# 唸れ雷鳴
2002年05月27日(月)
仕事の帰り。暗い空が時折光っていた。雷だった。
私は特に雷が怖いということもない。
母は雷が鳴れば耳を塞いで騒ぎ出すが、私はそういった怖さは感じたことがない。
光れば空を見、雷鳴が響けば感嘆の声を上げる。
実質的な被害さえなければ、雷は好きな方だと云ってもいい。

自転車を走らせていた。時間は夜七時。
時間帯もそうだが、雨雲というのか雷雲というのか、空にはどんよりとした雲が漂っていて空は暗かったのだが、雨は幸いまだ降ってはいなかった。
時折遠くの空が明るく光る。
「雷か…」とぼんやりと空を仰ぎながら走る。
光る頻度が高くなる。間隔が短くなる。光を追うように音が鳴る。
閃光の走る空を見上げる私の心に、僅かな恐れのようなものが瞬間的に湧く。
だがそれは、母が雷が鳴る時に感じているであろうそれとは違っているように思えた。
心に漠然と湧くそれは、所謂『畏怖』のようなものではないかと思ったのである。
『雷』という自然現象に対するこの胸に湧く『畏怖』の感情。
それはなんだか不思議と違和感なく胸の中で小さく存在した。
何かの根本に立ち返ったような気さえした。

薄紫に明るむ一瞬の空を見上げ、私は雷に対する畏怖と共に『美』を感じた。
明るむほんの一瞬に薄紫に光る空、光に照らされ姿を曝け出す黒い雲。
地響きのようなそれでいて割れるような、混じりけのない凛として力強く轟く雷鳴。
そんなものの美しさに浸って空を見上げていたら、たちまち大雨になって、私は濡れ鼠になってしまったのだけれど(笑)
家に辿り着いてしばらくすると、雨が激しくなるのと同時に、僅かいつもとは違和を感じる雨音が激しく聞こえてきた。
明らかに固体が地面や屋根に叩きつけられるように降る音。外を見る。
道路一面に、小さな氷の塊が水玉模様にように振り撒かれていた。
雹だった。黒いアスファルトに降り注ぐ白いきらきら。
かちかちと音を立てて降って来るその小さな氷の塊を手に取った。
掌でゆっくり溶けていく小さな氷は、まるくて、冷たいキャンディーのようだった。

# ORPHEE
2002年05月22日(水)
本日のおやつ時間に、レピシエのオルフェという紅茶と、同じくレピシエで購入したアールグレイのクッキーを母にご用意。
今日は珍しく母と休みが一緒だったのです。
母のために紅茶を淹れるのが実は好き。
喜んでもらえるのが好き。
美味しいと云って貰えるのが好き。
母に「紅茶淹れて」って云われると、しょうがないなぁとか云いながら、嬉々として淹れてしまう(笑)
料理の出来ない私が母にしてあげられる、唯一のもてなしだからね。
ありがとうの気持ちをいっぱい込めて。

…そういえば母の日にポテトアップルパイをホールで買っていったら、すごく喜んでくれまして。
今日おやつに出したアールグレイのクッキーとちょっと前におやつ代わりに母と食したダージリンクッキーは、母の日用に買って前日にあげたものなのだけど、それだけじゃしょぼいかと思って、母の日当日にパン屋さんでパイを買って帰ったのです。
アップルパイ、好きなんです、母が。
シナモンアップルパイだったら文句なかったんだけど、そんなものはおいてなかったんですねぇ(笑)
私がお菓子作りの出来る人だったら頑張って作るんだけど、はっきりいってそういうこと一切出来ないので…(しかも私はシナモン嫌いだしなぁ)
ポテトアップルパイてのは、アップルパイの間の部分にスイートポテトが挟まっているものでした。
家族皆で食べましたさ。私も(笑)美味しかったです、なかなか(笑)



# 神様ヘルプ
2002年05月20日(月)
悲しいとき。寂しいとき。落ち込んだとき。くすん、て泣きたいとき。
ミルク味のちっちゃなチョコレイトを一粒口に放る。
溶けていくチョコレイトと一緒に、そういうのがどこかに溶けていったらいいのにと思う。



# 『キミはボクの耀ける宝』:シャンバギ
2002年05月18日(土)


目を奪われるほどに澄み切った青空が仰いだ先にあった。
海の青に対抗しているような。いや、きっとこの空は空なりの青さで。
風はなく。海は凪。
雲はまるで昼寝でもしているように空の青の中に身を委ね。
青い青い海原に浮かぶ大きな海賊船。
暗黒の海から甦ったような朽ち果てた姿のそれが、ぽんと突然異世界に放り込まれたように、快晴の空の下、海に浮かんでいた。
オレタチ二人だけで見つけた、でっかい拾い物。
俺のアイツは、その海賊船の甲板へと駆け上がる。

朽ちたマストが折れてひしゃげている様も、破れた帆が風のない空に垂れ下がっている様も、ひどく惨めな姿のはずなのに、どこか静かで穏やかだった。
時折うたたねから目覚めた風が頬を撫で帆布を揺らして遠く去っていく。
仰いだ空。白い太陽が目映い。
手をかざし、目を細める。
陽光は穏やかな初夏の世界を優しく包む。照らすのでも差すのでもなく、光で包む。
空は青。青は海。本日は超晴天なり。
「あ〜いい天気だなァ、バギー」
大きく腕を上に伸ばして伸びをしながら呟いて、同意を求めて振り返ると、そこにアイツはいなかった。
共に上がってきた筈の相手は、隣にも後ろにもいなかった。
腕を下ろして前を向けば、視界に入るアイツの背中。
隣でも後ろでもなく、前にいた。空を仰ぐ俺を追い越して甲板へ駆け出していく姿に、俺は目を細める。
一角でおぉと声を上げてしゃがみ込むそれに、俺はのんびりと近付く。
「何かいいモン見つけたのか?」
しゃがみこむ丸い背中に声を掛ける。
熱心に何かを見つめる横顔。
顔を上げて彼がこちらを見た。にまぁと笑う。
「だははははッ俺様のお宝発見だ!俺が先に見つけたから俺のだぞ、てめぇにゃくれてやらねぇぞ!」
声も高らかに笑い、何も云わぬそばから鼻息荒く一気にまくしたてる。
こちらが目を瞬いていると、相手は俺の反応などおかまいなしに目の前のそれに熱い視線を注ぐ。
頬を綻ばせて、嬉しそうに見つめる横顔。
「おー、さすがバギーだな。さっそくお宝発見か」
笑みで綻ぶその表情を見つめてから、彼が視線をやっている場所にどれどれ、と目を移す。
ちいさな宝箱ひとつ。きらきら輝く色とりどりの宝石。
「本当だ、結構値が張りそうな代物じゃねぇか」
顔を見て笑うと、彼が頬を崩してにぃと笑い、大きく頷いた。
「すげぇだろ、やっぱり俺の眼に狂いはなかった」
満足そうに頷いて彼が自慢げに云った。確かに船を最初に発見したのはこいつだ。
どうだ誉めろといわんばかりに胸を張るバギーの姿に、自然と俺の顔に笑みが零れる。
俺の顔を見ていた相手の視線が、不意に俺の向こう側の何かを捕らえた。
あ、と口を開いて立ち上がる。俺は、ん?と首を捻って相手を見る。
「あっちに大量のお宝発見!ハデにすげぇぞー!」
俺の脇をすり抜けて、アイツが歓声上げて駆けて行った。それを俺の目が追う。
太陽の光と青空の元、跳ねるように駆けていく背中は、幼子のようだった。
思わず目を細める。
彼が立ち止まって振り返る。
満面の笑顔で俺に、見ろよシャンクス!と遠くから呼んで、来いと手で合図する。
その笑顔は、さっきみた宝石よりもずっと輝いていて。
俺にはどこか眩しかった。
「あんまり走ると転ぶぞー」
笑いながら歩き始めた俺の掛けた声に、だァれが転ぶかァッ、ハデアホがーっ!と悪ガキのような顔で返して声高らかに笑う君の、あまりにもバカで無邪気で可愛い姿を見ているのが嬉しくて俺は笑う。
早く駆け寄っていって、いやがらせにあの赤鼻のオバカさんにむぎゅううと抱きついてやりたくて。
それから、アイツが怒ったりする可愛らしい姿を見たくて。
俺は駆け出した。





前出の『蒲公英』の基本テーマ(?)を残してシャンバギに書き換えてみました。
『蒲公英』は春ウララ、だったのですが、今回は初夏っぽく。
ゾロルバージョンは書き換え部分があまりありませんでしたが、シャンバギにする際に不都合が続出したので全面的に設定ごと書き換え。
どうでもいいが、どうしてシャンバギだとバカっぽい話になるんだろ(笑)

あー。『蒲公英 ゾロルver.』とこの『キミはボクの耀ける宝』はNovelページのTYPE Bにでも追加してしまおうかと思います(笑)稼ぐな(笑)

# 『蒲公英』:ゾロルver.
2002年05月17日(金)

澄み切っているのではない、どこかほんわりとした青空が仰いだ先にあった。
風はなく。雲はまるで昼寝でもしているように空の青の中に身を委ね。
身体を包むうららやかな陽気。
広がる田んぼにはほのかな草の青と、蓮華の紫。
俺とアイツは、生きた土の上を歩み進めていく。

時折うたたねから目覚めた春の風が頬を撫でて遠く去っていく。
仰いだ空。白い太陽が目映い。
手をかざし、目を細める。
陽光は春の世界を優しく包む。照らすのでも差すのでもなく、光で包む。
気持ちのいい、春の午後だった。
「眠たくなるな」
洩れそうになる欠伸と共に笑いを零して小さく呟き、同意を求めて振り返ると、そこにアイツはいなかった。
少し前に自分が通り過ぎた場所、道端の一角にしゃがみこむルフィを見つける。
ほんの一瞬だけ、具合でも悪いのかと眉を顰める。ほんの一瞬だ。
すぐさまそれが杞憂と頭が思い出す。ルフィの癖。
道草癖。
「何か見つけたのか」
しゃがみこむ丸い背中に声を掛ける。
膝を抱えた腕に顎を乗せて、熱心に何かを見つめる横顔。
顔を上げてルフィがこちらを見た。笑う。
「たんぽぽ!」
短く答える。嬉しそうに頬を綻ばせて俺を見上げた。
まるで、ルフィの唇から春が零れ落ちたような、そんな無邪気で暖かい響きだった。
「たんぽぽ?」
笑みで綻ぶその表情を見つめて答えたその言葉を繰り返してから、ルフィが視線をやっていた場所に目を移す。
ちいさなたんぽぽひとつ。
黄色い、花。雑草の中に愛らしく咲いていた。
「…本当だ、たんぽぽだな」
顔を見て笑むと、ルフィは頬を崩して笑い、大きく頷いた。
「可愛いな、たんぽぽ!」
にぃっと嬉しそうに頷いてルフィが云った。
自然と俺の顔に笑みが零れる。
俺の顔を見ていた相手の視線が、不意に俺の向こう側の何かを捕らえた。
あ、と口を開いて立ち上がる。俺は目を丸くしてルフィを見る。
「あっちにいっぱい咲いてるぞ!すっげぇ!」
俺の脇をすり抜けて、ルフィが駆けて行った。それを俺の目が追う。
春めいた景色に駆けていく背中は、幼子のようだった。
思わず目を細める。
ルフィが立ち止まって振り返る。
笑顔で俺に、早く来い、と手で合図する。
春の太陽みたいに、あたたかくて柔らかくて、眩しかった。
「あんまり走ると転ぶぞ」
笑いながら歩き始めた俺の掛けた声に、転んだらゾロが起こしてくれ!と、楽しそうに返して笑うお前のそのあまりにも無邪気な姿が。
俺には、眩しくて。
早く駆け寄って春の太陽を腕の中にすっぽり収めてしまいたくて。
俺は足を速めた。





先日日記に書いたボーイズラブショートストーリーをゾロルバージョンに書き直してみた(笑)
ていってもたいして書き直してないし(笑)
もともと私の書く小説というのは、人物を入れ替えて書き直しが出来るタイプのものが多い。
そしてこういうアホな遊びをするのが好きだ(笑)
しかしいささかシャンバギでの書き換えは無理だな…
蒲公英をお宝に書き換えれば基本をそのままにして書き換えも可能かな?
それはそれで面白そうだ…(笑)

# パイナップル味
2002年05月15日(水)
んむ。今キットカットのパイナップル味が出ているけれど、美味いんだろうか。
オレンジ味はワタシ的に微妙だった。合格点すれすれ、みたいな(笑)
マネキンさんが試食販売にウチの店に来ていたが、従業員の私が仕事中に試食出来る訳もなく。
休憩中にはマネキンのオネエサンは居らず。
仕事が終わった後には彼女ももうとっくに帰ってしまっていた(笑)
じゃあ試食ナシで買えばいいのに、勇気がなくて普通のキットカットを買う私(笑)
だってマズかったら全部食うの辛いじゃないか。
ジャスミンミルクティーで散々泣いたのはつい一昨日のことだし。
WILLタブレットのココア味チョコを放置してあるのも忘れちゃならないし。
マズいものを買ってしまった後って、始末に大変困るのだよね。
パイナップル味、誰か試食してみてください。美味そうではあるのだがね。

パイナップル味といえば、季節ごとに中身のクリームの味の違うものが発売されるシュークリームが、ウチの店に置いてある。
4月はオレンジ、5月がパイナップルだった。
それなりに人気があるらしく、いつも買えなかった。
ホントはオレンジ味が食べたかったのに、買えないうちに5月に(笑)
仕方なくパイナップル味を買った。甘かった…(笑)
でもお疲れで腹減りな時の母にはちょうど良かった模様。食ってました。
最近自分のために買ったパンやおやつが家のものになっている事実が発覚。
私が自分の朝食にと買ったパンを何故父が食べてるんですか(笑)
私の朝食返せ(笑)

先日、日記にも書いた、お絵かき掲示板に書いたというルフィの絵。
ギャラリーにUPしてみた(笑)
ウチのギャラリーは貰い物以外が閑散としているので、せめて物を増やそうと。
でも私がお絵かき掲示板以外で絵を描かない為、お絵かき掲示板モノしか増えない。
ま、いっか。…と思ってるからダメなんだろうね(笑)


# お絵描き
2002年05月11日(土)
随分遅くなりましたが、ルフィさん誕生日おめでとう。
決して忘れていたわけでは……(云い訳がましいので以下口を噤む)

昨日、某お友達のサイトのお絵かき掲示板にルフィの誕生祝という名目でルフィを描かせて貰いました。
描きあがって改めてふと思ったのだけれど。
描くたびに絵が違うのはどういうことだろうか(汗)
絵、変わった?と聞かれると困ってしまう。
描くたびに違うんです。
全く。
どこかにきっと私の絵の特徴というか癖があるんだろうけど…
安定しませんね、昔から。
でも描くのは楽しいです。

ウチのサイトのお絵かき掲示板、せっかく苦労してCGIを弄って設置したものなのに、使えなくなってしまった。
いや、使えるには使えるんですが。
もう面倒なので、お絵かき掲示板のレンタルを今度しようと思ってます。
今のは水彩も使えないですしね。
ただ問題は、30日間投稿がないと使用できなくなってしまうらしいこと。
…もしレンタル出来たら皆さん描いてやってください…
月に一回管理人投稿のみ、だったら笑えますね(笑えません)


2001年05月11日(金) トイレ騒動
# バスケマンガの次はサッカーマンガかよ
2002年05月10日(金)
また嫌な病気が再発。リニュ病(笑)更新なしサイトにしたくせに。
特に日記と掲示板のデザインが納得いかない。
でもイマイチ思い浮かばないので、代わりにウェブリングの方をリニュ計画中。
もっと判りやすくてすっきりしたページにしたい。
規約とか、登録の手順が判りづらいと前々から思ってはいたのだ。
で、長期休止中にリニュしようと思ってはいた(笑)
でも色々忙しくて、リング内の点検と新規登録を再開するのがやっとだった。
なのでちまちまと整理をしていこうかと始めてみた。
楽しいけれど完成する日は来るのかね(笑)

ここしばらく、「シュート!」(大島司)のシリーズを読み漁っている。
中学の頃友達と共に超ブームが襲来して読み漁っていたのだが。
その友達がいつも新刊を貸してくれていたので、卒業してなかなか会えなくなったらそのままブームも消えていった(笑)
で、最近になってレンタルコミックしてみたら、懐かしくて大ハマり(笑)
中学の頃は、全国大会の途中までしか読んでなかったらしい。
〜蒼き巡り逢い〜を飛ばして〜熱き挑戦〜、〜新たなる伝説〜を読破。
現在、〜蒼き巡り逢い〜を読み中。順番が変です(笑)
中学の頃は久保さんが特別に好きだったのだけど、ここまで読み進めていくとやっぱり神谷さんがいいなぁと思いますねぇ。
闘将、惚れますよ。すごいヒトだねぇ。
アニメもほぼ全部見たはずなのに、健二以外誰が誰の声優さんだったのか覚えていないのは何故なのか(笑)
もう一度見たいのだけど、近所のレンタルショップには置いてなさそう。
トシが10番を初めて着ることになって苦悩する回の神谷さんの絵が綺麗だったのをはっきりと覚えている私(笑)
もう一度見たい……切実に。


BGM:卒業まで、あと少し/GLAY

2001年05月10日(木) リニュ病・・・凹・・・
# ピカピカ
2002年05月03日(金)
爪を磨くのが好きだ。
勤めているところはマニキュアは透明以外禁止。
というか、マニキュアしてるとラップがくっついたりして恐ろしく気持ち悪い。
もともとマニキュアなんぞ毎日するほどマメではないので、しない。
出かける時もあまりしない。好きな方ではあるのだけど。
その代わり、爪を磨くのが好きだ。
爪のお手入れセットなるやすりで磨く。ピカピカする。気持ちがいい(笑)
ピカピカした爪を見るのが好きだ。
どうせすぐにボロボロになってしまうのだけど、少しの間でもピカピカしているのは嬉しい。
爪のお手入れに余念がない、というのではなく。
ピカピカが好きだ、単に(笑)
勿論ネイルアートなぞもしないし、付け爪もしない。爪も伸ばさない。
形も特に整っているわけでもない。
でも時折ピカピカな私の爪(笑)
これでもっとすらりとした細くて綺麗な指だったらいいのになぁ(笑)
指が…というか手が小さくて、ちょっぴりぽちゃっとしてる手なので、お世辞にも綺麗とは云い難い。
まず、手自体が小さい。そして指が短い(笑)特に小指が(笑)
骨っぽい手に憧れてたりする。程遠い私の手。
手の甲の…なんていうんですか、指の付け根近くの拳握った時に骨が出るトコあるじゃないですか。
あそこがね、手を広げた時に筋が浮き出るんじゃなくて、えくぼになるんです(笑)
赤ん坊の手じゃないんだから(笑)つーか未だに親にからかわれる私の手。
爪は父親に似て縦に少しだけ細長いので嫌いではない。
綺麗な手にはなれないので、せめてピカピカの爪になりたいと思う私でした(笑)

# 『蒲公英』
2002年05月01日(水)


澄み切っているのではない、どこかほんわりとした青空が仰いだ先にあった。
風はなく。雲はまるで昼寝でもしているように空の青の中に身を委ね。
身体を包むうららやかな陽気。
広がる田んぼにはほのかな草の青と、蓮華の紫。
僕と彼は、生きた土の上を歩み進めていく。

時折うたたねから目覚めた春の風が頬を撫でて遠く去っていく。
仰いだ空。白い太陽が目映い。
手をかざし、目を細める。
陽光は春の世界を優しく包む。照らすのでも差すのでもなく、光で包む。
気持ちのいい、春の午後だった。
「眠たくなるな」
笑いを零して小さく呟き、同意を求めて振り返ると、そこに彼はいなかった。
少し前に自分が通り過ぎた場所、道端の一角にしゃがみこむ君を見つける。
ほんの一瞬だけ、具合でも悪いのかと眉を顰める。ほんの一瞬だ。
すぐさまそれが杞憂と頭が思い出す。彼の癖。
道草癖。
「何か見つけたのか」
しゃがみこむ丸い背中に声を掛ける。
膝を抱えた腕に顎を乗せて、熱心に何かを見つめる横顔。
顔を上げて彼がこちらを見た。笑う。
「たんぽぽ」
小さく答える。嬉しそうに頬を綻ばせて僕を見上げていた。
まるで、彼の唇から春が零れ落ちたような、そんな無邪気で暖かい響きだった。
「たんぽぽ?」
笑みで綻ぶその表情を見つめて彼の言葉を繰り返してから、彼が視線をやっていた場所に目を移す。
ちいさなたんぽぽひとつ。
黄色い、花。雑草の中に愛らしく咲いていた。
「本当だ、たんぽぽだな」
顔を見て笑むと、彼が頬を崩して笑い、大きく頷いた。
「可愛いな、たんぽぽ」
嬉しそうに頷いて彼が云った。
自然と僕の顔に笑みが零れる。
僕の顔を見ていた相手の視線が、不意に僕の向こう側の何かを捕らえた。
あ、と口を開いて立ち上がる。僕は目を丸くして彼を見る。
「あっちにいっぱい咲いてる!すっげぇ!」
僕の脇をすり抜けて、彼が駆けて行った。それを僕の目が追う。
春めいた景色に駆けていく背中は、幼子のようだった。
思わず目を細める。
彼が立ち止まって振り返る。
笑顔で僕に、来い、と手で合図する。
春の太陽みたいに、あたたかくて柔らかくて、眩しかった。
「あんまり走ると転ぶぞ」
笑いながら歩き始めた僕の掛けた声に、転ぶか、バァーカ!と悪戯っ子のような顔で返して笑う君のそのあまりにも無邪気な姿が。
僕には、眩しくて。
早く駆け寄って春の太陽を腕の中にすっぽり収めてしまいたくて。
僕は足を速めた。




意味もないショートストーリーでした(笑)
即席で今突然書いてみた。
オリジナルボーイズラブ??

2001年05月01日(火) 脳が寝てるんで。
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