無責任賛歌
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| 2001年01月17日(水) |
雪が溶けて川になって流れていきます/『これから』(夏目房之介)ほか |
タイトルの雪ネタはこれで終わり。
読書補遺。 マンガ、安田弘之『ショムニ』(文庫)全3巻、実は江角マキコ主演のテレビ番組の方は殆ど見ていない。高橋由美子の「未来が見えます!」とか言ってたか、キレた演技は記憶のスミに残ってるが。 こういう組織の中の「ハミダシ者」ネタは映画『独立愚連隊』から『パトレイバー』に至るまで、エンタテインメントのツボを抑えた設定なので、ある程度は必ず面白くなる。 問題はその組織に集うキャラクターをどこまで個性的にできるかということだ。が、3巻Part2に至って、その方向への展開を作者は放棄してしまったようだ。それはそれで定型に収まりたくない作者の自由だから構わんのだが、定型の中でどこまで楽しませてくれるか期待していた向きにはこの完結のし方は不満だろう。 でもカナさんはやっぱりいいな。「眼で魅いて、胸でつかんで尻にしく、身の程知らずの虫はおあづけ」女はこうでなくちゃな。テレビじゃ櫻井淳子が演じてたって?(・・;) マンガ、高橋留美子『うる星やつら・おみくじこわい』、単行本持ってるけど作者のインタビューが載ってるので買い直し。しかし高橋さんも老けた。私より年上だから当たり前だけど。 世間がガンダムだナウシカだと言ってた頃、一番ハマってたのが『うる星』だった、というのはやっぱり、私が根っからギャグ者だったってことなんだろうな。
山を越えたらまだ雪が残っている。ある程度積もっていればそれなりの風情もあるが、地面のデコボコや植木のスキマにかろうじて残っている白茶けた氷の固まりは既にただのゴミである。職場の若い衆が庭を掃いている様子を見ていると、何となく寂寥感を覚える。 みんなから昨日はどうやって職場に来たのかと聞かれるので、「歩いてきた」と答えると驚かれる。でも車も通れず自転車も滑って転倒しかねんとなれば、歩く以外に方法はないがな。もっとも歩いていても何度か滑ってコケかけたが。
なんだか今日はやたらと若い子から変な質問を受ける。 「(自分が)汚い人間だって自覚ありますか?」 どういう脈絡だったかは忘れたが、世間話の中でこんな風に聞かれた。身もフタもねえ質問してきやがると思いつつもさらりと「あるよ」と言うとまた驚かれる。 「俺がこの仕事ついてるのは合法的に詐欺ができるからだよ」と言うと笑われちまった。まあ、私の仕事を知っていれば、納得して首肯される方もあろう。もともとこの世の職業の殆どが法律下で保護された詐欺みたいなもんだと思うが。 「ウチに遊びに行っていいですか?」と聞かれたので「いいよ」と言うとまたまた驚かれる。だからなんでそういちいち驚く? 遊びに来るというよりは女房を見てみたいらしい。こないだいいトシしてトラの帽子被ってることも話ししたりしたからなあ。動物園の動物を見てみたい感覚なのであろう。
職場でまた変な噂が流れた。私が女性二人をはべらして博多駅で豪遊していたと言うのである。ハンナ・バーベラのケンケンのトレーナーを着ていたというから、私に間違いないのだが(^_^;)、「女性二人をはべらして」って誰と誰だ。そんないい目にあった覚えはないぞ。大体「ケンケン」着て女誘うやつがいるのか。……オタクにはいるか。 多分、こないだ『独立』を見に行ったとき女房とよしひと嬢が一緒だったからその様子を誰かに見られたんだろうが、既に大分噂に「尾鰭」がついている。そのうち背鰭に胸鰭、コバンザメまでついてくることであろう。次にどんな噂になってるか、楽しみだ(^o^)。
ビートたけし『初級人間学講座� 〇�事問題講義 偽善の爆発』、仕事の合間に読む。ビートたけしのこの手の「時事放談」は居酒屋のおっちゃんのクダマキをそのまま文章化したようなものだから、ギャグとしてはレベルが低い(レベルが高いと弾圧受けるからね)が、それをとやかく言っても仕方がない。むしろたけしの「処世術」に感心してしまう。 以前、たけしの発言について「女性差別的」と女性団体が抗議したことがあったが、特にたけしが謝罪するわけでもなく、ウヤムヤに終わってしまった。たけしの毒抜きされた「軽さ」が、たかがギャグの一つや二つに目くじら立てんでも、という雰囲気を世間に作りだし、団体もそれ以上責任を追求できなくなったのだろう。 「日本は軍隊を持て」という発言も時代の変化もあろうが、今や咎められもしない。昔、横山やすしが同じこと言ったときには散々マスコミが叩いたくせに。 でも軍隊持ったって、人間が使いものにならなきゃ話にならんけどな。
夏目房之介『これから 五○代の居場所』読む。 夏目さんより10歳以上若い私が「じじいになること」について語るのもおこがましいが、夏目さんといい、ビートたけしさん(この人にさん付けは似合わんが並べた片方に付けんのも変だ)といい、東京人というのはどうしてこうも「偏屈じじい」になることを憧れとするのであろうか。ボケ老人になって周囲をハラハラさせたい、という願望すらある。 私なんぞはまだまだ修業が足りないので、ボケてヘンなことを言ったり行動を取ったりするのが怖かったりする。今だって職場で居眠りして起き抜けに「あちゃらかぱー」とか言い出さないか心配してるのに。
帰宅すると女房は寝ている。せっかくコンビニに寄っておでんを買って来てやったというのに。 最近のセブンイレブンのおでんは具が豊富になっていてお気に入りである。以前はスジさえ買って置けば女房は際限なく食っていたが、ハンバーグや牛肉まであるのだ。肉一筋の女房には堪るまい。 女房、匂いで起きてくるかと思ったが布団にくるまったままである。ただ「メシ食うか?」の問いかけにだけは反応して「食う、食う」と寝言を言っている。四六時中モノ食ってるやつだが、やはり寝てても食ってる夢を見ているのであろう。
先週から始まったテレビQのアニメ、『パワーパフガールズ』が面白い。 OPから、マザーグース「女の子ってなんでできてる?」のパロディだが、確かに今時の女の子はいろんなものでできてそうである。 今回のエピソードは、「アメーバーブラザーズ」というチンケな悪党三人組がデカイ悪さをして正義の味方、パワーパフガールズに相手をしてもらおうと悪戦苦闘する話。でもやることといったら、道路にゴミを落としたり、公園の芝生に入ったりするだけ。 こういう悪さをしようとしてもできない悪党、というギャグは伝統的なもので、米映画にも『三悪人』『三人の名付親』『俺たちは天使じゃない』などたくさんある。黒澤明の『隠し砦の三悪人』もその系列に入ろうし、『網走番外地』にも、ム所の連中がチンケな悪事ばかり披露して、最後に嵐寛寿郎が「へいちょっとコロシを」といって、小悪党どもがビビる、というギャグがあった。マンガでは鳥山明が「どうだハナクソ付けてやったぜい!」とかやってたギャグが一番近いか。さてはスタッフ、鳥山アニメを見てるな? アメーバだから単細胞、という意味も掛けてるんだろうな。こういう「ルーティーンギャグ」は決して手抜きではなく、基本のなぞりなのである。これは子供向け無害アニメに見せかけつつ、コメディマニア垂涎のギャグ満載アニメであった。こんなんが民放で見られるたあ、いい時代になったもんだ。 あ、これアチラ製のアニメなんだが、ナレーションの小堺一機、明らかに『トムとジェリー』の谷幹一のセンを狙っている。いやあ、気が入ってるなあ。
『ワンピース』、オリジナルエピソード。設定的には相当無理があるが、原作も既に無理のある設定になっているので、原作を貶めているとは言い難い。まあ矢島さんが声アテてるし続けて見ようっと。
岡田斗司夫さんの「新オタク日記」が最近ハイペースで更新されている。立教大学での講義が学生に大ウケのようでメデタイ。 「創造性は必ずしも人を幸せにしない」「ものを作る動機は『不安』である」なんて、誰でも考えてるもんだと思ってたがなあ。今時の学生はそんなことも考えずに生きて来たのかと思うと、そっちの方が不安だな。 大体大した人生経験もない教師や親から「個性がない」と言われた程度で劣等感に苛まれているというのが情けない。だから「個性がない」と言われるのだ、ってこれじゃ堂々巡りだな。 でも岡田さんから見て若い人たちがみんな既成概念の範疇内でしか行動できないようにしか見えないのは仕方ないのではなかろうか。大抵の人間は変化とか進歩を嫌い、単調で平凡な日常と安定を求めるものだからである。 第一、大人が本気で個性ある人間を求めてたことが今までに一度でもあったか。そう言って若者をおだてておいて、出て来た杭は打つ、それが大人のやり口ではなかったか(某CMみたいね)。 だから私は社会的には常に平凡を目指しているのである。でないとウラで好きなことできないものな。
夜になって、女房起きてきて、AIQで知り合ったロデムさんに電話、公演時の照明の手伝いを依頼する。どうやら快諾していただけたようでありがたい。そのあと福岡シンフォニック合唱団のUさんにも同様の依頼電話、こちらも快諾。どうやら男手は足りてきたようである。 Uさんに『独立少年合唱団』の話をしたら興味を示されたよう。忙しいので見に行けるかどうかは分らないということだったが、マジメを絵に描いたようなUさんがアレを見てどんな反応を示すかと思うとちょっとワクワクしてしまう。いけないオトナだなあ。
深夜まで、三谷幸喜とビリー・ワイルダーの対談が放送されるので起きていたが睡魔には勝てず、ビデオをし掛けて寝る。でもそうするとなかなか見ないんだよな。こうしてまた一本テープがたまっていくのだ。
はい、これで今日は打ち止め。
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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