかどうか。受信するだけで受信料がかかっちゃうんだったっけ。たいていは無料配送が多いんじゃな伊かと思うけれど、だとしたら物理的な被害がないから、「無視しなさい」ってコメントだけで終わっちゃうんじゃないかな。
 しかし驚いたのは、いったいどこから迷惑メールの送り手は個人のメールアドレスを探り出すのかと思ったら、コンピュータソフトが無作為に英語を並べ替えて勝手に配信してるだけなんだね。実在するアルファベットに偶然ぶち当たれば続々とメールを送れるわけで、だったらアドレス自体、個人情報を保護する方法としては基本的になんの効果もないってことになる。やっぱり無視して削除するしか対処法はないんじゃないか。
 そんなのより厄介なのはやっぱり「出会い系サイト」を通じて知り合った相手からストーカーされてしまうとかいう被害じゃないかな。しかし若いムスメがいとも簡単に出会い系サイトを利用するってのはいったいどういうわけなんだか。利用しなけりゃ被害にあうことだってそもそもないわけで、わざわざそんなとこを覗いてみるってのは、そうでもしなけりゃオトコと出会えないくらい飢えてるってことなのか。だったら被害に逢うのも自業自得ってもんである。

 私もネットで知り合った方々とのメールのやりとりが最近何件か重なったが、それが女性相手だったりすると、確かにどんな人かな、ということを想像したりはする(男ならせんのか)。
 でも実際に会ってみたいとは基本的に思わない。それを期待してやりとりしてるわけでもないし、ペンフレンドの昔から顔の見えない相手に対する想像というのは概ね実物よりもはるかに美化されているものだから、現実の私に会えば幻滅されるに決まっているのだ。
 まあ、夢は夢のままでいさせておいた方がいいかな程度の虚栄心は私にもあるので、ネット上でトシの2、3歳程度は若く誤魔化してもいいんじゃないかと思っている。実際にはしてないけど(^_^;)。


 TVQ『女と愛とミステリー 内田康夫サスペンス 死者の木霊』。
 内田康夫のミステリーは浅見光彦ものを10冊読んで飽きちゃったので、この“信濃のコロンボ”竹村警部シリーズはまだ一冊も読んだことがない。たしか以前は堺正章がこの竹村警部に扮してたはずだが、今回は中村梅雀にキャストを変えての新シリーズ開幕。さて、原作とのイメージはどちらがより近いのか。
 ミステリーとしての出来はたいしたことないので、もっぱらキャストの演技に注意がいくが、中村梅雀、声だけだと中村梅之助に驚くほど似てきた。翫右衛門・梅之助・梅雀と、よくもまあ、血が薄まりもせず受け継がれて来てるものだ。
 けれど芝居はどうも梅雀さん、今一ついただけない。気負いがあるのか、臭くて軽いので、人情味を出したいのかユーモラスにやりたいのか、どうも中途半端なのである。上司がまた里見浩太郎ときてるから、現代劇だってのにセリフに妙に「タメ」があって、自然な感じがしない。
 まあ、売れセンの役者使ってないし、一応スタッフはマジメにキャスティングしたんだろうけれど、ちょっとハズしてるかも感は拭えないのであった。

2000年11月14日(火) 年7回は風邪引いてるな、私/『まどろみ消去』(森博嗣)ほか



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藤原敬之(ふじわら・けいし)