無責任賛歌
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|藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2005年01月17日(月) 十周年の、祈念の日に/マンガ『ラブやん』(田丸浩史)1巻ほか

 阪神・淡路大震災からちょうど10年。
 職場で、正午に黙祷を捧げるように指令が出る。去年はこういうのをやった記憶がないから、10周年だということでの特別措置なのだろう。次は20年後ということか。毎年やらないと意味がないような気もするが。ゲンバクだってハイセンだって、もう60年も経っちまえば夏が来ても巷で話題にすることは少なくなる。戦後生まれが戦前生まれの人口を上まった、と報道されたことすら遠い昔となり、歴史の記憶の風化はもはや止めようもない。
 それでも阪神・淡路大震災についてどうしても寂しく思いを馳せてしまうのには、理由が二つある。一つは震災で家をなくした人が福岡に引っ越してきて、知り合いになったこと。テレビを通してしか震災を見ていない私にとって、「家は震災でなくなりました」と言った時の彼女の凍りついたような表情が、唯一私が震災の恐怖を肌で感じたように思えた瞬間であった。
 もう一つはちょうど10年前、母が死んだことだ。1995年という年は一年中、世の中に暗いイメージが蔓延していた。あの時の母は、大阪に親戚や友人がいたこともあって、無事を確認するまでかなり心に疲労を感じていたようだ。震災のほかにも、オウム真理教事件が起きたのがこの年だった。ジャイアンツファンの母にとっては原辰徳の引退も大ショックだったろう。そういった出来事の数々が心労となり積もり積もって、母の命を短くしたようにも思う。未来への希望が見えない時代にいきなり行ってしまった母のことを思うと、私は何度も暗澹たる気分にさせられたものだったが、その後の10年の更に暗い歴史を思うと、あのときこの世を去った母はまだ幸せだったのかもしれないとすら感じてしまう。阪神大震災の教訓は、今、新潟中越地震では生かされているのかどうか。
 テレビの特集記事で、「震災はまだ終わっていない」と呟くご老人の姿や、復興はしたものの客足が2割も減ってしまった商店街、再開発された街の陰で未だに空地のままになっている土地などが映し出されている。今はまだあれから10年、災害の爪あとは具体的な形であちこちに残っているし、こういう番組を通してあの時の記憶が反復されてもいる。震災を経験しなかった人々の心にも、震災の後に生まれてきた子供たちにも、何か響くものはあるだろう。しかし、更に10年を経過したらどうなるか。
 10年が経ち、1億の日本人がその時の記憶を忘れ、更に10年の後には、今の記憶もまた忘却の彼方に消えて行く。それは避けられないことではある。しかし、ほんのひと握りの人々が、10年前の、20年前の記憶を一生忘れずに受け継いでいくことも確かだと思う。仮にあの空地に再び建物が建って、100人中99人が、そこがなんの土地だったか忘れてしまうようになったとしても、あとの一人がそこに立って、「ああ、ここはあのときの……」と、過去の幻を見出すことだろう。歴史とは、実はそういう「たった1人」によってのみ、語り継がれていくものなのである。

 しげが「そういえば」と言った。
 「10年前は○○さんとまだ付き合いがあったね(○○さんというのは、例の中傷葉書ばら撒きのホモオタさんのことである)」
 「もう、そんなになるかな」
 「阪神大震災の時、○○さん、『大阪人は行いが悪いから天罰が当たったんだ』と言ってたの思い出したよ」
 「そんなこと言ってたか。……そのころからイカレてたんだなあ」
 言われて私も思い出したが、ホモオタさんは、あちこちで地震、台風などの災害があるたびに「天罰だ」と言い、その災害は「自分が起こした」と嘯いていたのである。他人を恨むあまり、自分を神のように優れた特殊な存在だと思いこむことでしか、精神を保てなくなっていたのだろう。
 先月もホモオタさんは中傷メールをバラ撒いて、何やら注意を受けたような話である。注意だけかい(-_-;)。
 イカレてるだけじゃなくて犯罪スレスレの行為を行っている人間だと会社も承知しているはずなのに、大っぴらに処分することもできずに大事に大事に飼っているんだから、世の中やっぱりどんどん悪くなっているのである。


 マンガ、田丸浩史『ラブやん』1巻。
 しげが古本屋で買って来たので読む。「前々から買おうかどうか迷ってた」そうだが、私も買おうかどうか迷ってたのである。買って正解。こういう下品で下らないだけのマンガは大好きだ。ジャンプ系の人気マンガとかね、ガロ系のゲージツマンガとかね、まあそういうのばかりじゃなくてひたすらアホなだけのマンガというものもないと、マンガの裾野は広がっていかないのよ。ストーリー解説もこんなのなら簡単にできる。
 「キューピットの『ラブやん』は、カズフサくん(恋人ナシ暦25年)の片想いを成就させようとやって来ましたが、彼はオタクでロリでプーだったのでムリでした(てへ)」。
 天使が来るとなりゃあ、ヒロインたるその天使とイチャツクのが常道だろうに、主役をロリにしたところが秀逸。天使に目もくれずに小学生一直線のカズフサくん、まあ今時の風潮考えたら、こんなアブナい主人公いつ打ち切りにあってもおかしかないが(路上でチン○ほっくり出してんじゃねえよ)、マンガなんだから、そのスジの方は目くじら立てないでいただきたいものである。


 『テアトロ』2月号、巻頭の「今月のベストスリー」に、舞台『ピローマン』(出演 高橋克実、山崎一、中山祐一朗、近藤芳正/作 マーティン・マクドナー/演出 長塚圭史)の江原吉博氏による批評が掲載されていて、これがもう手放しの大絶賛である。
 私もしげも先々月に福岡公演を見ていて、「これぞ演劇!」と大感動したのだったが、映画にしろ舞台にしろ、見る人によって評価は変わるものだから、自分たちが見て面白いと思っていても、それが劇評でケチョンケチョンに貶されていると(それが必ずしも的外れなものでなければ)、やはり「自分の見方もまだまだだなあ」としょげてしまうのである。
 逆に、「そう、そこなんだよ!」というところを誉めてあると、これはもう同士を得たようなものである。

〉「作家は、智恵遅れの兄から殺人事件は自分の作品を真似てやったことと告白され、せびるその兄に童話を語って寝かしつけた後、顔に枕を押し付けて窒息死させ、すべての殺人は自分の仕業だと刑事に申し出る。兄が犯人と知ってから作家が兄に聞かせる童話の語り聞かせは客席に染み入るようだ。作家役の高橋克実と知恵遅れの兄を演じる山崎一の意気がぴったりあっている」(原文ママ)

 そうなんだよ、客席に染み入ってたんだよ! と、ひと月半前の記憶が鮮明に蘇える。『ピローマン』は昨年見た演劇のベストワンであり、これまで見た演劇の中でも上位に位置するほどの素晴らしさだった。あまりに感動したために、劇中劇である童話をワープロで打ち直して、職場の若い子たちに「これ読んでよ」とムリヤリ読ませてしまったくらいである(^_^;)。しげなどは、出演者の近藤芳正さんのホームページのBBSに感動の書き込みまでしてしまった。我々の有頂天ぶりがどれくらいのものか、お分かり頂けるだろうか。
 なんにせよ、こういう素晴らしい芝居を今年も何本見られるか、丹念にチェックしないと、最近はいい芝居はチケットが完売するのが早くて、見逃してしまうことも多いのである。ケラリーノ・サンドロビッチさんの『消失』も、蜷川幸雄の『ロミオとジュリエット』も北九州公演、チケット取れなかったものなあ(+_;)。


 第62回ゴールデン・グローブ賞の授賞式が16日開催され、各賞が発表された。
 アカデミー賞の前哨戦、あるいはアカデミー賞よりも実質的な価値があると評価する向きも多いGG賞であるから、興味は津々なのであるが、残念ながら殆どが日本では公開待ち、あるいは未公開である。

 ◆映画ドラマ部門
  ■作品賞 「アビエイター」("The Aviator")
  ■主演男優賞 レオナルド・ディカプリオ(「アビエイター」)
  ■主演女優賞 ヒラリー・スワンク("Million Dollar Baby")
 ◆映画ミュージカル・コメディ部門
  ■作品賞 "Sideways"
  ■主演男優賞 ジェイミー・フォックス(「レイ」)
  ■主演女優賞 アネット・ベニング("Being Julia")
 ◆共通
  ■監督賞 クリント・イーストウッド("Million Dollar Baby")
  ■脚本賞 アレキサンダー・ペイン、ジム・テイラー("Sideways")
  ■助演男優賞 クライヴ・オーウェン("Closer")
  ■助演女優賞 ナタリー・ポートマン("Closer")
  ■作曲賞 ハワード・ショア(「アビエイター」)
  ■主題歌賞 "Old Habits Die Hard" / ミック・ジャガー、デヴィッド・A・スチュワート("Alfie")
  ■外国語映画賞 「海を飛ぶ夢」("The Sea Inside")
 ◆テレビドラマシリーズ部門
  ■作品賞 "Nip/Tuck"(2003年-)
  ■主演男優賞 イアン・マクシェイン("Deadwood",2004年-)
  ■主演女優賞 マリスカ・ハージティ("Law & Order: Special Victims Unit",1999年-)
 ◆ミュージカル・コメディシリーズ部門
  ■作品賞 "Desperate Housewives"(2004年-)
  ■主演男優賞 ジェイソン・ベイトマン("Arrested Development",2003年-)
  ■主演女優賞 テリー・ハッチャー("Desperate Housewives",2004年-)
 ◆ミニシリーズ・TV映画部門
  ■作品賞 「ライフ・イズ・コメディ! ピーター・セラーズの愛し方」("The Life and Death of Peter Sellers")
  ■主演男優賞 ジェフリー・ラッシュ(「ライフ・イズ・コメディ!」)
  ■主演女優賞 グレン・クローズ("The Lion in Winter")
  ■助演男優賞 ウィリアム・シャトナー("Boston Legal")
  ■助演女優賞 アンジェリカ・ヒューストン("Iron Jawed Angels")

 下馬評通り、『アビエイター』の評価が高い。ヘタに『タイタニック』なんぞに出たために、ミーハーなバカ女のファンがついて、役者としてはかえって損してしまったディカプリオだけれども、この人の演技力が並々ならないことは『ギルバート・グレイプ』のころからご覧になっていれば、納得できることである。言わばディカプリオは“ようやく”本来の評価を取り戻した形になったわけで、『アビエイター』を見るのが楽しみになってきた。
 このリスト見て初めて知ったけど、日本では劇場公開予定の『ライフ・イズ・コメディ! ピーター・セラーズの愛し方』、もともとテレビ映画だったんだね。東京じゃもう公開ずみらしいけれど、福岡にはまだ来てない。つか来るのか。これを見ずしてどうしてセラーズファンが名乗れようかってなくらいに期待してるんだけどなあ。
 さて、これでアカデミー賞の方は概ね『アビエイター』『Million Dollar Baby』『Sideways』の3本に絞られた形になったわけだけれども、勝手な想像ながら『Million Dollar Baby』に票が集まるんじゃないかな。『アビエイター』がGGを取ったことで、差異化を図ろうとする会員もいるだろうし、何より昨年、クリント・イーストウッド監督には『ミスティック・リバー』に賞を与え損なった経緯があるからね。もちろんこれは映画本編を全く見てない憶測なので、アテにしたりしないように。

2003年01月17日(金) 言語作用としての2ちゃんジャーゴン/『POPEE THE PERFORMER ポピー ザ ぱフォーマー』(増田龍治・増田若子)ほか
2002年01月17日(木) 部屋の中を歩けるようになったよん(それが普通だってば)/アニメ『七人のナナ』第2話/『クレヨンしんちゃん』31巻(臼井儀人)ほか
2001年01月17日(水) 雪が溶けて川になって流れていきます/『これから』(夏目房之介)ほか


2005年01月16日(日) まだ匂う(^_^;)/マンガ『名探偵コナン』(青山剛昌)48巻ほか

 一月も半ばを過ぎたというのに、今年は封切映画を1本も見に行っていない。
 まあ、今年に入って既にテレビやDVDでもう50本くらいは映画を見ているから、「映画が見たい〜!」と叫び出したくなるほどの飢餓感はないのだけれども、封切映画はやはり劇場で見ないと落ちつかない。『カンフーハッスル』も『ネバーランド』も『五線譜のラブレター』も『約三十の嘘』も見損なってるってのに。
 今日こそは映画に行こうと思っていたのだが、結局、やっぱりしげが「具合が悪い」と言うので行けず。しげのココロとカラダのバランス、まだうまく取れてないのである。しげの仕事の方はどうやら細々ながらも続けていくことになったようだけれど、辞めずにホッとした気持ちと、続けなきゃならないのかとストレスを感じてる気持ちと、内心の葛藤があるようである。
 ムダな悩みばっか抱えてるなあと感じるのは、端から見れば傲慢で思いやりがない、と叱られそうだけれど、自分でコントロールできないものを外からやいのやいのいってもどうにもなりゃせんのだな。

 朝方はムリでも、夕方くらいから外出できないかと考えていたのだが、今度は私の方が具合が悪くなった。
 昨年の脱糞事件以来、我が家にはそこはかとない香りが未だに一部で漂っているのだが(-_-;)、それにやられたらしく、頭痛が激しくなる(いや、普段はちゃんと「匂いのモト」は遮断してんだけど、時々「洩れる」のよ)。
 実を言うと、もう3週間くらい、血便も止まらないのだ。医者に行けよとまたみんなから言われそうだけれど、二月の末に芝居を見に上京する予定なので、今入院するわけにはいかないのである。それに原因が職場のストレスだってのは解ってるから、元凶のアノヒトがどうにかならんことには入院したって元の黙阿弥になるのは目に見えてるもんね。
 だもんで、今日も映画は取り止め。DVD見たりテレビ見たり本読んだりで過ごす。


 NHKで『名探偵ポワロとマープル/パディントン発4時50分�◆戞�
 アニメオリジナルキャラのメイベルが、原作のルーシーと入れ替わっているのはコミック版と同じ。この改変を許せないとお感じの視聴者もいらっしゃるようだが、そんなのは瑣末的な問題に過ぎないんで、ミステリーとしてもアニメとしてもタル過ぎることの方が問題なのである。死体が見つかって容疑者勢ぞろいの回だけれど、キャラクターに魅力のないことと言ったらねえ。犯人の迷彩にもなんにもなりゃせんがな。

 NHK大河ドラマ『義経』第二回。
 脚本は第1回にもまして陳腐、これならまだ時代考証無視をハナから決めこんでた『新選組!』のほうがマシだったぞ。
 平時子の松坂慶子ってのはどうなるかなあと危惧してたのだけれど、案の定の大根演技。この人くらい役の幅の狭い人はいなくて、蓮っ葉なねーちゃんかおばさん以外はまるで似合わない。口跡がはっきりしているのがかえって仇になっていて、どうにも演技演技して見えるのである。今回も夫・清盛が源氏の女にウツツを抜かしていることに嫉妬して激怒するという役どころだけれど、自分の身分すら忘れて憤怒に身もだえする演技には程遠い取り澄ました猿芝居。これでは清盛が常盤を手放す気になった心理的葛藤があったようにはとても見えない。「オレのすることに口を出すな!」で終われそうなもんじゃん。前回と言い、清盛を女の情にすぐ動揺し流される人物として描くんじゃ、渡哲也を起用した意味がないでしょうよ。
 とりあえずあと何回かは続けて見てみようと思うけれど、そのあとはどうしましょうかね。CSで今『太平記』を再放送してるけれど、こっちのほうがよっぽど画面に緊張感があって面白いぞ。


 マンガ、青山剛昌『名探偵コナン』48巻。
 もうすぐ50巻か。『少年サンデー』連載作品としてはもちろんダントツの巻数なんだけれど、そんなに続いてるって感じがしないのは、未だに内容が新鮮なせいか(皮肉だ)。
 今回も「ミステリーでこれはやっちゃいけない」ネタが満載で、どこから突っ込んでいいものやら。『コナン』に関してはネタバラシはしても構わないと思ってるので言うけどさ、「死んだと思っていた男が実は生きていて、ずっと屋敷に潜んで暮していた」「犯人は双子で、そっくりな弟と時々入れ替わっていた」ってよう、私ゃ目が点になってアゴが外れて椅子からずり落ちて屁こいてクック・ロビン音頭踊っちゃいましたよ(懐かしいね)。なんでこのネタやっちゃいけないのか(ドラマ『トリック』ですら「やっちゃいけない」と言ってたくらいだぞ)よくわかんない人は、そもそもミステリーを楽しむ資格のない人だから、好きなだけ「コナンくん萌え〜」しちゃっててください。
 まあこういう最低のアホトリックを堂々と使ってるくらいだから、それだけネタに詰まってるってことなんだよね。もう50巻の区切りいいところで終わったらどうだろうかね。

2003年01月16日(木) 階段の怪談……f(^_^; スンマセン/『自殺』(柳美里)ほか
2002年01月16日(水) どんぶりめしがいっぱい/『パワーパフガールズ<DCコミックス版>』1巻(クレイグ・マクラッケン)ほか
2001年01月16日(火) 雪の白樺並木、夕日が映える/『風の歌うたい』(吉田秋生)


2005年01月15日(土) 意見の違いはあるものだけど/マンガ『隠密剣士』(かわのいちろう)3巻ほか

 休日なので映画に行くつもりだったが、いつものようにしげが愚図る。
 今日、夕方からラクーンドッグさんの練習に参加するので、朝から映画はキツイ、というのである。まあ、明日も休みだし、今日慌てて出かける必要もないかと、私は私で一日ゆっくり過ごすことにする。
 亀の水槽、芝居の公演やら体調不良やらいろいろあって、実はひと月くらい放置していた。さすがに水が半透明になり、亀がちょっと泳いだだけでフンが巻き起こるようになっていたので、風呂場に持っていってともかく思いきり洗う。なんとポンプの中のフィルターが、ゴミを吸い過ぎて溶けてしまっていた。こういう汚い水の中でも、玄武と竜宮、兵器の平左で暮していたのだから、かなり厳しい環境でも亀たちは生きていけるものなのだろう。捨てられた亀たちが生態系を破壊するはずである。
 玄武も竜宮もかなり大きくなって来た。玄武に比べて育ちの遅かった竜宮も、まあまあ見劣りがしないほどには大きくなった。水槽が狭苦しく感じ始めたので、水を余計に入れる。背伸びをしたりバタバタ泳がないと息が吸えないが、こうしないと筋肉が弱って岩場にも上がれなくなりそうなのである。


 DVDの修理にソニーの人が訪問。でも結局この場で修理することはできず、持ち帰りとなった。一週間はかかるそうで、その間、番組録画は不可能である。これ、以前もDVD食っちゃったことあったんだけど、そもそも欠陥商品なんじゃないかなあ。
 DVDデッキを取り外したまま、アンテナを接続せずに帰ろうとされたので、「コードの接続までお願いします」と頼む。こういうのはこちらから言うものじゃないと思うんだけど。

 DVDで『ナイル殺人事件』『クリスタル殺人事件』、続けて見る。何度も見た映画だけれども、定期的に見返したくなるのである。クリスティーの映像化作品で一番好きなのは『オリエント急行殺人事件』だけれど、これがなぜかまだDVDになっていない(LDは買ったが)。まあ代用品ということで『地中海殺人事件』も含めてよく見返してるんだけれど、『オリエント』に比べるとどうしても出来が落ちるんだよねえ。
 『クリスタル』を見ていたら、エリザベス・テーラーが劇中劇で演じる女王の相手役で、五代目OO7のピアース・ブロスナンが出ていた。劇場公開時は気付かなかったが、『レミントン・スティール』で売り出す以前、ノン・クレジットでの出演じゃあ、無理もない。ファンの間では有名だったようだが。


 マンガ、かわのいちろう『隠密剣士』3巻。
 「甲賀五忍衆の章」最終話及び、「風摩一族の章」序章を収録。
 江戸城宝蔵から北条家の秘宝“風雷”の鏡が奪われる。それは二百年前、徳川家康によって滅ぼされた風摩一族が復活し、幕府転覆を狙って、隠された軍資金の探索に乗りだしたのであった。老中松平定信は、早速隠密剣士・秋草新太郎に使命を下すが、そこへ忽然と現れたのが、関節、筋肉を自在に収縮させ、変身する能力を持った風摩一族の頭領・十代目風摩小太郎であった……。

 若い人にはもうわかんないだろうけれど、これ、昔、超人気番組だったテレビシリーズのコミカライズなんですね。主演は『月光仮面』も演じていた大瀬康一。
 「霧の遁兵衛」が演者であった牧冬吉さんそっくりに描かれてあったので、「風摩小太郎」も天津敏さんそっくりに描いてくれるかと思ったらそうはならなかった。もう昔見たっきりなので、風摩小太郎がどんな設定だったか忘れてるけど、ここまでバケモノめいた能力は持ってなかったような。マンガとしては面白いんだけど、天津敏ファンとしては、もうちょっとリアルにしてほしかったかな。
 天津敏について詳しく知りたい人は、マンガ家中田雅喜さんのホームページを参照あれ。もうすぐ「天津敏本」も出されるようです。
http://homepage1.nifty.com/bikenshi/niosibikenshi.html


 古舘伊知郎司会の『おしゃれカンケイ』が3月いっぱいで終了とか。
 時々見る程度ではあったが、昔から古館さんの“芸としての”トークが好きだったので、これがなくなっちゃうともうライブ以外に見るものがなくなってしまうのである。放送開始からほぼ10年が経っているので、区切りがいいと言えば言えるのだけれど、理由はやっぱり「『報道ステーション』に専念するため」なのだろうなあ。あれの古館さんは操り人形のようで全然好きになれないのだが。やっぱサンライズ新聞に洗脳されてるのかな(+_+)。
 古館さん自身がどんな思想の持ち主であろうと、私ゃあの人の「話芸」が好きなのだから「それはそれ」でこれまでは気にしないでいられていたのだが、その活動を『報道ステーション』1本に絞ってしまうというのは芸能人としてはどうなんだろうね。だって、『報ステ』だって永久に続くわけではないでしょうに。10年後か20年後か、『報ステ』が終わったあと、古館さんがまた「こちらがわ」に戻ってきてくれるのか、それが心配なのである。
 せめて年1回やってたトークライブは続けてほしいんだけど。それも政治色の濃い喋りになっちゃったら悲しいなあ。


 ネットを散策していたら、『はれときどきぶた』の矢玉四郎氏が、『Mr.インクレディブル』をケチョンケチョンに貶していた。「日本人は米国の陰謀に完全にはまっている」とまで言い切っているのだから、相当な怒りようである。でもその批判の仕方がどうも難癖に近いのが気になってしまう。

> まず、構想は「スパイキッズ」のパクリ。父母姉弟のスパイ一家を、ヒーロー一家にしただけ。

 「親の危難を子供が助ける」パターンは別に『スパイキッズ』が元祖というわけではない。ちょうどCSで『タイムボカン』の再放送やってるけど、これもそのパターンだしなあ。これをパクリと言い出したら、映画に子供を出すことすらできなくなる。第一、『インクレ』の主役はあくまで父さんの方なんで、子供たちは『スパイキッズ』ほどには活躍してないんだが。
 『ウエスト・サイド物語』を『ロミオとジュリエット』のパクリと言えるかどうか。『用心棒』を『赤い収穫』のパクリと言えるかどうか。「本歌取り」と「剽窃」をいっしょくたにしちゃいかんという問題もここにはある。

> 敵の武器として丸い鉄の固まりが出てでてくるが、例えば「ロボコップ」を見たひとには、間抜けな鉄くずにしか見えない。何の目新しい工夫もない。ユーモアもスパイキッズのほうがはるかに上。

 『ロボコップ』の敵ロボットは階段も降りられない鉄クズだったけどなあ(^_^;)。いったい両者の何をどう比較してるのかが、よく分からない。外見上のデザインのことを言ってるのかなあ? そもそもモデルアニメーションとCGアニメーションのデザインを単純比較するのはどうかと思うよ。CGの場合、単純明快なデザインにした方が動かしやすいからこそあんな球形のデザインにしたんだと思うけど。
 それに、敵が「マヌケな鉄クズ」だからこそヒーローが倒す醍醐味があるんで、逆にかっこいいロボットにしちゃマズイでしょ。『ガンダム』のザクやらグフだって、『キャシャーン』のツメロボだって、敵ロボットはたいていずんぐりむっくりしてるもんだけどね。ユーモアに関しては『スパイキッズ』のどこがどう上なのか、説明が何もないから判断のしようもない。主観だけでもの言ってないか? 矢玉さん。

> しかも、ヒーローが壊した物は国が弁償するなどと、いかにも米国、そのオヤジキャラも薄汚い。全体に米国の宣伝。ヒーローをブッシュに、敵方をイラクにおきかえると、実にわかりやすい。ブッシュにごますりの主人公も頭悪そうな映画。

 ブラッド・バード監督が「ベトナム戦争以前のアメリカ」(アメリカの正義が正義として信じられていた頃のアメリカ)にノスタルジーを感じているのは前作『アイアン・ジャイアント』で既に判明している事実。これを現在のブッシュに単純に重ね合わせることはできない。どちらかといえば、「今のアメリカはどうして昔のような『正義』を信じられなくなったのか?」と問いかけている部分の方が大きいだろう。つまり、「昔のアメリカは清く正しい「正義」を行っていたが、今の『正義』はニセモノだ」と感じているということである。バード監督に問題があるとすれば、まさにそういう「勘違い」にあるのであって、結局世の中をよくしていくものは「正義」しかないという「観念」に拘ってしまっている点だ。
 だから、「『正義』は常に為政者によって都合よく解釈されるもので、それで世の中が善くなるわけではない」「アメリカにそもそも正義なんてものがあったのか」などと批判することはできるのだが、そうであれば、これはバード監督の作品だけの問題ではなくなる。その場合、『スーパーマン』も『スパイダーマン』も全てのアメリカ製ヒーローを否定しなければ筋は通らない。それこそ『スパイキッズ』だって「アメリカの正義」を体現しているのである。翻って、日本のヒーローものだって、日本人の観念としての正義を体現しているのだから、「日本の宣伝」で、誰ぞにゴマすってることになりゃしないか。でもそんな批判の仕方は、黒澤明の『七人の侍』を「再軍備映画」と批判し、『用心棒』を「荒唐無稽なヒーローものに堕した」と批判した映画ヒョーロンカと同じく、ただの難癖である。
 私は、『Mr.インクレディブル』は、『アイアン・ジャイアント』に比べて、かなり普遍的に面白くなっていると思う。前作では、「要らなくなった兵器」であるアイアン・ジャイアントについて、「では、『兵器』はなぜ生み出されなければならなかったのか?」「『戦後』も兵器は必要ではないのか?」と監督が考えたのか、兵器の存在自体をジャイアントに「自己犠牲」させることで無批判に肯定している部分があって、それゆえに今一つ好きになれなかった。けれど、今回の『Mr.インクレディブル』では、そこに一定の「抑制」がかかっている。ヒーローたちの超能力は「諸刃の剣」であって、人を助けもするが、傷つけもする。どちらかと言うと超能力の「危険性」の方が強調されているからこそ、事件が終わったあと、彼らはまた日常に戻り、長男はかけっこでもその力を発揮させないのである。これを、口ではイラクに政権を渡すと言いつつ、実質的に占領統治を続けているブッシュと重ね合わせるのはチト無理があるのではないか。

> もっとヨーロッパ、中南米、中国、アジア映画を。韓国映画を見ることをおすすめする。創作者としての勢いがある。

 「アメリカ映画だけを見るな」というのはその通りではあるけれど、別に創作者としての勢いがあるかないかということではなくて、作品を評価するのに偏向しちゃいかんということだからね。矢玉さんの言い方だと、久米田康治が聞いたら「上に立ったモノイイ」ってからかいそうだなあ(^o^)。「日本人がなくした魂がある」的な言い方だものなあ。
 矢玉さんの作品は好きなんだけれども、こういうコリクツで映画を見てほしくはないね。ちょっとばかしガックリである。

2003年01月15日(水) アレももう幻の名作/『ふたつのスピカ』3巻(柳沼行)/『定廻り同心 最後の謎解き』(笹沢左保)
2002年01月15日(火) チュパカブラってなんだよ/『機動戦士ガンダム ジ・オリジン ―激闘編― SECTION �機伸供�
2001年01月15日(月) 雪は降る、貴女は来ない/『ウルトラマン対仮面ライダー』(池田憲章・高橋信之)



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