無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2000年11月14日(火) 年7回は風邪引いてるな、私/『まどろみ消去』(森博嗣)ほか

 風邪がまたぶり返してきて、頭痛と咳が同時に襲ってくる。発熱と嘔吐がないだけまだマシだが、どうかするとフッと意識が飛ぶので仕事にならない。睡眠は充分取っているし、立ってる時にも眩暈がするので、確実に体調を崩しているのである。
 というわけで今日も早引け。金がないのでバスと地下鉄を乗り継いで帰るが、自転車で40分、タクシーで20分の距離が、山を迂回して1時間30分、800円もかかる。……これじゃバスカードにFカードも一週間と持たんな(^_^;)。

 溜まって行くばかりのビデオテープを整理しようと思い立つが、頭がふらついているので、2本ラベルを作っただけで終わる。手書きでやれば早く終わるんだが、下手にカシオのネームランドを買ってしまったがために、つい画面を取りこみデータを書きこみ字体を変えたりしてるもので、やたら手間がかかるようになってしまったのだ。おかげでラベルを作っている間はビデオがじっくり見られない……って本末転倒を絵に描いたようだ。

 病気でも本だけは読む。
 カラーマンガ、松本零士『ちいさなマキ』、新聞連載の単行本化で、コマを切り貼りしている上にストーリーも脈絡無く飛びまくる(松本零士はいつもそうだが)ので読みにくい。第一、主人公のマキが状況に流されるばかりで全く動かないのだ。でも、考えてみたら、この人の作品の面白さは、『男おいどん』にも見られる通り、大志はあるが何も出来ないダメ男(アンチヒーロー)が「今に見ていろ」と涙にくれる情けなさをリアルかつユーモラスに描けるところにあったのだ。実は純粋ヒーローを必要とするSFやファンタジー向きの人ではないのである。 
 森博嗣の短編集『まどろみ消去』、ここに至ってこの作者、本当は本格ミステリなんて書く気がないのだ、ということに気付く。「理系ミステリ」と言う惹句に今まで騙されていた。作中のトリックがチャチだったり机上の空論だったりしていたのは、ワザと狙ってやっていたのだ。「世の中に論理的に割り切れることなんて無い」……誰ぞと全く逆のことを言ってる感じだが、このシリーズ、一種の幻想小説として読んだほうが楽しめる。完全にミステリから離れた「心の法則」や「キシマ先生の静かな生活」は異端者の悲しみを淡々と描いた名編であろう。
 ……って、この文章、萩尾望都の解説にインスパイアされて書いてます。すみません(^_^;)。



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藤原敬之(ふじわら・けいし)