心の家路 たったひとつの冴えないやりかた

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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2005年05月18日(水) いろいろ

我が家の電話はISDN(INS64)を使っています。これは以前インターネット接続にISDNを使っていた頃のなごりなのですが、ダイアルインなどのISDN特有の付加サービスを使っているせいで、割高なのはわかっていてもアナログ電話に戻せません。
電話の保安器がある場所の近くにISDNの終端機器(TA)を設置したおかげで、そこから我が家の電話機まではアパートの外壁に沿って10メートル以上の電話線(モジュラー線)が伸びています。

木造家屋の中に長い電線を置くと、雷が鳴っている時に、雷誘電という現象が起きて電線に電気が流れます。ましてそれが壁の外を這っているとなればなおさらです。終端機器のポートは意外に誘電に弱く、近くに落雷があるとたいてい壊れてしまいます。
壊れて電話が使えなくなれば、もっと真剣に対策をするのですが、中途半端な壊れ方をするので、本腰を入れて雷対策をしようという気になれません。現象としては、外線がかかってきたときに、電話をオフフックすると、その瞬間に電話が切れてしまいます。たった0.何秒の通話ですが、それでも相手には10円課金されてしまいます。
外から携帯電話で自宅にかけると、「トルルル」と鳴っていたものが、いきなり「ツー」という話し中音になり、通話料金10円と表示されます。これはなかなか腹立たしいです。
2回続けてかけると2度目はちゃんと通話できます。慣れというのは恐ろしいもので、これが当たり前の状態だと思ってしまいます。
中古のTAを買ってきて取り替えるという消極的な解決方法を3〜4回やったのですが、近所に落雷があるたびに壊れるので、もうそろそろうんざりしてきました。

保安器と電話機が離れた家のために、無線で接続するTAがあったので、オークションで競り落として、今日取り付けました。これであの腹立たしさから逃れられるはずです。
そのかわり、停電すると電話がまったくかからない家になってしまいました。

先日書いた、処置入院になっている仲間に面会にいってきました。もちろん本人に会おうとしても無理なので、一緒に閉鎖病棟に入院しているAAメンバーに面会するという名目です。
我が家の本棚で遊んでいた、一番分厚いビッグブックを一冊持って行きました。前半よりも、後半の個人の物語が何か彼の刺激になってくれればという期待をもってです。それから、タバコを3箱ずつ。

彼とは僕がAAグループを作ってからのつきあいで、断続的に4年ほど一緒に活動したでしょうか。しかし、今日会った彼に当時の面影はほとんどありません。なんとなくぼんやりとした感じで、目も言葉も焦点を結んでいません。
処置入院は1年半で解けたものの、医療保護入院はまだ続いていて、保護者が付き添わないとAAミーティングへの外出もままならないのだそうです。その保護者というのが僕で良ければ、休職中のうちは、一番近いミーティングまでは付き添ってあげるよと請け合ったのですが、彼は医者の許可が下りるかどうか心もとなさそうでした。(そして、僕の心の中にも面倒くさいという気持ちがなくもないのが真実です)。
30分ほど昔話をしました。出てきた名前の大半は「現在消息不明」でありました。
AAミーティングに出て、聞いて話すことに時間をかければ、彼の痴呆にも似た症状は消えていくのだろうと思います。しかし、退院の許可は下りそうにないし、たとえ退院したとしても彼を受け止める受け皿は今の社会にはほとんどないでしょう。
「懲役のほうが良かったなぁ」という話もしました。
なんだか切なくなって病院を後にしました。彼が「個人の物語」に興味を持ってくれたのが唯一の救いです。

AAミーティングでは僕のバースディミーティングをして頂きました。他グループから、それから病院からの人も加えると、十数人のにぎやかなミーティングになりました。去年は6人のミーティングで、そのうち3人はほかのグループからのゲストだったことを思えば、増えています。なによりもそのことが僕にはうれしいことであります。
いろんな要因が重なっているとは思いますが、僕としては個人の経験談だけの分かち合いだったのが、ビッグブックを輪読しての分かち合いに変えた頃からの変化のように思っています。

僕は自分では色紙を回さないくせに、若い仲間が僕の色紙を回してくれて、ネットでしか触れあったことのない仲間や、遠くてなかなか会えない仲間の言葉をもらってきてくれました。今夜それは僕の元に届きました。ありがとうござました。
それから、色紙を回してくれた仲間に礼を言ってないや。今度言っておかなくちゃ。

こちらの主宰の方からゲシュタルトの祈りについての訂正情報をいただきましたので、更新しました。

「出会えないことも、出会えることと同じぐらいに素晴らしい」

今夜の僕は、この言葉をかみしめています。


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by アル中のひいらぎ |MAILHomePage


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